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ふたりめ不妊:産後からの不調、体外受精が上手く行かない。43歳妊娠、出産。

ふたりめ不妊は、悩ましい不妊です。

ひとり、無事に出産になっているから、妊娠出来るんじゃないかというあせり。
そして、ステップアップした高度生殖医療ならばということでやってみても、
なかなか前に進まない。

年齢要因があがる、あせり。
そんなとき、もう少し立ち止まって、あなたに何が必要なのか、かんがえてみてはいかがでしょうか?

☆ご相談:40歳です、不妊治療が前にすすまず、悩んでいます。

40歳です、不妊治療がなかなか前に進まず悩んでいます。

第一子もとても苦労しました。
28歳の時に卵巣嚢腫が茎捻転をおこし、右の卵巣を摘出手術しています。
30歳から妊活を始めましたが、なかなか前に進まず、体外受精、胚移植を5回行い、やっと36歳にて第一子を出産することができました。
妊娠中からからむくみや便秘がひどくなりました。
産後も体調がとても悪化してしまいました。

39歳から第二子の妊活をしていますが、不妊治療をはじめると便秘が悪化しより体調不良となってしまっています。

不妊治療を再開した当初は体重が60㌔でしたが、現在は67㌔。不妊治療をすると体調が悪くなり、便秘が始まり、食欲不振、体重増加となってしまいます。
身体全体が重く、冷たい感じがします。
すでに体外受精を2回行いましたが、妊娠出来ませんでした。

もう一人、子供を産み、育てたいと思っています。
またアレルギー鼻炎がひどくつらいです、また便秘もつらいです。
どうしたらいいでしょうか?

☆ご相談にお答えして〜あせらず身体の力をあげて、前にすすみましょう。

第二子の妊活を前に進めたいというご相談ですね。
第一子の妊娠を30歳からご希望なさって、数々の努力を重ね36歳にてご出産。本当に頭が下がるような努力を続けていらっしゃったのですね。

現在、第二子への妊活、少しでもお力になれればと思います。

☆お身体の状態について

もともと身体がむくみがちで、便秘などもあり、いらないものをすっきりと排泄する力が不足気味の素体であったと思います。

妊娠出産は、身体に大きな負担となります。
健康状態がよければ、妊娠、出産の大きな気血の虚損をともなう波にも、生理的な範囲として乗り切り、生命力が充実する方向ですすみます。

しかしながら、元々の素体が虚損気味であれば、より力を失う方向になり、悪循環となります。

とくに、身体の底力である腎の力に負担となることによって、

上焦:百会熱感、心下つまり
中焦:中脘(CV12)の固さ、臍周の冷え盛り上がり、脾兪(BL20)のゆるみ
下焦:板のような下腹、少腹急結、細絡、骨盤の硬さ、次髎(BL32)の冷え

上焦から、強い気逆
中焦から脾胃の動きの悪さ
下焦から進むオ血、腎虚の状態

という状態になっています。
つまり、産後に補われずにいた 脾腎の弱さに乗じて全身に、強い気の鬱滞が生じ、身体の上部には熱感を伴う気の滞りが生じているという状態です。

身体の底力である、脾腎の力をつけ、全身の気の巡りの状態をよくしていくことが、不妊治療を一歩前に進めることになると思います。

☆不妊治療について、4つのアドバイス

1:第一子が妊娠、出産出来ているのだから、基本的な妊娠する力はある。
2:体外受精の卵のグレードの悪さは、体調を整えることを優先し、採卵を急がない。
3:病院について、あわないようならば転院も考える。
4:採卵は年齢要因もあるので、ある程度いそぐ。ただ移植は全体の体調をあげることを優先する。

第一子が妊娠出来ているのですから、妊娠する力は十分にあるカップルだと思います。40歳の現在でも、採卵ができているのですから、焦らず前にすすみましょう。

年齢要因がありますので、治療を急ぐのは大切です。ただ、現状の子宮(女子胞)の力が落ち、子宮(女子胞)卵巣に生命力(気血の流れ、血流)が届いていない状況では採卵を繰り返しても仕方がありません。

