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打撲がいたーい、漢方

打撲の漢方、鍼灸

大腿二頭筋というのは太ももの裏側の筋肉です。

昔、息子が柔道で打撲。さてさてどうすることかということで、キネシオテープをはり、パイオネックス。弾性包帯という組み合わせで急場をしのぎました。

まあ、この部位の外傷ですので、靱帯の損傷とか、関節の問題などがあまりない。ざっくりな感じでもOKかなという感じです。

以前に漢方医のドクターが、武道家には「治打撲一方+桂枝茯苓丸+芍薬甘草湯」セットを用意しておくとよいですよと仰っていたのを思い出しました。

治打撲一方:打撲の痛みを取る漢方

経皮、丁子、大横、ボクソク、川芎、川骨、甘草の7種類。

経皮とは発散制の生薬で、熱や痛みを発散。大王と、ボクソクは収斂作用によって熱や腫れをさまします。川芎は血液循環をよくし、川骨は止血作用、全体の緩和で甘草が使われていますねえ。

桂枝茯苓丸:瘀血をとる有名な漢方

経皮、シャクヤク、茯苓、桃仁、牡丹皮

桂枝茯苓丸は、瘀血という血液循環の悪さや瘀滞、うっ血を取る漢方として有名です。女性の整理の問題や血の道などでよくつかわれます。

構成生薬は5つ、経皮には発散と胃腸を健やかにする作用が期待されのぼせや頭痛によいともされます。またシャクヤクは痛みをとる代表選手!、茯苓で気分を落ち着け余計な水分を裁き、桃仁や牡丹皮で血液循環の改善を図ります。しっかりと鬱滞した瘀血を動かし取り去ろうという感じですね。

芍薬甘草湯:痛みを和らげる有名選手!

シャッカン湯といわれ(シャクヤク甘草の略ね)、痛みを和らげる漢方として、足の引きつりなどを止める役目が特に有名です。シャクヤクと、甘草だけのシンプルな処方ですねえ。骨格筋の痛みを和らげ、とくに差し込むような痛み(足がつったときか(^^ゞ)に有効と。

3つの漢方処方が出されていますが、生薬として重なるものが多いですね。やはり目標が似ているところにあるのかなっていうところなのでしょうねえ。

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石の痛み。鍼灸や漢方あれこれ

石の痛み

身体の中に石が出来ることがありますねえ。
尿路の結石や、胆石なんかが有名でしょうか。
足の指なんかに出来て(それは骨棘って呼ばれますけどね)、足が痛くて
レントゲンをとったらトゲのような白いものが映ったなどという場合があります。

鍼灸や漢方では、昔からこれらに対してあれこれの治療法が提示されています。
まあ、昔はそれしか手段がないし、激痛の上に命がかかわるのですから、色々な対処療法が考えられたのもわかります。

漢方の世界では、胆石でよくでてくるのが茵蔯蒿湯と大柴胡湯のセット。つまり肝の熱がらみというイメージです。そして尿路結石では猪苓湯や猪苓湯合四物湯。こちらは湿熱ということです。つまり、なんにせよ熱を落とすということで石を落とし排出していこうという作戦。

鍼灸の場合でもやはり同様で、外に排出する力と、下に引っ張る力を使っていくような感じがしますね。それに特効穴といわれるような奇穴。また背部腧穴を使って、近い部位をゆるめ石が通りやすくする感じかな。まあ現代だったら、衝撃波で粉砕とか、石を溶かす薬なんていう選択肢や画像診断なども正確でしょうから当たり前のファーストチョイスはそちら。補助的な位置で漢方鍼灸もよいのではと思います。

とくに、背部腧穴は、結局その方の弱りの補強にもなり、身体の建て直しにもつながっていきます。石そのものの目標よりも、カラダ作りをしていこうということのほうが鍼灸のメリットかなと私の感想です。

特効穴は手の示指にあったり、目の下にあったりと面白いのでのっけておきますね。

ついでに、今日の庭。
今年のブドウは本当に本気!
このまま大きくなってくれるのかな(^^)
うれしいじょーー

それでは!

