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私の受けたい治療⑬ 心と身体と生きる意思

私の受けたい治療⑬ 心と身体と生きる意思

☆さまざまな臨床経験を通じて

日々の臨床は、さまざまなお悩みに一緒に解決していく道をさぐることになります。

このなかで、自転車操業的なその日暮らしと、日々をバックアップしてくれる体力の余裕資金があることの違いは非常に大きく、人生を左右するものだということを実感しました。

健康面で、人生の課題ができたときの選択肢は、

・まっすぐに、西洋医学に舵を切るべき方
・東洋医学や、漢方、鍼灸などの手入れが必要な方
・食事の改善、生活改善が必要な方
・目の前の体調だけではなく、余力の積み増しが必要な方、
・時間とタイミングが必要な方

いろいろな要素が、現在の『不調』につながっているのだなと実感するようになりました。そしてまた身体だけではなく、心の不調も身体とひとつとなり私達の健康に大きな関係性をもつことも実感できることです。

そしてもう一つ、『生きる意思』がその人の人生にとても大きな課題となっていることも痛感するようになりました。

☆現代を生きる私達の選択肢と生きる意思

食事は生きるということに直結します。
しかしながら、この食にまつわる、色々な思想信条、選択、そしてその結果を、
東洋医学的な四診の目を通じてみることは非常に興味深いことです。

私達には、それぞれ生まれ育った文化があります。
家庭があり、環境があり、その中で生まれ育ちます。

このなかで、『生きる意思』も大きな影響を受けて育ちます。

いつも精一杯がんばりたい
困難がおきても前に進む
勝負にはつねに勝ちたい
誰かと一緒にいたい
いつも自分が頑張らなくてはならない
やりたいことは精一杯やりたい
すっきりできる事が好き
この味が好き
この人が好き
面倒くさいことはイヤ
子どもが欲しい
怖いことはいや、
やったことがないことはいや

などなど

私達はさまざまな価値を持ち、『生きる意思』がその道の歩き方を決めています。

そして時にこの『生きる意思』は、心と身体をもつ私達の心身の器を越えた選択をしたり、無理を重ねる選択もします。

どうやって、この生きる意思が、心と身体をもつ私達を調和のある形で運転手となってくれるのでしょうか?

生きる意思と、心と身体の課題の乖離をよく見かけることも、臨床では多くありました。いや、自分の意思と、身体の課題が調和できていることのほうが少ないために、鍼灸にいらっしゃるということも多いのかなと感じています。

☆心と身体と生きる意思

東洋医学の世界では五臓で身体の状態を捉えます。

五臓:肝、心、脾、肺、腎

この五臓は1つの身体を5つの観点でみていくということです。

そして主に身体のありようをみていきます。

また、同じように5つにわけるときに、対応する感情として五志が考えられています。

肝→怒、
心→喜、
脾(胃腸)→思(思い悩む)、
肺→悲、
腎→恐

感情は、身体と直接的な関連性をもっていると考えています。
さまざまな出来事によってもたらされる感情と、その影響のある臓腑という
考え方はなかなか面白いものです。

そして、これにくわえて、私は、生きる意思ということを考えます。

基本的にこの意思は、肝とつよく関連性を考え、身体の気の昇降出入に大きな影響を与えると考えています。

その上で、私はこの生きる意思が、私達の人生の選択においてさまざまな局面であらわれ、強い影響をもっていると感じます。

つまり、心と身体のある私達を、この生きる意思が方向性を示唆するのです。

 心と身体の運転手

この図は認知行動療法を考えるときにつくりました。

そしてまさに生きる意思とは、この運転手なのです。

☆心と身体の運転手である『生きる意思』

私達は心と身体をもち、さまざまな出来事がある人生を生きています。

この運転手であるのが、生きる意思であり、生き方を選択していく『生きる意思』です。

この運転手である生きる意思は、身体の状態や感情を乗り越え、人生を歩んでいきます。

人生を豊にし、楽しくし、幸福にしてくれるのが『生きる意思』です。

しかしながら、面倒くさがったり、捻くれてみたり、突き進みすぎたり、中途半端にやめてしまうのもこの運転手である生きる意思です。

暴走してしまったり、逆走したり、
はたまた意味のないレースをしたり
高すぎる山を目指したり、
道のないところを走ろうとしたり、
自分の車(身体そのもの)のパワーにあわない運転をしたり、
せっかくの車の性能を生かし切らない走りをしたり。

