1:女性が生まれ変わるとき、更年期の過ごし方 

更年期という言葉がよく使われます。

いろいろな辛い症状、それでも病気とまでは言えない。
急に汗がでる、
のぼせる、
気持ちが不安定
疲れやすい。

更年期と言われるさまざまな症状に、悩まされている方々も多いかと思います。
ちょいとばっかり東洋医学で考えていきましょう。

 

☆東洋医学で考える更年期

東洋医学では、まるごと一つの人間を5つの観点から考えます。

肝心脾肺腎という5つの臓腑の概念です。

五臓の概念についてはこちら

40代後半から50代はじめにかけて、子宮に象徴される女子胞は自然に役割を終える時期がきます。閉経ということですね。

そして、女子胞(子宮)の活動を支えていた腎気が不要になり、

その分余裕ができ女性にとっては、
新たなる人生の出発点となります。

 

☆☆五臓で把える人間、深掘りしていきましょう。

更年期 五臓

肝木の人間観でとらえるとき、肝気は肝陰の根を脾腎の大地にはり、肝陽の枝葉を天空に向かって伸ばします。肝腎の調和があれば、脾腎の大地に張られた肝陰は腎気の養いを受け充分に潤い、枝葉をゆったりと茂らすことができるわけです。

しかしながら、子宮(女子胞)の力が自然と閉じていくその時期に、

閉じ方がきついと、腎気に大きな負担となり腎気の弱りとなります。

そうすると根である肝陰は潤いを失い、陽気の上逆がおこります。

いわゆる更年期の不安定な症状が出現するわけです。

潤いを助ける補血、腎気の安定をはかる補腎が、
更年期、血の道の治療となる理由がここにあります。

 

☆☆私達の生命力を支える腎の器

 

人は腎気を拠り所としてその生命を咲かせます。
器の概念を考えるとき、その躯体が器であり、気が機能でありましょう。

しかしながら、もう一歩考えると、器である躯体は、うつろい変化する存在であると思えます。

そのうつろい変化する存在である私達を支えるよりどころが腎です。

私達を支える存在である腎。

そして機能を考えるときには、十全大補湯で補うところの気血を
イメージするとより近いかと思います。

後天の精と言われる脾胃の力から生じるエネルギーは気血となり全身を潤し、養い、躯体を形どります。そしてその余力は腎気となり蓄えられていきます。

先天の精として受け取った腎は私達に産まれたときから存在し、その充実を成長の過程でなしえ、成人してからは脾気の余力を元として、「器の充実」すなわち「腎気の充実」をなし、生殖に花をさかせ、次世代へとつながっていきます。