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ご相談:首や肩、手。足など多くの関節が痛く困っています。

さまざまな痛み、辛いですねえ。

湿気のシーズンになると、特に多くのお悩みを伺います。

東洋医学で痺証と言われるような、ご自身の身体の弱さと、外的要因がリンクして痛みや重さとなる場合が多くあります。西洋医学での病名ではリウマチの診断の方が多いですね。

痺証については、東洋医学での対応が力強いものとなる場合が多いです。
漢方薬も保険適応になっているものが多いですから、力強いパートナーとなってくれるかと思います。

 

☆慢性関節リューマチ、頸肩の痛みに対する鍼灸の効果

 

リウマチ、慢性関節リウマチは、この数年、本当に薬が進化しましたね。
おそれずに、まず病院に行き、しっかりと診断、フォローしていただき、適切な投薬をなさることはとても大切だと思います。

そのうえで、やはり手に余る症状もあるかと思います。
手や肩、下肢などさまざまな痛みやこわばりなどの症状を、なるべく軽減し、
薬をパートナーとしつつも、鍼灸治療で、身体の力をあげ、免疫抑制剤やステロイドなどの使用をなるべく少量に抑え、薬の効きをよくし、痛みやだるさを軽減していけるようにと願っています。

 

今日はそんな症例のご紹介です。している症例です。

リウマチが辛い、弁証論治

☆リウマチの症状がつらいです、どうしたらいいでしょうか?

リウマチで手、肩、膝、足のこわばりや痛みがあります。

風邪を引いたりすると全体の症状が悪化しますし、
気圧、湿気、忙しさなどいろいろな要因で悪化します。

西洋医学の病院も並用し、免疫抑制剤なども服用していますが、なるべく
薬を少なくしたいと思っています。

リウマチは長い経過で、付き合っていかなければならない病気だということは
理解しています。妊娠を希望してた頃から取り入れている鍼灸は自分にとても
あっているのかなと思っています。

いろいろな症状の悪化の時に、薬を増やすことなく、乗り切っていきたいと思います。
どうしたらいいでしょうか?

台風や、湿度があがったり、季節の変わり目などや疲労などで手、肩、足の指、膝などの
状態が悪化します

☆ご相談にお答えして、東洋医学的診立て

リウマチはなかなか手強い疾患ですね。
無理しすぎずに、上手に西洋医学も取り入れながら対処なさっていると思います。

東京女子医大膠原病リウマチセンター

いまのリウマチの症状は、東洋医学でいう痺証(ひしょう)という状態ですね。
この痺証は、ご自身の身体の弱り(正気の虚)、風邪(外邪)、蓄った湿気やオ血(オ血湿痰)の課題が重なり合い現在の症状となっています。

リウマチなどの痺証は、ストレスや妊娠、出産など大きな身体の状態の変化の時期の身体の弱りに乗じて発症します。1度発症してしまうと、単なる対処療法的な治療だけでは状態の好転に進むことが難しくなってしまっていると思います。

お身体の状態を良い状態でキープするには、


1)さまざまな症状に振り回されずに、身体の弱りを立て直すことが第一とする
2)症状のある場処への対応は1)が主軸であることを認識した上でおこなう。

この二点は非常に大切です。
つまり、身体の生命力をあげていくということを主眼にするということです。

どうしても、首や肩、足など症状のあるところが気になり、その症状を治そうとしてしまいますが、
1)の課題がそのままだと、悪化の悪循環に陥ってしまいます。まずしっかりと身体の弱りをとり、
その上で余力に応じて2)の症状のある場処への対応をしていきたいと思います。

1)への手入れがしっかりと出来れば、自然とさまざまな症状は軽くなり2)の対応も穏やかな治療で効果的なアプローチになってきます。

また、1)の治療の補足となっていけるようなセルフケアもお伝えしますので、日々の養生のヒントにしてくださいね。

あせらず、いきましょう。
必ず、状態はよくなると思います。
そしてご自身の人生を楽しめるようにと願っています。

☆☆東洋医学的な診立て

弁証論治
肝欝気滞、脾気虚損、風邪の内陥。
益気補脾 疎風散寒

・治療方針
まず、風邪を取り去ることを第一とする、また外寒風邪が入り込んだときも取り去ることを第一とする。
脾気を補い全身への補気とし身体の力をあげていく。
必要に応じて、肝欝気滞をとる。

 

