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便秘のお話。 ドラッグストアの棚を眺めてみました。

こんにちは、便秘シリーズ続くです。

以前に便秘のセルフケアということで書かせていただいております。
お灸でのセルフケアなどはそちらでどうぞ

近所のドラッグストアにいくと、色々な市販薬がありますねえ。
便秘薬もいっぱいあります。
いっぱいあってわからんぞーってなことで、ちょっと調べてみました。

市販の便秘薬五選なんてのでググると、こちら

いろいろありますねえ(^^ゞ。

ざくっと一覧にしてみると、

•1、酸化マグネシウムE便秘薬(酸化マグネシウム2000mg)
•2、ビューラックA 400(ビサコジル~腸の副交感神経末端に作用してぜん動を高めるほか、腸粘    膜に直接作用して排便反射を刺激し、排便を促進)
•3、新ウィズワン (水を含んで膨らむ食物繊維プランタゴオバタと生薬センノシド)
•4、コーラック (ビサコジル)
•5、ミルマグ(水酸化マグネシウム 0.35g含有)

あたりでしょうかね。

便秘薬の分類4つ

便秘には、

 

便秘の分類4つ
1)大腸刺激性下剤(コーラック、大黄甘草湯)
2)便に水分を増やす(浸潤性下剤)(オイルでる、コーラックファースト)
3)腸の水分を増やす(塩類下剤)(酸化マグネシウム製剤)
4)便の量を増やす(膨潤性下剤)(サトラックスビオファイブ)

こんな発想でわけられています。

詳しくは下記の通りですが、パワフルに腸を刺激するときついし、便や腸に水分をますという発想はちょっと便秘に対する即効性は期待しにくいけど、穏やかというイメージかなと思います。

1)大腸刺激性下剤(コーラック、大黄甘草湯)
→ビサコジル・ピコスルファートナトリウム水和物・センナ・ダイオウなどがあります。
→大腸刺激性下剤は、薬の力で大腸を動かして排便をうながします。夜に飲むと次の日の朝には排便が期待できますが、腹痛をともなうことがあるので注意しましょう。

2)便に水分を増やす(浸潤性下剤)(オイルでる、コーラックファースト)
→ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)
→便が腸に長く留まるタイプ
→効果が弱め、他との配合が多い

3)腸の水分を増やす(塩類下剤)(ミルマグ)
→酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどです。
→塩類下剤を服用すると腸に水分がたくさん集まるので、水分をたっぷり摂取するようにしましょう。

4)便の量を増やす(膨潤性下剤)(サトラックスビオファイブ)
→便の量が少なくなって便秘
→食物繊維を多く含むプランタゴ・オバタなどの植物の種皮を用いた物。

病院で出される便秘の対応で、酸化マグネシウムを頂いている方が多いですね。
これは、腸の水分を補うという穏やであり、効果がでやすいというところですね。

 

東洋医学的な便秘分類4つ

東洋医学の世界ではちょっと発想が違います。

便秘を4つに分類しています。

東洋医学的な便通のタイプ4つ
1)熱痺
2)気秘
3)虚秘
4)冷秘

上記4つにわけます。

1)熱痺
・大便秘結、排便困難
熱が籠もって便通がつかないというタイプ

2)気秘
・大便秘結、便意はあるが排便出来ない
気が滞って便通がつかないタイプ

3)虚秘
・気虚ー便意はあるが、排便困難、大便は硬く軟
・血虚ー長期間の便秘、排便困難、便は硬く兎糞状

力(生命力)がなくて便通がつかないタイプ。押し出すことが出来ないので、長く腸に留まり便秘もコロコロしてきます。

4)冷秘
・排便困難
冷えがあり、便通がつかないタイプ。ただし、冷えが中心だと便秘ってよりも下痢に傾く場合の方が多いですね。

さてさて、教科書的な(^^ゞ治療法と選穴、漢方の紹介です。
なぜ教科書的なというと、一応理論的にはこうなるけど、そんなに効かないし、便秘ということを症状から発想してとりさるというのが、東洋医学的な発想となじまないからです。分類して書いているとよりそう思っちゃうんですよね。また便秘という症状に注目すると、『熱取り』が中心になりますが、熱って”生きていること”につながるわけです。生きているから熱がでる。その熱で症状が出て困っているから、熱を取る。そうすると短期的ならばOKだけど、長期的になると生命力まで削っちゃうじゃん!!ってことになるわけです。

