私の受けたい治療③ 鍼灸学校、卒業、新規開業のお手伝い
私が臨床をはじめたとき、もう30年ぐらい前になりますでしょうか?
自分自身が受けたいと思っていたのは、手技やマッサージでした。
鍼灸なんぞ、みじんも受けたい治療には入っていませんでした。
☆鍼灸学校、西洋医学的な解剖、生理、病理をたっぷり学びました。
鍼灸学校というのは不思議なところです。
学校に3年も通い、何を学ぶのかと言えば、西洋医学的な医療知識が7割といった感じでしょうか。残りの3割が東洋医学的な話し。これは国家試験合格という大目標がありますから、仕方のないことです。
鍼灸についても、西洋医学的な知識に基づいての、筋・関節アプローチや、
教科書的な東洋医学的な概念にもとづき、『学校での授業としての鍼灸』
また、私のいっていた学校は、スポーツを重視していました。
鍼灸学校なのに、なぜか、プールや体育の授業が一杯。
マッサージやあん摩、指圧の授業もありましたが、
授業で断片的にならったものが、じゃあ実践で使うものになるの?というのは
大きな疑問な感じ。
臨床で使う技術を学ぶ場というよりは、理論それも西洋医学的な基礎知識を養う場が私にとっての鍼灸学校でした。
ひとつ思い出になっているのが、指圧実技の試験。
先生に対してひとりづつ、指圧をほんの2,3分して、合否。
そのときに、先生が『あなたは指圧でご飯が食べられるよ』と言ってくださいました。
指圧という手技に合格を頂いたんだなあって思って
とても嬉しくなりました。
手技の実技で思ったのは、上手下手は学校での勉強は無関係。
初めから、按摩が上手い人は上手い。下手くそは下手。
確かにやり方や知識がつくと、」少しスキルアップにはなりますし、
それなりの型は収得できるとは思います。
が、そもそも下手は下手ってのは、変わらないのかなというのが
私の感想です。
手技はその手の感覚、押す、引く、さする、の動作のうまさがありますねえ。
☆すごい先生を雇った鍼灸院のお話
鍼灸学校を卒業する頃の出来事。
私は鍼灸の免許はとりましたが、鍼灸の治療をする、人に針をするなんていう
イメージはまったくもてずにいました。
整体とかカイロを出来るように勉強会に行こうかな〜ぐらいの感じでしたねえ。
しみじみ。それぐらい、鍼灸で人になにかをしてマネタライズ出来るなんていう
実力はみじんもなかったということです。
そして、当時20才以上の年上の60才近い同級生が『鍼灸院を開くから一緒にやらない?』というので
ホイホイと。
その方は、『自分はもう年だから弟子入りなどはできない。だからすご腕先生をやとって、自分は院長としてその治療を見学しながら覚える』
このアイディアはなかなかナイス!でした。
当時の、鍼灸学校に外部講師としてきていた、人気の先生お二人、それにとある大学病院の鍼灸治療室にいらっしゃった先生と3人に日替わりで来て頂いて、のスタート。
これだけすご腕の先生がいらっしゃり、東海道線の大きな駅の徒歩3分のロケーション。
流行るはずですよね!
☆☆すご腕先生が勢揃いの鍼灸院
これだけの先生がそろっていれば、
患者さんはどんどん来ると思っていました。
鍼灸学校時代に、これら先生の授業を受けていて、実力は知っていましたし、
人柄も間違いない。
オーナー院長はしっかりとガツンと広告もうちました。
ポチポチと患者さんは来ましたが、
たまーにという程度。
そして暇。
暇ですから、私はこれらの先生とゆーっくりとした時間をもつことになりました。
そして、先生から、鍼灸治療を直接受ける体験をしたり、
たまに来る患者さんのアシスタントをしながら治療解説を伺ったりで、
非常に勉強にはなりました。
また、手技の希望の方には私がおこなっていました。
マッサージ指圧もある程度上手くなっていきました。
☆☆すご腕先生がいても、患者さんはこない
しみじみ、ロケーションがよくても、すご腕先生がいても、鍼灸の患者さんって
こないんだなって思いました。
鍼灸治療が希望のかたよりも、手技マッサージの希望の方のほうが
問い合わせとしては多く、来院も多かったような気がします。
あれこれの病気や症状を改善したからってくるわけでもないんだなというのが
実感。
患者さんがくるっていうのは、難しいことなのねえって思いました。