基本の五臓六腑」カテゴリーアーカイブ

15−1 飲食の偏りは、内因でも外因でもない!

15−1 不内外因:飲食の問題、働き過ぎ

15で不内外因の面白さをお話ししました

 

東洋医学の病因の分類おもしろいなーと思います。精神的なありようは内因、つまり自身の心の問題、寒さ暑さなどは外因(外からの問題)そして内因でも内因でもない不内外因ってのが設定されています。

 

飲食の問題(飲食失調)は不内外因。つまりその行動があかん!っていっているわけです。

行動・・・その人の状況や考え方によって選ばれれる方法。つまり自分で選んでいる(選ばされている)わけで変えられる余地があるってことですね。さて、まとめ。

暴飲暴食や偏食は身体を痛めます。
→生、冷たいモノ:脾胃の陽気を犯します、下痢や腹痛、冷えとなります
→辛み、厚いモノ:胃気を損します、口が渇き、口が苦くなり、目が赤くなり、痔、便秘となります
→甘み、油っぽいモノ:ひのうんかに負担となり肥満や瘡瘍を作ります
→苦み:皮膚や毛髪が枯れます
→辛いモノ:脈が渋り、顔色が暗くなります

食べ物の不摂生、身体に大きな影響をもちますね。食事というのは個人の生活とのも密接であり、それぞれの文化でもあるかとおもいます。食事バランスガイドを参照し、ご自身の偏りを認識してみましょう。
食事バランスガイド

飲食不摂のアイキャッチ画像、ポケモンにしました。
かわいいけど、このドーナッツを毎日食べたら・・・
きゃーーー飲食不摂です(^^ゞ

15: 不内外因の面白さっていったらなんだけど、面白い

15では、病機の原因となる3つの要素を考えていきます。

病因を東洋医学では3つ考えていきます。
内因、外因、不内外因です。

内因、外因は
14-1
14-2

1)自身の内側からの問題(内因)、2)外から身体を劫かす問題(外因)と考えられています。そしてもう一つ、内因でも外因でもない3)不内外因があげられています。

この不内外因には、飲食の問題、働き過ぎ、痰飲、瘀血とあります。つまり食の偏りや働き過ぎといった課題は自分の弱さでも、外からの問題でもなく、人としての行動が身体に及ぼす課題であるということですね。

そしてもう二つ「痰飲や瘀血」は内因や外因が長く身体に負担になり続け形成され身体に影響している湿気の塊(痰飲)や血の塊(瘀血)そのものをさします。つまり、新たな病理産物が形成され、その病理産物によって身体が劫かされているという状況なのです。

この不内外因という概念が私には面白いなあと感じられます。

これらは、飲食の問題や働き過ぎはご自身の生活の摂生によって変化させることができるんですよね。
また湿痰や瘀血といった病理産物は、生活の摂生によって排出を促すという事も可能ですし、西洋医学的に病理産物を取り除くといった治療が功を奏することもあります。

対応に代して非常に幅広いし、人の生き方にせまるような気がします。まあ内因を七情内傷というメンタルからだけいくってどのように対応していくかということは、千差万別なのですね。

では、個別に考えていきましょう。

14−2 風、寒、湿、燥、火、味方にもなり敵にもなる 

14−2 味方にもなり、敵にもなる外からの影響(六淫)

外因:外から私たちに影響を与えるモノ

風、寒、暑、湿、燥、火これらは外気です。この外気は身体の成長を促すモノになります、しかしながら身体そのものの力によっては、身体を劫かすもの、つまり外からの邪気とも考えられます。強い風が吹いたって「風の日おめでとう!」というくまのプーさんもいれば、風によって風邪を引いてしまう人もいるわけです。

さて、この邪気である外因として、風邪、寒邪、暑邪、燥邪、湿邪、火邪 の5つを考えています。外から身体に影響をあたえるものです、つまり風邪という外からの邪気が身体に影響をあたえるわけです。また内側から身体に影響を与えると言う観点で、内風という概念もあります。これは内側からの弱りによって邪となり内風となり身体を痛めるという観点です。外邪としての風邪は外因、内側からの風邪は内風として分けて考えます。
 しかしながら、生命力の弱りがなければ外因に影響を受けることもありませんし、生命力の弱りがなければ内風が生じることもありません。生命力の強さ、弱さがポイントであると考えると、これらの病気の原因ということから考えるよりも、「生命力のありよう」という観点から考えていく方がより具体的だと思います。

簡単に外因の外邪をまとめておきます。

風邪:陽邪 開泄、上部や陽位をおかします。

よくうごきますし、六淫の発病因子ともなります。

寒邪:陰邪 陽気を損する

→体表を犯す:衛気、衛陽を損する、悪寒、鼻水、脈浮緊、苔薄白
→脾胃、脾陽を犯す:脘腹冷痛、下利、嘔吐、脈浮緊、苔白膩
→心腎、腎陽を犯す:病重い、陽気がとても損傷、肢体の冷え、下利清穀、頻尿、苔白滑、脈微細

