反対」タグアーカイブ

ドミノの採卵、移植を進められ迷っています:不妊カウンセリング0326

ドミノの採卵、移植を進められ迷っています:不妊カウンセリング0326

不妊治療は迷うことの多い治療です。

そして、正解が沢山あるんです。

アンケートのお返事でとある方がこんなコメントをくださいました。

そうなんですよね、迷うことがいっぱいで沢山一緒に考えていきました。
この方はご無事な出産までたどりつけ、本当によかったなと思います。

では、ある患者さんの例をあげながら、不妊カウンセリングの実際をお話ししていきますね。

ご相談:
39才女性、37才の時に1度妊娠するものの化学流産でした。
不妊専門クリニックにて、体外受精、新鮮胚移植をするも着書したが妊娠せず。
今後はどうしたらいいか迷っています。

選択肢:
先ず第一に1度自然妊娠しているという事実です。
このことは案外大きいポイントですね。
体外受精が必須条件ではないのです。

・男性要因を考える
・体調を整えることを考える

この2点をすることで、自然妊娠を狙いつつ、体外受精へ向けての身体作りをしていくという
時間をとります。35才以下の方であれば、この期間を半年-1年とってもよいですね。
この期間で自然妊娠をする方、案外、多いです。

・年齢要因を考える

年齢要因を考えると、どちらにせよ、妊娠そのものが難しくなっていく年齢です。
ココで何もせずにというのは、精神的にも辛いと思います。ですので、採卵をし、凍結胚をつくり
時間稼ぎをするという選択肢もありです。

・病院からの提案。

採卵し、凍結胚を作りましょう。

・採卵の結果
残念ながら、成熟卵がとれず、変性卵と空砲のみ。

・結果を踏まえ次の選択

1度自然妊娠していますし、前回は正常受精し、移植ができてるんだから、そんなこともあるさということで、気を取り直して再挑戦しましょう

・採卵し、再度新鮮胚移植を提案される。

着床しているので、同じ提案なのでしょう。
ただ、採卵するととても緊張なさるのですよね。採卵と移植の周期をわけるのはとても身体は楽です。
もし、複数個とれ、内膜もOKならば移植。そうでなければ凍結するのもよいでしょう。

・採卵し、一個凍結胚(胚盤胞)ができる。年齢40才へ。次の採卵はドミノを提案される。

凍結胚が出来て良かったですね。
年齢的に卵が余り出にくくなっているので、ドミノの提案があったのでしょう。
ドミノというのは、始めにやったような、採卵してそのまま移植するということで、
その採卵が上手く行かなかったら、そのまま凍結胚を移植するということですね。

年齢要因がある、卵がとれにくいということで、採卵を先に進めるための提案だと思います。
ただ、費用などの点を考えると、採卵するならば複数個狙えるように薬をつかうのもよいかと
思います。その場合は内膜が薄くなる可能性から新鮮胚移植は可能性が薄くなりますね。

過去に成功(着床まで行けば治療としては不妊治療としては成功だとは考えられますね。)していることと同じ方法を使うのはよいのではということは、選択肢として充分考えられます。

次の選択肢

・ドミノで胚移植(排卵誘発剤は原則使わない)
・採卵はせずに胚移植
・移植はせずに採卵のみ(排卵誘発剤を使う)

選んだ選択肢:
年齢要因もあり、採卵したいという思いもあるが、移植をしてみたい。
採卵はとても緊張してしまう。仕事との兼ね合いで1つの周期に休みをもらうのに気が引けてしまう。
ご主人が、凍結胚があるのに、再度の採卵についてあまり賛成してくれなかった。

選択:採卵はせずに胚移植

結果:無事に着床、鍼灸治療の頻度をぐっとあげ、着床から心拍確認までしっかりと経過
無事の出産

この方にとっては、それなりの卵はちゃんと出来ています。移植後の体調管理が一番必要だったわけですね。採卵と移植を切り離すことで、リラックスして移植が受けられ、移植後の身体のケアも十分出来たので、無事のご出産につながったと思います。

不妊治療はここであげたように、沢山の選択肢があります。
この方の場合、第二子を強く望むという選択肢があれば、移植はせずに採卵のみという周期を
何回かやってみるのも良かったのかもしれません。
ただ、費用的なことも重い負担となりますので、よく考える必要がありますね。

不妊カウンセリング、ご相談、お待ちしております。
一緒に考えていきましょうね。

不妊:相談 妊娠しました! 800ドル(約9万円弱)の超音波エコー⑧

今回は⑧:不妊:相談 妊娠しました! 800ドルの超音波エコー

妊娠が結局なんで成立したのかはよく分からないことも多いです。不妊カウンセリングで肩の荷が降りたらするんと妊娠することもあるでしょうし、作戦が功を奏することもあります。まあなんにせよよかったな(^^)って思います。そして話は日本とアメリカ不妊治療事情へと。かなり違いますねえ。

それでは、続きです!