教科書的な(^^ゞ漢方薬と治療穴
1)熱痺→清熱→麻子仁丸、大黄甘草湯
曲池(LI11) 合谷(LI4) 内庭(ST44)

2)気秘→理気行気→六磨湯
行間(LR2) 気海(CV6) 陽陵泉(GB34)

3)虚秘→補気益陰→補中益気湯合潤腸丸
脾兪(BL20) 胃兪(BL21) 大腸兪 関元(CV4) 三陰交(SP6)

4)冷秘
温陽散寒
気海(CV6) 腎兪(BL23) 関元(CV4)

 

あらためて、ドラッグストアの棚をみてみた!

ここまで踏まえてドラッグストアの棚をみると、便秘そのものってよりも、便秘を熱中心(つまり1)の熱痺)に考え、熱を落とせば滞りも消える。その滞りには脂肪もあるんだよという発想がみえてきますね。

便秘だーと思いながら、ドラッグストアの棚を眺めると、以下の4つが候補に挙がると思います。

大黄甘草湯:腸熱による便秘、熱を下す
防風通聖散;熱、内湿
麻子仁丸:潤腸 清熱
桂枝加芍薬湯、桂枝加芍薬大黄湯:虚秘

桂枝加芍薬湯以外はどれも、1)の熱痺に属してくる部分のある漢方です。

大黄甘草湯は、シンプルに瀉下作用の期待できる大黄と調和させる甘草ですね。
防風通聖散は、色々な漢方がミックスされ、熱のほか、内側にたまった水分や内湿を取るという発想です。ダイエットと一緒に語られることが多いのも納得ですね。

ということで、まとめると。

便秘に関しては、長らく続く体質的なものならば、この以前のまとめをご覧ください。案外本質的な事だと思います。便通って健康な身体の文脈にあるのですよね。ただ、便の事だけではないと思います。

基本的な便秘の対応はこちら→松本アキコさん・小林先生便秘の話し

その上で、慢性的な便秘の人であれば、服薬したいと言うことであれば、まず内科で相談するのがベストだと感じました。
酸化マグネシウムってのがよくでるのも、一番穏やかで問題を出さないためでしょう。

そのうえで、単発的に対応ということで、漢方なら大黄甘草湯がベストとまではいえないけれど、ベターな選択ではないかと思います。

タケダ漢方便秘薬 180錠  大黄甘草湯
(有効成分、ダイオウ、カンゾウ)
シンプルな処方ですね。

まあ、あくまでも単発でという感じかなと。

ナイシトールということが漢方の棚で目につきます。
これは、防風通聖散がメインになっていて、体力あります!がっつり滞ってます!ってなタイプ用ですね。胃腸虚弱な人にはダメですよ~。
この防風通聖散は、主治が外感風邪、熱邪内蘊という、外邪としての風邪を払い、内側にこもった熱を取り去るという処方です。薬そのものの性質が全体として寒涼に向かう物ですから、長期に服用はちょっとねえーって思います。

以上、ご参考まで。
なお、薬を実際に選ぶ、服薬するときには、基本的に専門家にご相談くださいね(^^)

 

 

