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冷え対策:冷えは動きをつけろ!

冷えについては、本当に世の中にいろいろな対策が溢れていますね。

私は長年にわたり、患者さんの『冷え』という訴えに対応してきました。

そして、タイプ別に3つあり、このことを踏まえて冷え対策をしていただきたいなと思っています。

 

 

人間には、ざくっとわけて3つのタイプがいらっしゃります。

それぞれにタイプが違います。

冷えにはおおきくわけて、三つの課題があります。 冷え

 

生命力の弱さの冷え

 

動きのにぶさの冷え :めぐり、うごく力が足りない、

温め、養う力があっても、巡らなければ、末端まで届きません。手足が冷たいのは緊張や、血流の動きの面での悪さが原因なのかも。

 

外因:外が寒い、地面が詰めたいなどの影響による冷え

 

冷え対策!

冷え対策その1 生命力の弱さ

生命力の弱さをおぎなうには、サプリや漢方なども有効でしょう。ただし、胃袋の力不足の場合は、経口摂取するモノの追加はで逆に生命力が落ちてしまうこともあります。この場合は、お灸のセルフケアです。

 

 

 


胃袋が弱いタイプには、この胃の六つ灸がききます。                             膈兪(BL17)、肝兪(BL18)、脾兪(BL20)。当院ではこのほかにその方の一番弱りを示している経穴へのセルフケアをお勧めしています。

 

冷え対策その2 動きの悪さ

 

 

 

 

 

動きの悪さです

動きが悪いということは、温める力があったとしても、なかったとしても、末端に届き、全体を巡ることができません。

巡らせるための努力が必要です。

緊張や、運動不足、瘀血、などさまざまな原因がありますが、イメージとしては昔のお風呂です。

交代温冷浴 末梢循環改善のために
1)40-42度ぐらいのお湯に膝下まで1-3分ほどつかります。
2)浴槽を出て、冷水を手や足に10秒ぐらいかけます。
3)1と2を3-4回ほど繰り返します。
4)暖かさを閉じ込めたい場合は、最後に冷水で終わりにします。

☆全身浴を行いながら、冷浴をおこなってもよいです。
☆半身浴、あるいは手足の末端のみをバケツなどのお湯と水につける交代温冷浴にしてもかまいません
☆水とお湯の温度差は30度ぐらいがよいとされていますが、冷水浴はあまり無理せずに徐々に身体をならしていきましょう。

 

冷え対策その3外因

 

生命力の弱さや、気血の巡りの悪さによって、温め養われていない部分となりやすいところである、皮膚表面や、手足などの末端は外側の影響を受けやすいですね。この場合は、その末端を外因から守る必要があります。

いわゆる、手袋をするとか、服を着るということですね。カイロなどの温度がでるものも、外因がキツいときはよいかと思います。ただし、温め養うのは、基本的にご自身の生命力でおこなうものです。あくまでも外因がきついときの防御として考えてください。

 

まとめ

 

冷えと、つめたさばかり考えがちですが、食べたものを滋養とし、全身に頒布することが究極の冷え対策です。

温め、養い気血はめぐります。
血流を意識した健やかな身体作りをしていきましょう(*^_^*)

 

 

1)妊活における血流:不妊、不育と冷え、血流の関係性

妊娠に必要な血流:不妊と、不育症。

長年、妊活にまつわるお悩みを拝見していて、大きな不妊要因は3つに分けられると思っております。

図:充実した生命と不妊の3つのパターン

充実した生命パターンに比べて、生命力が足りないもの、気血の滞りが大きいもの、年齢要因的なものが大きな区分と思われます。

その中の生命力の不足や気血の滞りを語る中で、『血流』ということが本当に大きなポイントとなってきます。

☆東洋医学でいう、気血の滞り、生命力不足、瘀血(オケツ、古血がたまる)

 

東洋医学的な書物には、気血の滞り、生命力不足、瘀血(オケツ、古血がたまる)などといった概念があります。
これら概念は、それぞれの東洋医学的なバックボーンがあり語られます。

たとえば、気血の滞りであれば、ストレスや外邪などにより、気の動きがさまたげられ、血の動きも滞る、四文字熟語で言えば、腎虚肝鬱です。

これを解消して行くには、腎気をあげ、肝鬱をとるなのですが、結局、身体作りでは腎気をあげるために、腎を育むようにその経絡を応援し、気血の動きを出すようにしていきます。

オケツという塊がある場合でも、その該当する経絡を、活性化させ、オケツという気血の停滞をぐっと呑み込み解消できるようにもっていきます。

 

☆妊活における血流

 

妊娠を考える妊活では、もともと冷えや血流は多く語られていますね。
『冷やさないようにしなくっちゃ』というのは、妊娠を考える方にとっては、よく思いつくキーワードだと思います。

