脳の発達、胎児と栄養:京都女子大学のセミナーから②

脳の発達、胎児と栄養:京都女子大学のセミナーからその②です。

→その①はこちら

食事でこんなに変わる、脳の発達や病気  / 京都女子大学 辻 雅弘先生

タイトルは食事、実験は血流

このYouTubeをみつけたときには、食事で脳の発達や病気がかわるのかーと思いながら見始めま した。

しかしながら、胎児の場合は母親の食事というよりも、子宮血流の多少ではないかと思われました。

なぜならば、10枚目のスライドで、ラットの子宮動脈を半分はそのまま、半分は血流を低下させた状態を作り、低出生体重児の問題を語っているのです。

ラットでの子宮血流調整実験時間は5:39のところです。

これは、『同じ栄養』であっても、『血流が悪い』と低栄養になり、低体重児になるということを語っているのではないかと思うんですよね。だから血流が大事。その上で栄養豊富な血流が大事という話ではないのかなと思いました。

ちょっと前に戻りますね。

低体重とIQの関係

2枚目、3枚目のスライドでは、

食事や生まれてきたときの体重でIQや行動をお話になっていて、

5枚目のスライドでは、IQの差を述べられています。 

 

IQの差 生まれたときの体重

    2500−3000  3000−3500  3500−4000

19才  少しIQが低い    標準    少しIQが高い

この状態が、19才でも、28才でも、50才でも続くと言うことです。

このデータは2500グラムからだが、YouTubeの講義の中では、2500グラム以下だとIQ6違ってくるとお話しされています。

 

そしてスライドの7では、先進国で低出生体重児が増えてグラフが右肩上がりになっている。特に日本のグラフがすごいですね。ぐぐぐっと右肩あがりになっていて、日本ではでいま10人に一人が2500グラム以下の低出生体重児だということです。

このグラフ先進国とのことですが、スペインとフィンランドだけは読めるのですが、他の文字がいまひとつ文字化けして読めないです。どの国のグラフなんでしょうかねえ。

そして

☆低出生体重児が生まれる理由

→辻先生は出産時の女性の痩せ、痩せ願望をあげています。

極端な栄養障害ではなく、少し栄養がたりないでも出生体重に影響がある。

これは私も臨床で強く感じます。体重が増えることを極端に嫌う方が多いこと。そして産科の検診でも『体重は増えなくたって良い』といわれたり、少しでも体重の増加が急だと『体重気をつけて!』という厳しめの指導が入ります。

この食事指導というのは、食事指導あるあるで、本当に食事制限をして欲しい人には届かず、これ以上食事に拘らなくてもよいという人に響いてしまいます。

たとえば体重がBMIで26をこえかなり肥満である人が膝の痛みを訴える場合はやはり体重を落とすことが大事であり食事制限が求められてますが、こういう方には声が届かず、もともと少し痩せ気味の人の方が、膝の痛みがあれば『体重を減らそう』とするのです。言葉の響き方が違うんですよね。

☆痩せ願望は妊婦さんだけの課題?

以前にNHKのラジオを聞いていて、小児科の先生が低出生体重児の問題点を語り『妊婦の体重増加は適正に増やすように』というお話をしたところ、多くの声が寄せられていました。私はこの問題に興味があったので、車の運転中でしたが道路の端に止め、聞き入ってしまいました。多くの声は『産科で強く体重のセーブを指導された』という声でした。体重が増えすぎると巨大児につながり出産が大変だからという指導が強く行われ、結果的に体重はあまり増えず、赤ちゃんも未熟児だったという声です。巨大児を心配していたのに産まれてみたら未熟児って実は私も患者さんの話を伺っていると時に耳にしていました。

辻先生はこの低体重の結果、生涯にわたってIQ6も低くなってしまうということを指摘なさっています。

小さく産んで大きく育てよの言葉の意味

うーーーーん、日本には『小さく産んで大きく育てよ』という言葉があり、小さく産まれることをあまり問題にはしませんが、『小さく』も未熟児とされる2500グラム未満だとかなり問題はあり、その問題が成人してもながくつづくという事をこのセミナーでは仰っています。

☆妊婦さんにしてほしい子宮血流増加のセルフケア!

婦人科での体重指導がきつく行われる理由は、妊婦さんの体重増加が出産時のトラブルにつながりやすいという事実があるからでしょう。

妊婦さんの体重増加の二つのポイント

→妊婦さんそのものの体重増加
→赤ちゃんの体重増加

この二つのポイントを本来は分けて考えなければいけないと思います。ラットの実験でもわかるように、子宮血流が多くあることが大事です。いくら妊婦さんが体重が増えても子宮血流にまわっていなければ赤ちゃんの体重増加にはつながりません。ここで、子宮血流増加の必要性が強く感じます。これはセルフケアも出来るので是非実践してみてください。