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脳の発達、胎児と栄養:京都女子大学のセミナーから③

脳の発達、胎児と栄養:京都女子大学のセミナーからその③です。

食事でこんなに変わる、脳の発達や病気  / 京都女子大学 辻 雅弘先生

YouTubeは京都女子大学 食事でこんなに変わる、脳の発達や病気

ブログでは、①、②ととりあげています。

その①https://bigmama-odawara.jp/blog/archives/4655

その②https://bigmama-odawara.jp/blog/?p=4661&preview=true

 

ADHDになりやすい!?低体重児のリスク

8枚目以降のスライドでは、低出生体重児のリスクとして、ADHDになりやすいというお話をなさっています。

8枚目のスライドでは、

注意欠陥多動性障害について簡単に説明されています。

多動、不注意、衝動性などをがあげられていらっしゃいます。

9枚目のスライドでは、

出生体重が軽いほどADHDになりやすいといことが、フィンランドのデーターで語られています。そしてなぜこんなことがおこるのか?、どうすればいいのか?という問題提起をされています。

10枚目のスライドでは、私が前回も指摘させていただいた、血流の話しです。

 

☆子宮血流が足りないとどうなるのか?

 

少し栄養が足りないラットを作る。

体内に同時に宿っている10匹のラット。その10匹のラットを、子宮動脈を調整して血流の状態をわけます。すなわち、半分のラットには通常の血流、残りの半分のラットには血流を悪くするわけです。

この実験で低出生体重児を作るために、栄養そのものを変えるのではなく、血流を変えています。

つまり、

血流が悪い=栄養が行かない=低栄養=低出生体重児

ということですね。この実験、同じラットですので、血液成分的には同じですが、血流という血液の量の多寡によって高栄養と低栄養になるということが示されていると私は思います。

これは私にとっては非常に大きなポイントだと思われました。すなわち、

血流をあげるということが、『小さい赤ちゃんを予防する』ことにつながるのだということは、鍼灸、お灸、セルフケアが非常に役立つということを示唆していると思われるからです。

これは、今まで私が、胎盤形成期の鍼灸アプローチをしっかりとしていた患者さんから、

『赤ちゃんが3000グラムを超えていました!』

『胎盤が大きいって助産師さんに言われました』

こんな報告を多く受けていました。
なぜ、妊娠初期の鍼灸治療でのフォローをしっかりとなさったかたから、今回の辻先生のYouTubeは、このようなお声を多く頂くのかという大きな手がかりとなりました。やはり、胎盤形成期の鍼灸アプローチは非常に有効なのです。しっかりと鍼灸治療でのケアと、ご自宅でのセルフケアを行っていただきたいと切に願っております。

 

☆正常体重児と低体重児のオープンフィールド実験

11枚目ではオープンフィールド実験がおこなわれています。

正常体重で生まれたラットと、低体重で出生したラットを比較しています。

小児期、思春期と行動の違いをみていっています。

14枚目のスライドでは、三部屋式社会性行動試験をおこなっています。

普通の体重で生まれたラットは新しい物に興味を示し、低体重のラットは示さない社会性がないという評価が示されるというお話です。

ちょっと長くなりすぎたので、ここでいったんお仕舞いにしますね。
④に続きます。

脳の発達、胎児と栄養:京都女子大学のセミナーから②

脳の発達、胎児と栄養:京都女子大学のセミナーからその②です。

→その①はこちら

食事でこんなに変わる、脳の発達や病気  / 京都女子大学 辻 雅弘先生

タイトルは食事、実験は血流

このYouTubeをみつけたときには、食事で脳の発達や病気がかわるのかーと思いながら見始めま した。

しかしながら、胎児の場合は母親の食事というよりも、子宮血流の多少ではないかと思われました。

なぜならば、10枚目のスライドで、ラットの子宮動脈を半分はそのまま、半分は血流を低下させた状態を作り、低出生体重児の問題を語っているのです。

ラットでの子宮血流調整実験時間は5:39のところです。

これは、『同じ栄養』であっても、『血流が悪い』と低栄養になり、低体重児になるということを語っているのではないかと思うんですよね。だから血流が大事。その上で栄養豊富な血流が大事という話ではないのかなと思いました。

