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驚き!? 思った以上に低い??体外受精の成績

驚き!? 思った以上に低い??体外受精の成績

妊娠しない、不妊かも?と思ったときに、「そうだ!病院へ行こう」という判断は正しいです。

そして
高額な治療を受ければ、妊娠出来るのかも!と思うのはちょっと待って
ください。

体外受精や顕微授精などの高度生殖医療受精は、思ったほど成績がよくありません。詳しくはデータが公表されていますのでそちらをご覧ください。

Artの治療成績 日本生殖医学会より

日本産科婦人科学会 ARTデータ集 

☆ARTの治療成績 データーから

ART(体外受精や顕微授精、凍結胚移植などの高度生殖医療受精)は、日本産科婦人科学会や生殖医学会からデーターが公表されています。

Artの治療成績

日本生殖医学会より
Q16.生殖補助医療の治療成績はどの程度なのですか?

このなかで、「2017年には全国で586施設、448,210治療周期が行われました。このうち生産分娩にまで至った治療周期は52,997周期(11.8%)でした」。と紹介されています。

 

グラフをみてみましょう。日本産科婦人科学会からのデータです。

このグラフの、生産率をみると生産率(/採卵、)とあります。生産率というのは、妊娠して出産するところまでいった数字です。

つまり、採卵当たりの出産まで行く確率ですね。2019年は5%程度!

一番右肩上がりなのが、凍結胚の妊娠率。これは(/ET)とありますから、移植当たりの妊娠率で、これはむかしは10%ていどだったのが、凍結胚移植は35%程度までの妊娠率になっています。しかしながら、妊娠率が35%であっても、結局生産率をみると5%ですから、途中での脱落がいかに多いかということですね。うーんその解釈でいいのかと疑問がわいてしまうほどの数字。ご意見をいただけると嬉しいです(pxl02541@nifty.ne.jpまで)

 

これはまた年齢別にみていくと違う数字がでてきます。

これは総治療数からみた生産率があげられています。33才までは、結局20%程度は出産までたどり着きますが、42才で5%を切り、そこから先はかなり厳しい数字になります。

☆不妊の定義を今一度考えましょう

ART(体外受精や顕微授精などの高度生殖医療)の数字からみていくと、非常に厳しいことですが、不妊の定義からみていくと、

不妊とは

日本産科婦人科学会より

不妊の定義

「「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。」

私が不妊鍼灸に携わり始めたころ(20年以上前ですが)は2年とする定義もありましたが、いまは妊娠を考える年齢も遅くなり2年では年齢要因的な不妊要素をアップしてしまうという配慮もあり、1年となっているようですね。

そして1年という期間が定められているということは、通常の妊娠の挑戦であれば12回程度の生理周期があり、その中で妊娠出来ればいいということです。体外受精はその1つの周期を取り出しているわけですから、ある程度、妊娠しない周期があっても、あたりまえのことであるとも考えられ、少し回数を重ねて治療する必要はあるわけです。

☆ARTデータの数字の難しさ

「11.8%」という数字は、若い年齢であれば20%近くなりますが、40才を過ぎると本当に厳しい数字になります。

この厳しい数字の現状を少しでも可能性を広げるお手伝いをしていくのが、不妊鍼灸の役割だと思っています。

☆体外受精や顕微授精などの高度生殖医療受精しか妊娠への道はないのか?

体外受精や顕微授精などの高度生殖医療受精が、不妊治療の唯一の救世主ではないとも私は言えると思っています。

つまり、「不妊」の状態の方にとって、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療受精しか選択がないのか?という疑問です。

これは、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療受精をするなかで、今まで何例もの自然妊娠をみてきた私としては、あまりにも「体外受精などを一辺倒」で考えるのはどうかなーという疑問をもっています。

☆病院での治療がないと妊娠しないのか?のトリック

また、少し考えて頂きたいのが、ちょっと古い記事なのですが、面白い見解が載っています。

妊娠について考える、リクルートの中途採用支援サイト

この記事から

「40代不妊治療による出生数は最大でも2608名、対して治療せず自然に生まれた出生数は最低でも、上記3万8280件(人口動態調査)からの差分となる3万5672件。実に、治療による出生の14倍近くも、普通に出産できているということだろう。」

 

40代でもあたりまえですが自然妊娠するんです(^^)。

逆に言えば、43才で月経のある人に「避妊は不要」とは誰も言わないと思います。

自然妊娠の可能性はあるのです。

昔、とある医療職でかなり厳しい条件下で不妊治療に取り組んでいらっしゃる方がいました。その方がご自身が不妊治療を継続する理由をなさってくださいました。

「昔、私が勤めていた病院に49才の独身の方が「飛び込み出産」なさったんですよ。驚いて事情を伺うと、「妊娠するとは思わなかった」と仰っていて。私はその方をみて、あたりまえに自然妊娠し、するすると出産するんだなあと驚いたんです。だから私はまだ40代半ば、ワンチャンスあるのではないかと思って」

