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万事灸す?そして灸すれば通ず 膝の痛みとお灸②

万事灸す?そして灸すれば通ず 

先日、急性の鵞足炎をおこしてしまい、膝が痛くてどうにもならんっていう1週間を過ごしていました。その②です。

その①はこちら→万事灸す?そして灸すれば通ず 膝の痛みとお灸①

急性の炎症だったので、あっという間にまくがおりました。
あーあの痛みはなんだったんだろうか。

さて、膝の痛みでもう少し学びを深くしていきたいと思います。
鍼灸をしている人の中では、西洋医学的なアプローチをする人と、東洋医学的なアプローチをする人にわかれます。

私はどちらかというと、東洋医学的な全体観を中心に考え、生命力の盛衰を中心に、人生を歩むときのパートナーとなるべき鍼灸、漢方、東洋医学の考え方を軸足としています。

西洋医学的なアプローチは解剖学的、筋骨格を中心として考えるアプローチが中心だと理解しています。

まあ、どちらも両者の考えが混在しどちらか一方のみと言うことはないと思います。
私自身も時に筋骨格解剖学的な考え方は取り入れています。

鍼灸学校というのは、学びそのものは西洋医学的な軸足が強いと思っています
医療従事者としてのあたりまえのレベルを獲得するのが大前提ですからね。
そんな時代の学びは基本のキ、大事です。

 

現代医学的な鍼灸アプローチの形

鍼灸学校時代、そして卒業してからもお世話になったのが、この似田先生です。
非常に聡明で、現代鍼灸的なアプロートは絶品。
今回も、先生が新版として出している現代針灸臨床論Ⅰ290620も読みました。

似田先生ブログ→

現代鍼灸、似田敦先生

似田先生の臨床は非常に論理的で解剖学的、西洋医学的に頼もしい限りです。
しかしながら、私はこの似田先生の現代鍼灸的な針は技術的に無理だと思い、同じスタイルの鍼灸はしていないのですが、非常に考え方が明確で勉強になります。

 

資料をあさっていたら、こんなレポートが。30年前の私の方がよっぽど真面目に解剖学に取り組んでいました。それにしても漢字や綴りの間違い多すぎ!!そして似田先生のコメント絶妙ですね。学ぶこと、まだまだ一杯です。

 

 

この中で、私が書いている膝はなぜ障害しやすいのだろうかというレポート

膝はなぜ障害しやすいのか?

1)外傷を受けやすい位置にある
2)脛骨と大腿骨の二つの長い骨のテコの視点となり、ストレスを受けている
3)関節自体に、脂肪ー筋肉による保護がない
4)おおきな関節であるので、靱帯などが長くなっている
5)半月板という再生力の弱い組織をショックアブソーバーとしてかなり強い果汁を引き受けている
→1度障害されると戻りにくい。

上記をあげ、似田先生がどれも正解とコメントをいれてくださっています。


今回、私は膝の痛みのせいであるけなくなって、上記実感です。
おおきな関節であり靱帯が長いこと、全体に関節がむき出しなので、腰のような保護的なやり方(たとえばサポーターやバンドなどでの固定)がしにくいこと。歩行動作には必ず屈曲伸展の動作が入るので安静にしにくいことなど実感ですねえ。

またレポートの中で鵞足考察をしているのですが、これがなかなか秀逸(って、自分で自分にいうか!)

膝の課題 ニーインツーアウト(knee-in toe-out)

膝はニーインツーアウト(knee-in toe-out)しやすく、これが課題となります。
この状態は、側副靱帯や半月板、十字靭帯にストレスを与えやすくなり、慢性的な膝痛を引き起こす可能性を高くします。

ニーインツーアウトの状態は、こちらのニーイン・トゥーアウトまたはニーアウト・トゥーインの原因とメカニズム、改善法がわかりやすいですねえ。

この状態に対して、私がレポートで大きく取り上げている鵞足炎は非常に重要です。

鵞足炎(り整形外科クリニックより)

この鵞足の部分がしっかりしていないとニーインツーアウトしてしまうわけです。

鵞足レポート
鵞足の構成筋肉:薄筋、縫工筋、半腱様筋(以上浅鵞足)、semimembranosus (muscle)《半膜様筋:深鵞足》

鵞足:ヨネ婆ちゃんレポートから

☆鵞足;力学的には歩行時に生じる大腿骨と脛骨の外反方向への外力に対して、膝の内面で抵抗する存在となる。

大腿骨自体を内側へと内転させているおおきな筋肉は、内転筋群であるが、膝関節以下はこの小さい筋がアライメント保持に重要な位置をしめている。よってストレス(外力、骨棘、変形)により、影響を受けやすい。鵞足の緊張は脛骨内側をより内側にひっぱり背反変形の増長となることが考えられる。

このため、鵞足自体の圧痛の消失と、関節裂隙の痛みの緩和が重要。
老人の内反足の原因として、鵞足、内側側副靱帯(medial ligament of ankle joint)が重要

少し改変してありますが、真面目に勉強しているねえ>30年前の自分(^_^;)

 