心と身体の運転手である生きる意思と調和をとって生きることは非常に大切なことです。

私達は、この五臓の観点から身体を考え、感情を考えて養生します。

☆生きる意思である運転手が、自分の心と身体をしっかりと認識すること。

人生の運転をするときに、その目標と、自分の車の性能をしっておくことはとても大切です。またどの様な道を歩むのか研究しておくことも大切です。

たとえば、妊活をしたいひとであり、体力の余裕資金を積み増さなければならない状態なのに、どうしても日々の仕事、イベント、娯楽などを多く重ねる日常があたりまえになっている方がいらっしゃります。どうしても、多くの予定を入れないと満足や安心ができないのです。

このときに、身体と余剰資金の関係をしり、しっかりとご自身の生きる意思をもち、賢明な運転者となり、人生をドライブしていくことで、人生の目標を得て、新しい人生の扉を切り開いていった方と多くの時間を共有させていただきました。

妊活はときに、ご自身のいまある生活パターンをかえ、体力の余裕資金を貯める必要があることもあります。これは難しい、でも、それが達成できると、目標である妊娠にも自然と到達できることがある。そしてその後も、体力の余剰資金があるおかげで、出産も順調にのぞめ、子育ても無理がなく過ごせます。

余剰資金がないと、出産時のトラブルが引き起こされ、産後の1ヶ月は気をテンパらせてなんとかなっても、その後にどーんと産後のトラブルであるメンタルやリウマチ、喘息など虚損病を発症してしまうなどということもおこってしまいます。大きな違いです。

上手な人生の運転手であることは、いろいろなことがある、人生の荒波を受け止め、乗り越えていくおおきな助けになるのです。

自らの心と身体をしっかりと認識し、よいドライバーとなって、人生を歩んでいきたいものですねえ。

私の受けたい治療⑫ 2つの暮らし:自転車操業と余裕資金

私の受けたい治療⑫ 2つの暮らし自転車操業と余裕資金

妊活や、体調管理など、多くの患者さんを拝見できるということは、臨床家にとっては非常にありがたいことです。

そして患者さんのさまざまな訴えや、お身体を拝見することから多くの発見がありました。

☆生きることの二つのフェーズ:自転車操業と、体力の余裕資金

生きることは二つのフェーズがあることもこのころ痛感しました。

私達は日々を生きています。

その日々が、ただただ、一日をすごすことが精一杯なのか、

余裕があっての日常なのかは大きな違いがあります。

つまり、

自転車操業的な日々と余裕資金のある日々です。

自転車操業でも、なんとか、一日がすごせれば、生きていけます。

つまり、なんとか、今日食べた食事で、今日生きていける。

そんな状態です。

ただ、ちょっとした出来事、たとえば、『寒い』とか、『仕事がきつかった』『睡眠不足』などがあると、自転車操業的な体力では、このちょっとしたことに対して対応することが大変になり、全身の不調となってしまう方がいらっしゃります。