…Nさんからのメール
ご無沙汰しております。
実は、なんと、無事に妊娠しました!

ただ今7週で、心拍も確認できました。

とっても嬉しいです。
先生とメールできたおかげで、迷いがなくなったのがよかったのかも知れません。
実は、今周期は、排卵日近くに歯科手術の予定があったため、
最初はクロミッドを飲まずにスタートしました。
案の定卵胞は育っていなかったので、16日目からクロミドをのみましたが、
それでも育たず、さらに2段階投与でようやく30日目で排卵しました

 

こんな経過だったので、全く期待していなかったのですが。
卵胞の成長を見るため、エコーを5回くらい行いましたが、1回のエコーが290ドル!
これでは破産すると看護婦さんに泣きついたら、上限800ドルというパックがあるらしく、
800ドルで済みました。でも今のレートだと10万円弱。

 

これがいつまで続くのかと恐れていたのですが、妊娠できて本当によかったです。病院以外に行った妊活は、鍼治療を週1回と毎朝のウォーキング20分。息子が泣いて行けない日もありましたが、2か月くらい続けました。前回もウォーキングを始めてすぐ妊娠したので、ウォーキングはとってもいいのかもしれません。患者さんに勧めてみて下さい。

それから、6月10日に赤ちゃんを産んだ友達にお願いしていた赤富士の絵。このジンクス、信じていなかったのですが、すごい効き目でした(笑)。今も鍼治療と自己流お灸を続けています。

 

棒灸どうか無事に生まれてきますように。
本当に先生のアドバイス、ありがとうございました。また途中経過も報告します。ご参考までに体温表を添付しました。まずはご報告まで。N

私から~よかったねえ。棒灸をしっかりね!
こんにちは(^^)
アメリカでの妊活、無事に一段階クリアできた様でなによりです(^^)
それにしても高い!!
ですねえ、いまちょうどカナダから来ている方と
話していたのですが、アメリカの方がだいぶ高いですねえ。
いま7wですか。
お腹の棒灸をしっかりするとPが安定します。
12wまでは気を抜かず、頑張ってみてくださいね。
それでは!また、報告メール楽しみにしております。

→次はこちら⑨:日米カナダの妊婦健診事情 出生前診断

さて、このシリーズの目次を出しておきますね
不妊:排卵障害でもステップアップしない 自然妊娠 出産
①:不妊:排卵障害でもステップアップしない。自然妊娠プロローグ
②:ステップアップは了解しない夫との不妊治療
③:不妊:薬をやめて不妊カウンセリング鍼灸治療での自然妊娠
④:第二子への挑戦 メールでの不妊大作戦!
⑤:海外での不妊治療事情 PCOS  クロミッド
⑥:不妊:相談 海外での不妊治療、どの様に進めたらよいでしょうか?
⑦:不妊:相談 基礎体温表の手がかり 排卵検査薬の難しさ
⑧:不妊:相談 妊娠しました! 800ドルの超音波エコー
⑨:日米カナダの妊婦健診事情 出生前診断
⑩:海外妊婦健診事情 出産報告

スタートしましょう。

 

不妊:相談 ステップアップは了解しない夫との不妊治療−②

不妊:排卵障害でもステップアップしない 自然妊娠 出産シリーズの②

さて、このシリーズの目次を出しておきますね
不妊:排卵障害でもステップアップしない 自然妊娠 出産
①:不妊:排卵障害でもステップアップしない。自然妊娠プロローグ
②:ステップアップは了解しない夫との不妊治療
③:不妊:薬をやめて不妊カウンセリング鍼灸治療での自然妊娠
④:第二子への挑戦 メールでの不妊大作戦!
⑤:海外での不妊治療事情 PCOS  クロミッド
⑥:不妊:相談 海外での不妊治療、どの様に進めたらよいでしょうか?
⑦:不妊:相談 基礎体温表の手がかり 排卵検査薬の難しさ
⑧:不妊:相談 妊娠しました! 800ドルの超音波エコー
⑨:日米カナダの妊婦健診事情 出生前診断
⑩:海外妊婦健診事情 出産報告

スタートしましょう。

 

一人目のときには、『ステップアップを了承しない夫』との不妊治療です。不妊治療は夫婦二人での話し合いがとても大切です。ときに必要なステップアップを反対され、不妊治療そのものが成立しない場合もあります。

しかしながら、昨今の『急ぎすぎる不妊治療』もしかしてこのご主人は非常に賢明な判断をされたのではないでしょうか?

