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私の受けたい治療⑩ 女性の人生の課題、妊活、子宮筋腫、婦人科疾患とのつきあい

私の受けたい治療⑩ 子宮筋腫、婦人科疾患とのつきあい

妊活の鍼灸治療が多くなる中、それにつれて婦人科疾患での施術も増えてきました。

子宮内膜症や子宮筋腫などの多くのご相談をお受けすることになっていきました。

 

☆妊娠に壁となる婦人科疾患、全身の体調

妊活をすすめていると、子宮筋腫や内膜症などの婦人科疾患が問題となり妊活が進まないというケースを多く拝見することとなりました。子宮内膜症の状態の改善が妊娠の道を大きく開くこと、また子宮筋腫がありながらも、無事に妊活をすすめられてご出産とつながることも多かったです。

また、リウマチ、喘息や疲労感などなどの体調が悪いこと、体力がないことによる妊活の不調や、メンタルの不調などでさまざまな問題が、妊活治療と共に課題となり、一緒に解決の道を考えるということも多く経験していくことになりました。

☆☆妊娠だけではなく、幅広い課題の解決が結局妊娠につながる

私が妊活に舵を切るきっかけの頭痛の患者さんもそうですし、

・体重の課題、
・子宮筋腫、内膜症の問題、
・ご夫婦の問題、
・経済的な問題、
・思想心情的な問題

妊活の壁となるさまざまな課題は、私の鍼灸治療の幅を大きく広げていくことになりました。

また私自身の子宮筋腫とのつきあいも、婦人科疾患との付き合い方を考えるいいきっかけとなりました。

☆自分自身の子宮筋腫とのつきあい

子宮筋腫は女性にとって、結構ある疾患です。

多くの場合は、さほど問題にならず、検診で子宮筋腫があるねと指摘されるものの、妊娠にも大きな問題とはならず、共存していくような経過になることが多いのかと思います。

そして閉経と共に筋腫も小さくなり穏やかになります。

日本産科婦人科学会 子宮筋腫

☆子宮筋腫が妊活や健康に大きな問題となるとき

子宮筋腫、子宮内膜症など、多少の課題を抱えながらも様子をみることが多いと思いますが、これらエストロゲン依存性疾患の場合は、生理がある期間は、症状が悪化していきます。

部位や大きさ、妊娠の問題などで子宮筋腫、子宮内膜症は手術や

ホルモンの調整などの処置が必要な事もあります。

私自身の子宮筋腫は、粘膜下筋腫といい、大きさは小さくとも出血がかなり多くなるタイプで、付き合いには苦労しました。40歳を過ぎた頃から過多出血気味となり、最終的にはUAE(子宮筋腫の動脈塞栓術)をおこない、全摘することなく共存となりました。

この過多月経がひどかった数年の体調管理と鍼灸、漢方は大きな学びともなりました。

また子宮筋腫の患者の会では、相談を受ける立場として長らく一般の方のお悩みについて、一緒に考えていきました。

☆子宮筋腫の患者の会でのカウンセラーとして

自分自身の子宮筋腫と向き合うために患者の会に入り、いろいろな悩み、意見を知るうちに、相談を受ける立場として、運営側に少し軸足をおいていました。

この立場をカウンセラーと呼んで良いのかどうなのかという迷いはありますが、

数人で情報を共有し、お悩みに対して、

・現状の整理、

・病院で提示されている事への理解

・今後の選択肢

などを一緒に考えていくことは、私が仕事としている不妊カウンセリングとも大きくつながっていきました。

☆☆女性の人生にとっての生殖と婦人科疾患

婦人科疾患というのは、女性にとって人生の課題を大きく意識させます。

それまで妊娠や出産ということを考えても見なかった人にとって子宮筋腫の対策のため、子宮内膜症の対応のためにこれらの人生の選択を考えることはとても唐突で戸惑いもおおいかと思います。

