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見分け方が案外手強い:冷え、冷え性

冷えの見分け方です。

冷えのみわけかた

このスライドページは、鍼灸師が患者さんを拝見して、患者さんの冷えのタイプの見分け方のお話です。

冷えの気になる方は是非ご一緒に。

☆自分自身は気になることに注目しがち!

ご本人は、「気になることに注目する」ということがあります。

まあ、あたりまえですね(^_^;)

ですので、本人の訴えは、訴えとして候います。

このときに、急激な変化でそうなったのかというのは、大きな疾患や状況の変化がありますので、ポイントです。

そうではなくて、妊娠を意識しだしたら気になったとか、ネットの記事をみて気になりだしたというのは、ご本人の意識の変化であるので、客観性をかき、言葉をそのまま鵜呑みにはできません。

この冷えという事実があるのか、気にしすぎなのかを鑑別して行く必要があるわけです。

☆外的条件が同じ中、一人だけ一足先に冷えていく

季節は変化します。

熱くなったり、寒くなったり。

充実した生命力のある人間であれば、外的な変化には

柔軟に対応出来るはずです。

これが健康な方のありようです。

同じ日の同じ時間帯、その同じ条件で、実際に足に触れると非常に冷えの状態が違います。

米山が患者さんを観察していて、多くの患者さんをみるなかで、冷え·血流問題の課題があるかたは、こういった変化に弱いという感じがします。

冷えの課題では特に、11月くらいから冷えの進み方が急速になります。つまり他の方と比べて、外の状態(外気温など)に影響されやすく、外が冷えると、ぐっと冷えるということです。

☆芯から冷える

寒いと、「カラダの芯から冷えるんです。」とおっしゃる方がいます。生きているわけですから、身体の芯は暖め養う力はあるはずです。ちょっとわかりにくい言葉ですね。

でも、足の経穴などを観察しているとこの「芯から冷える」という言葉が思い浮かぶことが多々あります。

他の方と比べて、身体、特に足の指などを触ると血流という暖かさを運んできてくれるものが感じられないくらい、芯から冷えているという感じです。

生きているわけですから、もちろん足にも血流はとどいているのでしょう。でも、届きにくい、暖め養う力が不足しがちということです。

また、こういった方には、あかぎれ、しもやけが多い場合もあります。

☆血流の問題から、東洋医学の気血は一体という発想へ。

というのは、血流の問題を特に考えなければならない人たちです。

 上記したような(11月くらいから、芯から、しもやけなどがある)極冷え人間、不育症のなかで血液凝固系の問題を考える、家族に血栓などの疾患(血液凝固系の問題を示す)の有無などは、血流の問題をしっかりと考えておいて良いと思います。そして血流というのは十分な血と動きなのです。気血は一体という東洋医学的な発想が非常に役立つ分野です。

1)”冷え”は注目の的!? 何が問題なのか考えよう。

2)”冷え”の二つのタイプ。 冷えてる場所に振り回されない!!

3) 冷え対策の王道、あたため養う温養力

4)不妊治療における冷えと血流

 

5)不妊治療に4大課題と”冷え”(不妊鍼灸セミナー用)

⑤不妊治療における”冷え” まず中心課題が”冷え”なのか考えよう

※スライド1)

妊娠出来ない、高度生殖医療をおこなっても妊娠が成立しないというときには大きく4つの課題に分けて考えます。

これは、まず、東洋医学に基づく四診をしお体をしっかりと拝見していきます。このときにとくに当院では体表観察という観点を大事にしています。東洋医学の四診を越え、現代を生きる方を見ていく観点です。皮膚の質感、中心と末端の差なども考慮していきます。そして食事生活記録をつけていただき、現状をしっかりと把握していきます。

このように分析していくと、”不妊”という状態に、大きく4つの分類が見えてきます。

A:ドーゼの確保
B:血流問題
C:モノ取り込み能力不足
D:モノ不足

A:鍼灸、漢方、食事、休養など身体に対する方向性はOKなのだけど、必要十分な量がなされていなくて、不妊の解決にまで近づけていない症例。”冷え”の訴えがあっても、”冷え”を考えるよりも、いまの方向性での刺激量を大きくしていく必要です。つまり質よりも量が足りていないと言うことです。

B: ”冷え”の問題が根深く、一段掘り下げて”冷え”をアプローチする必要がある症例。つまり”冷え”の原因がもともとの血流の悪さにある症例で手強いです。西洋医学的なアプローチを必要とする症例も多くなります。

C、D お体を拝見すると、滋養が体内に取りこまれていない状態。この場合、二つの観点を用いる必要があります。つまり滋養は摂取しているけど身体に取りこまれていないパターンなのか、滋養そのものの摂取が不足しているのかということです。

C:モノは十分あります、自分の摂取能力不足の症例。

栄養を考え食事を摂取し、漢方ものみ、栄養療法にも通いサプリも色々摂取したけれども、「実にならない」という方です。”冷え”も当然訴えます。身体を温め養う力という生命力そのものが不足しているので、栄養も身体に取り込めず、身体を暖目養うことが出来ない状態です。まず、胃腸の力をひきあげ、滋養を取り込むの能力をアップさせていきます。

