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仙人草の民間療法 喉の痛いの治ると良いな

仙人草は、古くからの民間療法で使われる薬草です。
まあ、薬草といっても煎じて飲んだり、お茶にしてというのではなく、葉っぱをカラダに貼り付けて、
水ぶくれを起こさせて炎症を利用して体調を整えるというやり方。

昔、おばあさんの背中などに大きな火傷のあとがあるのを見たことがある方もいらっしゃると思います。まあ、いまでも50台ぐらいの方の背中でみかけることがあります。そんな火傷の傷が治ることを利用した反転療法というかんじでしょうかねえ。

これが仙人草。うちの庭でも育てています。

方法は、よく揉みこんだ仙人草の葉っぱを、内関(ツボの名前、手首の内側にあります)部分に貼り付け、 30分-2時間ほどおき、水泡をつくります。 このプロセスが昔のお灸である打膿灸の要領と非常に良く似ているのではないかと思わせるところです。

この内関以外にも、扁桃炎によく効くといわれ、実際私が目にしているのは、 あごの下辺りの部分の大きめの直接灸と、曲池(肘の外側)付近の直接灸です。

また仙人草は、健康法として使われることもあります。 この場合、張る部位の指定はなく、太ももなどの目立たないところに張って、水ぶくれを作ってそのあと自然に経過させるということに なっています。

扁桃炎の熱は、喉の強い脹れを伴う発熱ということだと思います。
喉の痛みと発熱は、正常範囲であれば、生体を守る反応ですが、扁桃炎で熱を繰 り返すケースは、扁桃の肥大によるもの、過剰な反応により、強い発熱を伴うと いうことだと思われます。

扁桃の肥大は、部位的に、腎気の養いの問題が一つあげあれます。
腎気の不足により、熱の納まりがわるく、必要以上に発熱するということですの で、この必要以上に発熱してしまうことを、熱の流れをつけることで、末端に導いてやるのではないでしょうか?

曲池が良く用いられるのも、陽明の熱の出所であり、喉を直接的にまとう経穴で あるからでしょう。また、あごの下は、直接的に、喉の熱を抜くというイメージ 的な選穴かとも思われます。内関も、上焦の熱を取る場所として、選ばれている 可能性が高いのではないでしょうか?

さて、考察

仙人草を下腿に添付し、打膿灸のようにし、健康法とするということは、どういうことなのでしょうか?

下腿には、特に熱を持ちやすい経絡として、胆経があります。この少陽の熱は、 表裏の関係の肝経の熱、つまり、肝陽の上亢、肝風の内動などといういわゆる中風といわれるものの、熱の逃げ場所として、機能しているのではないかと思われます。胆経が硬く突っ張りようを示してくると、腎気のあらわれである踵の部位 にも痛みを生じてきます。腎気の虧損と、肝胆の熱のありよう。命としてては、 腎気が衰えたために、肝経の熱が昇っているのを胆経が腎経を支え、熱の出所と して安全装置になっているのではないかと私は考えています。中風よけの治療穴として、胆経上の 風市が選ばれているのも納得の出来るところです。

仙人草の打膿灸により、胆経が硬く筋張り、その機能をレベルダウンさせている ときに、刺激をあたえ、熱の逃げ所としての部位をしめすことにより、中風(肝経の内風)を予防し、健康づくりをしようという発想ではないかと思われます。

仙人草をはって4日目です。生足写真をみたい方は「ここ」をクリック。
充分に葉っぱを揉みこんで2時間ほど貼り付けました。
張った当日は、赤くなった程度
2日目は全体が膨らみ
3日目から本格的に水疱になってきました。
触わると非常に痛いです(;^^
どうなるのか、楽しみです。

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仙人草の民間療法をトライされる方へ

仙人草の民間療法を試したみたいと仰る方には、自己責任でということで、 仙人草の葉っぱをお分けしています(方法は、ご住所をお書きになり、返信用の 切手を貼った封筒を送ってください。その中に葉っぱを入れて返送いたします)

我が家の仙人草は、ネット上に出ているものよりも、作用が穏やかなようです。 ネット上では、5分から30分以内で水泡ができるようですが、我が家のものは、 しっかり揉みこみ、充分汁がでたはっぱを、べたっとはって2時間以上は置いた ほうがよいみたいです。私は3時間ほどで、でっかい水泡ができました。

私の患者さんの家族の方で、これが大好きな人がいらっしゃいます。 この方は、扁桃炎のためではなく、健康法として、身体の任意の場所に 貼って楽しんでいらっしゃいます(=^_^;=)

こないだなど、一晩中貼ってしまい、傷がひどくなって、白い筋が見えたほどだ と言っていました(家族の方が)。一晩中はるとひどい目にあうようですね。 でも、ご本人はご満悦だそうです。どうも身体がすっきりするから好きという ことらしいです。

私と仙人草の出会いは、私のWEBで紹介しています。

張る場所は、 扁桃炎のためだったら、やはりネット上の話題同理にやるほうがいいのではな いかと思います。

健康法としては、太ももの胆経上、”風市”という経穴。私はここで試してみました。これは中風よけの経穴で、私自身ここに反応の出やすいタイプの身体だからです。応 用編としていろいろとやってみると面白いと思います。

珍しいお灸、打膿灸の話と間中先生

珍しいお灸、打膿灸の話と間中善雄先生

間中病院、小田原の人にとっては、少し前は頭痛で有名な病院。また看護師さんやスタッフの方が親切っていう声もよくききました。先日はリハビリ受け入れ施設としてお母さまを入院させてもラッテなどと言おうお話しも。

これが鍼灸、東洋学関連に足を突っ込んでいる少し古い方々だと、『あの!間中先生』ということになります。

さて、45年ぐらい前でしょうかねえ。間中善雄先生という鍼灸でとても有名な先生がいらっしゃりました。鍼灸の本などを読んでいると、時にこの間中先生のお話や、見学させて貰ったなどという話も出てきます。私自身はもう少し新しい人間なので、間中先生が病院で鍼灸なさっていたことは直接は存じ上げないです。

さて、先日、ちょっとググっていたら、私の先生である似田敦先生が打膿灸のことを書いていらっしゃりました。打膿灸ってのは、お灸をしてそのあとわざわざと膿をださせるように火傷の処置をする方法です。まあ、いまではほとんど見ることはありません。似田先生ご自身がお灸を、それも打膿灸のことを書いていらっしゃるのも珍しいと思ったのですが、その上に、間中善雄先生のことを書いていらっしゃりビックリ。どれも私にとってはなつかしくもあり、面白きものでもあり。やはりこの間中病院や間中善雄先生は古い先生にとってはかなり有名人だったのでしょうええ。小田原には間中病院で学んだ先生が多く残っていらっしゃった感じですね。治療の最初に血圧を測ると伺うと、『もしかして(^^)』と思ったりします。

この間中先生はよく瀉血や刺絡をなさっていたようですが、打膿灸もこんな感じでなさっていたのですね。知らなかったなあ。
https://blog.goo.ne.jp/ango-shinkyu/e/6d533c67b5ff5e672e30b8f585d3e825

故きを温ねて新しきを知るです。