☆温灸を中心としたお灸治療

治療方針にそって、週に2回のペースで施術。

治療
膝上三点施灸(写真)
大椎の三角温灸(写真)、脾兪、三焦兪(BL22)、次髎(BL32)鍼して温灸その後温灸
下肢三点お灸(写真)

必要に応じて、百会、曲池(LI11)、足三里(ST36)、合谷、気海、大巨(ST27)、失眠、肺兪(BL13)、

季節要因や、気圧、湿度、花粉、疲労などさまざまな条件によって、体調は変化し症状も変化するものの、鍼灸治療を中心として漢方などの東洋医学のツールを使うことによって、症状があるものの穏やかに経過し日常生活や人生のイベントを十分楽しめる状態を保っている。

 

☆慢性的な病気と付き合うコツ

 

慢性関節リウマチは女性に多く、ストレスや妊娠、出産を契機に発症したり悪化したりする手強い疾患です。

現在、西洋医学の薬が非常に良く発達し、心強いパートナーとなってくれていると思います。
まず、病院やドクターを信頼し、しっかりと状況を把握していただき、むやみに薬を怖がらないことはとても大切なことだと私は思っています。

なぜならば、1度破壊された関節は元に戻りません。しっかりと炎症をコントロールすることはとても大切です。炎症をコントロールしたうえで、体調をあげ、薬の効きをよくし、薬が少しでも減らせるような努力をするという順番が、ご自身にとって大きなメリットがあると思います。

この症例の方は妊娠の希望からはじまり、産後の悪化、ストレスによる悪化など色々な事がありましたが、上手につきあい、乗り越えていっています。

健康状態を保ち、毎日を楽しく過ごせるお手伝いに東洋医学や鍼灸がなっていければとてもいいことだと私は思っております。

暖め養う温灸の力、灸ペットへの思い

灸ペットへの思い。

当院では、辰巳製作所さんの灸ペットという温灸器を使わせて頂いています。
暖め養う温灸の力はとても頼りになります。
治療院でも使っていますし、またおうちのセルフケアとしてもお勧めしています。

その辰巳製作所さんが、社長の志田さんが亡くなり7月いっぱいで終了と言うことになりました。

灸ペットの制作者である志田さんとは長年お付き合いをさせていただき、

灸ペット通じてお世話になりました。本当にありがとうございました。

昨日、会社を納めているご親戚の方と電話でおはなしし、

私は途中から涙ボロボロになっちゃいました。

志田さんの灸ペットに対する思いはとても強くて、

それは私も長年の会話の端々から伝わってくるところでした。

灸ペットは温灸器としては非常に、非常に安価です。
私は、『安すぎますよ、ちゃんとした価格の方がよいですよ〜』と
なんども申し上げたのですが、『多くの人に届けたい』という強い思いから
この安い、安すぎる値段設定に拘わっていらっしゃりました。

その話しになったときに、ご親戚の方も、

『経理を整理していて、この値段じゃ本当に赤字すれすれ』と

仰っていて、納得。
それほど、利益なんか吹っ飛ばしても、灸ペットで多くの方へ
健康を届けたかったんだなあと思います。
それはご親戚の方もよくわかっていられて、志田さんの
熱い思いに二人で胸が一杯になりました。

私自身は、臨床で長年灸ペットを取り入れています。

灸ペットは私の臨床にかかせません。
今回、かなりの量をストックさせて頂いたので、
これからも、私は灸ペットと共にやっていこうと思います。

9月に宇治のお寺さんに納骨されるそうです。
コロナが落ちついたら私もお墓参りに行かせて頂くことにしました。

ありがとうございました。
暖め養う温灸の力、多くの人に届きましたね。
これからも私は自分自身の手で、志田さんの思いを届けられるように
日々精進していきたいと思います。
合掌

灸ペットの使い方 ←動画はこちら

 

便秘のお話。 ドラッグストアの棚を眺めてみました。

こんにちは、便秘シリーズ続くです。

以前に便秘のセルフケアということで書かせていただいております。
お灸でのセルフケアなどはそちらでどうぞ

近所のドラッグストアにいくと、色々な市販薬がありますねえ。
便秘薬もいっぱいあります。
いっぱいあってわからんぞーってなことで、ちょっと調べてみました。

市販の便秘薬五選なんてのでググると、こちら

いろいろありますねえ(^^ゞ。

ざくっと一覧にしてみると、

•1、酸化マグネシウムE便秘薬(酸化マグネシウム2000mg)
•2、ビューラックA 400(ビサコジル~腸の副交感神経末端に作用してぜん動を高めるほか、腸粘    膜に直接作用して排便反射を刺激し、排便を促進)
•3、新ウィズワン (水を含んで膨らむ食物繊維プランタゴオバタと生薬センノシド)
•4、コーラック (ビサコジル)
•5、ミルマグ(水酸化マグネシウム 0.35g含有)

