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5)東洋医学の体力貯金 陽気のラップ、陽維脈

4)陽維ワールド

わて、前回の陰維ワールドに続き、今回は陽維ワールドです。

全身を陽気の網でくるむというイメージかな。この陽維と陰維が一体となって、生命のもっとも基本的な枠組みを作っています。すなわち、陰維脈が胃腸の力、そして生きているという暖かさである陽気でからだをラップする陽維脉のふたつが合わさり、全身の生命の枠を作っていると言うことです。生命は一体であり、その中心を体幹部で考えていきます。すなわち臍下丹田から立ち上る生命です(衝脈中心)。生命そのものは足の先まで一括りの生命です。その一括りの生命のシンプルな枠組みが陰陽維脉とイメージできるかなと思います。

陽維脉は足太陽の金門穴よりおこり、外踝の後ろをめぐり、足太陽と足少陽の間を上行し、肩関節の後方を経て、首の後ろ両側へ斜めに行きます。後頭骨の下で左右両経があわさりひとつとなります。風府穴にて左右両経に分かれ、平行に風池穴を経て側頭骨をのぼり頭頂両側をめぐり額の眉弓上に至ります。

この風池穴は面白いですね。手足少陽と陽維脉があわさります。手足少陽というヤンチャな経絡が陽の網でたばねられるイメージかなと感じました。

また、外関も陽気のラップである陽維脉の宋穴らしく、しっかりと全身を温煦したいときに上焦の経穴として陽池とともに使うことが多いです。
そういえば手には陽池陽谷陽谿と3つ陽のつくツボがならびます。陽気と手首は関係が深いですね。

24:腑の病機  臓のあらわれとしての腑、ふたつあわせて臓腑だよ

24:腑の病機

いままで、肝心脾肺腎というメインの五臓の病機、そして気血津液の病機をのべてきました。

最後に簡単に腑の病機をあげておきます。

まあ、メインの五臓の帰属するので、わざわざ分ける必要もないかとは思いますが、腑って

臟にくらべて、その通過していくものという性格上、案外目立つものですね。

つまり滞ったり、行き渡らなかったりすると症状がでるわけです。

臟の状態の表れとみておくのが吉かと思いますが、一応かいておきます。

 

24−1小腸病、

24−2大腸病、

24−3膀胱病、

24−4三焦病

24−1

小腸病の病機

小腸虚寒:腸鳴、下痢、食簿の腹部膨満感など

小腸実熱(心火(心の実証)よりおこる):小便黄赤、熱感(小便が熱い)

24−2

大腸病の病機

大腸津枯:大便燥結、腹痛拒按、口渇など

湿熱:下痢、腹痛、泥状便あるいは裏急後重

便秘→津液不足、気虚、陽虚(腎陽虚弱)

腎陽虚弱には命門、腎兪、脂質、上仙、L5,S1、腰陽関の灸

24−3

膀胱病の病機(すべて腎機能がかかわっている)

腎虚ー腎気不足:膀胱の帰化機能が悪くなると、排尿振り、少尿、尿閉

ー腎気不固(気の固攝作用の低下)

:膀胱の閉臓機能が悪くなると頻尿、遺尿、尿失禁、残尿感

湿熱の邪が膀胱に停留

軽症:頻尿(残尿感など)、尿急、尿痛、尿混濁

重傷:尿結石、血尿など

24−4

三焦の病機

(実際にはないもの、他の臓腑と併せて考える)

三焦:上焦ー心肺、中焦ー脾胃、下焦ー肝腎)

肺脾腎の3つの病を考えた津液の病

津液不足(肺)、

津液異常停滞→水湿、痰、飲(内臓ー肺脾、皮膚血絡、経絡(痰)

22−3 津液の病機

さて、津液の病機までやってきました。

大前提(繰り返しになります、しつこいぞー)

「気血津液をそれぞれ分けて語ろうとしているのですが、んーー違和感がでかいです。それはやはり、分けて語ることのあやうさでしょうか?各々の言葉は説得力がありますが、所詮まるごと一つの身体をよく見ようとしたときのことば。とりあえず、言葉をしっかりと押さえたうえで、全部捨て去り、その上でうかびあがるものだけをとりあげていきましょう。」

気血津液と湯液では処方する漢方薬を考えるときに重要なポイントとなりますが、

鍼灸の場合はこの概念をいれるのかどうかは微妙です。

見ている場をここまで細かくする必要があるかという課題につきあたります。

まあ、その前提を踏まえて押さえるところは押さえるって事で始めましょう。

 

津液ー正常な膵液の総称、肺、脾、腎

ん?ん?ん? 膵液だけを津液にするのか?なぞと思って読み返すとこれは

水液の間違え! 変換ミスあるあるだなあ、といういことで、書き換えました。

津液ー正常な水液の総称、肺、脾、腎

不足

1)→生成不足ー脾胃の運化失調

2)→消費、発汗、久瀉、下痢

3)停留

肺ー宣散と粛降の失調ー貯痰

脾ー運化失調ー生痰

腎ー膵液の調節排泄

 