ちょっと前に戻りますね。

低体重とIQの関係

2枚目、3枚目のスライドでは、

食事や生まれてきたときの体重でIQや行動をお話になっていて、

5枚目のスライドでは、IQの差を述べられています。 

 

IQの差 生まれたときの体重

    2500−3000  3000−3500  3500−4000

19才  少しIQが低い    標準    少しIQが高い

この状態が、19才でも、28才でも、50才でも続くと言うことです。

このデータは2500グラムからだが、YouTubeの講義の中では、2500グラム以下だとIQ6違ってくるとお話しされています。

 

そしてスライドの7では、先進国で低出生体重児が増えてグラフが右肩上がりになっている。特に日本のグラフがすごいですね。ぐぐぐっと右肩あがりになっていて、日本ではでいま10人に一人が2500グラム以下の低出生体重児だということです。

このグラフ先進国とのことですが、スペインとフィンランドだけは読めるのですが、他の文字がいまひとつ文字化けして読めないです。どの国のグラフなんでしょうかねえ。

そして

☆低出生体重児が生まれる理由

→辻先生は出産時の女性の痩せ、痩せ願望をあげています。

極端な栄養障害ではなく、少し栄養がたりないでも出生体重に影響がある。

これは私も臨床で強く感じます。体重が増えることを極端に嫌う方が多いこと。そして産科の検診でも『体重は増えなくたって良い』といわれたり、少しでも体重の増加が急だと『体重気をつけて!』という厳しめの指導が入ります。

この食事指導というのは、食事指導あるあるで、本当に食事制限をして欲しい人には届かず、これ以上食事に拘らなくてもよいという人に響いてしまいます。

たとえば体重がBMIで26をこえかなり肥満である人が膝の痛みを訴える場合はやはり体重を落とすことが大事であり食事制限が求められてますが、こういう方には声が届かず、もともと少し痩せ気味の人の方が、膝の痛みがあれば『体重を減らそう』とするのです。言葉の響き方が違うんですよね。

☆痩せ願望は妊婦さんだけの課題?

以前にNHKのラジオを聞いていて、小児科の先生が低出生体重児の問題点を語り『妊婦の体重増加は適正に増やすように』というお話をしたところ、多くの声が寄せられていました。私はこの問題に興味があったので、車の運転中でしたが道路の端に止め、聞き入ってしまいました。多くの声は『産科で強く体重のセーブを指導された』という声でした。体重が増えすぎると巨大児につながり出産が大変だからという指導が強く行われ、結果的に体重はあまり増えず、赤ちゃんも未熟児だったという声です。巨大児を心配していたのに産まれてみたら未熟児って実は私も患者さんの話を伺っていると時に耳にしていました。

辻先生はこの低体重の結果、生涯にわたってIQ6も低くなってしまうということを指摘なさっています。

小さく産んで大きく育てよの言葉の意味

うーーーーん、日本には『小さく産んで大きく育てよ』という言葉があり、小さく産まれることをあまり問題にはしませんが、『小さく』も未熟児とされる2500グラム未満だとかなり問題はあり、その問題が成人してもながくつづくという事をこのセミナーでは仰っています。

☆妊婦さんにしてほしい子宮血流増加のセルフケア!

婦人科での体重指導がきつく行われる理由は、妊婦さんの体重増加が出産時のトラブルにつながりやすいという事実があるからでしょう。

妊婦さんの体重増加の二つのポイント

→妊婦さんそのものの体重増加
→赤ちゃんの体重増加

この二つのポイントを本来は分けて考えなければいけないと思います。ラットの実験でもわかるように、子宮血流が多くあることが大事です。いくら妊婦さんが体重が増えても子宮血流にまわっていなければ赤ちゃんの体重増加にはつながりません。ここで、子宮血流増加の必要性が強く感じます。これはセルフケアも出来るので是非実践してみてください。