あたりでしょうかね。

便秘薬の分類4つ

便秘には、

 

便秘の分類4つ
1)大腸刺激性下剤(コーラック、大黄甘草湯)
2)便に水分を増やす(浸潤性下剤)(オイルでる、コーラックファースト)
3)腸の水分を増やす(塩類下剤)(酸化マグネシウム製剤)
4)便の量を増やす(膨潤性下剤)(サトラックスビオファイブ)

こんな発想でわけられています。

詳しくは下記の通りですが、パワフルに腸を刺激するときついし、便や腸に水分をますという発想はちょっと便秘に対する即効性は期待しにくいけど、穏やかというイメージかなと思います。

1)大腸刺激性下剤(コーラック、大黄甘草湯)
→ビサコジル・ピコスルファートナトリウム水和物・センナ・ダイオウなどがあります。
→大腸刺激性下剤は、薬の力で大腸を動かして排便をうながします。夜に飲むと次の日の朝には排便が期待できますが、腹痛をともなうことがあるので注意しましょう。

2)便に水分を増やす(浸潤性下剤)(オイルでる、コーラックファースト)
→ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)
→便が腸に長く留まるタイプ
→効果が弱め、他との配合が多い

3)腸の水分を増やす(塩類下剤)(ミルマグ)
→酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどです。
→塩類下剤を服用すると腸に水分がたくさん集まるので、水分をたっぷり摂取するようにしましょう。

4)便の量を増やす(膨潤性下剤)(サトラックスビオファイブ)
→便の量が少なくなって便秘
→食物繊維を多く含むプランタゴ・オバタなどの植物の種皮を用いた物。

病院で出される便秘の対応で、酸化マグネシウムを頂いている方が多いですね。
これは、腸の水分を補うという穏やであり、効果がでやすいというところですね。

 

東洋医学的な便秘分類4つ

東洋医学の世界ではちょっと発想が違います。

便秘を4つに分類しています。

東洋医学的な便通のタイプ4つ
1)熱痺
2)気秘
3)虚秘
4)冷秘

上記4つにわけます。

1)熱痺
・大便秘結、排便困難
熱が籠もって便通がつかないというタイプ

2)気秘
・大便秘結、便意はあるが排便出来ない
気が滞って便通がつかないタイプ

3)虚秘
・気虚ー便意はあるが、排便困難、大便は硬く軟
・血虚ー長期間の便秘、排便困難、便は硬く兎糞状

力(生命力)がなくて便通がつかないタイプ。押し出すことが出来ないので、長く腸に留まり便秘もコロコロしてきます。

4)冷秘
・排便困難
冷えがあり、便通がつかないタイプ。ただし、冷えが中心だと便秘ってよりも下痢に傾く場合の方が多いですね。

さてさて、教科書的な(^^ゞ治療法と選穴、漢方の紹介です。
なぜ教科書的なというと、一応理論的にはこうなるけど、そんなに効かないし、便秘ということを症状から発想してとりさるというのが、東洋医学的な発想となじまないからです。分類して書いているとよりそう思っちゃうんですよね。また便秘という症状に注目すると、『熱取り』が中心になりますが、熱って”生きていること”につながるわけです。生きているから熱がでる。その熱で症状が出て困っているから、熱を取る。そうすると短期的ならばOKだけど、長期的になると生命力まで削っちゃうじゃん!!ってことになるわけです。

教科書的な(^^ゞ漢方薬と治療穴
1)熱痺→清熱→麻子仁丸、大黄甘草湯
曲池(LI11) 合谷(LI4) 内庭(ST44)

2)気秘→理気行気→六磨湯
行間(LR2) 気海(CV6) 陽陵泉(GB34)

3)虚秘→補気益陰→補中益気湯合潤腸丸
脾兪(BL20) 胃兪(BL21) 大腸兪 関元(CV4) 三陰交(SP6)

4)冷秘
温陽散寒
気海(CV6) 腎兪(BL23) 関元(CV4)

 

あらためて、ドラッグストアの棚をみてみた!