体外受精胚移植の生産率は30代前半でも7%程度です。つまり1回の採卵で妊娠出産まで到達できるのは100人に7人!。しかしながら不妊の定義に当てはめれば、こんな程度なのも実は納得なのです。

ですので、他の手段が本当にダメなのかを確認するのは、案外大切であり、生殖医療は介入が低いほど安全の大原則にものっとっています。

今回のケースは、排卵が毎月ない多膿疱性卵巣症候群。ちょっと注意しなければならないのは、多嚢胞性卵巣症候群などと血液検査などの結果から診断されても、『毎月排卵がある』状態であれば、薬などの医療介入はいらないようですね。先日もいらっしゃった方が、他院でのカバサール服用を専門クリニックでは否定されてしまったと話されていました。毎月排卵があれば、多嚢胞性卵巣症候群と診断されても服薬などは必要ないと言うことです。

しかしながら今回のケースはかなり重度の排卵障害であり、この場合は、薬での調整が難しいので体外受精へのステップアップは充分考慮に入れることが可能なケースとなります。なぜならば、多嚢胞性卵巣症候群の場合は、薬での誘発コントロールが難しのです。卵胞が出ない状態では意味がなく、卵胞が出過ぎれば多胎妊娠の可能性からその周期は見送りとなってしまいます。

体外受精になれば、沢山卵子が採卵でき、受精卵も多く出来、結果として1度の採卵で多くの凍結胚ができ、妊娠出産がスムーズに進むと言うことも多くなります。

しかしながら、今回はご主人が『そこまでしなくてもいいんじゃない〜』とおっしゃり、ステップアップをしない決心をなさっています。

さて、この症例はどうなるのでしょうか。

相談:
32歳です。病院で不妊治療をして1年ほどになります。多嚢胞性卵巣症候群としんだんされていて、クロミッドとブレドニンを服用しています。

もう1年たちますが妊娠しません。主治医からは高度生殖医療である体外受精へのステップアップを勧めています。

しかしながら夫はいつも「そこまでしなくていいんじゃない〜」と言っていて、これ以上のステップアップは希望していません。どうしたらいいでしょうか? 妊娠出来るでしょうか?

状況:
生理不順、3〜6ヶ月に1度の生理。不妊治療で排卵誘発をするようになって33−35日程度で排卵するようになった。母親も同じ状況だが24歳と25歳で妊娠、出産。夫が明確に高度生殖医療を拒否しているので、ステップアップは出来ない。

お返事:
ご主人の意思が明確ですね。

確かに、1年以上病院に通い排卵誘発をしていて妊娠していないという事実から、ステップアップをして解決したいというお気持ちはよく理解できます。

1年以上努力しているのだから、もうステップアップしなくては妊娠できない!と思ってしまいガチですね。

しかしながら、私はまだまだチャンスはあると思います。ステップアップの前に、自然妊娠出来るようにもう少し身体自身の手入れをしてみてはいかがでしょうか?

お身体を拝見しての課題

1)生命の土台の力(腎気)が少し弱い
2)身体の上部での気の滞りがきつい
3)胃腸のパワー不足
4)女子胞(子宮)での気血の不足、滞り

この4つの課題は、3)の胃腸のパワー不足があるために、1)の腎気の不足が引き起こされ、2)と4)の身体の上部では滞り、女子胞(子宮)では気血の不足やオケツという血の道の滞りを生じさせます。

まず半年程度を目安にお身体の手入れをしてみましょう。
『とりあえず一切の薬をやめ、病院を休憩してみる』という選択です。
それでもダメだったときには、一緒にご主人を説得する方法を考えましょうね。

東洋医学的な見たて
・弁証 腎虚を中心とした気虚
・論治 益気補腎
・治療方針 腎気をそこあげし、脾気をバックアップ、気逆を納める

場合によっては、脾気そのものも手を入れる。