生殖能力があるからこそ、婦人科疾患も進行してしまいますし、出産などが終わり、生殖の課題が解決していれば、取り得る選択も広がるという側面がある場合が多いです。

つまり、卵胞が育ち排卵があるので、妊娠の可能性がありますが、

エストロゲン依存性疾患である子宮筋腫や子宮内膜症は進んでしまうのです。

病気のことだけを考えれば、エストロゲンの産生を抑えれば解決してしまいますが、

それは『妊娠の可能性が低くなる、なくなる』ということにつながります。

エストロゲン依存性疾患 子宮腺筋症

日本産科婦人科学会より

気になる乳がんの話 乳がんとエストロゲン

☆婦人科疾患と人生の自己決定

病気に対する決定が、子供や家族といった自分自身の人生を大きく左右する決定ともなることがあります。

迷い、悩み、どうやってつきあっていくのか。

この患者の会でのやりとりは、医療者としてではなく、いまを生きる患者として、どう婦人科疾患とともに生きていくのかというい課題を一緒に考える場となりました。

☆食事療法と婦人科疾患について。

この会では、動物性タンパク質をとらないこと、乳製品を取らないことを推奨、アドバイスしていました。

私はそれまでも、こういったことを実践している患者さんと多く対峙し、食事や食物の摂取に関しては非常に難しい課題だなと感じていました。

何かをやめれば婦人科疾患にならないというほど、単純な問題ではなく食べ物は本当に思想信条にもかかわり、また自分が気がつかない文化や習慣に依存するものであること。そして食事は単品で考えるのではなく食事全体で考えることの大切さを感じていたからです。

ですので、動物性タンパク質や乳製品に対する制限は、私の実感として、そうなんだろうか?と大きな疑問を感じていました。ただ、会の方針として明示されていましたので

私としてはその部分に関しては触れないようにするというスタンスでした。この食事指導、食事のアドバイスは、のちのち私にとって、大きな課題となり、自分自身の理解と知見を深めるきっかけとなりました。

私の受けたい治療⑨ 妊活鍼灸、不妊カウンセラー

私の受けたい治療⑨ 妊活鍼灸、不妊カウンセラー

鍼灸学校を卒業後、弟子入り修行や大学病院での研修していましたが、

個人的に治療を頼まれることもあり、開業届は出し、施術をはじめていました。

大学病院での研修の傍ら、眼科クリニックでマッサージのお手伝いもしており、

その関係でも治療を頼まれることも増えました。

☆頭痛の解決と不妊治療へのつながり

そのなかに、頭痛を主訴とする医療関係者の方がいらっしゃいました。
私のところにいらっしゃった理由は頭痛。
実は私は頭痛の治療が得意です。

頭痛は、頭痛そのものを分類したり、頭痛そのものをアプローチすることを考えますが、
案外、身体そのものを整えると、頭痛が解決するのです。

この方も、数回の治療で頭痛が改善されました。

20数年前の当時は、妊活は大学病院が主流でした。
また、不妊治療を再開するとおっしゃるので、
私からは、鍼灸治療のお休みを提案。当時は妊娠中の鍼灸は禁忌とされていたので、
ひよっこの私は指針に従ったのです。

すると、

『こんなに体調がよくなったんだから、鍼灸も継続した方がいい』
ときっぱりおっしゃり、鍼灸をしながらの妊活で無事に妊娠、ご出産となりました。

いまではそのお子さんも大人になられ、年月を感じます。

その方の紹介で、高度生殖医療をなさっている妊活中の方が多くいらっしゃるようになり、紹介の形で非常に患者さんが増えていきました。

☆妊活に特化していくこと、大きな2つの課題

妊活の患者さんが増えたことで、妊活そのものの情報も集まり、経験値も格段にあがり、不妊治療に関しては、カウンセラーとしての役割も多くなっていきました。

当時の高度生殖医療は自費でした。

非常に高額になる妊活治療は、一緒によりそっていると、

・体調の側面、お身体の状態での妊活

・病院選び、治療選び、治療にあわせた体調の整え方

この2点の課題が大きく支れることに気がつき始めました。

☆☆妊活情報と向かい合うことの大切さ:不妊カウンセラーとして

妊活を始めたばかりの方は、この2つの課題がごちゃごちゃになりがちです。

よいという情報は、情報を売りたい人がお勧めしている情報です。

本当にいるのかどうなのかは、個別具体的な話しになります。

また周りのアドバイスなどはその方ご自身の成功体験を元に語られます。確かに、その人にとっては、その方法が良かったのかなとは思います。

ただ、それがご自身のケースにあてはまるのかどうなのか。
不妊という状況は同じでも、人によってその原因や解決方法はさまざまです。
また妊娠じたい、大きな偶然性と、淘汰というプロセスがあるという動かしがたい事実もあります。