凍結胚ができるまでは、身体作りと採卵を並行し、凍結胚が出来たら、身体作りに集中し、全身の生命力をあげることが、結果的に妊娠、出産につながる近道だと思います。

病院については、現在のところ変更するお気持ちがないということですので、採卵ができているのでこのままでいいと思います。しかしながら、ある程度で転院も視野に入れる柔軟性をもっておくほうが、時間を上手に使うことにつながる可能性は高いと思います。

☆東洋医学的な診立て

・弁証
脾腎両虚 肝鬱瘀血
・論治
益気補腎 益気補脾 疏肝理気
・治療方針
まず第一に、産後から落ちたままになっている脾腎の力をあげ、悪循環で生じている肝鬱を納める。また上焦の熱感がつよければ必要に応じて疏肝理気する。

瘀血については、下焦を中心に温養することで動く範囲で対処する。
督脉上に瘀血所見が多いので、下焦を温養し督脉に陽気を導き通していく。

 

☆治療経過〜出産まで

40歳 鍼灸治療後2ヶ月
1)背中のイヤな感じが取れている
2)冷えが少し楽
3)いつもある秋からの肌荒れがなく、高い美容液を買わずにすんでいる。
治療後半年 採卵周期ー今回は卵の状態がとても良く数も多く見えていたが
排卵済み、人工授精をした。
採卵周期にはいるものの、日程があわず出来ず。
治療後1年 病院をかえる。
採卵周期 3つのうち2つがグレード1で凍結
10ヶ月後 移植 妊娠できず
18ヶ月後 HR周期ー排卵がおこって移植できず。
20ヶ月後  HR周期にて 移植ー妊娠
無事に女児を出産 おめでとうございます。

 

途中に上のお子さんの行事やイベントなどもあり、少し間があいていますが、凍結胚は待ってくれるということを信じて、あせらず前に進めることができたと思います。

しっかりとお迎えの準備をし、無事に二人目の出産となったこと、よかったなあと思います。
子育て、楽しんで頑張ってくださいね!

 

症例:40才出産:医療介入無しで二人目不妊、自然妊娠、無事の出産。0220

30代後半になってくると、妊娠についてもかなりあせりますね。

二人目と言うことは一人目の時よりも確実に年齢があがります。
ですので、年齢要因がある二人目不妊の場合、焦るお気持ちよくわかります。

今回は症例を通じてお話しさせていただこうと思います。

今回のケースも39才と年齢が高めですが、ご本人が一人目も自然妊娠だったこともあり、
はっきりとお気持ちが決まっていたので、無駄な体力をつかわずに治療に集中出来たなと思います。

 

☆二人目不妊は一人目と同じ方法で授かるケースが多い

二人目不妊は一人目と同じ方法で授かるケースが多いです。

つまり、
・人工授精で授かった方は人工授精で。

・体外受精で授かった方は体外受精で。

・自然に授かった方は自然で。

そんな原則はあるように思います。
ただ、産後に生命力を落としてしまうと、医療介入をしても妊娠そのものの成立しにくくなります。

☆☆体力低下の時には、急がば回れ

二人目不妊は、一人目の時よりも確実に年齢が上ですから、年齢要因が気になるケースが多いとは思いますが、急がば回れということになります。

この年齢要因があると、妊娠を早く、早くとあせり、病院へすぐにいかねばと思ってしまいますが、過去の妊娠、出産の経験がある場合は、病院での治療が必須ではないケースが多いです、また逆に病院での治療で解決出来る課題が不妊の課題に直結していないケースも多いですね。一人目を自然妊娠出産、二人目がなかなか授からないといって、体外受精などおこない、良好胚を移植しているのに妊娠しないというお悩みは良く候います。