この『冷え』をもう少し考えてみましょう

☆三つの観点から考える冷え

 

冷え
・①生命力の弱さ
・②動きのにぶさ
・③外因との関係

 

・①生命力の弱さ
→人間は、陰陽がまじわることで一つのまとまりをもち命となっています。そもそもの陰陽の交わったひとつの命が小さい、薄い、弱いために、全体に弱さがあるということです。

東洋医学では、気虚、気血両虚、脾肺の虚、脾虚、腎虚などさまざまな角度から考えられることになります。

生命力が弱い。それは自分を温め養う力の弱さでもあります。
冷えを感じやすいのも、自分を温養する力が不足しているからです。

・②動きのにぶさ

→人間は、気血が動きをもち、巡りながら養い育てられています。動きの鈍さは、養いが届きにくかったり、一箇所で停滞してしまったりします。動きが悪いと、3つめの要因である寒邪を中心とする外邪の侵襲を受けやすくなります。

ストレスなどで気の停滞が怒りやすい。
同じ動作を長時間続けているので、気血がめぐりにくい。

などさまざまな要因がありますが、停滞することは生命力がノビノビと
働かなくなります。
それなりの若さ勢いがある段階であれば、少しの滞りをとることで、渋滞が解消され全身の巡りがよくなり冷えも解消されますが、(肝鬱気滞の解消)長い期間にわたってその滞りが続けば、瘀血(古血がたまる)状態になり、新たな病因となります。

 

・③外因との関係

強い外からの冷え、たとえば『とても寒いところにいた』とか、『足下が寒かった』などという外因のよって、冷えが身体に入り込み、問題(外邪)となる場合があります。

身体が冷えたから風邪を引いたなどということはよく聞きますね。
これは外因によって、引き起こされた症状ですが、外因があっても、内因がそれなりの強さがあり、
防御してくれれば、邪の侵襲をうけずにすみます。

つまり、しっかりとした身体があれば、多少の寒さ、冷えははねのけちゃうことができるということであり、生命力自体の弱さや偏りがあると、外因につけこまれ、冷えにやられるということです。

 

 

☆不妊、不育と血流:妊活における血流のコツ

妊活のお手伝いをしていると、妊娠そのものをめざすときに、結局血流をあげることが解決への道筋になっていると気がつくことはよくあります。

少し詳細に語っていきたいと思いますが、その血流あげが、通常の血流上げと少し違い、女子胞(子宮)の力を養うベクトルを持つようにするというのが妊活における血流のコツです。

 

長くなりました、別ファイルでお話を続けますね。

見分け方が案外手強い:冷え、冷え性

冷えの見分け方です。

冷えのみわけかた

このスライドページは、鍼灸師が患者さんを拝見して、患者さんの冷えのタイプの見分け方のお話です。

冷えの気になる方は是非ご一緒に。

☆自分自身は気になることに注目しがち!

ご本人は、「気になることに注目する」ということがあります。

まあ、あたりまえですね(^_^;)

ですので、本人の訴えは、訴えとして候います。

このときに、急激な変化でそうなったのかというのは、大きな疾患や状況の変化がありますので、ポイントです。

そうではなくて、妊娠を意識しだしたら気になったとか、ネットの記事をみて気になりだしたというのは、ご本人の意識の変化であるので、客観性をかき、言葉をそのまま鵜呑みにはできません。

この冷えという事実があるのか、気にしすぎなのかを鑑別して行く必要があるわけです。

☆外的条件が同じ中、一人だけ一足先に冷えていく

季節は変化します。

熱くなったり、寒くなったり。

充実した生命力のある人間であれば、外的な変化には

柔軟に対応出来るはずです。

これが健康な方のありようです。

同じ日の同じ時間帯、その同じ条件で、実際に足に触れると非常に冷えの状態が違います。

米山が患者さんを観察していて、多くの患者さんをみるなかで、冷え·血流問題の課題があるかたは、こういった変化に弱いという感じがします。

冷えの課題では特に、11月くらいから冷えの進み方が急速になります。つまり他の方と比べて、外の状態(外気温など)に影響されやすく、外が冷えると、ぐっと冷えるということです。