その中で、妊活を年齢要因という要素に向かい合いながらすすめていくことの難しさ、大事さを沢山経験することとなりました。

多くの患者さんが、ご自身の経験を次の方のためにと仰って下さること。本当に私にとって幸せなことであり、私の使命とも感じています。

どうぞ、参考になさってください。

そしてお子さんをのぞむ、ご家族をつくりたいというご希望がかないますようにと願っています。

不妊:婦人科

症例集:コラム

運ののりかた、上手なあきらめかた。

運ののりかた、上手なあきらめかた。

ちょっと気になる言葉があり、古いメールを何気なく眺めていたら、

どうしてこんなに、裏目、裏目の選択をなさるんだろうという話しを

ある方としていました。

その方ご自身は、かなり困難な状況を、

”ここぞ”というところで、踏ん張り、前に切り開いていくのです。

同じ頃に、”ここぞ”というところで、すうっと手を引く、

さらっとお休みする。

つなげておくといい状況を、サクッと切ってしまう。

そんな方がいて、私としてはどうして???のはてなマークの

連続でした。

☆努力ではなくて、運の乗り方の違い?

 

そして、いま改めて思うのは、これは単なる運の乗り方ではないかと。

そんなに人間は違わない。

努力もそんなに実るわけでもないし、

無駄になることも多い。

でもときに、細い糸がつながり、するうっと道を開く人がいる。

これはなんというか、運がその道を開けているのかと。

この運に対して裏切らないようにしておくのが、努力なのかも知れません。

そして、この運の階段をすうっ、すうっとあたかもご自身で

外しているように思えるような方は、この道の運ではなく、

違う道の運がまっていてくれるのかもしれません。

☆スティーブンジョブス:ドットをつなぐ

 

スティーブンジョブスがあの有名なスピーチでいっています。

https://news.stanford.edu/2005/06/12/youve-got-find-love-jobs-says/

Again, you can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backward。

いま、あなたがしている事(dots)が未来に対してどうなっているの結びつけて考えることはできない、振り返ったときに、ああそうかと結びつけられる。

いまを生きる

あなたの思うように今を生きる。

それだけだねえ。
努力があるのは、やっぱりあたりまえ。
大前提。
そしてその努力がつながるか、つながらないのか。
未来はわからない
未来になって振り返ってみて、『あ、つながった』って思うもの。

思い浮かべる未来が、家族がいる、子どもがいるというものであるのならば、
そのドットをつなぐ努力はしてみましょう。
いま、その時点での努力が、希望同理の未来につながるとは限りませんが、
いつか振り返ると、あなたの人生にとって貴重なドットとなっているのかなって
思います。

41才 鍼灸を取り入れてのスムーズな妊娠出産、ワガママ自分勝手が妊娠のコツ。0217

41才 鍼灸を取り入れてのスムーズな妊娠、妊婦生活、出産。

人生の適齢期は人それぞれです。

確かに妊娠に関してだけ言えば、年齢が若いことは有利でしょう。

 

年齢が40代であり、妊娠としては高齢妊娠、高齢初産というハイリスクなグループではありますが、そのなかで、鍼灸を上手に取り入れ、妊活をスムーズに進め、妊娠中のトラブルも上手に対応し出産につなげることができればと私は思っています。

応援してますよ!

イラスト ツボ セルフケア

症例はこちら→41歳、1度の体外受精でスムーズに妊娠 鍼灸による出産までの体調管理

☆ご相談 40才、1年前から妊活しています。妊娠に向けてなにかできることはありますか?

タイトル

 

40歳です。1年ほど前から妊活しています。

人工授精やタイミングを行っていますが、なかなか妊娠しません。

不妊治療の一般検査では夫も私も大きな問題はありませんでしたが、

1)最近生理周期が短め(24-25日)
2)卵管の通過は左右ともOKであったが、少し左の通過が悪い
3)プロラクチンが高め
4)フーナー検査不良
5)AMAは年齢にしては良好

病院ではそろそろ、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療へのステップアップを勧められています。

身体全体の体調としては
1)疲れやすいこと
2)腰のだるさ
3)精神的なストレスに弱い

上記のことが気になります。

なにか自分にできることがあったら取り入れて、妊娠そして出産に取り組んで行きたいです。

 

☆ワガママ、自分勝手になって、ご自身の生命力をupさせて妊娠、出産につなげましょう。

 