脳の発達、血流と栄養:京都女子大学のセミナーから①

脳の発達、胎児と栄養:京都女子大学のセミナーから①

不妊治療と日々取り組んでいると、妊娠までの大きな課題と、妊娠してから無事に赤ちゃんを出産するという血流・不育の課題と大きな課題に取り組み、お手伝いをさせていただいております。

この『血流』、特に子宮血流の問題は、不妊のなかで着床障害化学流産初期流産流産ともつながり、また、『赤ちゃんが小さい』という低出生体重児の問題ともつながることを日々の鍼灸治療の中で実感しています。

とくに、二人目不妊の方で、第一子の妊娠、出産までの経過が非常に大変で赤ちゃんも小さめであったというお話は、二人目不妊につながり、また妊娠中毒症、低出生体重児の問題を予期させます。

不妊に悩んでいると、どうしても、赤ちゃんの課題までは気がつかない事が多いのですが、

赤ちゃんが小さい(低出生体重児)という問題は、実はとても大きな課題となるのかなと感じます。

先般、京都女子大学のYouTube公開講座でこのようなお話を聞き、とても興味深かったので掘り下げて考えていこうと思います。5回のシリーズで一緒に考えたいと思います。

YouTubeはこちら。

食事でこんなに変わる、脳の発達や病気  / 京都女子大学 辻 雅弘先生

辻先生は、栄養学の先生で、栄養の観点から、脳の発達や病気について考えていらっしゃります。栄養の観点でいえば、結局、
  『血流の低下』が低栄養を招き、低出生体重児の出産となる

そしてこの低出生体重児は、IQの低下のリスクが高いというお話をされています。

非常に興味深く、また大きな問題を語ってくださっています。
しっかりと見ていきたいと思います。

卵胞の成長には半年程度の時間がかかります!

妊娠を考えるときに、女性の身体の仕組みを理解しておくことはとても大切なことです。

女性にとって妊娠にとっても大きな比重をもつのは卵子です。

卵胞の発育はとても不思議です。

よく、女性は生まれたときから卵子をお腹の中にもっていて、ご自身の年齢と卵子の年齢は一緒などと言われます。

しかしながら、排卵するのは、毎月1つの卵子。

その一つが選ばれるシステムを私達女性はもっているのですねえ。

卵胞の発育について

 

原始卵胞を私達は卵巣にかかえています。

これは休眠状態の卵胞のことです。この原始卵胞が、活性化して、発育卵胞(一次卵胞、二次卵胞)へと変化します。

原始卵胞から120日(ゴナドトロピン感受性ナシ)で前胞状卵胞まで

前胞状卵胞から75日(ゴナドトロピン感受性低い)で胞状卵胞へ

胞状卵胞から14-20日で(ゴナドトロピン感受性高い)で成熟卵胞へ
書物によって多少の差があるのは、やはりいろんな日数のケースがあり、幅があるということなのかなと理解しています。
だいたい、6ヶ月かけて卵胞は成長し生理三日目を迎えるようですね。

長い旅ですねえ。

皆さんのお悩みを候っていると、生理周期にまつわるものが多いですよね。
生理前にお腹が張って便秘で辛いとか
生理痛がひどくて、腰も頭も痛いとか。
また、排卵痛、高温期の辛さなどさまざま。

通常は月経周期にまつわるトラブルが多いので、こんなに長い期間かけて卵胞が成長し生理3日目を迎えているとは気がつきません。

 

生理三日目の数値が不妊治療で大切なわけ。

生理三日目が大切なのは、この時点で胞状卵胞の数が非常に重要だからです。
つまり、排卵に向けて最終的な淘汰のプロセスを踏める卵胞の数がどれぐらいあるかということです。

エントリーしてくれる卵胞の数が多ければ、結果につながる卵子と巡り会う確率も高くなるということです。

 

このお話はなかなか興味深かったです↓

卵子の生涯発育と FSH, AMH, AFC の役割

また、排卵してくる卵はあるのだけど、採卵し受精卵を作る段階で卵子の状態が悪いというお悩みは良く候います。このように長い周期で成長してくるのだと言うことを理解して体調を整えたいですね。