このちょっとした出来事を柔軟に受け止め、全身の不調にまで波及させないように

するのが、体力の余裕資金です。これは人間の体力でも同じ事です。

人生の様々な場面で、体力の余裕資金は私達の人生をバックアップし、安定させてくれます。

この体力貯金が妊活では、子宮を支え、赤ちゃんをはぐくみ、出産後の授乳、子育てを支えます。

また、寒い、熱い、忙しい、寝不足などがあっても、柔軟に対応出来るようになります。

この体力貯金がないと、ちょっとしたことがきっかけで、重篤な状態に陥ってしまいます。

風邪は万病の元といいますが、風邪がちょっとしたことで終わるのか、万病になっていってしまうのかも、この体力貯金が必要なのだなと気がつき始めました。

☆女性にとっての体力余裕資金

女性にとって、生理があるリズムが日常です。

卵胞が生理周期に并せ育ち、排卵し、子宮内膜を肥厚させ、

妊娠が成立しなければリセットとして生理がきます。

この生殖のプロセスを、しっかりとバックアップをしていくのが

余剰資金の体力預金です。

生殖の場合は腎気が中心となります。

体力預金がなければ、なんとか生理はきますが、

疲れた、緊張していた、冷えた、こんなことによって日常のリズムである

生理は乱れます。

また、生理周期の終わり頃の高温期が辛くなります。

生理そのものに疏通の悪さがあれば、生理痛がひどくなります。

また、妊娠の成立まで致らないということもおきます。

卵胞が充分に養われない、子宮内膜が充分に厚くならない。

こんなことが重なると、なかなか妊娠が成立しなくなります。

また、妊娠ー出産は素体に大きな負荷をかけます。

気血の虚損が生じやすいですし、出産そのものや、産後の夜間も含む育児は

体力を奪います。

体力の余裕資金がなければ、産後にメンタルが辛くなったり

リウマチ喘息などの虚損病が発症したりということもおこってしまいます。

妊娠などの生殖が、女性の人生において一番、体力の余裕資金があるであろう

年代に限られるのも納得ができますし、この時期の充実が強くのぞまれます。

☆なにかあったときの、火事場の馬鹿力が出せるように

この体力の余裕資金はなにかあったときに、私達を力強く守ってくれます。

つまり、『火事場の馬鹿力』です。

火事になった! そんな緊急事態に

ざくっと力をだし、力強く周りを守り、逃げる。

こんな力を密かに備えておくのが人間の身体のつくりです。

☆体力の余裕資金、積み増しの難しさ。

患者さんの話を伺っていると、この二つのフェーズがごっちゃごちゃになっているような方が多くいらっしゃります。

たとえば、『身体の体力をつけたいんです』と仰り、一生懸命マラソンしていますと。

この文脈、もともとの素体の力がある、つまり余裕資金がある方ならば余裕資金の積み増しとなるかもしれません。

しかしながら、体力の余裕資金がない、日々の自転車操業的な日常だけが精一杯な状態だの方が、こんな負荷をかければ、日常に大きな負担となり、単なる過重労働となってしまい、もともと少なかった体力の余裕資金を削ってしまう結果になってしまいます。

体力の余裕資金の積み増しは、案外難しいんだなということを痛感しました。

私の受けたい治療⑪ 食事のありようと健康、現代を生きる私達の選択肢

私の受けたい治療⑪ 食事のありようと健康、現代を生きる私達の選択肢

〜全体をみる、文化を考える、人生の文脈を考える。
           私が食事を通して学び考えていったこと〜

食事の問題は私達の健康に大きな影響をもちます。

また情報も多く、それだけ興味や関心の深い課題でもありますね。

人生を歩んでいくときに、食事というのは、人の輪を広げ、楽しみを広げていきます。しかしながら、思想信条も大きく絡み、ゆがみやすいものであるのもよくわかります。

私自身この課題については、自分の臨床の場でもさまざまな場面で相対することとが多く、健康を考える上での大きな柱であると認識しています。

☆子宮筋腫患者の会での動物性タンパク質、乳製品に対する考え方。

私が所属していた子宮筋腫の患者の会では、動物性タンパク質をとらないこと、乳製品を取らないことを推奨、アドバイスしていました。

これはなんらかの根拠があってのアドバイスであるのだろうと思います。
しかしながら、私は自分の臨床の実感として、これら制限のある食事アドバイスは、その制限自体よりも、結果として、食事全体がかなり偏ったものになってしまうきっかけになってしまうのではないかと感じていました。