早く妊娠出産したいとのご希望ですね。

いままで、人工授精、タイミングなどをなさってきたこと。もうすぐ41歳という年齢要因を考えても、なるべく早くステップアップをなさるのはとてもよいかなと思います。このまま時間を置かずにすすんでいきましょう。

お身体を拝見すると、大きな問題はありませんが、手足が大きく体格がよいわりに、体幹のパワーがないために、動きや動作によって体力の消耗が大きいタイプだと思います。(手足の大きい気血両虚タイプ)。

このタイプの方は、周りに気を使ったり、こまめに動くことで身体の中心となる臓腑や子宮(女子胞)のを予想外に使ってしまいます。

妊娠はこの臍下丹田にある女子胞(子宮)の力がとても大切です。しかしながら、手足の大きな気血両虚タイプの方は、ご自身の生命力が女子胞(子宮)に集まりにくく、手足末端に引っ張られがちです。

妊娠をめざす今は、少しわがままになり、自分中心でいきましょう

頼まれごとや、仕事の気遣いもほどほどに。自分大事、家族大事で過ごしていくことが、自分というこれから子宮という身体の中心で卵ちゃんを迎え、孵卵器となって育てて行くコツです。

また継続的な冷えの入り込みが身体にうかがえます。これは身体の負担となりますので、取り去っていきたいと思います。またセルフケアも効きますからとりいれていきましょう。

少しまとめておきますね。
1)気血を養い、全身の生命力をあげるという観点を中心に。
2)身体の中心にある女子胞(子宮)の力を育てましょう。
3)AMHがよいので、細かい婦人科的な課題は気にしない
4)自分中心にして、わがままにすごしましょう。
5)冷えの入り込みに対応していきましょう。

 

☆☆東洋医学的な観察ポイント

 

食欲あり、食べるのは遅い。食事は美味しい。口が渇く。二便に大きな問題なし。睡眠は寝つきが時々悪く夢をよくみる。寝起きが悪い。
生理周期が最近短め。塊などはない、排卵時に軽く下腹部が痛む、イライラ、眠気。

舌、色褪、瘀斑あり。舌裏怒張無し。列缺(LU7)のかげりあり。右の内関(PC6)陥凹。右の肺兪(BL13)、厥陰兪(BL14)発汗、動きが悪い。右の肝兪(BL18)、左胃兪(BL21)、両腎兪(BL23)陥凹(右の腎兪(BL23)トップ)。左右とも脾募あり。左の股関節から大腿部に若干冷え動きの悪さあり。

・弁証 腎虚肝鬱 衝任脈を中心とした気血両虚
・論治 益気補腎 衝任脈を補う
・治療方針

 女子胞(子宮)を養うために、衝任脈を中心に益気補腎をおこなう。

 必要に応じて、肝鬱などの処置もするが、基本的に女子胞(子宮)の安定に勤めていくことを中心とし、ほかのことには養生の範囲で対応していく。

☆治療経過

☆初診〜セルフケア指導

 1)右内関(PC6)、右陽池(TE4)外関(TE5)、足三里(ST36)、陰陵泉(SP9)、三陰交(SP6) 関元
2)右肺兪(BL13)(抜けをしっかり)
3)腎兪(BL23)、右胃兪(BL21) 左脾兪(BL20) 次髎(BL32)

セルフケア 関元(CV4) 右外関(TE5)陽池(TE4)、陰陵泉、三陰交(SP6) 脾兪(BL20)、腎兪(BL23)、次髎(BL32)

 ☆棒灸指導 臍、中注(KI15)、関元(CV4)

☆1ヶ月後 採卵から移植 鍼灸の頻度をぐっと増やして

 採卵ー移植ー妊娠判定陽性 ここから週に2−3日から5日の鍼灸治療、毎日のセルフケア。

☆妊娠初期の不安定さ:

 動くと出血しやすい→とにかく安静に。
鍼灸継続、セルフケア継続
切迫流産などの診断もあり、診断書をもらい仕事を休む。

☆妊娠15週〜35週まで
 子宮筋腫が目立つが、棒灸をいれて対応
鍼灸治療も継続。

☆35週:恥骨付近が痛い→トコちゃんベルト、置き鍼で対応。
遠方からの通院のため、一人での来院はここまでで終了。
出産近くになりご主人の送迎などがあれば可能であれば来院はOKと指導。

41週、3000㌘越えの男児を出産、おめでとうございます。

イラスト ツボ セルフケア

 