『漢方や鍼灸は私の不妊治療に必要ですか?』〜質問にお答えして

ご相談にお答えして。

漢方や鍼灸がご自分に本当にあっているのかわからない、判断基準が知りたいというご質問を頂きました。
私の考えを書かせていただきますね。

東洋医学の世界では、漢方を投与する、鍼灸をするという前に、
 1)まずその方のお身体の状態がどうなっているのかという把握を行う(四診)
 2)四診の上で、その方にとって、どういった方向性に進むのが望ましいのかを考える。
   (治療方針の決定)→不妊カウンセリングをあわせおこなう
 3)治療方針に従って、どのような鍼灸治療の組み立てをするのかを考える

 この3つのステップが必要です。

不妊だから漢方を飲む、不妊だから鍼灸治療をすると言う前に、『今、どのような状態なのか』を把握することがとても大切なのです。自分自身で自分の状況を客観的に判断することはなかなか出来ないことです。東洋医学の四診を通じてみることで、ご自身ではいまま自分自身では気がつかないウイークポイントなどが発見できることもよくあります。

不妊治療の場合は治療方針の決定において、東洋医学的なお身体情報のほか、年齢要因、西洋医学的な要因、いままでの不妊治療歴などを踏まえ、総合的に『どのような選択が妊娠という結果に一番近いのか』という観点から考えていくことがとても大切です。

私の治療院ではこの不妊カウンセリングを踏まえ、鍼灸治療ならば、このような貢献が期待できるのではないかということを、患者様それぞれ、個別具体的に考えていっております。

また、不妊カウンセリングの結果、場合によっては、鍼灸治療よりも、西洋医学的な不妊治療を優先すべきこともあるかと思いますし、並用した方がよいのではと思える場合もあります。また、私は鍼灸の専門家ではありますが、鍼灸よりも漢方を優先した方がメリットがあるのではというタイプの方には、漢方医、漢方薬局などの受診をお勧めする場合もあります。

不妊によい、赤ちゃんが出来るという情報はたくさんありますね。鍼灸も、漢方も、サプリも、運動も、あれもこれもとバラバラに考えるとどんどん足し算になってしまい、逆にストレス状態になったり、時間を無駄にしてしまう場合もあります。

鍼灸や漢方があうのかあわないのか、と言う前に、『貴方のいまの不妊状態に必要なのはなにか?』ということを東洋医学の四診を通じたお身体の情報集めを踏まえ考えていくことは、とても役立つものだと私は思っています。そしてこの情報に基づいて、いま、目の前にいる○○さんに『どんな鍼灸治療が必要なのか、効果が期待できるのか』ということを治療者と一緒に考え、提案してもらう必要があるかと思います。

西洋医学的な不妊治療、鍼灸、漢方、サプリ、運動などがバラバラとそれぞれ独立した状態で『不妊によい』ということで足し算されるのではなく、ということを考えることが一番大切だと思います。

現状を把握し妊娠するためにはどのような選択がよいのか一緒に考えさせていただいております。

この、どんな鍼灸治療を展開するのかということを私は治療家として考え、患者さんに提案させていただき、ご納得いただいた上で施術をしております。

私は鍼灸師ですので、治療方針の決定に従って、鍼灸治療ではこういったことが出来るというお話をさせていただきますし、場合によっては、鍼灸よりも優先するものがあるのではないかというお話しをさせていただいています。まず、相談して下さいね。

インフルエンザのシーズンと麻黄湯

インフルエンザのシーズンと麻黄湯

今年はインフルエンザが大流行でしたねえ。
大変だった方も多かったと思います。学校も、学級閉鎖なども頻繁だったようで、元気なお子さんが体力を持て余していたり。

さて、以前、「インフルエンザになっちゃったんだけど、保険証がないから、鍼灸でなんとかならないでしょうか?」という問い合わせをいただきました。

これは鍼灸よりも、漢方が効果的では?と思い、漢方薬局を訪ねてみることをお薦めし、
麻黄湯を購入。非常に素早く治ったと感謝されました(^^ゞ。

まあ、鍼灸でも対応することは可能だったんでしょうけど、妊婦さんや妊娠希望の方が多い治療院ですのでちょっと無理かなと。また、この場合は、漢方薬の方がコスパもよいかなと思いました。

いろいろな状況で何を選択するかは難しいですね。
あれこれ考えることもあるかと思います。

その方に取ってベストの選択をと願っています。

さて、この麻黄湯

麻黄、桂枝、杏仁、炙甘草というシンプルな組み合わせの漢方薬。

効能としては、辛温解表、発汗散寒、宣肺平喘
主治としては外関風来、肺気不宣です。

つまり、風寒の邪が外から身体に侵入。それを発汗させ身体の外に追い出したということ。そして肺の機能を調整して咳などの肺の症状を治療していったということかなと思います。
犬をみていて、水がかかったときに、ぷるぷるぷる〜と身体を振って払い去りますが
こんなイメージでしょうか。長期で服用するタイプの漢方ではありませんが、効くときには
即効ということでしょうかねえ(^^)

風邪で有名な葛根湯は、同じ麻黄、桂枝、炙甘草に葛根、芍薬、生姜、大棗などが配合されています。
漢方薬って組み合わせを工夫し、対応していくものですね。頼もしい存在です。

こういったインフルエンザのような状況から、いわゆる風邪、そしてなかなか抜けない風邪など漢方の得意とする分野です。漢方薬局で相談してみて下さいね。