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セックスレスでの不妊治療対策

不妊カウンセリングをしていると、案外多いお悩みがセックスレスです。

当事者の方々は、誰にも相談出来ず悩みに悩んでと言う方が多いです。
まあ、それはあたりまえ。
子供が欲しいと思っているのに、大前提である性交渉が出来ていないって言うのは
誰にも相談出来ないっていうのもよくわかります。

このあたりは、個人の考え方に大きく選択がわかれるところですね。
どの選択も、間違いとか、いけないってことはなくて、
何を選んでもいいんじゃないかなあって私は思っています。

 

☆ご主人がどうしても性交渉が出来ない場合

あるときご主人がどうしても性交渉が出来ないタイプの方がいらしゃいました。
お話しを候うと、自慰行為はできるということなので、『病院で人工授精などの不妊治療の相談をしてみたら?多くの方が治療を前に進め、お子さんを得ていますよ』とお話ししました。

こういった場合、タイミング法がとることができずに、いきなりの医療介入ということにはなりますが、沢山の方がその方法で、スムーズに治療を進められています。
当事者が思うほど、珍しいことでもなく、根掘り葉掘り聞かれることもなく、
治療は前に進みますよ。

☆ご主人がどうしても病院へ行きたくないという場合

 

ときに、ご主人が『病院へ行くのはいやだ』ということで、医療介入の選択をしないまま、不妊治療が終了することもあります。まあ、このあたりはご夫婦の選択でしょう。

納得出来ればそれも当然アリの選択です。
ただ、奥様が病院受診をして相談してみるのはいいのかなと思います。

ある病院は、人工授精や体外受精などのための事前検査の血液検査は、不妊治療と別の日にさらっと行い、婦人科への通院は奥様だけという配慮をしてくれ、治療が前に進んだケースがありました。

男性側の、『医療介入がいや』という言い方は、ときに、『自分が不妊治療で病院にいくのがイヤだ』ということが問題になっているケースがあります。自分がいかなくいていいなら、不妊治療に協力するという男性も珍しいことではない印象ですねえ。

まあこれに関して、『男性だって病院にいって夫婦で一緒に考えるべき』という正論もありますが、私は最終的には法的、医療的にOKであれば、いいんじゃないのって思います。拘わるのそこじゃないでしょって思うのですよ。
まあ、男心は繊細ですね(^^)。

☆人工授精について

適応についてはこちらをご参照ください

日本生殖医学会 http://www.jsrm.or.jp/public/index.html

最近、人工授精を積極的にするクリニックが案外すくないなと思います。
まあ、不妊治療を開始する年齢が高めで、時間節約のために治療をジャンプupという選択も時にはありでしょう。

しかしながら、人工授精もときに大きな力を発揮することもあります。

自然妊娠に近い形で、低いコストというのは魅力でしょう。

☆人工授精が力を発揮する二つのタイプ

大きく、男性要因の不妊と、セックスレスに力を発揮してくれます。

☆☆男性要因の不妊に効果的

ある患者さんで、男性側の精子が今ひとつという方。3回目の人工授精で濃縮洗浄した精子があまりよくなく、奥様は文句タラタラおっしゃっていましたが、そのよくなかった精子の人工授精で無事に妊娠、出産なさいました。

よくないといっても、自然よりもやはり濃縮洗浄した精子の方がよかったのかなと感じます。

ただ、男性要因の不妊は男性側の健康度upで案外ぽろっと自然妊娠もしますので、ぜひ男性要因の場合は、健康度アップへの努力をしてみてください。睡眠、食事の改善などなどで女性よりもストレートに精子の状態が改善し、妊娠へつながるケースを多く経験しています。

☆☆セックスレスカップルに力強い味方。

不妊カウンセリングをしていて、案外多いのがセックスレスカップルです。

もう、そこは仕方がないとあまり追求しないのも一つの手ではないかなあと思います。二人で納得のいく形であれば、人工授精や体外受精などをセックスレスの問題解決に使うということもありだと私は思います。