☆まとめ:ワガママ、自分勝手が必要な妊活、マタニティライフ

 

『なかなか妊娠しないぞ』と思ったときには、ご自身の課題を知る必要があります。

それは、妊娠にまつわる一般的な病院でのチェック(ホルモン、卵管の検査など)。
手足のおおきな気虚タイプの方は、自分の中心を守るという課題をしっかりと意識していただくことがとても大事です。臓腑、子宮のある体幹にくらべて手足が大きいと、気血や身体の力が動いているおおきな手足にひっぱられ、相対的に臓腑や子宮(女子胞)の力が薄くなります。気遣いをよくする人や優しい人に多く、少しワガママで自分勝手にしてねというアドバイスが結果的に妊娠に貢献してくれます。

妊娠し、子宮(女子胞)で赤ちゃんを育み、出産するのはご自身です。自分を守ることを最優先にした時間が、妊娠そして出産をスムーズに導いてくれたんだなと思います。

 

☆アンケートにお答えして

『私が妊娠ー出産出来た理由』その他のアンケートなどはこちら→

アンケートのご記入ありがとうございます。

初めて伺った時、「手足が大きいから、使い過さないようにして、とアドバイスを頂さ、目からウロコだったと同時に、手足を動かしまくっていた生活スタイルをどう変えよう?と戸惑いもありました。結果すぐに妊娠。

初診の時の私からの言葉が印象的だったのですね。少しあの時を思い出しました。

Mさんのように、体幹に比べ手足が大きい人タイプのかたは、中心(臓腑、体幹)に生命力が集めにくく、動いている手足にひっぱられやすいのです。

またこのタイプの方が、幸福の王子のように、他の人のために気を使い、手足をつかい、奉仕すると、自分はどんどん生命力をもっていかれてしまうのです。だから妊娠しにくい。

妊娠、出産は究極の自分と自分の子供だけに集中する必要があります。引っ張られやすい周りや末端に対して必要最低限なケアにして、中心を養う。そんなことを伝えたかったのです。

私の拙い言葉をしっかりと受け取っていただき、スムーズに妊娠され、その後もケアを早め、早めに行動してくださり、妊娠中の長い時間をすごされたこと、とてもよかったかなと思っております。

これからの子育て、楽しんでくださいね(^^)

41歳:子宮内膜症、チョコレート嚢胞で採卵が進まない、妊活が進まない。0110

40歳の時に、赤ちゃんが欲しいと言うことで来院されました。

人生って長いようで短い。
あっという間に時間がたちます。
妊活においては、時間は本当に貴重。

そして、35才から40才という時間も、
女性の人生の中でいろんなことがあり、ただただ
妊活だけに的を絞るわけにはいかないこともあります。

34歳から赤ちゃんを望んでいらっしゃいますが、いろいろなことがあり、
子宮内膜症や、婦人科的な状況も進行してしまい、治療が前に進んでいない状況でした。

身体作りをし、病院を選び、前に向かって進まれ、無事に41歳にて
元気なベビちゃんのお母さんになられました。

それでは、一緒に症例から考えていきましょう。
WEBの弁証論治はこちら

☆ご相談:40才です、不妊治療が前に進みません

34歳で結婚し、1年後から妊娠希望です。
36歳から婦人科にて不妊治療を始めました。
その後37歳頃から仕事の場処が変わったりして
精神的にも肉体的にも大きな負担で、風邪を引きやすく喘息っぽくなってきてしまいました。

39歳のときに自然妊娠しましたが、残念ながら化学流産してしまいました。
その後生理周期が長くなったり、短くなったりと生理が乱れてしまいました。

不妊専門のクリニックにかわり、検査もしましたが、左側卵巣に大きなチョコレート嚢胞があると指摘され、子宮内膜症もかなりひどいといわれています。

人工授精を5回し、体外受精を始めた方がいいと言われ採卵の周期に入っています。
もう40才になってしまいました。

どうしたら妊娠、出産出来るのでしょうか?

 

☆ご相談にお答えして:前に進みましょう!

