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夫婦で体調改善③、男性不妊編(0190 0194)

夫婦で取り組んだ体調改善、男性編です

総論(夫婦で体調改善、自然妊娠出産)

まず、奥様が来院されました。

第一子を出産後の養生がなかなかできず、授乳、子育てで一段と疲れがでてしまい、なかなか回復できず、第一子は自然妊娠しているのに、ドクターからは「顕微授精以外では妊娠出来ない」と言われ、追い詰められていらっしゃりました。

奥様が体調がよくなり笑顔が増えたということでご主人も鍼灸をスタート。
ご夫婦での体調改善で無事に第二子の出産につながった症例です。
さて、お話をはじめましょうか(^.^)

男性不妊の基本は体調アップ

男性不妊は基本的に「体調アップ」です。
そして基本的な、食事、睡眠、休息が本当によく効きます。

これは女性側からは羨ましいほどのスピードで改善されることが多いです。生殖の有り様がやはり男女では少し違いますね。

男性不妊に漢方薬

男性不妊に漢方薬もよく使われます。あまり細かくっていうよりも、結局体調の全般的なアップを狙うわけですので、大きく2つぐらいのタイプにわかれます。
八味地黄丸か補中益気湯と大きくタイプ別にしてもよいでしょう。

八味地黄丸タイプ

 アンチエイジング的な発想で、身体そのものの底力をつけ若返りが必要なタイプです。

補中益気湯タイプ

 胃腸の調子を整え、食べて滋養になる力をつけることが必要なタイプです。

今回のケースでは、補中益気湯タイプのご主人でした。

男性不妊ケーススタディー

30代後半男性、第一子は自然妊娠。

ドクターには、いまの精子の状態では顕微授精でしか妊娠が成立しない状態と診断される。

状況

・30代から身体が疲れやすくなった
・お酒を飲むと翌日までだるい。

体表観察ポイント
・肺兪、膏肓の抜けがきついーー風邪の内陥の可能性
・足三里、脾兪(BL20)の陥凹がきついーー脾気の弱りの可能性
・左三焦兪から腎兪(BL23)にかけての陥凹がトップ
・両大腸兪(BL25)の陥凹
・臍周抜けあり、
・右の季肋部期門にかけて突っ張りアリ。
・右の内関陥凹
・右の太淵腫れ、右の神門硬結

体表観察と問診を通じてのお体の状態について

身体が疲れやすいということから、生命力全体の底力が不足(腎気の不足)それに乗じて、冷えの入り込み(風邪の内陥、肺兪、太淵の反応)があり生命力への負担となった(腎気への負担)。この底力の不足(腎虚)があったために、もともと少し弱めの脾気の状態が悪くなり、現時点での体表観察で見られる、足三里脾兪(BL20)の陥凹となっている。

治療方針

1:先ず第一に生命力の負担となっている風邪の内陥を取り去る2:現時点では脾虚中心ではないかとは思われるが、脾気、腎気は反応が出ている方を先に手を入れる。

治療経過:

4月−9月

気海(CV6)、関元(CV4)温灸。右の内関ー左三陰交ー左公孫。
肺兪、胃兪、大腸兪(BL25)。

治療を経るたびに身体のだるさが減る感じ。
3診目から左の足の巻き爪(いつも炎症があるために手術もできず、濡れた田んぼやプールには入れない)のために左の公孫、大都(SP2)をしっかりと入れる。

3ヶ月後、妻が妊娠した。

20診後、巻き爪の調子がよくなり手術ができ、日常生活に不自由がなくなった。

あとがき:全体の治療のながれにについて。

身体への負担となっていた冷えの入り込み(風邪の内陥)がとれ、全体に体調がよくなったところで自然妊娠。

病院による検査はうけていないものの、顕微授精しか無理と言われたレベルから自然妊娠できる精子の状態へと好転したものと思われます。男性の場合はこのように大きく検査結果がぶれることはよくあります。よくも、悪くも変化が大きいので注意が必要ですね。

冷えの入り込みである風邪の内陥が取れたあとは、胃腸の力を中心とした治療で体調が安定してきています。結果として、冷えの入り込みである風邪の内陥が生命力の主軸である腎気への負担となり悪循環に陥っていたことが全体の生命力への負担となり、体調も生殖機能も低下させていたのではないかと思います。

体調がよくなり、全体がうまくいく好循環に乗れることが出来て本当によかったなと思います。

まとめ:男性不妊のポイント

1:当たり前の体調をよくするためのカラダ作りをする。

2:食事は食事バランスガイドに従う。他に添付資料参照のこと。

3:睡眠、食事、休息の当たり前のリズムを大切にする。

4:下肢の脾腎の経絡の温養、上焦の肝気(あるいは肺気)の鬱滞をとり、腎気をたてる。

体調も回復し、無事に赤ちゃんとも巡り会えてよかったなあと私もほっとしています。
こちらは、爪についてまとめてみました。
参考にしてみてくださいね↓

巻き爪、爪の改善について

更年期、女性の身体が生まれ変わるときに出来る5つのこと

☆閉経という時期は女性であれば誰にでもあります。

閉経の年齢ー予想はつかないものです。

平均的な閉経の年齢は50才前後と言われています。
オムロン →オムロン

この時期は人によって様々です。
40才を過ぎていれば『病的な閉経』とはいえません。

また、いつぐらいに閉経するのかな?という予想はなかなかつきません。
AMHという卵巣予備能は目安にはなりますが、いつ閉経するのかという
予想は案外つかないのです。