☆☆☆そして、シリンジ法。

セックスレスの強い味方となるかなと思います。

これは実はある患者さんがの体験が私の考えを前に進めてくれました。

体外受精を何度も繰り返していらっしゃりましたが、なかなか妊娠せずの状態。病院を変えたところ、そこのドクターがまず『シリンジ法』を進めてくださり購入。なんと1度のシリンジ法で妊娠されたとのことでした。逆子でのご来院で、その途中の世間話で今回の妊娠に関する経緯と言うことでお話しくださいました。

体外受精を何度もして、胚移植を何度もしていたのに妊娠出来ず転院。
転院先のドクターが『今の状況だったら、シリンジ法を試してみたら』と勧めて下さったという
ことなのですよね。私はセックスレスカップルが病院でドクターからシリンジ法を勧められたという話しは初めてで、ちょっと驚きましたが、そのたった1回のシリンジ法が、この方にとっては何度も繰り返してダメだった体外受精を凌ぐ成績ってのが、生殖医療の不可思議なところですよね。

その後、数名の方にこの方法をお伝えしています。ご自身で購入して頂き、妊娠出産に結びついた方もいらっしゃります。病院にいかなくてもいいというのは本当に気が楽なのではいないかなと思います。

ただし、このシリンジ法については、衛生面での問題を生じることもあるようですので、ご自身でよく製品などについては調べて納得頂いた上で挑戦して頂くのがよいかと思います。シリンジを販売しているクリニックもあります。

☆まとめ

不妊治療は医療介入を少なく!ということが大原則です。ただし、セックスレスカップルには、人工授精や体外受精はおおきな助けになります。そんなに悩まず病院で相談してみるのもいいかなと思いますよ。

セックスレスでも不妊治療は前に進めることは出来ます。

セックスレスと不妊治療

不妊治療にいらした方に私は必ず『セックスしてます?』と伺います。

セックスしないと子供は出来ません。皆さんこんなことは充分ご存じでしょう。
でも、セックスは一人じゃ出来ないんですよね。

また、
子供が欲しいとセックスがしたいはイコールではありませんよね。

ここの課題を越える方法は、あります。
基本的に、ご夫婦がセックスできるようにする道を探すことがベストではあると思います。ただ、女性側や子供が欲しいと思っている側から、このようなアプローチは現実的ではないと私は思ってしまいます。

もし男性側がセックスを拒否(消極的な拒否も含めて)し、かつ不妊治療も拒否するという事態になると、女性の年齢ばかり積み重なり、結果的に『子供を持つことが出来ない』ということになります。私は何人もの方のこういった相談にのってきました。

ふとセックスレス 不妊で検索すると、あまりにも心に突き刺さる言葉や文章に満ちたブログに行き当たりました。

『女を磨けとかさ、そんなアドバイスいらんから。
他の人を探した方が早いよ。
10年前の私が 今の自分のブログを読んでいたら、もう再婚して子供が居たのかも知れない。』セックスレス高齢不妊からの離婚

悲しいけど、そのとおりだと思いました。この方のブログは気持ちにしみました。

現実的に不妊治療を前に進めるコツ3つ

1)早めに不妊治療に舵を切る
2)セックスレスの原因が男性側の場合は、追い詰めても無駄
3)夫婦関係をよく保つのか、破綻しても仕方がないと思うのか肚のくくりは必要

セックスのことは切り離して、『子供が欲しい』で一致すれば話は早いです。
ただ、時に男性は、『そもそも子供とは・・』とか、『そんなことまでして・・・』などというあたりで、時間や年齢を考えずに結論を出さない時間をかけます。30代後半の女性の時間の大切さは、不妊治療に足を踏み入れないと気がつけないのが悲しいですねえ。

こういったお話しを伺うと、私は、もういっそのこと自分一人で出来る『卵子凍結』でも選択してしまおうかという気持ちにもなります。まあ、諸般のことを考えると現実で気ではないのかもしれませんが・・・。

男性にとっての子供をもつ、女性にとっての子供をもつの温度差

男性にとって、『子供を持つ』ということは、『子供の顔を始めて見る』そのときからスタートするのかも知れません。だから、子供のイメージがまったくない『不妊治療』は選択に躊躇われるのかも知れませんねえ・・・。