確かに、確かにです。

まあ、だから年齢が高くても妊娠出来るという話しに直結するつもりはありません。

もしお子さんを考えていらっしゃるのならば早いほうがよいのはあたりまえです。

ただ、40代になると、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療受精でしか、妊娠出来ないと思っているかが多いのかなと思います。しかしながら私の治療院でも、40代自然妊娠の方は案外多いです。結局、体外でも、自然妊娠でも妊娠の確率、結果については同じぐらいのだなと私は実感しています。

体外受精や顕微授精などの高度生殖医療受精を金銭的にできなければ、=妊娠出来ないではないのかなと思います。上手に高度生殖医療を使い、それだけではない実とも考えながら、前に進んで欲しいなと私は思います。

ビッグママ治療室 https://bigmama-odawara.jp/

ビッグママ治療室ブログ https://bigmama-odawara.jp/blog/

質問:どうして米山先生は不妊治療専門にしているのですか?

YouTubeの動画一本upしました。
ふふふ、私はユーチューバーになるのだ!
などといいつつ。

今回のテーマは

質問?どうして米山先生は不妊治療専門にしているのですか?

こんな質問をいただきました。

動画はこちら→Zoom02−3 不妊治療を行なっている理由とは?

不妊治療をはじめたきっかけは?

よく考えれば、最近は不妊鍼灸もだいぶ有名になりましたねえ。
昔は、妊娠しなくて困った人が「藁にもすがる思い」であれこれ試すうちの
一つといった位置づけじゃなかったでしょうか。

いやはや、時代の流れは速いもんじゃねえ〜。
ヨネ婆ちゃんは驚くばかりよ。
という、婆ちゃんモードはさておき(さておくんかい)

☆開業して25年以上 長らくの経験からできること

私は開業して25年以上たちます。

免許をとって大学病院で3年ほど研修生、研究生として研鑽をつみ、
その後は独立して今に至ります。

不妊治療においては、20年ぐらい前の体外受精などの不妊治療が革新的に
進んでいった頃を患者さんと共にすごす事で、
非常にいろいろな経験を重ねることになりました。

まあ、いまもそうですが、昔は「いつかは体外受精を」などという感じで、
それほど体外受精も一般的ではなく、基本的に不妊治療は

1)自然妊娠がしたい

2)医療介入は極力少なくしたい

3)健康に自信がもてない

4)いろいろと頑張っているけど、結果に結びつかない

といった、治療そのものよりも、「どう考えるのか」という位置づけが非常に大きな部分を占めているなあと日々感じておりました。

また、妊娠って、一人じゃ出来なくて、相手がいること。その相手の考え、健康状態そして経済的なことまでも大きく含んで妊娠につながりますね。

そんな経験から、不妊治療においては、カウンセリング的な要素も、大きな位置をしめるなあと感じています。

☆不妊治療においてカウンセリング的な側面の重要性

・ご自身おひとりでは考えられない。
・悩むばかりで相談する人もいない。
・何をするべきかわからない。
・自分にとって何が必要なのかもわからない。
・病院選びが難しい。
・お金をどの様にかければより効率的なのかわからない。

そんなときに、私の経験をシェアしながら一緒に考える。
これが私の考える不妊カウンセリングです。

そして、不妊治療の迷い道に入っている方にはとても重要なことだと思います。

何が必要かを見極め、選択し、その上でご本人にとってより妊娠への道の近道となるような不妊鍼灸を提供したいと思っております

☆可能性を少しでもあげるためにあなたが出来ること

不妊治療は、時にバクチだなと思うことがあります。
体外受精をお金をかけておこなっても、生理が来てしまえば元もの木阿弥。
なにが悪かったと考えても、そこには答えがないことも多々あります。

そんなときに、一歩引き、全体を俯瞰し、困難事例であっても、
少しでもあなたの妊娠の可能性を高めるお手伝いが出来ないかといつも考えています。

不妊治療に絶対はありません。
難しい事例も多く、残念な結果になることもあたりまえですが多々あります。

そういった前提は踏まえた上で、
 いま目の前の患者さんの「妊娠、出産」の可能性を少しでもあげる工夫

を一緒に考え続け、提供し続けることが私に出来ることだと思っております。

ビッグママ治療室 https://bigmama-odawara.jp/

ビッグママ治療室ブログ https://bigmama-odawara.jp/blog/

妊活ブログは面白い! その2

妊活ブログは面白い! その①はこちら。

数年前に不妊治療をご一緒させていただいた患者さんから、メッセージをいただきました。
↓こんなの書いてます。

MIZU主婦の妊活ブログ

さて、その妊活ブログの紹介、続きです。

鍼灸の体験を実際になさり、妊娠、出産したかたのブログはとても参考になります。
患者さんならではの視線で新鮮です(^^)

https://mizushufu.com/40th-harikyu/

この記事には、ビッグママ治療室のことが紹介されています(^^)
おーうれしいですねえ(*^_^*)ワクワク

うちのQ&Aがお役に立ったということですが、あらためて読んでみて納得です。
いやいや、よくかけてます↓

ビッグママ治療室よくある質問 

そして素晴らしいと自画自賛したのが、

『漢方や鍼灸は私の不妊治療に必要ですか?』〜質問にお答えして

もう、ほんとによく書けていて二重丸。
私って筆力あるなあ(って、誰もいってくれないから自画自賛)

不妊治療はどうしても「足し算発想」になります。

いまの不妊という状態を改善するにはどうしたらいいのか?