運動の大原則3つ

運動をするにあたって、まず大原則のコツがあります。
無理な運動やストレッチで身体を壊さないって言うのはあたりまえだけど、ちょー大事です。
そして継続は要でもあるので、モチベーションを維持するのも大事ですね。

1)負荷の軽いモノから
2)少し血流をよくする有酸素運動をしてから行う
3)関節の構造的に無理な運動はしない(身体の痛まない方向性で行うこと)

①はまずストレッチ、膝周りの筋肉、靱帯を気持ちよく伸ばします。
②は構成する筋肉をざくっとおさらい。膝の内側には内側側副靱帯や裏側には大腿二頭筋(biceps femoris muscle)、腓腹筋、ヒラメ筋などがあります。

太ももの筋肉をつけようという感じの筋トレをしていきます。
1)椅子に座って片足をあげ、足首を身体の方に曲げる、
2)座って足を伸ばし、膝の下にタオルをいれ潰す動作。
3)椅子に座って膝の間にボールを入れ、ボールを潰すようにプッシュ
4)膝関節ブラブラ運動をする。椅子に座り力を抜いて、膝を両手で抱えて膝をブラブラ。関節液を潤沢にするぞ〜というイメージ。

 

膝、いつまでも元気で私と一緒に歩いてねって思っています。

万事灸す?そして灸すれば通ず 膝の痛みとお灸①

万事灸す?そして灸すれば通ず 

先日、急性の鵞足炎をおこしてしまい、膝が痛くてどうにもならんっていう1週間を過ごしていました。

急性の炎症だったので、あっという間にまくがおりました。
あーあの痛みはなんだったんだろうか。

 

通常の私のような婆さんバージョンの膝痛は、
変形性膝関節症が絡んでいることが多いので、こんな風に劇的に悪くなり、
さくっと治ってしまうというような経過では
ないのですが、膝の痛みということであれこれ学ぶことが多かったです。

 

 

やっぱり膝は大事。
大切にしていきたいです。

 

さて、さて、自分の膝の分析。

私の膝、現状分析

1:運動によるものや、変形性膝関節症的な痛みではなかった。

2:鵞足炎としての痛みは引いても、鵞足の腫れ、脂肪の塊は存在といった状態です。

 

ここで、膝についてもう一度勉強し直してみようと

もう30年も昔になる(^_^;)、鍼灸学校時代の資料を読み返してみました。

ここで似田先生という、ちょっと太めで日産玉川病院で修行された

頼もしい先生が、整形外科の分野を担当してくれていて、そのテキストを

みなおしながら、先生が新版として出している現代針灸臨床論Ⅰ290620も読みました。

似田先生ブログ→

このテキストの中で、

似田先生ブログ→

このテキストの中で、

※膝蓋下脂肪体について 

 1)膝蓋下脂肪体が注目される理由

   これまで膝蓋下脂肪体は、単純に関節の陥凹を埋める役割だとみなされてきた。しかし近年、知覚神経が集中していることが判明した。膝蓋下脂肪体の炎症→血管新生→血管壁周囲の知覚神経組織の増殖という変 化で痛みを感じやすくなるとされている。この事実は、膝蓋下脂肪体の深部にある関節包に至るまで刺針しなくても、膝蓋下脂肪体の浅い部分まで刺激しても症状改善できる可能性があることを示唆し、浅針や施灸でも効果あることが予想される。下脂肪体の構造は、中に軟らかい脂肪が入ったゴム鞠のようにななっていて、外周は腱膜構造で膝蓋骨・膝蓋靱帯・半月板・前十字靱帯と付着し、あたかもビルの免震構造体のように、これらが動きとともに膝蓋下脂肪体は変形するとともに過剰な動きにならないように制御している。

これを読んで、私の鵞足の腫れは脂肪の塊で、この炎症が今回の激痛であり、落ちついた現在でも時限爆弾になっているのだから、お灸で対応は可能ではないだろうかと考えて、こんなベタな感じでやってみました。

毎日、毎日ベタベタベタと、脂肪の塊のまわりに施灸。

すると6日目あたりから、明らかに脂肪の塊が減ってきて、最後の違和感もとれてきました。

完全になくなったわけではありませんし、多分何かがあればまた腫れるのかなとは思うのですが、いままでも、この塊はあるけど、どう対応すべきか、いやいや触らないで全体の問題にすべきかと思っていたのですが、局所の脂肪の塊があるせいで、炎症がおきるととんでもない痛みになるということが明瞭であるようなきがするので、折を見てのこの手入れは今後も行おうと思います。

現代鍼灸、似田敦先生

さて、似田先生というのは、私の鍼灸学校時代の実技の先生であり、その後ご縁があり、治療院にて一緒に働かせて頂きました。そのなかで、私はこの似田先生の現代鍼灸的な針は技術的に無理だと思い、同じスタイルの鍼灸はしていないのですが、非常に考え方が明確で勉強になります。

 

資料をあさっていたら、こんなレポートが。30年前の私の方がよっぽど真面目に解剖学に取り組んでいました。それにしても漢字や綴りの間違い多すぎ!!そして似田先生のコメント絶妙ですね。学ぶこと、まだまだ一杯です。

 

 

ここから先、長くなってしまったのでパート2に分けますね〜

パート2はこちら→