卵子の質にいどんだ症例

当院での症例です、東洋医学的なお体の手入れでの卵の質改善に取り組みました
卵の質はよくなるのでしょうか

この症例では、なんども体外受精を繰り返すものの、「卵子の質が悪い」「胚移植出来る受精卵が出来ない」というお悩みから出発して、妊娠、出産までたどりついている症例です。ご参考まで。

 

30代ではよい卵が作れず、40才から2年かかって身体作り43才47才出産
長い不妊治療、40歳からの身体作り43歳、47歳出産)

こちらの症例も、30代の後半から始めた体外受精、よいグレードの卵ができず、妊娠に至らないという状況から2年かけての「よい卵作り」43才の時に第一子、そして残った凍結胚で47才での出産となりました。ご参考まで。

体外受精で卵の質が悪いと言うときには、まず不妊カウンセリングを!

まとめです。体外受精をしているかたで、「卵の質が悪い」という方は、何度も採卵を繰り返したり、病院を変えてみたりと多くの工夫をなさりながら高額の治療を継続しているケースを多くお見かけします。

確かに、採卵の方法を変えたり、病院を変えたりすることで課題が解決することもあります。しかしながら、どうにもならず金銭的な限界が来てしまうケースも多々あります。

是非、金銭的に行き詰まってしまうまえに、不妊カウンセリングを受けて頂けたらと私はいつも思っています。

鍼灸師向け不妊鍼灸セミナーでのお話です。

マイクロバイオームの話し。果物はそのままの形で食べましょうという話し。

沢山の種類の食品を、そのままの形で食べましょうというお話

さて、NHKのラジオで、「ヘルスリテラシーを高めるために」という放送で紹介された

群星沖縄臨床研修センター長 徳田安春先生のお話し続き、マイクロバイオームの話しです。

これは、なかなか難しいけど、人は一人で生きていない。いろんな微生物の助けをうけ、そして助け(微生物が生活する場として)相互に生きているとのこと。

そのマイクロバイオームの話では野菜や果物はそのままの形で食べるのがよいとのこと。

マイクロバイオーム自体の理解は難しかったのですが、『野菜や果物はそのままの形で食べる』というのは理解できました。特に果物はイメージがしやすい。ジュースじゃなくてそのままね(^^)

また、これは別の出所ですが、果物は100パーセントジュースで飲むと血糖値がパンッとあがりますが、果物そのものの形で食べるとそういった血糖値の上がりが少ないです。350グラムまでの果物の摂取を糖尿病の方が摂取した実験でも血糖値の変動を悪化させる要因にならなかったとのお話です。このお話は佐々木敏先生。大好きな先生です。こんなサイトを見つけました。http://wedge.ismedia.jp/articles/-/13802?page=2

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/13855

さてさて、マイクロバイオームの話しに戻りましょう。

マイクロバイオームというのは、痩せや肥満と密接すると。

つまり、同じカロリーを摂取しても痩せる人と太る人がいる。その違いは腸内にある

細菌の違いで、体の中にある膨大な数の細菌が,マイクロバイオームというまとまりを

つくり、私たち体の細胞とやり取りをしながら生理機能をコントロールしやせたり太ったりという結果につながっているということです。

この分野、ちょっと調べてみると。体と体内の細菌の状態というのは一体感があるという

ことがいわれていて、なんだか面白いです。また別の機会に学んでみたいですねえ。

人間は心とカラダがある。そして外界があるという感じですが、その中に外界でありながら

密接に影響する細菌叢がある。この細菌は人によって違う。細菌叢まで私たちの

体かな(^^)。

って、一年たって読み直してみても、マイクロバイオームってぜんぜんわかっていない私(^^ゞ。わははは。とりあえず、なんでもたべよっと。

写真は、治療院の庭にあるキンカン。今年は大豊作。どうぞキンカン摘みにやってきてくださいませ。