☆食事において、制限を求める情報のもたらすもの。

私はそれまでも、こういった、かなり偏ったり、きつい制限を実践している患者さんと多く対峙し、食事や食物の摂取に関しては非常に難しい課題だなと感じていました。

何かをやめれば婦人科疾患にならないというほど、単純な問題ではなく食べ物は本当に思想信条にもかかわり、また自分が気がつかない文化や習慣に依存するものであること。そして食事は単品で考えるのではなく食事全体で考えることの大切さを感じていたからです。

・乳製品をやめること
・動物性タンパク質をやめること

これらは案外わかりやすくてやりやすいです。

コレを食べない、あれを食べないと決めればいいだけです。

しかしながら、かなり栄養豊富なこれらの食品を抜いて、バランスを失わない食事をしていくことはかなり難しいことです。

やめた食品で得られていた栄養素を、他の食品で補っていくということは本当に大変です。

これが薬と食事の違いだと思います。薬であれば、この薬を飲む飲まないは薬だけの観点で考えることが可能だと思います。

しかしながら、食事の場合は、短期間ならまだしも長期的に制限の加わった状態にするという事の持つ意味は、食事全体のデザインから考えてみる必要があるのではないかと、食事制限をしている方々の、食事生活記録をみて思いました。

☆☆本当に動物性蛋白や乳製品をやめれば婦人科疾患が軽減するのだろうかという疑問

また、動物性タンパク質や乳製品に対する制限は、私の臨床を通じた実感としては、そうなんだろうか?と大きな疑問を感じていました。

動物性タンパク質を取らない方は、どうしても大豆蛋白の選択が増えています。かなり偏ったお考えの方も、多くいらっしゃりました。

ただ、子宮筋腫の患者の会の方針として私が入会する以前から、明示されていましたのでその部分を指摘する立場でもないと思い、私としては食事に関しては、距離をおくというスタンスでした。

 

☆☆乳製品を摂取した方が子宮筋腫のトラブルが小さい??

あるときに、会員掲示板でとある海外の論文発表で乳製品を摂取した方が筋腫のトラブルが少ないという発表を紹介された方がいらっしゃりました。

そしてかなりの論争となりました。

『実はこんなに我慢していたのに,内膜症はひどくなる一方だったんです』

『がんばって牛乳飲むのをやめてたのに、筋腫はぜんぜん小さくならなくて』

こんな意見が思いのほか多く上がりました。

皆さんそんなにまじめに制限を実践し、それでもひどくなる内膜症や筋腫になやんでいたのかあと、驚きました。

まあ、食事の影響だったのか、病気の進行だったのかは判然としません。

エストロゲン依存性疾患ですので、生理があれば、病気が進行するのも仕方がないことです。

しかしながら、あのときの声は、こんなに我慢したのにという思いが強く伝わってきました。

それだけ、病気に対する悩みが深かったということだったのかと思います。

☆食事生活記録と食事バランスガイド

私は、治療院での実践の場で食事や食物に関する質問をお受けした場合は、

1)食事生活記録を1週間つけていただく。
2)食事バランスガイド、日本人のための食事摂取基準を情報提供する
3)2)に従って、ご自身の食事数をカウントし、食事の現状を知り改善する。

上記のようなプロセスを踏んでいます。

PDF:生活食事記録

 