第一子の妊娠まで体力を戻すこと。現在の妊娠しない要因がどういったことなのかを考え、ご自身に必要な努力をしていただけたらいいと思います。

今回のケースは39才という年齢要因です。

これは自然妊娠自体かなり難しいと考える年齢ですが、

ご希望同理の早めの自然妊娠がやってきてくれて、本当によかったなと思います。
症例、アンケートはこちら0220

☆ご相談:39才です、早く二人目を授かりたいです

 

37才の時に第一子を自然妊娠で授かり出産しました。
現在39才ですが、不妊治療などはせずに、自然な形で第二子も授かりたいと思っています。

39歳 152㎝ 48㌔(あまり体重の増減はない、ピルを飲んでいたときは50㌔ぐらいだった)
20代のころから、生理痛が重く、低容量のピルを長く服用していましたが、35歳の頃に肝機能が悪くなり中止。その後、第一子を自然妊娠で37才で授かり出産。

 

☆☆普段の状態

秋や冬に体調が悪い。
風邪を引きやすいと言うことはない。
食欲は普通、食事は規則的だが、子供と一緒なのDHEA絵早食いになりがち。
食事はおいしく、空腹感もある。子供と一緒に完食が多い(体重の増減はあまりない)
喉や口が渇くこと、苦いこと、違和感などない
お酒はほとんどのまない、たばこもすわない。

便通は1日1回でスッキリです。良好

小便は1日10回ぐらい、時々残尿感があり、夜トイレに起きる。
寝つきは普通、寝起きも普通、疲れが残ることがよくある。

☆☆婦人科の状況

20代から30代前半、生理痛がひどくて低用量ピルを服用。肝機能の悪化で中止

初経は14歳、28日型で定期的、生理痛がひどく二日目三日目がつらい。

生理の高温期にイライラしたり非常に身体が冷える。
顔にブツブツができ、やたらと甘い物が食べたい。
出産は順調、母乳も良く出た。
産後おおきな体調はなかったが、生理の終わり頃から頭痛がするようになった。。

 

☆ご相談にお答えして:第一子妊娠時の体力まで戻しましょう

早く第二子を授かりたいというご希望ですね。

確かに年齢的に39歳ですので、妊娠も少ししにくい状況ではありますが、
第一子もスムーズに自然妊娠していますので、同じように自然な妊娠になる可能性は高いと思います。

年齢要因的に子供を授かる可能性の期間が限定されているということもありますので、基本的なチェックは行う必要はあるとは思いますが、このあたりもご夫婦の考え方でよいのかなと思います。

お身体を拝見していくと、
お腹のツボである:中注(KI15)、気海(CV6)、関元(CV4)といったご本人の生命力を表すツボが抜けています。

背中のツボ:厥陰兪(BL14)から心兪(BL15)の陥凹、上背部の細絡。
胆兪(BL19)、胃兪(BL21)、と言った経穴、三焦兪(BL22)も少し陥凹がみられます。また次髎(BL32)や骨盤経穴は動きが悪い感じです。

手の経穴:列缺(LU7)という全身をともす灯りを判断する経穴のかげり。合谷(LI4)、外関(TE5)と言った経穴のかげり、陽池(TE4)の冷えなどあります。

足の経穴:大都(SP2)公孫(SP4)に冷えこそげ、右の臨泣つまり、三陰交(SP6)奥に冷え、足三里(ST36)陥凹、陰陵泉(SP9)ゆるみ、だいたい胆経突っ張りなどがあります。

全身の力を表すツボがお腹の経穴を中心に抜けがはっきりしていること。
列缺(LU7)の陰りなど、生命力を灯りを示す経穴の陰りがあることなど、全身の気虚がうかがえることと、足を中心として末端の冷えがきついこと、心下の詰まりなど気の滞りが強い可能性が高く、季肋部には細絡があり、舌裏の怒脹、上背部の細絡、生理痛が重いこと卵巣の腫れなどがあることから、東洋医学でいうところの血の滞りの可能性がうかがわれます。
全身の気虚があるために気血の巡りが悪く、気の滞りが血の滞りをよび、悪血を生じている可能性があるのではないかと思います。産後に生理の後半から頭痛がするようになっているのも、素体の力がおちているために、高温期の維持が少し身体に負担となっている可能性がうかがえます。

