生理のトラブル:婦人科疾患と食事のコツ

生理にまつわるトラブルで悩む方は多いと思います。


生理痛や出血の多さ、全身の不快感。病的な状態かどうかの判断が難しいこともありますね。
なるべく日常的なケアで対応していきたいものです。

 

☆生理があるメリット:女性の身体を守ります。

生理があれば、エストロゲンの分泌もあるということですね。

女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)と
よばれる2種類があります。

エストロゲンは、血流をよくしたり、真皮のコラーゲンを増やします。骨にカルシウムもたくわえさせてくれます。つまり女性の身体にとっては骨密度をあげ、血管を守ってくれる大事な要素ではあります。
しかしながら、貧血や婦人科疾患には悩まされ続けることになります。

 

☆生理があるデメリット:婦人科疾患トラブルは続く

私は以前に、子宮筋腫の患者の会で相談員をしていました。
私自身も子宮筋腫のおかげでだいぶトラブルを抱えた日々を過ごしました。
そんな相談の中で思うのは、閉経に逃げ込んでしまいたい人ほど、
閉経しないという感じです。

私が一番長いなあと思った方は58才になる直前まで生理があり、
ずっと子宮筋腫に悩まされたと仰っていました。
なかなか辛い時間です。

 

閉経逃げ込み療法という言葉があります。

なんだか頼もしそうな言葉ですね(^_^;)
エストロゲン依存性疾患の場合は、閉経することで、病的な状態から解放されるわけです。子宮筋腫や子宮内膜症で生理のトラブルが多い場合、『もうすぐ閉経』という年齢ならば、なんとかやり過ごし、手術などの介入などナシに閉経に逃げ込み、病気から解放されるという方法があります。

しかしながら、そういった病気がある人はなかなか易々と閉経しないような感じがしますね、どのあたりが落とし所になるのかというところですが、体調が悪いと出血が止まらないなどのトラブルにもなり、閉経までの逃げ込みができなくなってしまいます。是非全身の体調管理をしていきたいところです。

 

☆婦人科疾患と食事

この子宮筋腫の患者の会では、食べ物で大豆蛋白の摂取を勧めています。
そして乳製品を控えることも推奨しています。
これが私の中では大疑問で、解決しないままでもあります。

他のサイトでもこういた記載をみます。しかしながら、
本当に大豆製品の摂取が婦人科疾患に悪影響を与えるのかなあと疑問なのです。
また、果物は身体を冷やすから取らない。コーヒーはよくない・・・。
などなど、あれこれ止めろ情報はあふれるようにあり、これを
信じていくと、『タンパク質?食べてますよ。昨日も油揚げ食べました』などとなります。
いやいやあなたはおきつね様ですかと突っ込んでしまいたくなります(^_^;)

その人にどういった食事が必要なのか、いまあるその方に何が必要になるのかは、
まず『現状を知る』事だと思っています。

現状を知るために
食事が気になるトおっしゃる方には、まず食事記録を記入していただいています。
大豆製品は、『健康を考える女性』の中で、非常に多く摂取している方をみかけます。
そしてそういった方は、タンパク質摂取の中心を大豆、豆製品にし、他のタンパク。質や
乳製品をほとんど取らない方が多いのです。

ううむ、と思いながら、食事バランスガイドに従った食事をお勧めします。
そうすると体調が良くなる方が本当に多いのです。
これは本当に本当です!!
あれがいい、これがよくないという情報よりも先に

1)あなたの現状を知る
2)現状に照らして、自分の過不足を知る
3)バランスガイドにそって、バランスの良い食事をとってみる。

 

そして特に子宮内膜症の方には、『試しに1ヶ月大豆製品をガッツリ辞めてみて』
アドバイスさせていただくと、

『嚢腫の大きさが小さくなった』
『いままで嚢腫が邪魔して採卵が出来なかったところから取れた』
『生理痛が軽くなった』
などのお声を聞くことが多いです。

これは、子宮内膜症や卵巣嚢腫を観察したエビデンスのある報告ではありません。
ただ、人は自分の好みの情報に強く偏ります。

つまり、もともと大豆製品は身体によいと思っている方は、より大豆製品ばかり摂取してしまうということです。その結果バランスの悪い食事となっているのかなと思い至るケースが多いのではと私は感じます。

もしご自身の食事が以下に該当するようであれば、ちょっと見直しても良いかも知れません

1)食事バランスガイドに照らし、タンパク質摂取が少ない
2)乳製品をほとんど取らない
3)果物を取らない
4)タンパク質の命綱は大豆と豆と野菜

上記に当てはまる方は、1度見直してみるのもアリかと思います。

肉を食べない方が身体が軽いんです!という方へ

食事は『軽く』すると『身体が軽くなり』精神的に『ハイ』になり『体調がよい』と
仰る方が多いです。

体重も『軽い』方が動きやすいとおっしゃる方が多いです。

でも、でも、もう少し冷静にみてみましょう。
精神的に軽いは『もやしのような軽さ』であり、
土台である根っこがしっかりしていないため、軽いのかもしれません。

そしてテンションがあげあげなので、体調がよいと感じ、不安定に精神が高揚している
パターンも多いです。

☆乳製品は本当に身体に悪いのか?

子宮筋腫の患者の会で、『乳製品を取った方が婦人科疾患に効果的』という話題が出たことがありました。ハーバード大の論文で乳製品の摂取をしたほうが子宮筋腫のトラブルが少ないという発表があるという発言があり、これ本当なの?とML内で物議を醸し出しました。

いままで余り発言のなかった方が、
『実は肉や乳製品をずっと減らしていたのに、子宮内膜症がひどくなった』『タンパク質は大豆製品だけだったのに子宮筋腫はどんどん大きくなった』『乳製品は全く取らなかったのに子宮筋腫は悪化した』

などの発言が続きました。
しかしながら、これはなかなか難しい課題です。
論文の統計をみても、じゃあその個人にどうなのかということはダイレクトに当てはめていいのかという課題がありますし、また逆にこういった1例発言を受けて、乳製品は子宮筋腫によいなどという話も出来ません。ただ、栄養摂取に関しては非常に難しく、案外あとからひっくり返る発言もあるので、『極端に偏った栄養摂取の方法は危険ではないか』と私は思っています。

食事バランスガイド、案外鉄板ですよ。