☆芯から冷える

寒いと、「カラダの芯から冷えるんです。」とおっしゃる方がいます。生きているわけですから、身体の芯は暖め養う力はあるはずです。ちょっとわかりにくい言葉ですね。

でも、足の経穴などを観察しているとこの「芯から冷える」という言葉が思い浮かぶことが多々あります。

他の方と比べて、身体、特に足の指などを触ると血流という暖かさを運んできてくれるものが感じられないくらい、芯から冷えているという感じです。

生きているわけですから、もちろん足にも血流はとどいているのでしょう。でも、届きにくい、暖め養う力が不足しがちということです。

また、こういった方には、あかぎれ、しもやけが多い場合もあります。

☆血流の問題から、東洋医学の気血は一体という発想へ。

というのは、血流の問題を特に考えなければならない人たちです。

 上記したような(11月くらいから、芯から、しもやけなどがある)極冷え人間、不育症のなかで血液凝固系の問題を考える、家族に血栓などの疾患(血液凝固系の問題を示す)の有無などは、血流の問題をしっかりと考えておいて良いと思います。そして血流というのは十分な血と動きなのです。気血は一体という東洋医学的な発想が非常に役立つ分野です。

1)”冷え”は注目の的!? 何が問題なのか考えよう。

2)”冷え”の二つのタイプ。 冷えてる場所に振り回されない!!

3) 冷え対策の王道、あたため養う温養力

4)不妊治療における冷えと血流

 

5)不妊治療に4大課題と”冷え”(不妊鍼灸セミナー用)

⑤不妊治療における”冷え” まず中心課題が”冷え”なのか考えよう

※スライド1)

妊娠出来ない、高度生殖医療をおこなっても妊娠が成立しないというときには大きく4つの課題に分けて考えます。

これは、まず、東洋医学に基づく四診をしお体をしっかりと拝見していきます。このときにとくに当院では体表観察という観点を大事にしています。東洋医学の四診を越え、現代を生きる方を見ていく観点です。皮膚の質感、中心と末端の差なども考慮していきます。そして食事生活記録をつけていただき、現状をしっかりと把握していきます。

このように分析していくと、”不妊”という状態に、大きく4つの分類が見えてきます。

A:ドーゼの確保
B:血流問題
C:モノ取り込み能力不足
D:モノ不足

A:鍼灸、漢方、食事、休養など身体に対する方向性はOKなのだけど、必要十分な量がなされていなくて、不妊の解決にまで近づけていない症例。”冷え”の訴えがあっても、”冷え”を考えるよりも、いまの方向性での刺激量を大きくしていく必要です。つまり質よりも量が足りていないと言うことです。

B: ”冷え”の問題が根深く、一段掘り下げて”冷え”をアプローチする必要がある症例。つまり”冷え”の原因がもともとの血流の悪さにある症例で手強いです。西洋医学的なアプローチを必要とする症例も多くなります。

C、D お体を拝見すると、滋養が体内に取りこまれていない状態。この場合、二つの観点を用いる必要があります。つまり滋養は摂取しているけど身体に取りこまれていないパターンなのか、滋養そのものの摂取が不足しているのかということです。

C:モノは十分あります、自分の摂取能力不足の症例。

栄養を考え食事を摂取し、漢方ものみ、栄養療法にも通いサプリも色々摂取したけれども、「実にならない」という方です。”冷え”も当然訴えます。身体を温め養う力という生命力そのものが不足しているので、栄養も身体に取り込めず、身体を暖目養うことが出来ない状態です。まず、胃腸の力をひきあげ、滋養を取り込むの能力をアップさせていきます。

D:モノそのものの不足症例

節約レシピをみていると、もやしや粉物が中心であり、とにかく「嵩」を重視。栄養的な観点からはどうしても不足が目立つことが多いです。節約も大事ですが、食事バランスガイドに従って、肉、魚、卵などの主菜をしっかりと摂取することが必要です。この症例では、栄養摂取がよくなったらご主人の健康度がupされました。やはり栄養滋養は大切ですね。

Bの症例が、”冷え”という課題に正面から取り組んだ症例となります。しかしながら、結局どの症例も臓腑の力をアップさせることへつながり、身体を温養する力を上げることが妊娠への道であり、”冷え”も結果的に解決する道であると思います。

不妊治療をしていくときには、この課題分けをまずし、優先順位を意識的に用いて、治療を前に進めていくことがコツだと思います。あれもこれもとしていては、結局どれも中途半端で解決に至るに必要な道が見えなくなるのです。

体表観察とこれまでの状況を踏まえた問診から考え出す不妊治療の取り組み方針をしっかり持つことが、あなたの不妊治療を前に進め、結果につながる道となるのかなと思います。

一緒に頑張って行きましょう。

また、ご自身のことはなかなか自分自身ではわかりにくいものです。

是非、不妊カウンセリングを活用し、相談してみてくださいね。

4)不妊治療における”冷え”と血流(不妊鍼灸セミナー用)

4)不妊治療を通して感じた”冷え”の問題

ここからはちょっと専門的な話しになります。
鍼灸師向けセミナーの内容レベルなので、ご参考までということで読み進んでいただければと思います。

 

