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身体が一つ一つよくなっていくプロセスについて

裏を建てることの難しさ。

身体がよくなっていくことのプロセス

ある患者さんから、

「仕事の出来ないほどのだるさ、辛い痛みなどの症状は消えて、しっかりと動ける働ける状況になりました。でも、治療を始めてから耳の裏とお尻アタリにぐじゅぐじゅした湿疹がでています。これは体調がわるくなったということでしょうか?」

と言うご質問を頂きました。

私は、全体の流れ、つまり仕事も出来ないほどのだるさ、痛みからの解放は、身体の状態がよくなってきたことをしっかりと示していると思います。なんとか日常生活を取り戻すことができたわけです。

さて、そのうえで、なぜこの方の耳やお尻にぐじゅぐじゅの湿疹ができるのかを考えてみたいと思います。

もともと、この方は身体の疲労が非常に強くなっている疲労困憊のうえに、必死でがんばり気を建ててナントカ仕事をしているうちに、強いだるさと痛みの症状があちこちに出現し、どうにもならなくなっています。

これは、脾腎の土台がなくなっているのに、肝気(生きる意思、がんばる心)をたてているうちに、肝気が熱をもちあちこちに暴走し関節の痛みとなり、末端にどどまり、底支えする生命力が尽きてしまったために強いだるさで日常生活もおくることが不自由になっていたと思います。

 

これを脾腎の土台をしっかりとたて、肝気をそれなりの位置にもどすことによって、日常生活がとりもどせ、痛みもそれなりに落ち着いてきたと思われます。ご本人の努力のたまものです。しかしながら、肝気の暴発と鬱熱は本来は下から便となって排出されたり、汗となってでるべきですが、これが腎気の弱さと気逆が強いためにしっかりと排出できず、場として弱い耳の後ろやおしりでのぐじゅぐじゅの皮膚になっていると思われます。ですので、基本的には熱がここから漏れているということではないかと類推しています。つまり、もう一歩ではあるけれど、熱が自力ででていっている、このことによってあちこちの痛みは解決し、強いだるさも解決しているわけです。

この湿疹は、ただ治せばよいのではなく、本来の熱の排出である、汗による肌表からの発散と、便による排出でおこなわれるべきで、まだその一歩に踏み出せていないということなのです。

どうしても、目の前の症状が気になりますよね。皮膚がぐじゅぐじゅしていればそれはそのとおり気にならない分けがありません。気になるのは当たり前。それはよくわかります。
ただその気になることを中心にしてよいのかを考えてみたいなと思うのです。

身体をまるごと一つのものとして考え、生命力や気の偏在のありようをどうなっているのか考える。そしてやるべきことをやって、しっかりと前に進んでいき、気持ちの良い日々をおくって頂きたいなあと切に願っております。がんばりましょうね。