 

☆☆早く二人目を授かるために

・第一子も自然にさずかっています。年齢要因も気になりますが、お身体の状態をもう少しupさせ一人目の妊娠時のときを目標にして、自然妊娠を望むというお二人の考え方は選択としてありだと思います。ただし、鍼灸治療を始めてから半年程度を目安に、妊娠が成立しない場合は基本的な医療チェックは受けてもいいのかなと思います。

・産後に少し生命力を落としてしまっていることが気になります。第二子は第一子を妊娠した時の体力を取り戻せると自然にやってくることが多いです。食事に少し注意を払い、第一子妊娠時の体重までは増えても良いと思います(+2㌔)

・身体に力が入りやすいタイプです(肝鬱)、リラックスすることを心がけ、気血の巡りをよくしていきましょう。また足の冷えに対して、上部ののぼせが出やすいタイプです(上実下虚)。妊娠は下焦(下腹、足腰)の力の充実が大切です。鍼灸治療にくわえ、セルフケアも取り入れていただけるとより妊娠が早いと思われます。

・手足の冷えがきついこと、血栓ができやすいのではと思われる家族歴がありますので、妊娠初期が要注意だと思います。手入れをしっかりとしていきましょう。

☆☆東洋医学的治療方針

腎虚肝鬱瘀血
益気補腎 疏肝理気、活血化瘀
治療方針:腎気をあげ、全身の気虚を救うことを中心とする。適宜肝鬱を払うことで気血の巡りをよくし、オ血の阻滞とならないようにしていきたい。

 

☆治療経過、3ヶ月ほどでの妊娠、無事の出産へ

初診:中注(KI15)、気海(CV6)、関元(CV4) 温灸
左外関(TE5)、左陽池(TE4)、足三里 三陰交(SP6)、左公孫(SP4)(鍼してお灸)
左胆兪(BL19)、右胃兪(BL21)、三焦兪(BL22)、次髎(BL32) 鍼して温灸、お灸。

セルフケア:中脘(CV12)、気海(CV6)、関元(CV4)、三陰交(SP6)

3ヶ月後:妊娠成立

妊娠の経過について:
第一子が早産だったことや、妊娠初期に少し病院では成長が遅めといわれたことから、鍼灸治療の頻度をあげ、しっかりと子宮血流を出すようにしていく。

つわり、むくみ、貧血などもあるが、無事に経過
正規産で無事に3000㌘弱の元気なベビちゃんを出産

 

☆患者さんからの報告

こんにちは。先月、無事3000㌘弱の赤ちゃんを出産しました。
いまは里帰りで実家に甘えております。
小田原に戻った時にはまたお世話になる事があるかもしれませんが、
その時はよろしくお願いいたします!

☆ビッグママから

無事の出産おめでとうございます。

妊娠初期はいろいろと不安な状態にもなりましたが、あのときにしっかりと鍼灸の手入れやセルフケアをなさり、がんばったことが、しっかりとした胎盤につながり、無事の十分な大きさの赤ちゃん出産につながったと思います。よかったなあとしみじみ思います。

お写真、なんか風格がありますねえ。

二人目の子供ってあっという間に、動き回り、走り回り、飛び回り大変だとは思います。私もいま3人の孫と格闘、振り回されています。

楽しい育児タイムになると思います。がんばってくださいね。

なお、体力がなくなって大変だ〜と思ったら、一歩先手を打って身体をいたわってあげてください。子育てが忙しいと自分のために時間を取ることが難しいとは思いますが、もしご主人のご協力を得られたら治療にいらしていただくのもよいですね。

また十全大補湯という漢方薬が授乳中でも飲める身体の力を補う漢方薬として有名です(ドラッグストアでも手に入ると思います)実際に服用するならば、薬剤師さんなどに相談していただければとは思いますが、年齢高めの出産、育児は思ったよりも体力をもっていかれます。少し先手で手を打っておくのがよいかなと思いますよ。がんばってね。

十全大補湯についてはこんなご意見もあるようです。ご参考今で

楽しい子育てを!