体外受精? もっと繰り返す?

不妊の検査? 病院選び? 食事? サプリ? 鍼灸? 漢方???

不妊カウンセリング

不妊カウンセリングの勧め

いやいやそんなにやってちゃきりないよ!。

ってなことで、本当に何が必要かを考える必要があるわけです。

そしてそれには、「情報」が必要で、情報をもとに一緒に考えて、少しでも可能性を広げる努力が必要なわけです。これが私がお勧めする不妊カウンセリングです。

この妊活ブログ主さんの場合は、

・妊娠する力はある(過去に3回妊娠)
・妊娠を継続する力がない(3回とも流産)
・西洋医学的な不育症の検査はOK(医療介入は不要)

ということがあります。

それでも、不妊という状態に対して解決策が体外受精や顕微授精などの高度生殖医療となっているのですが、妊娠する力がある彼女には必須のアイテムではありません。

問題は、西洋医学的な問題はないのに、妊娠が継続出来ないという身体の中のベクトルの問題だと私は考えました。このベクトル調整には養生のお灸でのセルフケアと鍼灸治療がぴったりあいます。

症例はこちら

彼女にとって、ちょうど良いタイミングでの鍼灸治療の介入になったのかなと思います(^^)。たぶん、卵ちゃんそのものを作る力はそれなりにあったので、短期間での結果につながったと思います。妊娠が成立したときに、子宮(女子胞)に気血のベクトルをしっかりとあつめ、血流を出し女子胞(子宮)の力を高めることこそ必要であったわけです。

いま、何をするべきか!を一緒に考えることこそ、妊活を成功させるコツだと思います。
ちなみに、妊娠はするけど、継続出来ない人はこのヤカンの蓋が弱いタイプです。
鍼灸の介入が効果的ですよ〜。

採卵してもよい卵が採れない状態からの妊娠出産 AMHの謎⑤

採卵してもよい卵が採れない状態からの妊娠出産

とあるかたで、30代前半ながら、1,2個しか卵胞もみえず、いつも変性卵や空砲ばかり。
上手く採卵でき受精したときでも、グレードはギリギリのものしか育たず、戻しても妊娠することもなく、
胚盤胞にも一度も育ったことのない方がいらっしゃいました。

その方の通われていたのは横浜にあるとある有名老舗クリニック。
この時点で見極めなければならないのは、その方の問題か、通われているクリニックの培養室の実力か?という
点です。これは案外大きな問題ですが、なかなかわかりにくい問題です。

この方のケースは、老舗クリニック。そして私は他の患者さんがその時点で通われている方を
多く拝見していたので、実感としてこの時点で採卵ー培養で上手く行かなかったと言うことは、
採卵方法や培養のプロセスに問題があるのではなく、
ご本人の問題であると認識できました。

こういう、採卵できない、培養しても難しいと言うときには、連続採卵はしてはならないと
思っています。とくに35才以下でしたらなおさらです。

この方には、身体がより健やかになり、血流がよくなるよう、東洋医学的な診立てを行い、
週に2度の鍼灸治療と自宅でのお灸をおこないまそた。
フルタイムで働くこの方にとって週に2回鍼灸に通い、ご自宅でも毎日身体の手入れを行うことは大変だったと思います。
「大丈夫なの?忙しすぎない?」と伺うと「病院にあれこれ通うよりも時間もスムーズだし、体調もよくなっているのが実感できるので大丈夫です」との元気なお返事。

半年後にIVF-ET(体外受精ー胚移植)に挑戦されました。
すると2個誘発でき、無事に成熟卵が採卵でき、翌周期にグレード1の初期胚を移植して妊娠、出産。
もう一つの卵も胚盤胞まで育ち凍結保存されました。
「グレードのよい卵なんてはじめて!」とおっしゃっていたのが印象的です。彼女のAMHもし変性卵ばかりのころと、
今回の採卵時、違っているのかもしれませんし、同じかもしれません。ただ、身体の状態がよくなることで、採卵できる卵の状態が変わったことは確実です。

厳しい状態の方でも、骨盤内の血流をよくして、ご自身の卵巣の残る力をしっかり発揮できるように応援しています。

のちに、残ったもう一つの凍結胚で二人目のお子さんを無事に出産なさりました。
移植前に半年ほど身体の手入れをおこない、ベストな状態でのお迎えをしての結果です。
私は彼女の根性にさすが!と思いました。

困難事例である状況を切り抜けるには、やはり地道な努力が必要な場合があるという
ことも実感させた症例です。

一緒にチャンスをものにするために出来ることはなんなのか、
かんがえていきましょう。