まず、お話ではなく、記録をつけていただくということがはじまりです。

お話では、どうしても『気になること』が中心になってしまいます。

でも、食事は気にもならない、意識にも上らない、でも習慣になっていることが課題の中心だったりするのです。

ですので、まず書いていただくことをはじめにおこなっています。

そして、食事の改善に関しては、私自身の考えをいれることはなく、あくまでも厚労省のサイト農水省のサイトからの情報提供を主軸として、一緒に改善をめざしていきます。

食事バランスガイド

日本人のための食事摂取基準

☆栄養学の叡智がつまった食事バランスガイド

この食事バランスガイドは栄養学の叡智が集まっていると思います。

そして5年改定し、データーに基づき、その不確実性や、日常への現実感をもった指導は力強いと思っています。

数多の情報がさすらう食事や食品についてこの情報提供は本当に有難いと思います。

☆食事バランスガイドに従い、食事を修正していくということ

私は食事バランスガイドに従い、食事の修正した方のお身体を多く拝見し、妊活や健康状態についての変化を多く観察しました。

その結果、この食事バランスガイドを超える食事改善はないと現時点では思っています。

ご自身の食生活の過不足を1週間単位で把握する。

そして、バランスガイドにある、手のひら3〜5の主菜、手のひら2つ分の乳製品、果物・・・・・。これらの過不足を認識し、食べていないものがあれば食べ、食べ過ぎになっているものを控えるということをしていただければと思います。

少しだけ習慣を変えることの大きさを、多くの症例でみることとなりました。

そして食事をかえるということは、サプリや薬品と違い、家族全員の健康に役立ち、幸せに役立つんだということも多くの患者さんと一緒に経験しました。

小さな積み重ねがもつ大きな力。

本当に力強いと感じます。

☆なんらかの食物を制限し、摂取しないならば、代替を考えよう。

食事に関しては思想信条や、一定の情報提供による説得力のある場合も

おおいかと思います。

この場合、私は無理に指導するというよりは、”なんらかの食物を摂取しない”という方針がある場合には、”代替を考えよう”というアドバイスをしています。

なんらかの食品の摂取を禁ずるという方法は、情報をみていると

説得力があり、やった感があり、取り組みやすいものであり、

こんなに我慢しているのだから、結果もきっと・・・という期待も大きいのかなと

感じるのかなと思いました。

これは子宮筋腫の患者の会でも強く感じました。

なにかにすがりたいようなお気持ちの時、それを遮るのはあまり意味がないのかなと思ったのです。

無理にいま拘わっている部分を変えるよりも、乳製品を取らないのであれば、乳製品から得られるであろう栄養をほかから摂取するように心がけるということです。

これによって偏った食事のバランスがある程度保たれるのかなと思います。

また代替品をとるぐらいならば、そのまま乳製品を取った方がよいのかなあなどという気づきにつながることも多くありました。

☆☆食事は単独で考えるのではなく、食事全体、生活全体のバランスの中で。

私にはいまでも、この食品と筋腫、婦人科疾患の関係はよくわかりません。

ネットをぐぐると、やはりいまでも多く出てきます。栄養情報は出ては消えの繰り返しでもありますね。

私は食事に関しては、まず、ご自身の食事生活記録をかいて、食事バランスガイドが推奨している数と比較してみましょうと、申し上げるのみです。

長らくの数多くの臨床を続ける中で、食品というのは単独で取り出して効果を語ることは非常に難しいということを思うようになりました。

全体をみる、文化を考える、その人の人生の文脈を考える。

私が食事を通して学び考えていったことです。

それにしても、食事バランスガイドは素晴らしいです。

私の受けたい治療⑩ 女性の人生の課題、妊活、子宮筋腫、婦人科疾患とのつきあい

私の受けたい治療⑩ 子宮筋腫、婦人科疾患とのつきあい

妊活の鍼灸治療が多くなる中、それにつれて婦人科疾患での施術も増えてきました。

子宮内膜症や子宮筋腫などの多くのご相談をお受けすることになっていきました。

 

☆妊娠に壁となる婦人科疾患、全身の体調

妊活をすすめていると、子宮筋腫や内膜症などの婦人科疾患が問題となり妊活が進まないというケースを多く拝見することとなりました。子宮内膜症の状態の改善が妊娠の道を大きく開くこと、また子宮筋腫がありながらも、無事に妊活をすすめられてご出産とつながることも多かったです。

また、リウマチ、喘息や疲労感などなどの体調が悪いこと、体力がないことによる妊活の不調や、メンタルの不調などでさまざまな問題が、妊活治療と共に課題となり、一緒に解決の道を考えるということも多く経験していくことになりました。

