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質問:どうして米山先生は不妊治療専門にしているのですか?

YouTubeの動画一本upしました。
ふふふ、私はユーチューバーになるのだ!
などといいつつ。

今回のテーマは

質問?どうして米山先生は不妊治療専門にしているのですか?

こんな質問をいただきました。

動画はこちら→Zoom02−3 不妊治療を行なっている理由とは?

不妊治療をはじめたきっかけは?

よく考えれば、最近は不妊鍼灸もだいぶ有名になりましたねえ。
昔は、妊娠しなくて困った人が「藁にもすがる思い」であれこれ試すうちの
一つといった位置づけじゃなかったでしょうか。

いやはや、時代の流れは速いもんじゃねえ〜。
ヨネ婆ちゃんは驚くばかりよ。
という、婆ちゃんモードはさておき(さておくんかい)

☆開業して25年以上 長らくの経験からできること

私は開業して25年以上たちます。

免許をとって大学病院で3年ほど研修生、研究生として研鑽をつみ、
その後は独立して今に至ります。

不妊治療においては、20年ぐらい前の体外受精などの不妊治療が革新的に
進んでいった頃を患者さんと共にすごす事で、
非常にいろいろな経験を重ねることになりました。

まあ、いまもそうですが、昔は「いつかは体外受精を」などという感じで、
それほど体外受精も一般的ではなく、基本的に不妊治療は

1)自然妊娠がしたい

2)医療介入は極力少なくしたい

3)健康に自信がもてない

4)いろいろと頑張っているけど、結果に結びつかない

といった、治療そのものよりも、「どう考えるのか」という位置づけが非常に大きな部分を占めているなあと日々感じておりました。

また、妊娠って、一人じゃ出来なくて、相手がいること。その相手の考え、健康状態そして経済的なことまでも大きく含んで妊娠につながりますね。

そんな経験から、不妊治療においては、カウンセリング的な要素も、大きな位置をしめるなあと感じています。

☆不妊治療においてカウンセリング的な側面の重要性

・ご自身おひとりでは考えられない。
・悩むばかりで相談する人もいない。
・何をするべきかわからない。
・自分にとって何が必要なのかもわからない。
・病院選びが難しい。
・お金をどの様にかければより効率的なのかわからない。

そんなときに、私の経験をシェアしながら一緒に考える。
これが私の考える不妊カウンセリングです。

そして、不妊治療の迷い道に入っている方にはとても重要なことだと思います。

何が必要かを見極め、選択し、その上でご本人にとってより妊娠への道の近道となるような不妊鍼灸を提供したいと思っております

☆可能性を少しでもあげるためにあなたが出来ること

不妊治療は、時にバクチだなと思うことがあります。
体外受精をお金をかけておこなっても、生理が来てしまえば元もの木阿弥。
なにが悪かったと考えても、そこには答えがないことも多々あります。

そんなときに、一歩引き、全体を俯瞰し、困難事例であっても、
少しでもあなたの妊娠の可能性を高めるお手伝いが出来ないかといつも考えています。

不妊治療に絶対はありません。
難しい事例も多く、残念な結果になることもあたりまえですが多々あります。

そういった前提は踏まえた上で、
 いま目の前の患者さんの「妊娠、出産」の可能性を少しでもあげる工夫

を一緒に考え続け、提供し続けることが私に出来ることだと思っております。

ビッグママ治療室 https://bigmama-odawara.jp/

ビッグママ治療室ブログ https://bigmama-odawara.jp/blog/

採卵してもよい卵が採れない状態からの妊娠出産 AMHの謎⑤

採卵してもよい卵が採れない状態からの妊娠出産

とあるかたで、30代前半ながら、1,2個しか卵胞もみえず、いつも変性卵や空砲ばかり。
上手く採卵でき受精したときでも、グレードはギリギリのものしか育たず、戻しても妊娠することもなく、
胚盤胞にも一度も育ったことのない方がいらっしゃいました。

その方の通われていたのは横浜にあるとある有名老舗クリニック。
この時点で見極めなければならないのは、その方の問題か、通われているクリニックの培養室の実力か?という
点です。これは案外大きな問題ですが、なかなかわかりにくい問題です。

この方のケースは、老舗クリニック。そして私は他の患者さんがその時点で通われている方を
多く拝見していたので、実感としてこの時点で採卵ー培養で上手く行かなかったと言うことは、
採卵方法や培養のプロセスに問題があるのではなく、
ご本人の問題であると認識できました。

こういう、採卵できない、培養しても難しいと言うときには、連続採卵はしてはならないと
思っています。とくに35才以下でしたらなおさらです。

この方には、身体がより健やかになり、血流がよくなるよう、東洋医学的な診立てを行い、
週に2度の鍼灸治療と自宅でのお灸をおこないまそた。
フルタイムで働くこの方にとって週に2回鍼灸に通い、ご自宅でも毎日身体の手入れを行うことは大変だったと思います。
「大丈夫なの?忙しすぎない?」と伺うと「病院にあれこれ通うよりも時間もスムーズだし、体調もよくなっているのが実感できるので大丈夫です」との元気なお返事。

半年後にIVF-ET(体外受精ー胚移植)に挑戦されました。
すると2個誘発でき、無事に成熟卵が採卵でき、翌周期にグレード1の初期胚を移植して妊娠、出産。
もう一つの卵も胚盤胞まで育ち凍結保存されました。
「グレードのよい卵なんてはじめて!」とおっしゃっていたのが印象的です。彼女のAMHもし変性卵ばかりのころと、
今回の採卵時、違っているのかもしれませんし、同じかもしれません。ただ、身体の状態がよくなることで、採卵できる卵の状態が変わったことは確実です。

厳しい状態の方でも、骨盤内の血流をよくして、ご自身の卵巣の残る力をしっかり発揮できるように応援しています。

のちに、残ったもう一つの凍結胚で二人目のお子さんを無事に出産なさりました。
移植前に半年ほど身体の手入れをおこない、ベストな状態でのお迎えをしての結果です。
私は彼女の根性にさすが!と思いました。

困難事例である状況を切り抜けるには、やはり地道な努力が必要な場合があるという
ことも実感させた症例です。

一緒にチャンスをものにするために出来ることはなんなのか、
かんがえていきましょう。