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結婚年齢の4才の差

4才の差は大きいねえ。

2016年の統計で、女性の平均結婚年齢は29.4歳となり、第一子出生時の母の平均年齢は30.7歳でした。まあ結婚して1年半後ぐらいには第一子を出産というところですね。

私は35年ぐらい前に結婚し、その後妊娠出産しました。
このころ、周りでも言われていたのが、
『25才までに結婚して30才までに産み終える』という合い言葉です(^^;)。

で、統計をみると、約30年前の1985年には、これらの数字はそれぞれ25.5歳と26.7歳で、25才までに結婚よりは少し遅めだけど、第一子が20代で産むスタイルではありますね。

30年間に平均結婚年齢は4才あがり、それにともない出産年齢も4才上がったわけです。

この4年は大きいですね。

35才を過ぎると妊孕能が低下すると言われています。これは出てくる卵胞の数をみると明瞭です。卵胞の数が少ないと言うことは淘汰されることが前提の生殖においては、出産に繋がる数も減ってしまうということを意味しています。

また計測することは難しい卵子の質もやはり低下すると言われています。

また、子宮や卵巣などに疾患のある場合も、不妊の要素となり得ます。

ただ、不妊治療に携わっていて、この子宮や卵巣に疾患がある場合は、案外、妊娠ー出産に繋がるケースが多いのです。これは疾患があるゆえに、ご本人が『早く治療を!』と思っていらっしゃるからです。年齢的なスタートが早いわけです。

もう、お節介お婆さんの年齢の私は、若い女性に向かって『早く結婚しなさい』と言いたい気持ちが一杯あります。そして結婚したのならば早く妊娠しなさいってなことも言いたくなります。まあ、言えないけど(^^;)。

今日が一番若い日です!
時間という貴重な資源を上手に活かしていきましょう。
不妊治療に長く携わっていて、ここのポイントを上手く過ごしていくことが
困難ながらも上手く切り抜けるコツだと感じています。

ぜひ、ご相談ください。
お金もとても掛かる治療です。
お金の使い方、時間の使い方、どちらもすごく大事です。
一緒に考えましょう。

ご相談にお答えして:「先生、AMHが1.0でした。私もう無理なのでしょうか?」①

1)「先生、AMHが1.0でした。私もう無理なのでしょうか?」

39歳の女性からの訴えでした。

とあるクリニックにて、36歳の時に強い誘発をうけ、17個もの卵が採れるも結局妊娠せず、
ちょっといやになってしまい、3年ほどお休み。その後、低刺激のクリニックにて治療を再開したものの、
FSHも高く採卵にならないという状況で当院に来院。

年齢が39歳ですので、IVF-ET(体外受精ー胚移植)などの治療を勧めながら
鍼灸治療をしていきましょうと治療を始めた矢先の出来事です。

…AMHって

さて、最近卵巣年齢検査(AMH:Anti-Mullerian hormone)という言葉をよく聞きます。
これはざっくばらんにいえば、卵巣がどれぐらいの年齢なのかを知る検査です。

この数値はなかなか微妙です。
たとえば、同じ39才の人でもこの方のように低い数字の方もいらっしゃれば
10を越える方もいらっしゃります。

これは、卵巣の年齢をさしていて、卵巣の年齢が若ければ確かに妊娠しやすい条件のひとつを
満たしているとはいえます。

しかしながら、じゃあ妊娠できるのかということとは別問題。
逆に言えば、低いなら妊娠はしないのかということも別問題。

このあたりが不妊治療を取りかかる中でややっこしいところです。

先般行った不妊カウンセリング学会講演の中でも話題になりました。

もう少しわかりやすくお話ししましょうね(^^)。