→凝滞:経絡(経気不調)を犯す、気滞血瘀→疼痛
   :血脉(気血不調)を犯す    ☆生理前に冷たいモノで疼痛が起きやすい
→収縮 :体表→悪寒、発熱、無汗
    :血脉→頭痛、身痛、脉緊
    :肢体関節→肢体拘縮、四肢収縮、しびれ

  ☆熱が出ると寒がり、肩のこりが減る
 分泌物が澄、散、清、令

暑邪:陽邪 火熱の気より

→発熱、上焦発散、気血津液を犯す

燥邪:口鼻から入り、肺衛を犯す、乾燥、肺に入りやすい

湿邪:陰邪、長夏の主気

→重く濁る 重いー体表 肢体困倦 頭重い
        ー経絡 痛み 四肢おもだるさ

      濁るー下痢(粘稠、泥状)、白苔、小便混濁、脚気、失神
→陰邪:脾胃の陽気の運化を阻害 飲食物の消化吸収に影響
  食物:胸悶、悪心、腹脹、食欲不振、消化の不足、下痢
  水:少尿、浮腫、腹水

下向きに陰位を犯す、膝、足、   内湿(脾虚から)と外湿

火邪 陽邪 炎熱上行

 犯す部位で分類 全体:発熱、高熱、煩躁、不安、大汗、脈洪数、舌赤
         局所:目赤、顔色赤い、瘡症の発赤熱痛
         身命:心煩、不眠、多夢、イライラ

経絡上を傷灼しやすい(生風動血)
迫血妄行しやすい→血流異常、出血 吐血、下血、血尿、崩漏
気血津液を犯しやすい
 気を犯す 芒力、めまい
 津液をおかす、口渇、舌乾、尿少、便秘、皮膚乾燥

☆虚熱の場合は陰虚とのつながり

内火(虚火)→陰虚による内熱
外火→火熱邪
1)湿は集まると 
2)水湿の異常によって痰が生成される。痰は湿の性質をもち長い時間がたつと熱化
3)風邪 せき 痰(はじめは薄い、白い)→長い時間で黄色や熱化

14-1 病因、病の原因となるモノ 七情内傷(メンタル)はガチきつい!

14:病因:病の原因となるモノ、内因(七情内傷)、外因、不内外因

東洋医学では、すこやかに日々を生きる私たちの身体に負担となり病のもととなってしまうものを、3つの要因からかんがえています。

14−1 私たちの内なる感情の課題:内因(七情内傷)

病がおこる大きな原因として、私たちの感情をとらえています(内因)

感情は、私たちが人として生きる日々を彩ってくれる豊かでありがたい存在です。しかしながら
過度な暴発や感情に支配されるような状況は、私たちの臓腑を直接劫かす病因となります。

七情内傷は
→直接的に臓腑に影響する
→直接的に気に影響する

五志は火化しやすいということばは、過度な精神的な刺激から火を生じるという言葉です。
人生を豊かにしてくれるはずの感情に支配されてしまっては本末転倒。

七情   関係する臓腑    気のベクトル    

怒   肝         上         肝気がかどに上り気が逆す
喜  心          緩         血脉が弛緩し、心気がゆるみます
思  脾          結         脾の運化機能が無力となり、気の流れが停滞
悲憂 肺          消         肺気が弱ると意気消沈す
恐  腎          下         腎気が弱り、気が下陥する
驚  腎          乱       腎に蔵している志を見失い、神のよりどころが弱くなる

13-4 腎 骨がしっかりってことは脳もしっかり!

13−4 腎の五行属性

腎:精を蔵し、精は髓を生じ、髓は骨の中にあり骨格を滋養する→上部で脳とつながる
脳:髓海 髓(腎が生じた精から生まれる)があつまるところ。
精と血は相互に天火

腎は骨を主り、その華は髪にある
 歯は骨余
 爪は筋余(筋は肝)
 髪は血余

恐は腎の志
唾は腎の液
耳および前後二陰に開竅する

あれこれと細かいですが、つまり腎は髓を産み、それは骨髄とか脳髄とかにつながる言葉だと。だから東洋医学でいう腎がしっかりしていれば骨もしっかり脳もしっかりということになります。

腎は先天から生じます。つまり元々の強さ優秀さはあるわけです。その上で脾気から腎気が補われていきますので人生の長い航路を支え続けることができるし、元々の弱さもカバーできるわけです。

腎気をしっかり、骨をしっかり、脳もしっかり生きたいもんです。