小田原 海 イラスト

小田原の海はいつでも待ってるよ〜

不妊カウンセリング:足し算発想の不妊治療から、本当に必要なことを求めて 0208

足し算発想の不妊治療から、本当に必要なことを求めて 0208

赤ちゃんが欲しいという気持ち、とっても暖かく、そしてなかなか授からないという切なさに、いつも『どうにかしよう!どうしたらいいのか一緒に考えよう』と思っています。

同じ目標に向かうパートナーがいる幸せ

『私達二人の子供が欲しい』という目標があるということは、ご自身と一緒に同じ目標に向かっているパートナーがいるということです。これは素晴らしく、貴重なことです。人生の大きな課題を一緒に歩くパートナーがいる、その幸せが、『不妊』という言葉の前に飛んで行ってしまわないように、いまある幸せをしっかりと握りしめてねっていつも思っています。

不妊治療は、”何をすればいいのか?” ”どうしたらいいのか?”と足し算発想になりがちです。

それはいまの不妊という状況を、なんとか妊娠、出産につなげたいという切なる思いからです。

この思いに寄り添い、ご自身に本当に必要なことはなにか、どうしたら前に進めるのか。そんなことを考えるのが、当院での不妊カウンセリング、不妊治療だと思っています。

この症例の方は、二人目不妊でいらっしゃりました。

ただ、第一子の経過を伺うと、もう奇跡のように、様々なリスクを綱渡りしての出産。いま妊娠ができていないのは、なにかが『まだだよ、もう少し身体に余裕をつけて安全にいこうよ』と声をかけているのではないかと感じました。

長らくかかった不妊治療となりましたが、無事に、無事にご出産となったこと、本当にうれしく思います。

患者さんによりそい、

生まれてくる命によりそい、

少しでもお力になれるよう、がんばっていきたいと思っています。

症例はこちら→二人目不妊、不育症を乗り越えて巡り会った赤ちゃん

ご相談:なかなか第二子が授からず、悩んでいます。

34才で結婚後、すぐに妊娠し、35才で第一子を出産しました。

第一子は、妊娠中毒症を発症し血圧があがり少し早め小さめでしたが無事に出産出来ました。

37才から第二子を希望していますが、なかなか妊娠出来ません。

産後から体調が悪く、冷え性がつらいです。

冷えに弱く、冷えたとき、疲れたときに背中からお腹が痛みます。

この冷え性はどんどん悪くなっている感じがします。

少しのイベントや、季節の変化に身体がついていけない感じがします。

食事はおいしく、空腹感もあり胸焼けがすることはありません。便通の状態もよいです。

トイレは近く、産後から夜トイレにおきます。寝付き寝起きはよいのですが、疲れがのこります。

早く第二子が授かりたいと言う思いと、体調の悪さで、今後どうしたら良いのか悩んでいます。

不妊カウンセリング:ビッグママからのお返事

第二子がなかなか授からないというお悩みですね。

第一子の出産も、いろいろなトラブルはあったようですが、お子さんが無事に生まれ、生まれは小さかったものの、いまでは充分に頼もしく成長しているようで本当によかったですね。

お身体を拝見すると、問診では胃腸の問題がないようでしたが、食物から滋養を受け取り全身に頒布する力をしめす脾胃のツボ(公孫、大都、三陰交、脾兪など)の弱りが明瞭です。そのうえ、冷えの入り込み風邪が身体のなかに停滞している(風邪の内陥)があり、この停滞が非常に強い身体への負担となっています。