症状について。

不足ーー乾燥、声がれ、便秘、口渇、少尿

停留

肺ー

脾胃ー食欲不振、腹部膨満、振水音、胃下垂

心腎ー動悸、胸悶、息切れ、少尿

筋肉皮膚ー浮腫

 

つまり、

津液ってのは水の総称。生成の不足と停留が問題。生成の不足ならば胃腸の問題で作れないって言うことと、汗や尿などで過剰に消費してしまってないという問題。そして停留、つまり循環しないって事ですね。蓄っちゃうことで問題になるのがむくみ。浮腫です。これは肺は貯痰の臟と言う言葉通り、肺にたまるということと、皮膚のしたにたまればいわゆるむくみっぽい感じということになりますね。

水もちゃんと流れないといけないわけだ。生きているってことは、流れて、動いて、循環代謝しているってことね!

22−2 血の病機

22−2 血の病機

大前提(繰り返しになります、しつこいぞー)

「気血津液をそれぞれ分けて語ろうとしているのですが、んーー違和感がでかいです。それはやはり、分けて語ることのあやうさでしょうか?各々の言葉は説得力がありますが、所詮まるごと一つの身体をよく見ようとしたときのことば。とりあえず、言葉をしっかりと押さえたうえで、全部捨て去り、その上でうかびあがるものだけをとりあげていきましょう。」

 

血の問題は大きく分けて4つ。血虚、血熱、血溢、オ血です。

血が足りない、熱がある、あふれる(出血)、血管外に出ていく。

気の問題に比べ症状が急性であることが多いですね。ただ、気血は分けて考えられるわけではなく、場を設定してなにをみているのかをいつも頭にいれるということがポイント。生きているをみているわけですからねえ。

 

 

1)血虚

・精血不足ーー脾胃の虚弱から

・過労(精神、肉体)ーー消費による

・失血ー脾の統血作用

ー肝の蔵血作用

症状ーめまい、顔面蒼白、萎黄、つやがあい、視力の低下、目が乾く、動悸、健忘、不眠、手足のしびれ、生理の量ダウン、月経困難

2)血熱

・温熱が血分へ

・偏食辛味による内熱が血を損す

・七情内傷による内火が血を消費

邪熱抗盛ー発熱、高熱、口渇、顔赤い、便秘、口舌、舌苔黄色

邪熱動血ー鼻出血、歯根出血、喀血、吐血、血尿、皮下出血

邪熱傷陰ー潮熱、咽が渇く、盗汗、舌紅

3)血溢(出血)

肝脾蔵血失調

熱邪ー肝ー劇しい急性出血

脾気虚弱ー脾ー慢性出血

肝の疏泄

人の精神活動、気の升降出入、脾胃の消化吸収

肝気鬱結

暴走

強い急性出血

4)血瘀

(オ血は病因であり、不内外因の一つ)、血瘀は、血管から外に出てオ血を作る課程です

原因

気虚ー推動作用の低下、血行↓

気滞ー停滞ー血行↓

血寒ー凝滞

血熱 津液の消費

外傷

症状 刺痛、固定制、夜間↑(精神関係なし)局所の腫塊、唇舌が紫暗または瘀斑

22-1 気の病機から

22−1 気の病気

 

気血津液をそれぞれ分けて語ろうとしているのですが、

んーー違和感がでかいです。

それはやはり、分けて語ることのあやうさでしょうか?

各々の言葉は説得力がありますが、所詮まるごと一つの身体をよく見ようとしたときのことば。とりあえず、言葉をしっかりと押さえたうえで、全部捨て去り、その上でうかびあがるものだけをとりあげていきましょう。

 

ということで、22−1気の病機

 

気の病機は大きく分けて2つ。

機能の減弱(気虚、期間)と、運行失調(気滞、気逆、気閉、気脱)にわかれます。

さて、気虚は先天の不足、飲食失調、大病急病からの元気の虚弱などになります。

症状としては、精神衰弱、疲れやすい、食欲不振、息切れ、自汗、風邪を引きやすい、舌質淡、脈虚

この気虚が長時間続くことによって気陥の状態になります。気虚の悪化状態です。

気陥(気虚+腹部腸満、内臓下垂)

症状:久瀉、血圧の低下、内臓下垂

 

運行失調は、気滞、気逆つまり滞って止まってるってことです。疏したいねえ。

気滞

原因 七情内傷、痰、オ血

特徴:脹痛、遊走性、発症が精神と密接

気逆

精神の抑鬱 肝→怒りやすい、劇しい頭痛

胃:外邪(寒え) 飲食失調

悪心、嘔吐、ゲップ、しゃっくり

肺 痰、喘息、咳