☆私の受けたい治療⑰ 番外編:もし、いま私が妊活の当事者だったら。
赤ちゃんが欲しいという願いがかないますように。
いままで、私の受けたい治療ということで、色々な視点で書いてきました。
そして、当院での大きなテーマ、妊活においても、ぜひ皆さんにお伝えしたいと思うことがあります。
もし、私が妊活をする当事者であれば、何を考えるべきか、何をしたらいいのか、どんな治療を選択すべきなのか、不要なのか。
自分自身が当事者であるという目線で書いてみたいと思います。
☆妊活は十人十色、人の話はあてにならない
私は、多くの不妊に悩む方々のご相談にのり、一緒に治療をよりそってきました。そして妊活が『決める』ことが多く、迷いが多いことを痛感します。家族を持つということはかなり個人の価値観も問われます。本当に迷い、悩みますね。
そんな妊活を前に進めるポイントが2つあります。
- 一番のポイントは、情報を整理し自分の現況をよくしること。
- 二番目のポイントは、1を大前提とした上で、自分に『何が必要か』を理解すること。
そして、妊活は、この『何が必要か』が、非常にわかりにくいともよくわかります。
だから、『友達に聞いた』『ネットでいいっていってた』などなど、他の人の話が案外あてにならないことがあるのです。
☆原因を解決すれば、妊娠につながるとは限らない。
なにか困難があるときに、その『原因』を突き止めれば、『解決』につながるのであろうという推論は正しくはあります。
しかしながら、原因と解決の間が直線的につながるかどうかはわかりにくいところが妊活の難しいところです。
妊活の場合
- 男性側、女性側の身体的な課題(直接的な側面)
- 身体の余力の問題(生殖に必要)
- 思想信条、生殖に対する考え方
- 経済的な問題
- 時間・年齢要因
- 自然な淘汰の側面(PGTなど)
- カップルの相性
- これら、さまざまな要因がかかわってきます。
つまり、
- 身体の課題
- 妊娠という二人の人間の課題
- 年齢的な課題
- 社会的な課題
という要因があるので、何か一つの「原因」を取りのぞけば、「結果」が出るという単純なものではないからです。
逆に、何か難しそうな要因があっても、すんなりと妊娠につながることもあります。
このあたりが、『妊娠』の不思議さと、ご縁を感じさせるところです。
☆☆情報は、流したい人が流している
そしてこの原因ー結果が単純ではないというところに、ネットや周りの人の情報にはこれらがミックスの形で、体験者のよかったことや、病院、サプリ会社、サービス業の人々などが、その場で提供しているモノを前面に押し出した情報提供がなされています。
つまり、自分に必要なものをググってしろうとすると、かえって泥沼に・・・という状況になってしまうのが現代の妊活ではないかと私は思います。
また、妊娠の初期の話で、『普通にしていて良い』というアドバイスが最近ではドクターからのアドバイスとしては鉄板です。でもこの普通が人によって本当に違うのです。
☆情報を客観視し整理。前に進むための「作戦」をたてよう。
→自分で自分は見えない問題。他者目線の必要性
一体何人の方が、私との不妊カウンセリングを通じ、『もっと早くアドバイスを聞けばよかった・・・』と後悔されたことか。
ここで、後悔になってしまうのは、どうしても妊活の場合、『時間・年齢・経済的要因』が本当に、本当に大きな問題となってしまい、とりかえしのつかない状況になってしまうからです。
また保険適応にはなりましたが、体外受精には回数制限があります。
この回数を使い切ってしまってからだと前にすすめなくなってしまいます。
時間という一番大切なもの、そして取り返しのつかないものを失う前に、ご自身に必要な選択をしっかりと考えることはとても重要です。
☆☆利益相反のない不妊カウンセリングを。
不妊カウンセリングや相談は、病院で受けたり、漢方薬局、鍼灸院、サプリ屋さんなどで受けることも多いと思います。
ただ、カウンセリングは、利益相反のない状態で受けることが本当に大切です。
当院は、鍼灸院です。だから、どうしても鍼灸治療につながりやすいということはあると思います。
でも、私は、とにかく、「赤ちゃんが欲しい」と願う方には赤ちゃんが授かるようにと、赤ちゃんが抱けますようにと願っています。なんというか、孫を願う姑となっています。婆ちゃんは孫の顔をみたいのよ!