便秘のお話。 お灸でセルフケアしましょう。

便秘はやっぱり話題ですね。
よく相談をお受けします。

便秘の鉄板! セルフケア

とりあえず、鉄板は以前に紹介させて頂きました松本アキコさんの本。
基本的なことがしっかりと押さえてあるように思います。
松本アキコさん・小林先生便秘の話し

便秘に付き合う基本的なお話はこちら↑でさせていただきましたので、
詳しくはそちらを(^_^;)

そのうえで、やっぱり便秘は昔からのみんなの悩み事
灸歌があります。

☆灸歌
便秘には大横(SP15)、大巨(ST27) 腹結(SP14)に神門(HT7)
   章門(LR13)、大腸の逾(大腸兪(BL25)

とあります。

この大横(だいおう、SP15)、大巨(ST27) 腹結(SP14)はお腹のツボです。
松本さんの本にもありますが、おなかもみもみってのは、やっぱり効きそうですし、
このツボも効きそうですね。

案外、お腹の中央にツボは集中しています。本の揉むべきポイントはもっと外側なので、少しツボとは違いますね。

松本アキコさんの本で紹介されている、揉むべきポイントに、灸歌のツボをいれてみました。

お灸のポイントは気海(CV6)です。お臍のすぐ下にあります。

このツボは、お腹のパワーアップです。

 

お灸のポイント、気海のツボの使い方

もしお灸をするならば、私はこの1点に多壮灸(たそうきゅう・同じ点に沢山の数のお灸を据えること)をして、それからマッサージかなって思います。

気海(CV6)効きますよ。

 

 

 

 

お灸のポイント、神門の使い方

神門というのは、手にあります。


教科書的にはこんな位置→ですが、私はこんな感じでツボをとります。↓↓


手首の尺骨側(腕の骨です)のところ。尺骨頭の骨際を探し、コロコロしているポイントをとります。澤田流というお灸のポイントでもこのコロコロした神門を探すのがコツとされています。

このコロコロを狙ってお灸を据えます。
私はダイレクトにここを押さえてマッサージします。

これは気滞という気の滞りをとってくれます。肩こりや頭痛でも気の滞りが主因であればよく効きますので、同じように使ってみてください。便通でもスッキリです。

大腸兪(BL25)というのは背中のツボ。

大腸兪(BL25) セルフケア 脾兪(BL20) 腎兪 気海(CV6)
背中のツボはききますね。他のツボも一緒に使うのもOKです。是非お試しを(^^)

参考文献:腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました 松本明子著 小林幸弘監修

便秘のお悩み:お灸をしてみましょう(^^) 

便秘で悩む人は多いのかと思います。

便秘については以前にもだいぶ書いていますが、質問を頂いたのでもう一度!

まあ、便通は毎日でることではなく、便通がスッキリあることが大事です。

気持ちよく食べて、スッキリ出る。大事ですね。

便秘外来で小林弘幸先生のお話はとても参考になります。

松本明子さんの腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました!
という本が参考になります。


さて、便秘について東洋医学的にまとめてみました。

東洋医学では身体を肝、心、脾、肺、腎の五臓にわけてかんがえています。

ポイントは、

1:心と身体の緊張を緩めること(肝)

2:食事(タイミング、食べ物の種類など)(脾)

3:身体の底力(腎)

となります。

便秘も身体の底支えがあってこそスムーズになりたちます。
朝日を浴びてご飯を食べるという体内時計のスイッチオン!
食物繊維や善玉菌の多い食物、水分をのむ
感謝してリラックスしてすごす。
ストレッチなどの体操をするってなことですね。

では、お灸でのアドバイス。
お腹のツボ、
お腹 :お臍のすぐした気海(CV6)  天枢
手:合谷(LI4) 手の支溝(TE6)
足:足三里  KI6(照海)

こんなツボがあげられます。
私のお勧めは、まず足のお灸をしちゃいます。
1)足三里にお灸

2)手の合谷(LI4)にお灸

 

最後に気海(CV6)というお臍の下のツボにお灸を3回。

身体全体の動きをつけて、最後にお腹の力をアップ!です。