ここまで踏まえてドラッグストアの棚をみると、便秘そのものってよりも、便秘を熱中心(つまり1)の熱痺)に考え、熱を落とせば滞りも消える。その滞りには脂肪もあるんだよという発想がみえてきますね。

便秘だーと思いながら、ドラッグストアの棚を眺めると、以下の4つが候補に挙がると思います。

大黄甘草湯:腸熱による便秘、熱を下す
防風通聖散;熱、内湿
麻子仁丸:潤腸 清熱
桂枝加芍薬湯、桂枝加芍薬大黄湯:虚秘

桂枝加芍薬湯以外はどれも、1)の熱痺に属してくる部分のある漢方です。

大黄甘草湯は、シンプルに瀉下作用の期待できる大黄と調和させる甘草ですね。
防風通聖散は、色々な漢方がミックスされ、熱のほか、内側にたまった水分や内湿を取るという発想です。ダイエットと一緒に語られることが多いのも納得ですね。

ということで、まとめると。

便秘に関しては、長らく続く体質的なものならば、この以前のまとめをご覧ください。案外本質的な事だと思います。便通って健康な身体の文脈にあるのですよね。ただ、便の事だけではないと思います。

基本的な便秘の対応はこちら→松本アキコさん・小林先生便秘の話し

その上で、慢性的な便秘の人であれば、服薬したいと言うことであれば、まず内科で相談するのがベストだと感じました。
酸化マグネシウムってのがよくでるのも、一番穏やかで問題を出さないためでしょう。

そのうえで、単発的に対応ということで、漢方なら大黄甘草湯がベストとまではいえないけれど、ベターな選択ではないかと思います。

タケダ漢方便秘薬 180錠  大黄甘草湯
(有効成分、ダイオウ、カンゾウ)
シンプルな処方ですね。

まあ、あくまでも単発でという感じかなと。

ナイシトールということが漢方の棚で目につきます。
これは、防風通聖散がメインになっていて、体力あります!がっつり滞ってます!ってなタイプ用ですね。胃腸虚弱な人にはダメですよ~。
この防風通聖散は、主治が外感風邪、熱邪内蘊という、外邪としての風邪を払い、内側にこもった熱を取り去るという処方です。薬そのものの性質が全体として寒涼に向かう物ですから、長期に服用はちょっとねえーって思います。

以上、ご参考まで。
なお、薬を実際に選ぶ、服薬するときには、基本的に専門家にご相談くださいね(^^)

 

 

便秘のお話。 お灸でセルフケアしましょう。

便秘はやっぱり話題ですね。
よく相談をお受けします。

便秘の鉄板! セルフケア

とりあえず、鉄板は以前に紹介させて頂きました松本アキコさんの本。
基本的なことがしっかりと押さえてあるように思います。
松本アキコさん・小林先生便秘の話し

便秘に付き合う基本的なお話はこちら↑でさせていただきましたので、
詳しくはそちらを(^_^;)

そのうえで、やっぱり便秘は昔からのみんなの悩み事
灸歌があります。

☆灸歌
便秘には大横(SP15)、大巨(ST27) 腹結(SP14)に神門(HT7)
   章門(LR13)、大腸の逾(大腸兪(BL25)

とあります。

この大横(だいおう、SP15)、大巨(ST27) 腹結(SP14)はお腹のツボです。
松本さんの本にもありますが、おなかもみもみってのは、やっぱり効きそうですし、
このツボも効きそうですね。

案外、お腹の中央にツボは集中しています。本の揉むべきポイントはもっと外側なので、少しツボとは違いますね。

松本アキコさんの本で紹介されている、揉むべきポイントに、灸歌のツボをいれてみました。

お灸のポイントは気海(CV6)です。お臍のすぐ下にあります。

このツボは、お腹のパワーアップです。

 

お灸のポイント、気海のツボの使い方

もしお灸をするならば、私はこの1点に多壮灸(たそうきゅう・同じ点に沢山の数のお灸を据えること)をして、それからマッサージかなって思います。

気海(CV6)効きますよ。

 

 

 

 

お灸のポイント、神門の使い方

神門というのは、手にあります。


教科書的にはこんな位置→ですが、私はこんな感じでツボをとります。↓↓


手首の尺骨側(腕の骨です)のところ。尺骨頭の骨際を探し、コロコロしているポイントをとります。澤田流というお灸のポイントでもこのコロコロした神門を探すのがコツとされています。