と、話しが脱線してしまいました。
私はお話しを聞き、状況を把握し、お身体を拝見し、今後の妊活についてのカウンセリングを行うというところまでは、鍼灸をすることをお勧めしません。
まず、あなたに必要なものを探す「不妊カウンセリング」が大事。本当に大事です。
これは私が妊活の当事者であれば、必須だなと思うのです。
なぜならば、自分で自分はわからないからです。
冷静には判断できない、どうしても自分目線の優先順位がでてきます。
これが混乱させる元になってしまうのです。
☆☆自分の妊活にとって、必要なものが知りたい
- 私が当事者であれば、自分に必要な事を正直にいってもらいたいです。
- 私の妊活を、迷っている体外受精をすすめるべきならば、言って欲しい
- 私の妊活に、鍼灸や東洋医学や養生が必要ならば言って欲しい
- 私の妊活に、食事の改善が必要ならば教えてほしい
本当にそう願います。
これを、病院で聞けば、その病院のベスト、鍼灸院で聞けば鍼灸のベスト、
サプリ屋さんで聞けばサプリのベストを教えてくれます。
そうすると、どんどん『必要なもの』の足し算になり押しつぶされます。
優先順位をつけて、どこからやればいいのか。
私のいま、OKなこと、やった方が良いこと、それを知りたい。
こんな不妊カウンセリングを私が当事者であれば受けたいし、
私自身、カウンセラーとしてそうありたいと思っています。
妊活には優先順位があります。
いろいろな要素を勘案した上での優先順位をしっかりと考え、前に進みましょう。
☆仕事、家族、人生の中で迷ったときに;人生の優先順位
人生の中では、腹を括って前に進まなければならないこともあります。
YouTubeで有名なひろゆきが、妊活と仕事の優先に対する相談でかならず妊活を優先で答えていることに、ちょっとびっくりし、納得しています。
そう、損得を考えれば、妊活なんてやらないほうが気が楽だし、子どもなんて持たない方が経済的にも、肉体的にもメリットがあります。そもそも結婚なんてということもあります。
ひとりで、自分のご機嫌を自分でとって、好きなことに打ち込む。
そんな時間、人生であることも大いにOKです。
ただ、もし貴方の心の片隅に、「家族が欲しい」「子どもが欲しい」という思いがくすぶるのならば、人生には旬があることは自覚した方がいいです。
人生にはそれぞれ旬の時期があります。
子どもから、思春期を経て大人へ。
大人となった個が、社会的な自立のフェーズのなか、
仕事をして経済的な自立と、パートナーを持ち家族を持ち始めていきます。
仕事による経済的な自立はとても大切ですし、生きがいにつながる場合も多いかと思います。この流れの中で、パートナーとの出会いがあり、無理なく家族がもて、広がっていくことが一番スムーズな道のりでしょう。
そして、どうしても両立しない場合は、どちらかを成立させるために、腹を括ることも必要な場合があるということです。
人生の旬、家族を持つ、子どもをもつ旬はとくに女性にとっては時期が限られ限定的です。まわりの協力を得て上手にこの時期を乗り切っていただきたいと切に願います。
☆時間を意識し、腹を括って前に進む。
人生の中で妊活には旬があること。
これを自覚し、腹を括ってするべき時にする。
これが本当に大切です。
そしてもし、貴方の妊活が迷い道に入り込んでしまったら、利益相反のない不妊カウンセリングを受けることを強く、強く、つよーーーくお勧めします。
妊活は、単に足し算だけではなくて、やるべきものと、不要なものをしっかりと分けて考え、前に進むことが大切なのです。
やらない言い訳は、あとですればいいんです。いまはとにかくやる、前に進むです。
- ・自分の選んでいる方法が、まっすぐ妊活に進んでいるのか。
- ・自分の大切にしたいものは大事にできているのか。
- ・なんのために妊活をしているのか。
- ・人生の時間の中で、いま、やらなければならないことはなんなのか。
一緒に考える、一歩引いて俯瞰した立場からみるメタ認知的な視点をいれるために『不妊カウンセリング』を出来る場があればと切に願っています。