☆☆妊娠だけではなく、幅広い課題の解決が結局妊娠につながる

私が妊活に舵を切るきっかけの頭痛の患者さんもそうですし、

・体重の課題、
・子宮筋腫、内膜症の問題、
・ご夫婦の問題、
・経済的な問題、
・思想心情的な問題

妊活の壁となるさまざまな課題は、私の鍼灸治療の幅を大きく広げていくことになりました。

また私自身の子宮筋腫とのつきあいも、婦人科疾患との付き合い方を考えるいいきっかけとなりました。

☆自分自身の子宮筋腫とのつきあい

子宮筋腫は女性にとって、結構ある疾患です。

多くの場合は、さほど問題にならず、検診で子宮筋腫があるねと指摘されるものの、妊娠にも大きな問題とはならず、共存していくような経過になることが多いのかと思います。

そして閉経と共に筋腫も小さくなり穏やかになります。

日本産科婦人科学会 子宮筋腫

☆子宮筋腫が妊活や健康に大きな問題となるとき

子宮筋腫、子宮内膜症など、多少の課題を抱えながらも様子をみることが多いと思いますが、これらエストロゲン依存性疾患の場合は、生理がある期間は、症状が悪化していきます。

部位や大きさ、妊娠の問題などで子宮筋腫、子宮内膜症は手術や

ホルモンの調整などの処置が必要な事もあります。

私自身の子宮筋腫は、粘膜下筋腫といい、大きさは小さくとも出血がかなり多くなるタイプで、付き合いには苦労しました。40歳を過ぎた頃から過多出血気味となり、最終的にはUAE(子宮筋腫の動脈塞栓術)をおこない、全摘することなく共存となりました。

この過多月経がひどかった数年の体調管理と鍼灸、漢方は大きな学びともなりました。

また子宮筋腫の患者の会では、相談を受ける立場として長らく一般の方のお悩みについて、一緒に考えていきました。

☆子宮筋腫の患者の会でのカウンセラーとして

自分自身の子宮筋腫と向き合うために患者の会に入り、いろいろな悩み、意見を知るうちに、相談を受ける立場として、運営側に少し軸足をおいていました。

この立場をカウンセラーと呼んで良いのかどうなのかという迷いはありますが、

数人で情報を共有し、お悩みに対して、

・現状の整理、

・病院で提示されている事への理解

・今後の選択肢

などを一緒に考えていくことは、私が仕事としている不妊カウンセリングとも大きくつながっていきました。

☆☆女性の人生にとっての生殖と婦人科疾患

婦人科疾患というのは、女性にとって人生の課題を大きく意識させます。

それまで妊娠や出産ということを考えても見なかった人にとって子宮筋腫の対策のため、子宮内膜症の対応のためにこれらの人生の選択を考えることはとても唐突で戸惑いもおおいかと思います。

生殖能力があるからこそ、婦人科疾患も進行してしまいますし、出産などが終わり、生殖の課題が解決していれば、取り得る選択も広がるという側面がある場合が多いです。

つまり、卵胞が育ち排卵があるので、妊娠の可能性がありますが、

エストロゲン依存性疾患である子宮筋腫や子宮内膜症は進んでしまうのです。

病気のことだけを考えれば、エストロゲンの産生を抑えれば解決してしまいますが、

それは『妊娠の可能性が低くなる、なくなる』ということにつながります。

エストロゲン依存性疾患 子宮腺筋症

日本産科婦人科学会より

気になる乳がんの話 乳がんとエストロゲン

☆婦人科疾患と人生の自己決定

病気に対する決定が、子供や家族といった自分自身の人生を大きく左右する決定ともなることがあります。

迷い、悩み、どうやってつきあっていくのか。

この患者の会でのやりとりは、医療者としてではなく、いまを生きる患者として、どう婦人科疾患とともに生きていくのかというい課題を一緒に考える場となりました。

☆食事療法と婦人科疾患について。

この会では、動物性タンパク質をとらないこと、乳製品を取らないことを推奨、アドバイスしていました。

私はそれまでも、こういったことを実践している患者さんと多く対峙し、食事や食物の摂取に関しては非常に難しい課題だなと感じていました。

何かをやめれば婦人科疾患にならないというほど、単純な問題ではなく食べ物は本当に思想信条にもかかわり、また自分が気がつかない文化や習慣に依存するものであること。そして食事は単品で考えるのではなく食事全体で考えることの大切さを感じていたからです。

