卵子の質が悪いと言われたときに、あなたに出来ること。

肌肉の充実と、卵の質の連携。卵子の質が悪いと言われたときに出来ること。

私達は、身体と心をもった生き物です。
その生き物、生物として、ちょっと質が悪い、生命力が低下しているっていう状態の時に
よくいわれるのが、『卵の質が悪い』という言葉です。

これは卵子の状態としての言葉ですが、あなた自身の生命力の投影でもあったりするのです。
誘発のくすりや、タイミングそのほかを改善しても、『卵の質』という大きな壁に当たってしまうのであれば、ここであなたの生き物としての質や生命力を考えるときです。

そしてその質や生命力は必ず、上げることができます。

・生命力のある生き物とは(肺気について)

たとえばリンゴ。
リンゴをひとつ手に取ってみてください。

皮がしっかりと厚く、実の部分との間に一体感があって、ぐっと質量がある感じが、
『おいしそう!』と感じる充実感があるリンゴです。

そして内側から皮、表面へ生命が充実して感じられるようなリンゴがいいですよね。
生きてる!っていう感じのリンゴです。

そしてこの皮の部分が東洋医学でいうところの肺気と考えられます。
肺というと呼吸を主る肺を思い浮かべますが、それともう一つ全身をくるむ皮膚表面も東洋医学でいうところの肺の領域なのです。

命を括っている皮が肺気なのです。

 

・私達は生きる意思をもって生きている(肝気について)

 

私達は生きる意思を持って日々を生きています。東洋医学ではその生きる意思を肝が主ると考えています。そしてこの生きる意思である肝は、全身の気血の巡り(気の昇降出入)を主り、生きる意思をもった私達の生きている身体を作っているわけです。

血や水や身体をめぐらせる、そんな循環し生きている人間の身体を主っているのが肝気というわけです。

体温はなにもしなくても、自立的に一定に保たれ、血圧やいろいろなホルモン関係や神経関係も自然と自律のリズムをもち身体をいじしています。ときに意思も介入します。これが東洋医学で言うところの肝気なのです。

 

・生きる意思(肝気)と命の括り(肺気)の相互の関係

 

肺気と肝気は、ベクトル(強さと方向性)で、下向きと上向きの関係性を強くもち、命の中で大きな存在感となります。肺気の下向きベクトル粛降と肝気の上向きベクトル昇発は大きなベクトルの組み合わせです。

気の昇降出入 肝心脾肺腎 肝気 肺気 イラスト

☆肺気と肝気、東洋医学を使って整えよう!

 

この全身のリズムを主る肝気と、弾力を持って命をくくる肺気は、強さと大きさを意識したときに非常に効きやすいアイテムであり、また使い方に注意が必要です。

この二つは、ベクトル(方向と強さ)を持っています。
つまり、全体を巡るベクトル(上下左右中心と表面)と、表面でしっかりと受け止め内側に戻すというベクトルです。

 

健康な状態、病態などあわせ、どのベクトルがいまのこの身体に生じ、どのベクトル出しをすることがこの身体に必要なのかを考えることが、一つの治療の中での順番やドーゼ(刺激量)を考えやすくなります。

肺気は全体を括るゴム風船のゴムの部分表面です。下向き内向きベクトルを出しつつ、上向きベクトルを柔軟に受けとめ、内側に返すようにしていきます。また過剰な上向きベクトルを上手にヤカンの穴から水蒸気が噴き出すようにガス抜きが出来れば、健康な状態を保ちやすくなります。

肺気が十分に厚みをもって力強くあると言うことは、身体の防衛ラインが充実しているということです。

そして、肝気は生きる意思と巡りのコントローラー。人生を暴走せず、心身を穏やかにもって、気の昇降出入をリズミカルに穏やかに気持ちよく過ごせるようにしていくのが大切です。自律神経のコントロール、マインドフルネスなどといった考え方が重なってきます。

 

☆不妊治療における、卵の質と生命力をあげると言うポイントについて

不妊治療において、この肺肝のベクトルは、本当に重要です。

ただただ、何をすればよいかということではなく、
その人個人の生命力をあげるには、どの課題を中心に生命力を上げるのか。

どのフェーズを使うのが、肌肉の充実をもたらし、生命力をあげ、卵の質をあげるのかということを考えることが重要なのです。

こちらの症例が非常に顕著です、そして努力が通じ、妊娠、出産につながっています。

卵子の質:滋養が身体に届かない(37歳、39歳出産)
漢方も栄養療法も届きません

イラスト 気虚 鍼灸

いわゆる、ちょっとしたストレスや肝気の不調だけでしたら、鍼をするっとしただけで、
肝気の調整ができ、気の昇降出入が整い妊娠、出産につながります
→症例  ちょっとしたことでもつれたいとがスルスルと解け解決症例。

0007:頭痛 肩こり、妊活、周囲からのプレッシャー

こんな簡単にいかないから、大変なのです。
でも、道はあるのです。
気滞中心の不妊だったら、肺肝調整で一発結果がでましたってことにもなります(症例007)。
気が晴れたら妊娠ってやつです。
そして、いわゆる卵の質、卵子の質が悪いという壁に突き当たったとき、

肺気の充実つまり肌肉が薄っぺらいという
状況の改善が大きな道を開く

こととなります。

そしてここに長い裏ステップ、つまり、脾胃を充実させ、腎気を充実させ、肝気を上手にコントロールするという道のりの果て、身体の充実となり、それが肌肉の充実度があがったなという手応えまでくると、卵の質の改善につながり、妊娠出産へという症例が数限りなくあります。

肺気の充実が、中心の中心にある存在、女子胞(子宮)の充実につながるということは言葉ではいえますが、その道は遠いです。

けれど必ずつながっているということができます。

このときに、結果的に肌肉の充実を図るのですが、どこを中心に治療の手を、滋養養生の手を入れていくかということが弁証論治、東洋医学での診立てにつながると思います。

また肌肉の充実が十分でないときに繰り返しの高度生殖医療は無駄になるので、『待て』といいます。その辺りが治療を進めるときに大事かなって思います。

道はあります、前に向かって進みましょう。