胃腸の力不足、風邪の内陥がおこってしまうのは、生命力の底力である腎の力が不足しているためです。

この腎の力は女子胞(子宮)の力を支えますし、全身の生命力を支えます。

早く第二子をというあせる気持ちはよくわかります。

ただ、ご自身もお気づきのように、このままの体調で妊娠されても、非常にきつい状況であるのは明瞭ですね。

もう少し体調をよくすることと、下記しました不育症の検査をお勧めします。体調を改善して、前に進みましょう。

☆不育症の検査をお勧めします。

出産した病院にて不育症の問題はないとのことでしたが、

・手足のきついひえ(実際に冷たい)
・妊娠初期の黄体機能不全
・赤ちゃんが小さめ
・妊娠高血圧

上記既往がありますから、1度不育症の専門クリニックを受診されてはいかがでしょうか?私はお身体を拝見して、不育症と診断される可能性が高いと思います。第二子の妊娠を無事に安心して経過するためにも検査をしておいた方が良いかなと思います。

・弁証 脾腎陽虚 肝鬱 風邪の内陥
・論治 温養補脾補腎 疎風散寒
・治療方針 先ず第一に風邪の内陥をとる。このために脾腎の陽気をたて、全身状態をよくしていく。

ビッグママ治療室初診から出産までの経過

(漢方は専門の漢方クリニックでの処方です)

鍼灸:大巨(ST27)、関元(CV4) 右外関ー右臨泣 足三里、三陰交 肺兪、大椎、脾兪、腎兪(BL23)、三焦兪、次髎(BL32) など。公孫、大都(SP2)、拇指丘

漢方薬:苓桂朮甘湯で水滞はコントロールできるものの、脾陽虚のために軽く疏肝しながら補うことのできる桂枝人参湯を服用。

不育症クリニック不育症と着床障害と診断される。生理の出血が終わった時点でアスピリンを服用。妊娠した場合35週まで飲むようにと指示を受ける。

体調の変化が大きく、とくに8月は辛いと言うことが明瞭なので、9月妊娠、5月出産を目指してみてはとアドバイス。

採卵して、それなりの良好胚はとれるものの、なかなかスムーズな妊娠にはつながらず、不妊治療のクリニックを途中で変更し、複数回の採卵、胚移植ののち、10月胚移植で妊娠。妊娠高血圧にもならずに無事に経過。無事に6月正規産にて3000㌘オーバの元気な赤ちゃんを出産。

 

無事ご出産の報告と不妊治療を振り返って

第一子の妊娠は奇跡のような感じだったなあと思いますとご本人が何度もいわれるように、本当に長い第一子、第二子と二人のお子さんと出会うための旅でしたね。

なかなか妊娠しないと言うことで、高度生殖医療にステップアップされましたが、それですんなり治療が進むわけではなく、ご自身の体調との兼ね合いが非常に難しい状況は続きました。

しかしながら、

・上のお子さんとの生活を上手に楽しむ
・ご自身の体調と良く付き合う
・色々な事があっても、少しずつでも前に進む

そんなことが結局、妊娠につながり、不安だった妊娠生活も無事に過ごすことができ、出産へとつながったと思います。

妊娠中も、不育症のケアを東洋医学と西洋医学の両面から行い、しっかりと大きな胎盤を作ることを目指し、養生ケアをおこないました。3000㌘近い十分な大きさの赤ちゃんが生まれたとの出産報告を伺ったときは本当にうれしかったです。

二人のお子さんに巡り会われたとこ、私も奇跡のようだと感じました。
不妊治療は、なにか私達にはわからないなにかに、導かれているような気がすることがあります。そんな導きの手を感じさせる症例でした。

多くの人に支えられ、導かれての妊娠。無事なご出産、心からお喜びもうしあげます。