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12−1 肝は疏泄を主る

肝です。

東洋医学では肝木の生命観という観点から、生きる意思の中心ともなる臓腑です。

大きな役割は2つ。疏泄(そせつ)と蔵血(ぞうけつ)

この疏泄という全身における気の升降出入のよりどころと、蔵血という血量の調整が肝の役割です。これによって生命の濃淡をつけていると考えられます。

どこかに一点集中するような場面では肝が強く出動してきます。火事場の馬鹿力をイメージしていただければよいかと思います。ただ、これは緊急出動的な感じになります。現代人のように日常的にこの状況にあると、非常に大きな負担となります。
普段は穏やかに疏泄と蔵血をになう臓腑であってほしいものです。

肝は疏泄を主る

1:気機の調整

 気の升降出入のよりどころとなります

2:脾胃の運化機能を促進

 脾胃の昇降機能が失調してしまいます。のぼらないし、降りない!
 

3:情志の調節

 怒が悪影響を及ぼします。

気機の昇を主るのが肝です。若木がのびのびとしているさまです。


 

10−2 食べ物を実にする力:脾胃は後天の本

10−2 脾は運化を主る

脾は運化を主るという言葉があります。

水穀の運化と言う言葉は、水穀(飲食物)の消化吸収、そしてもう一つ水液の運化(つまり水)の吸収輸布です。
つまり、

”食べ物を実にする力”です。
体の実力ってことですね。

「脾胃は後天の本、気血生化の源」っていう言葉があります。
先天は腎からきており、もともと備わった力。そして生まれ落ちてからはこの後天の本である食べたり飲んだりの実力が生きる実力をつける源っていう言葉です。難しく言うと難しいけど、「よく食べるやつは強い!」ってことですね。

いやいや、東洋医学って、普通のことを難しくいう名人(ってなことはないか)

生命の中心である胃袋の力を大事にするのが東洋医学です。

10−1 脾胃の力

やっと、脾胃までやってきました。
このシリーズ長いな(^^ゞ。

ここでは、食べ物を受け取り、全身に頒布したり、いらないものを下に送っていく脾胃の力をとりあげます。
脾胃はセットで胃腸の力、東洋医学でいうと胃気、全身の生命力というイメージです。

胃:食べ物を受け取り、納め、下へ通降していく
脾:食べ物の栄養を昇らせ、全身に頒布していく

この二つがセットで胃腸の力となっていきます。

さて。全体のまとめ。

脾は運化、昇清、統血を主る

脾気というのは、東洋医学では大きなポイントとなります。
西洋医学でも脾臓というのがあります。

”脾臓の主な働きは、老化した赤血球を破壊し、除去することです。健康な赤血球は脾臓内の網目構造をすり抜けますが、老化あるいは変形した異常赤血球は脾臓内に引っ掛かり、破壊されます。また、脾臓は血小板の貯蔵庫としての働きもあります。通常、脾臓は全血小板数の約3分の1を貯蔵しており、必要に応じてこれを放出します。また、脾臓内にはリンパ球が沢山あり、体内で最大のリンパ器官とも考えられています。このため、免疫機能とも深い関があります。” 東京慈恵会医科大学外科学講座より

つまり古くなった血液を除去してくれるきかんなんですね。またリンパ球がたくさんあって免疫機能とも深い関係があるというのは興味深いところです。

東洋医学では、直接的に食べ物を消化し吸収、そして運搬することを脾の役目と考えていきます。また血液が泄れ出ないようにしっかりと固める作用も脾の作用です。少し違うようで似ている。それが西洋医学と東洋医学の脾の違いかな。