ですので、動物性タンパク質や乳製品に対する制限は、私の実感として、そうなんだろうか?と大きな疑問を感じていました。ただ、会の方針として明示されていましたので

私としてはその部分に関しては触れないようにするというスタンスでした。この食事指導、食事のアドバイスは、のちのち私にとって、大きな課題となり、自分自身の理解と知見を深めるきっかけとなりました。

私の受けたい治療⑨ 妊活鍼灸、不妊カウンセラー

私の受けたい治療⑨ 妊活鍼灸、不妊カウンセラー

鍼灸学校を卒業後、弟子入り修行や大学病院での研修していましたが、

個人的に治療を頼まれることもあり、開業届は出し、施術をはじめていました。

大学病院での研修の傍ら、眼科クリニックでマッサージのお手伝いもしており、

その関係でも治療を頼まれることも増えました。

☆頭痛の解決と不妊治療へのつながり

そのなかに、頭痛を主訴とする医療関係者の方がいらっしゃいました。
私のところにいらっしゃった理由は頭痛。
実は私は頭痛の治療が得意です。

頭痛は、頭痛そのものを分類したり、頭痛そのものをアプローチすることを考えますが、
案外、身体そのものを整えると、頭痛が解決するのです。

この方も、数回の治療で頭痛が改善されました。

20数年前の当時は、妊活は大学病院が主流でした。
また、不妊治療を再開するとおっしゃるので、
私からは、鍼灸治療のお休みを提案。当時は妊娠中の鍼灸は禁忌とされていたので、
ひよっこの私は指針に従ったのです。

すると、

『こんなに体調がよくなったんだから、鍼灸も継続した方がいい』
ときっぱりおっしゃり、鍼灸をしながらの妊活で無事に妊娠、ご出産となりました。

いまではそのお子さんも大人になられ、年月を感じます。

その方の紹介で、高度生殖医療をなさっている妊活中の方が多くいらっしゃるようになり、紹介の形で非常に患者さんが増えていきました。

☆妊活に特化していくこと、大きな2つの課題

妊活の患者さんが増えたことで、妊活そのものの情報も集まり、経験値も格段にあがり、不妊治療に関しては、カウンセラーとしての役割も多くなっていきました。

当時の高度生殖医療は自費でした。

非常に高額になる妊活治療は、一緒によりそっていると、

・体調の側面、お身体の状態での妊活

・病院選び、治療選び、治療にあわせた体調の整え方

この2点の課題が大きく支れることに気がつき始めました。

☆☆妊活情報と向かい合うことの大切さ:不妊カウンセラーとして

妊活を始めたばかりの方は、この2つの課題がごちゃごちゃになりがちです。

よいという情報は、情報を売りたい人がお勧めしている情報です。

本当にいるのかどうなのかは、個別具体的な話しになります。

また周りのアドバイスなどはその方ご自身の成功体験を元に語られます。確かに、その人にとっては、その方法が良かったのかなとは思います。

ただ、それがご自身のケースにあてはまるのかどうなのか。
不妊という状況は同じでも、人によってその原因や解決方法はさまざまです。
また妊娠じたい、大きな偶然性と、淘汰というプロセスがあるという動かしがたい事実もあります。

その中で、妊活を年齢要因という要素に向かい合いながらすすめていくことの難しさ、大事さを沢山経験することとなりました。

多くの患者さんが、ご自身の経験を次の方のためにと仰って下さること。本当に私にとって幸せなことであり、私の使命とも感じています。

どうぞ、参考になさってください。

そしてお子さんをのぞむ、ご家族をつくりたいというご希望がかないますようにと願っています。

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