不妊治療では、どのように治療を進めていくかを考えることがとても大切です。
ある44歳の女性の不妊カウンセリングをおこない、無事に45歳にて妊娠出産された方がいらっしゃります。
そのときの不妊カウンセリングから、私が印象に残っていることをお話ししますね。
ひとりでも多くの方にご参考となりますように、
そして一人でも多くの方が赤ちゃんとめぐりあえますように
☆44歳 不妊治療の舵取り相談
相談:44歳女性 42歳で結婚後、自然に妊娠するのかと思いそのまま経過。
43歳の時にAクリニックにて体外受精。3個受精胚盤胞にならず終了。
転院Bクリニック、1回目、2回目空砲のみ、3回目排卵済みで採卵できず。
現在の生理三日目fshは15-20ぐらいで定期的に月経があります。
どうしたらいいでしょうか?
私からのお返事 ☆今の状況が続くと思わないこと!
いま、卵胞が出来てきて、採卵できていること。FSHも15−20の数字であることから、しっかりと採卵し、移植できる状態(凍結)にすることが出来ている。
この状態は本当に貴重な状態です。
ただし、みなさんは、現状の良いポイントを見失い、現時点で到達出来ていないポイントばかりに着目しがちです。確かに、目標は妊娠ー出産ですから、その目標が達成出来ていなければ意味がありません。しかしながら、
40代になると、3ヶ月、半年で状況はガラッと変わることが多いです。
とくに、採卵のあと移植。この移植で上手く行かず再度採卵となった場合に、前回と同じようにとれるとは限らないのが40代です。
45歳前後になると、半年後に採卵がうまく出来るかどうかは本当にカケのようになってしまいます。また、2−3ヶ月単位で卵胞がみえるとき、みえないときというムラも見えてきます。卵胞が出てきて
こういった方には、ご自身がもう採卵はおしまい!と思うまで採卵の連続でよいかと思います。凍結胚は待ってくれます。このことは、不妊治療の「時間を買う」につながる大切なことです。
☆確率が高くても、選択が出来なければ確率は0
移植をすることが、いろんな選択を増やします。
まず、採卵ー凍結ー移植までを行えることが、妊娠−出産への道になります。
確かに45歳の不妊治療は確率は低いです。
胚盤胞になった卵であっても、遺伝子異常の確率は高いでしょう。
それでも、何ら問題のない子供が生まれてくる事があるのも事実です。
遺伝子異常などの問題が気になる方は、妊娠後に胎児ドッグなどをお勧めしています。
子供を持つと言うことそのものがリスクを多かれ少なかれ抱えることにはなります。
リスクがイヤだったら何もしないという選択が一番いいというわけです。
ただ、人生、何もしないのもリスクではあります。
なかなか難しいですね。
☆クリニック選び、若い人向き、年齢の高い人向き
不妊治療のスタンダードな形は、比較的多めの薬剤を使い、ガッツリやっていくやり方。若い方や卵胞がたくさんできる人には効率がよいやりかたです。
しかしながら、その俎上にのれなければ適応ではないと考えてもよいのではないでしょうか?。
卵巣の予備能があってこその誘発。誘発は数を増やすことではなく、もともとある卵胞の淘汰によって消える卵胞を少なくしているだと考えられます。
生理三日目の卵胞数が少なければ、いくら排卵誘発剤を使っても増やすことはできないし、
そもそも排卵誘発剤を使えないという状況もでてきます。
そんな状態でも採卵出来るクリニックを選ぶのが大事です。
→若い人向きのクリニック、年齢が高めの人に向いているクリニック
Aクリニックのやり方は、比較的多めの薬剤を使い、ガッツリやっていくやり方。若い方や卵胞が托散できる人には効率がよい。しかしながら、その俎上にのれなければ適応ではないかも。転院をされたのはよかったかもしれません。
排卵誘発は数を増やすことではなく、生理三日目ででている卵胞の数を減らさない(卵胞が減って1個になるのが自然の排卵の流れ)ことが目標となります。しっかり出てきている卵胞を育て成熟卵がとれるようにしていきましょう。
不妊カウンセリングのお申し込みはビッグ治療室までお問い合わせください