”冷え”という言葉が、案外大ざっぱに使われているなと感じるにいたったのは、不妊治療の取り組みを通じてです。

不妊治療困難事例の解決には”冷え”の理解がカギ

困難事例の不妊状態の方は、問題が非常に多く絡んでいる場合があります。”冷え”も、ストレスタイプの”冷え”や、臓腑の温養する力不足、そして西洋医学的に問題としなければならない血液凝固系の問題まで”冷え”というカテゴリーに入ってくるんだなという認識が私の”冷え”への取り組みを変えて行きました。

結論:
”冷え”という課題を読み解くことが、問題を解決していく糸口となる。

さて、もう少し細かくお話ししますね。

※スライド2

”冷え”が不妊に影響があるということは、漠然とイメージがわくかなと思います。

確かにそうかなという感じから、もう一歩踏み込んで”冷え”を考えた私のシュミレーションがこの図です。

まず、生理周期そのものから、排卵期、高温期、着床、妊娠判定から妊娠初期の手入れをしっかりすることが、不妊治療に非常に有効であると言う手応えはもっていました。「なかなか妊娠が継続出来ない」「着床障害」「9週の壁が越えられず流産してしまう」これらの訴えが、丁寧な治療を行うことで解決していったのです。

そして、出産を迎えた患者さんからのメールで、

「胎盤が大きいって言われました」

あ「3000㌘越えのしっかりとした赤ちゃんで育てやすいです」

「第一子は妊娠中毒症などでトラブル続きで小さい赤ちゃんでしたが、今回は順調な上、十分の大きさで生まれてくれました」

との声が相次いだのです。

また、不妊治療歴をみていると、「不育症」の検査をした方がよいのではと思えるかたや、第一子の妊娠経過をみると、やはり「不育症が潜んでいるのでは」などと思うことがありました。

そして、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療受精を受けている方をみていて、妊娠の継続が難しそうな感じ、着床の問題があるのではと思う方に、不育症の定義をみたしていなくても、不育症の検査を受けることをアドバイスしたりする中で(不育症専門クリニックのドクターに年齢要因がある方や可能性がある方の受診については問い合わせ、了解をいただいております。不育症の要件を満たさない場合は、受診申込時に問い合わせをしてください)、不育症の診断がつく方が多くいらっしゃるという経験を重ねていきました。

体表観察でおかしいな?と思った方に受診を進めて、「あなたには出ないと思ったのにねえ」などというドクターからのコメントを頂きながらも、しっかりと不育症の診断がついた方もいらっしゃります。

この”冷え”と、”血液凝固系の亢進”については、詳しくは

不育症 反復流産、死産、着床障害 杉ウイメンズクリニック

http://www.sugi-wc.jp/index.html こちらのサイトをご覧になり、本も参照していただければと思います。

※スライド3

☆血流の改善と運動がつながらない事への気づき

お体を拝見して、実際に皮膚の状態、温度感を見る中で、「血流の改善」ということが大きなテーマとして浮上してきました。

この血流の改善というと、すぐに

「運動すれば良いですか?」などという質問をいただきます。

確かに、一義的に健康になることに「運動」は欠かせません。血流の改善にもつながると思います。

しかしながら違う!と、お体をみていて思うのです。

運動してます、マラソンします、という方のお腹が冷え冷え。

皮膚の状態が、体幹と末端が違う。あきらかに末端まで滋養が届いていない

妊婦さんで「歩いてきました〜」という方の子宮(女子胞)が血流不足で固いというのを、何人も拝見しました。

こういった状況から、

・西洋医学の必要性
・お体の手入れの進め
・妊娠初期の乗り切り方

などなどを考えるにいたりました。

”冷え”は、血液が巡らず、”その場”を暖め養うことが出来ていない状態です。しかしながら、足先や手先がいつも温かいというのもおかしな話しで、寒いときにはぎゅっとちぢこまり、体温が逃げてしまわないようにするのは大切です。”冷え”をそのまま体幹に持ち込まれても困ります。

つまり、”冷え”そのものよりも、血液が届いて暖め養うことが出来ない状態が結果的に”冷え”という訴えになっているのだと気がついたのです。

そして、
問題は”冷え”ていることではなく、血流がないということ。

また、”どこを養いたいのか”ということを考えない血流対策は、目的をもった治療においては大きな遠回りになりかねないと言うことに気がつきました。

一義的には運動は血流の改善に役立ち、健康度をあげます。

しかしながら、不妊治療などで、子宮(女子胞)の力を養いたいときには、養いたい場処の血流をあげ、暖め養っていくことが必要なのです。

ここが”冷え”という課題から、あなたの問題を解決していくコツとなります。