☆生理があるメリット:女性の身体を守ります。

生理があれば、エストロゲンの分泌があります。

エストロゲンは、血流をよくしたり、真皮のコラーゲンを増やします。骨にカルシウムもたくわえさせてくれます。つまり女性の身体にとっては骨密度をあげ、血管を守ってくれる大事な要素ではあります。
これが、エストロゲンが女性を守ってくれるという理由です。

しかしながら、貧血や婦人科疾患には悩まされ続けることになります。

そしていつか、このエストロゲンとさようならして、閉経という時期を迎え、新たな扉を開きます。

☆早発閉経は対応が必要です。

40才よりも早く閉経することを『早発閉経』といいます。
早発閉経は治療対象ではありますが、根本的になんらかの方法で
卵巣の機能を取り戻すということよりも、”必要な卵巣機能を確保する”と
言った感じが大切です。エストロゲンが守ってくれる時期があまりにも早く終わるのは
デメリットが大きすぎます。早く生理が止まっている方は、女性ホルモンの補充などの
対策も必要かと思いますので、婦人科にて相談されることをお勧めします。

☆更年期は『変化の時期』生まれ変わろう

女性の一生にとって、閉経は一つ変わり目です。

肝心脾肺腎の五臓のうち、大きく係わるのが腎。腎は私達の一生を支えてくれるパートナーです。

女性にとって閉経は、一生続く人生の中でこの腎が一回り小さくなるあたりまえの時期におこる変化です。

肝木の人間観

変化ですので、とても不安定になります。女性にとって身体のシステムが切り替わるときで、腎気に負担となるため、腎を土台として根を張る肝(特に肝の根である肝陰)が不安定になり、諸症状を出します。ここを乗り越えるとぐぐぐいーっと精力的になる方が多いのも頷けるところです。一皮むけたおばちゃんはずんとした安定感がありますね。

生命形態の変化(閉経時)するときに土台である腎気が負担がかかる、そして腎気が消耗するために一時的に腎気が不安定(つまり腎虚がきつくなる)になります。

とくに腎を支えにする肝陰を中心とする肝気も不安定になることが、全身のトラブルにつながりやすくなります。

五臓六腑

上下のバランスが悪い木です。根っこが不安定で、枝葉がわさわさ。ちょっと辛いですね。

肝腎同源。肝の根は腎とともにあり、私達を支えています。肝の枝葉は天空に向かって枝葉を広げ私達の生きる意思ともつながります。この枝葉が楽しい心をもたらしてくれますし、より不安定なトラブルをもたらしたりもするのです。

閉経時というのは、大きな変化の時です。私達を支える腎気が不安定になり、同源となる肝気も不安定になります。そして肝の枝葉の大暴走が更年期の大きなトラブルです。

頭がふわふわしたり、ホットフラッシュになったり、頭痛がでたり、汗がでたりというのも、気の動きが不安定で、収まるべき所に収まりにくいというトラブルです。身体の源である肝腎が不安定なのです。

変化の時を上手に乗り切り、次の楽しい季節を楽しみましょう。
生理がなくなるっていうのは、ちょっと寂しいですね。
ただ、開放されてみるとなんという自由さ!軽快さ!だと実感も出来ます。

人生の新しい季節を、自分の身体を大事にしながら楽しんで過ごしたいですね。

更年期にしたい身体の手入れ
1)食事! ビタミンACEの接種を
2)運動 毎日1万歩のお散歩を
3)睡眠 充分に寝て、朝の光を浴びましょう
4)毎日のお灸、
自分で手軽に 合谷(LI4) 曲池(LI11) 足三里 太溪(KI3)
背中にやってもらおう 脾兪 腎兪(BL23) 大腸兪(BL25) 次髎(BL32)
5)マインドフルネス瞑想 心の解放を!

 

楽しく過ごしていきたいですね(^^)

13-3 腎の3つの役割から ③納気を主る

13−3 気の納まり所、精神の納まり所。腎、臍下丹田。

先日、仕事で忙しくしていると呼吸が浅くなってという相談をいただきました。

ここでポイントは、仕事というストレスフルで疲れるという状況。
上向きベクトルの気が強くなる上に、身体の余力を蓄える腎の力も弱まります。

人間は生きています
生きているということは、全身をゆったり気血が流れめぐり、隅々までやしなっているということです。
そのなかで上向きのベクトルだけが強くなり、全体の循環が悪くなること。そして下向きベクトルである
腎が弱まると、より循環が悪くなり、上向きベクトルに引っ張られ、呼吸という外気から取り入れ、身体の奥深くまで納めるということが出来なくなるのです。

これが、今日のポイント、「腎は納気を主る」というところにつながります。

腎は気の納まり所です。肺が主導となる呼吸も、腎に納まることによって(摂納)下におり全身の空気の出入りがスムーズとなります。中心に納まる力は睡眠のときにも発揮されるというわけです。

肩の力をぬいて、上向きベクトルをゆるめてみましょう。
そして下腹に手を当て意識をもっていきます。

息を吸うというのは上向きベクトルの意識となります。ですのでそこには意識をおかず
息を吐くことに意識をあて、下向きベクトルの力をアップさせます。