このコロコロを狙ってお灸を据えます。
私はダイレクトにここを押さえてマッサージします。

これは気滞という気の滞りをとってくれます。肩こりや頭痛でも気の滞りが主因であればよく効きますので、同じように使ってみてください。便通でもスッキリです。

大腸兪(BL25)というのは背中のツボ。

大腸兪(BL25) セルフケア 脾兪(BL20) 腎兪 気海(CV6)
背中のツボはききますね。他のツボも一緒に使うのもOKです。是非お試しを(^^)

参考文献:腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました 松本明子著 小林幸弘監修

セルフケアのお灸:更年期、養生、健康up

更年期のセルフケア、お灸をしよう!

☆☆更年期からの身体作りのコツ

ちょっぴり衰えが見え始めた土台の力(腎気)と、

衰えをカバーするかのように頑張って生きる意思(肝)である気を張っての生活。

この腎気と肝気の二人三脚が老年期を支えていきます。

器(腎気)の大きさにあわせ、上手に気を張り、気張って生きる老年期の姿がそこにあります。

動画はこちら

動画で説明しているツボに少し追加してお話ししますね。

 手のツボ 曲池(LI11)、合谷(LI4)、

 足のつぼ 足三里、 三陰交、復溜(KI7)

 背中で、首の付け根のツボ 大椎(だいつい)

 背中のツボ 脾兪 腎兪(BL23) 次髎 胞肓(BL53)

 

腕のツボ:合谷、曲池

この二つが腕のツボです。

合谷(ごうこく)はとても有名なツボです。

身体全体の気の巡りをよくしてくれます。

便秘、頭痛、歯痛、なんとなく不調。合谷にお灸しちゃいましょう。

曲池は肘の外側。私はこの曲池に組み合わせて足三里を考えます。

この組み合わせは陽明経という多気多血つまり多くの気と多くの血が存在する経穴の要となるここは、空間的に考えている取穴ともなります。

また、ここに腎兪を組み合わせて考えると、腎という腰椎2番、臍の高さを空間的に肘、膝で取穴していくことにもなり、身体の土台の力をつけるという発想にもつながります。

 

配穴:組み合わせで考えるより効果が出るツボの使い方

 

ツボは1つ1つの役割で考えることもできますが、

組み合わせでより効果を出すこともできます。この考え方を配穴といいます。

私が治療院で患者さんに行うならばこれに、お臍も組み合わせ温灸などをして

効果をより強くしていきます。つまり土台の力(腎気)を育てる配穴として

腎兪、曲池、足三里と考えていくわけです。

足のつぼ:足三里、三陰交、復溜

下肢の経穴です。足三里は松尾芭蕉でも有名ですね。

芭蕉は奥の細道の出発にあたって、

『予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋江上の破屋に蜘の古巣をはらひて、やゝ年も暮、春立る霞の空に白川の関こえんと、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず。もゝ引の破をつゞり、笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、松島の月先心にかゝりて、住る方は人に譲り、杉風が別墅に移るに、

 草の戸も住替る代ぞひなの家』

有名な奥の細道の序章です。

この芭蕉の、『ああ、旅に出たいという』浮き足だった感じがいいですねえ。

片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず
身体はおじいちゃん、心は少年の未来少年コナンならぬ、いにしえおじいちゃん芭蕉!
って、話しがそれました(^_^;)。

復溜(KI7)は少陰腎のツボ『腎虚すればこれを補う』とされる有名なツボです。

三陰交という肝、脾、腎の三つの経絡が交わる要所とも近く組み合わせてパワーアップです。

背中のツボ 脾兪 腎兪(BL23) 次髎 胞肓(BL53)

最後に背中のツボです。

背中のツボは養生にものすごく効果的です。

脾兪、腎兪、次髎とあげましたが、基本的にはその方の弱ったところをみつけて、

8-10個ぐらい選びます。

手足と違って自分ではやりにくいのが欠点ですね。

治療院では、印をつけて、ご家族にやっていただいたり、シールをはって

ガイドにして、ご自身でやっていただくようにもしています。

これらツボを参考にしていただければと思います。

肝兪、脾兪、腎兪、大腸兪、次髎です。

お灸はこんな感じでしてくださいね。