東洋医学の体力貯金」カテゴリーアーカイブ

3)東洋医学の体力貯金 生命の貯蔵庫奇経、8つのワールド

さて、貴絡ワールドは以下の8つで構成されています。

1)陰維脈・陽維脉
2)陰蹻脉・陽蹻脉
3)衝脈 任脉 督脉 帯脉

さて、お念仏のように先ずこの言葉

・陽維は諸陽を維ぎ(つなぎ)
・陰維は諸陰を維ぎ(つなぎ)
・督脉は背部で諸陽を都べ(すべ)
・任脉は腹部で陰経を養い
・衝脉は上下全身に衝通して十二経の海となり
・陰陽の蹻脉は左右陰陽の主となり
・帯脉は諸経を束ねて乱さないようにしているものです

陽維脈はもろもろの陽が交わるところからおこり外くるぶしから衛分を上行
陰維脈はもろもろの陰が交わるところからおこり、内くるぶしを営分を上行
→この二つは身体の基本的な枠組みである網維をつくる。

陽蹻脉は踵におこり、外くるぶしを巡って身体の両側を上行。
陰蹻脉は踵におこり、内くるぶしを巡って身体の内側を上行
→このふたつで、身体のバネをつくり動きをよくします。

上記4つは、踵からおこり、全身を纏います。

そして以下の4つは、臍下丹田からおこり胸中で終わります。
督脉は会陰におこり、身体の後ろをいき、陽脉の総監督です→陽脉の海
任脉は会陰におこり腹を巡って身体の前に行き、陰脈の総監督です→陰脈の海
衝脈は会陰におこり、臍を挟んでいき上に突き上げ、諸脉の総監督となります→十二経脉の海
帯脉は横に腰を巡り諸脉を束ねて引き締めます。

奇経と通補、肝腎との深い関係。奇経に病があるということは裏の位置に病があるということです。肝心要という言葉に近いかな。少しずつ学びを掘り下げていこうと思います。

5)東洋医学の体力貯金 陽気のラップ、陽維脈

4)陽維ワールド

わて、前回の陰維ワールドに続き、今回は陽維ワールドです。

全身を陽気の網でくるむというイメージかな。この陽維と陰維が一体となって、生命のもっとも基本的な枠組みを作っています。すなわち、陰維脈が胃腸の力、そして生きているという暖かさである陽気でからだをラップする陽維脉のふたつが合わさり、全身の生命の枠を作っていると言うことです。生命は一体であり、その中心を体幹部で考えていきます。すなわち臍下丹田から立ち上る生命です(衝脈中心)。生命そのものは足の先まで一括りの生命です。その一括りの生命のシンプルな枠組みが陰陽維脉とイメージできるかなと思います。

陽維脉は足太陽の金門穴よりおこり、外踝の後ろをめぐり、足太陽と足少陽の間を上行し、肩関節の後方を経て、首の後ろ両側へ斜めに行きます。後頭骨の下で左右両経があわさりひとつとなります。風府穴にて左右両経に分かれ、平行に風池穴を経て側頭骨をのぼり頭頂両側をめぐり額の眉弓上に至ります。

この風池穴は面白いですね。手足少陽と陽維脉があわさります。手足少陽というヤンチャな経絡が陽の網でたばねられるイメージかなと感じました。

また、外関も陽気のラップである陽維脉の宋穴らしく、しっかりと全身を温煦したいときに上焦の経穴として陽池とともに使うことが多いです。
そういえば手には陽池陽谷陽谿と3つ陽のつくツボがならびます。陽気と手首は関係が深いですね。