D:モノそのものの不足症例

節約レシピをみていると、もやしや粉物が中心であり、とにかく「嵩」を重視。栄養的な観点からはどうしても不足が目立つことが多いです。節約も大事ですが、食事バランスガイドに従って、肉、魚、卵などの主菜をしっかりと摂取することが必要です。この症例では、栄養摂取がよくなったらご主人の健康度がupされました。やはり栄養滋養は大切ですね。

Bの症例が、”冷え”という課題に正面から取り組んだ症例となります。しかしながら、結局どの症例も臓腑の力をアップさせることへつながり、身体を温養する力を上げることが妊娠への道であり、”冷え”も結果的に解決する道であると思います。

不妊治療をしていくときには、この課題分けをまずし、優先順位を意識的に用いて、治療を前に進めていくことがコツだと思います。あれもこれもとしていては、結局どれも中途半端で解決に至るに必要な道が見えなくなるのです。

体表観察とこれまでの状況を踏まえた問診から考え出す不妊治療の取り組み方針をしっかり持つことが、あなたの不妊治療を前に進め、結果につながる道となるのかなと思います。

一緒に頑張って行きましょう。

また、ご自身のことはなかなか自分自身ではわかりにくいものです。

是非、不妊カウンセリングを活用し、相談してみてくださいね。

3) ”冷え”対策の王道、あたため養う温養力

”冷え”には王道 あたため養う温養力up!

”冷え”には王道として、臓腑の力をつけるということがポイントです。

ストレスタイプと、臓腑の弱りタイプに分類をしましたが、

結局、ストレスタイプの”冷え”が問題であっても、根源的に”冷え”の問題に対応して行くには、臓腑の力がつき、気血の滞りとなるストレス状態(肝鬱状態)を引き起こさないようなカラダ作りが必要なのです。

冷えた末端である手足への対策

冷えた末端、冷たい手足は、基本的に保護するという観点での対策で十分だと思います。つまり、手足末端が”冷え”できつく感じるのは、外因(環境要因としての”冷え”)に影響を受けやすいからです。

まず第一に環境要因を受けにくいカラダ作り、自分自身を温め養う(温養)力をアップさせるという王道が求められます。

そして、現時点の環境要因に対する対策としては、保護すると言うことで十分でしょう。

あまりにも末端がひえすぎていると、中心の力がそこに派遣されます。つまり冷えた末端を暖めるために力が使われてしまうわけです。この消耗を防ぐために、手袋や靴下などで保護する。外出などで寒いところに行くときにはカイロなどを使うのもよいかと思います。あくまでも、暖める事が目的ではなく、保護するといった観点です。

お腹のカイロを推奨しない理由

・”冷え”には、基本的に血流が必要です。つまり、暖かい血液をそこに運び暖め滋養する力が血流です。冷えていることそのものが問題ではないので、発熱するものは、防御的な意味以外では使わないということの考え方がここにあります。

お腹も保護するという目的ならば、カイロなど発熱をするものを使うのではなく、小さめのフカフカハンドタオルなどを下腹にいれてみてください。十分保護され、暖かさを感じられると思います。

”冷え”対策としての交代温冷浴

私が”冷え”対策として一押しなのは交代温冷浴です。手足末端の暖かい刺激、そして冷たい刺激の繰り返しは、その場の血の動きをだします。この動きこそが全身の血流改善となります。特に足の交代音冷浴は、足腰、骨盤内臓器の血流改善に非常に陽綱かを発揮し妊娠につながった多くの症例を経験しています。
  冷えた足をあたためるだけではなく血流をupさせる温冷交代浴は冷え改善にとても効果的だと思います。

”冷え”対策まとめ

さて、”冷え”対策についてまとめておきます。

ちょっと専門用語ありなんですが、ご参考まで。

・交代音冷浴をする(血流の観点から)
・生命力、脾、腎の陽気↑、臓腑を養う(全体の養いの観点から)。
・子宮(体幹)の負担にならないように末端(手足)を保護する。
・ET(胚移植)するなら、季節や状況を考慮
・仕事で他に生命力を持っていくとダメ。なるべく仕事はオフがベター。
・末端への負担を減らす。温浴する。
・発熱するものを当てない
(暖かいそのものが大事じゃなくて血流があることが大事)
→血管を育て血流を持ってくる

・胚移植、妊娠したら
     →末端と中心の問題を間違えないこと

1)”冷え”は注目の的!? 何が問題なのか考えよう。

冷え取り、冷え対策、

”冷え”は多くの人の注目の的ですねえ。

私は患者さんの”冷え”という訴えを素直には受け取りません!

