11 胃気、しっかりと滋養を受け取り全身に頒布しいらないものを出そう!
東洋医学では、脾と胃をセットと考えます。
食べ物が入って、胃で受け止めます(受納)そして脾の力で昇らせ全身に頒布させ、胃の降濁作用で不要なものを下へ送っていきます。脾は運化を主り、胃は受納を主るということです。
脾胃はセットで「胃気」と言う言葉で脾胃の消化機能を表します。
脾胃は後天の本、気血生化の源というわけです。
小田原にある不妊・婦人科専門鍼灸院
10−4 脾は統血を主る
統血と言う言葉は、血が経脉内を循行し、脉外にあふれ出るのを防ぐという作用です。つまりしっかりと守って出血を防ぐというイメージかな。
脾の運化機能(胃腸の消化吸収機能)が旺盛であれば気血が充実し気の固摂作用も健全です。そして減退していれば気血が虚損し、固摂作用が衰え、脾不統血つまり「脾が血をコントロールすることができない」状態になりもれでやすくなってしまいます。
こまりますねえ。
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10−5 脾の五行属性
1. 思は脾の志
2. 涕は脾の液
3. 脾は肌肉、四肢をどちらも主る
4. 口に開竅し その華は唇にある。
1:思は脾の志。
あまり思い悩むと脾が痛めつけられます。昇清がうまくいかないと濁なるものが上がってしまい幻雲などがおこります。
2:涕は脾の液
唾液中の清い水様のもの
3:脾は肌肉、四肢をどちらも主る
脾の運化障害は四肢の萎縮につながります
4:口に開竅し、その華は唇にある。
唇は全身の気血の状態と関係があります。
また口味は脾胃の運化作用、脾の昇清、胃の降濁作用と関係があります。
10−3 脾は昇清を主る
東洋医学の考え方で面白いのはこの脾胃です。
胃腸の力を脾胃の力と考えるのですが、脾や↑ 胃は↓のベクトル。
つまりものを食べて栄養になったものはいったんあげて、肺という全身の蓋から散布になります。
頭のてっぺんにもとどくわけです。
そして胃はどんどん下に降濁し、リサイクルできそうなものは再びあげ、いらないものは
せっせと排出です。
おもしろーい。
さてさて、この脾の昇清機能について
これが脾の上げ上げきのうです。
この昇清という登りあげる力が足りないと、内臓下垂つまりあがらないってことです。中気下陥なんてことばがありますね。上にあげあげの力が足りないと内臓の下垂だけではなく、久泄(久しい下利)、脱肛などもおこります。
脾は昇るを以て良とする、胃は降を持って良とすると言う言葉があります。
昇清がうまくいかないと内臓を支える力が不足しますし、気血生化の源の不足ともなります。
ちゃんとあげあげしないと、健全なる考える力も不足します。
あげあげって大事ですねえ。
10−2 脾は運化を主る
脾は運化を主るという言葉があります。
水穀の運化と言う言葉は、水穀(飲食物)の消化吸収、そしてもう一つ水液の運化(つまり水)の吸収輸布です。
つまり、
”食べ物を実にする力”です。
体の実力ってことですね。
「脾胃は後天の本、気血生化の源」っていう言葉があります。
先天は腎からきており、もともと備わった力。そして生まれ落ちてからはこの後天の本である食べたり飲んだりの実力が生きる実力をつける源っていう言葉です。難しく言うと難しいけど、「よく食べるやつは強い!」ってことですね。
いやいや、東洋医学って、普通のことを難しくいう名人(ってなことはないか)
生命の中心である胃袋の力を大事にするのが東洋医学です。
やっと、脾胃までやってきました。
このシリーズ長いな(^^ゞ。
ここでは、食べ物を受け取り、全身に頒布したり、いらないものを下に送っていく脾胃の力をとりあげます。
脾胃はセットで胃腸の力、東洋医学でいうと胃気、全身の生命力というイメージです。
胃:食べ物を受け取り、納め、下へ通降していく
脾:食べ物の栄養を昇らせ、全身に頒布していく
この二つがセットで胃腸の力となっていきます。
さて。全体のまとめ。
脾は運化、昇清、統血を主る
脾気というのは、東洋医学では大きなポイントとなります。
西洋医学でも脾臓というのがあります。
”脾臓の主な働きは、老化した赤血球を破壊し、除去することです。健康な赤血球は脾臓内の網目構造をすり抜けますが、老化あるいは変形した異常赤血球は脾臓内に引っ掛かり、破壊されます。また、脾臓は血小板の貯蔵庫としての働きもあります。通常、脾臓は全血小板数の約3分の1を貯蔵しており、必要に応じてこれを放出します。また、脾臓内にはリンパ球が沢山あり、体内で最大のリンパ器官とも考えられています。このため、免疫機能とも深い関があります。” 東京慈恵会医科大学外科学講座より
つまり古くなった血液を除去してくれるきかんなんですね。またリンパ球がたくさんあって免疫機能とも深い関係があるというのは興味深いところです。
東洋医学では、直接的に食べ物を消化し吸収、そして運搬することを脾の役目と考えていきます。また血液が泄れ出ないようにしっかりと固める作用も脾の作用です。少し違うようで似ている。それが西洋医学と東洋医学の脾の違いかな。