いままで、いろいろとお仕事の忙しい中、がんばっていらっしゃいますね。
1度自然妊娠されていることから、人工授精を何度か挑戦されたのは
もっともなことだと思います。

カップル的な大きな要因がないわけですから、充分自然妊娠に再挑戦というのは
意味ある選択だったと思います。

しかしながら、年齢要因もあり、体外受精の選択をなさったのも、当然の
選択です。
迷わず前に進んでいきましょう。

☆☆東洋医学的な診立て

・弁証
・論治
・治療方針
腎虚 風邪の内陥
疎風散寒 益気補腎

まず第一に風邪の内陥を取り去り、全身への負担をとる。
腎気の底上げをし、妊娠し継続できるようにしていく。

 

 

☆☆不妊治療へのアドバイス

39歳のときに、自然妊娠なさっていますので、妊娠する力は充分あると思われますが、
流産をきっかけに身体の状態が、東洋医学で考えるところの生命の土台である腎の力を中心に一段低下してしまっています。このため生理周期が短くなったり生理の量が減ったりというように妊娠する力が落ちています。また、遠距離通勤をなさった当時の無理によっても身体の力が一段とおちているようです。

お身体は遠距離通勤のときと、化学流産のときと、2回大きな変動があり、かなり負担が
かかった状態になっています。

1:迷わず体外受精などの高度生殖医療に進む
2:チョコレート嚢胞、子宮内膜症の状態によっては転院の可能性も考える
3:身体の力を明確におとしているので、腹くくって立て直す、時間を無駄にしない
4:規則正しい生活、睡眠、休養

1、2について、年齢要因的に、体外受精の選択は正しいと思います。
しかしながらチョコレート嚢胞があるので治療が前に進まない場合は病院選びの再考をするつもりで、時間を無駄にしないようにした方がいいと思います。

3,4について、
身体をガクンと悪くしている明確な時期が2回あります。これは妊娠がしにくくなることにつながっていますし、素体に強く負担をかける妊娠が、再度の大きな体調不良につながる可能性を示唆しています。妊娠ー出産の時期は女性にとって虚損病の始まりにもなる可能性を秘めた時期です。

上手にこの時期を乗り切り、女性の素体のリズムの範囲で消耗し、回復していく波に乗れるような身体にしていくことが、妊娠を考える上で大事であるばかりではなく、家族をもち、お子さんとのこれからを考えるために本当にだいじなのです。

妊娠はゴールではなくはじまりです、一緒に頑張って行きましょう。

 

☆治療経過、妊娠、出産まで

初診 以降週に1度の頻度で鍼灸治療
初診:足三里(ST36)、三陰交(SP6)、右陰陵泉(SP9)、左外関(TE5)、 左合谷(LI4) 関元(CV4)
風門(BL12)、肺兪(お灸、温灸)
三焦兪(BL22) 右胆兪(BL19) 中膂兪(BL29)、気海兪(BL24)
臍に温灸

自宅施灸指示:足三里(ST36)、三陰交(SP6)、陰陵泉(SP9)、左外関(TE5)、左合谷(LI4)、臍、関元(CV4)

1ヶ月後、IVF チョコレート嚢胞のところしか卵胞育たず見送り
2ヶ月後、IVF 卵巣が腫れてしまい見送り

採卵の周期には入れているので、転院をアドバイスする。
6ヶ月後、採卵ー凍結胚ができた。病院から年齢要因もあり、子宮内膜症の進行も早いので、採卵を続けてみることをアドバイスされた。
7、8,9ヶ月後それぞれ採卵してみるも、よい卵とならず凍結出来ず。
10ヶ月後、採卵ー凍結胚盤砲が出来た。
11ヶ月後、採卵ー凍結胚盤砲が出来た。

凍結胚が3つできたので、移植周期へ
12ヶ月後、13ヶ月後、移植周期、ホルモン値があがらず見送り
14ヶ月後、移植、妊娠、無事に不妊クリニック卒業
妊娠〜10ヶ月後:3100㌘越えの元気な赤ちゃんを出産

 

☆無事の出産を迎えられて

年齢要因や、婦人科疾患、忙しいお仕事と課題がいくつもありましたが、
しっかりとご自身の人生の中で、今するべき事に焦点をあて、
前に進み、無事に赤ちゃんと出会えて本当によかったなと思います。

イラスト ツボ セルフケア

 

年齢要因と、婦人科疾患は、どんどん進み、妊活を大きく阻む壁となります。

それでも、身体作りをし、病院をしっかり選び、前に向かって進む。
不妊治療は不確実です、これをすれば絶対にということはありません。
でも、出来ることをしっかりとやってみる。期間限定の挑戦、応援してます!