それは、ご自身の訴えがかなり曖昧なのです。

たとえば、不妊とか、体調が悪いと言うことがあり、身体に注目するようになってから、”冷え”が気になった方。

もともと”冷え”がきつく、その”冷え”の状態からトラブルが生まれている方。

”冷え”といっても、その言葉がさしているものは、かなり違います。

”冷え”の条件

私が注目する”冷え”の方の条件は

・あきらかに触れたときに冷えている、体幹との差が大きい
・季節先取り、季節おそい
・他の人に比べて、一足先に”冷え”が進行
・足など芯から冷える感じがする(実際にふれると芯から冷えている)
・あかぎれ、しもやけができやすい

こういった芯から冷えるタイプの冷え性はなかなか手強いです。

このタイプで問題となってくるのは、

1)血流の悪さが引き起こす問題
2)血液凝固系の亢進が引き起こす問題
3)もともとの臓腑の力の弱さから、身体が温養出来ていない問題

妊娠の希望があれば、流産歴などとあわせて不育症のチェック※1もしたいところです。

”冷え” だけに注目するのではなく、いったいどうして”冷え”がでるのか?それは身体全体にとってどういう課題なのかということを考えていく必要があります。

もう少し”冷え”について深掘りしていきますね(^^)!
お話は続きます。

※1について
”冷え”の観点だけから、不育症のチェックをうけるのは、他の観点(不妊治療歴や、年齢など)をあわせて考える必要があると思います。不育症という概念は、その定義があり、定義を満たしてのちの不育症の検査という流れです。この観点は続きの不妊治療と”冷え”のところでおはなししていきますので、参考にしてください。

血流の改善  栄養が隅々まで届く身体になろう!

「気虚を救う」 不育症、血液凝固系亢進の方のカラダ作り

血液が固まりやすい病気というと、血栓から心筋梗塞、脳梗塞などがあるでしょうか。また若い方ならば流産を繰り返す不育症もはいってきます。またガンも血流がよいことが大事とされています。

血流をしっかりよい状態に保つ、このことを少し考えてみました。

血流が悪いと言うことと、血液が固まりやすいということ。この二点をすんなり重ねるのはちょっとイメージがわきませんでした。しかしながら、血液凝固系の特殊な検査をなさった方々の結果を候うと、血流が悪いという東洋医学的なイメージと重なります。つまり血が固まりやすい方は、血が固まりやすい特有のリスク(血栓など)のほかに、血流が悪いという状態が引き起こす、生命力への負担も抱えているのだなと理解できました。

そこで、今回は特に、血液凝固系の亢進を持つタイプ。つまり血が固まりやすいという状態の方のケースを具体的に考えていきたいと思います。

家族歴に脳梗塞、心筋梗塞のあるかた。また流産を繰り返す不育症の方も該当します。

” 子どものころから冷え性で冬が辛く感じるような陽気不足があり、20代後半から夜間排尿が出るように、腎気は不足気味であり、このころに脾気(胃腸の力)も落としている。

このころより、しもやけが再発。足が冷たくて眠れないようになっている。また、同時期に口呼吸が多くなり口が渇くという愁訴が出ている。肝気の横逆で脾気が落ちたことが体重の減少まで到達し腎の器がひとつ小さくなってしまったと思われる。”

しもやけは、血液凝固系の問題が現れる人のチェック項目です。

しもやけは冷えを受けると手足末端が赤くなりかゆくなりますね。

血液は、流れることでその場を養い続けます。流れることが出来ないことが=血流が悪い、滞る、血栓ができやすいという事ではないかと思われます。血栓ができやすい因子をもっていると、この条件をより悪化させるのでしもやけという症状になるわけですね。

”小さくなった脾気は、心気への養いを充分にすることができず、つよい肝鬱による内熱もあったため、口を渇かし、焦げ臭い体臭となっていった。”

この状態が、冷えと熱の二極化です。末端は滞り冷え(寒凝気滞血瘀)、そして中心は滞りがあるが故の熱化。

お風呂で言えば、底は冷たいのに表面だけが熱いという状態です。

ここで、気血の巡りをよくする努力をする必要があります。

ストレスをためない

軽い運動をする

胃腸を健やかにしてしっかりと栄養滋養を取り込む

温灸、お灸をしておく

こんな地味な努力が案外効きます。

冷えと熱は同時に問題をおこすことがおおいです。

そしてことに、熱は非常に問題をおこします。

熱(心熱)は体質的なものだから、心熱だけを取り去ることは無理です。陽虚(冷え)に傾きがちな、陰陽両虚である素体を余力ある状態に保っておくことが大切なのです。つまり、冷えに傾きがちだけど、陰気も、陽気も不足しているということがポイントで、冷えに傾いているけど、問題を出しているのは、『心熱』という熱なのです。

この状態が亢進すると、身体は痩せてしまいますし、血液はより固まりやすくなります。重度の上実下寒の状況があるわけです。

私が、ただ単に『冷やさないこと』を目標にしてはいけないということを考える根っこがここにあるわけです。

気虚を救うという発想が一番安全で効果的で優先すべきでしょう。

参考症例:やせすぎ あせるな 脳梗塞と不育症