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つわりが辛い、吐く、食べられない、体重減少 0330 

つわりは、病気ではない。

そうはいっても辛い症状は困りますね。

鍼灸治療をくわえることで、なんとか体調を安定させ、辛い症状が緩和。
上手に妊娠ライフとのお付き合いをされ、スムーズな出産となった症例です。

☆ご相談:つわりが辛いです

 

現在妊娠9週です
第一子のつわりはそれほどでもなかったのですが、
今回の妊娠はつわりが非常に辛く、吐きつわりがおさまりません。

食べられない状態なのに、ちょっと何か食べると吐いてしまいます。
疲労が一杯で辛いです。

妊娠8週を過ぎた頃からつわりがきつくなってきていて、
仕事にいけません。

毎日の頭痛もつらく、横になっているとましになりますが、
動いていると悪化します。とくに夕方から頭痛は悪化します。

子供も小さく、仕事もしていてつわりのせいでとても毎日が辛いです。
どうしたらいいでしょうか?

イラスト

☆ご相談にお答えして つわりと上手におつきあいしましょうね

 

吐きつわりは辛いですねえ。
体重も3キロ減ってしまい、お体の疲労感も強いかと思います。
動いているとより悪化する頭痛も、
お体の疲れによってより強くなっているのかと思います。

身体の力を少し補い、体調をよくしていきましょう。

つわりについて:

つわりは、病気ではありません、身体の反応の一つです。
赤ちゃんを抱えた身体は、赤ちゃんをしっかりと支えるために、
身体の下からしっかりと支えるように上向きベクトルを強くします。

具体的にいえば、
・便通
便通は下向きベクトルで身体から排泄を行いますから、上向きベクトルが強くなると便秘が地になります。

・吐き気
胃腸は上から食物が入り、下に向かって消化吸収されていきます。上向きベクトルが強くなり過剰となると吐き気となります。

上向きベクトルは、赤ちゃんを守るためですので、
ある程度のつわりは仕方がないところです。

胎盤がしっかりと出来上がれば、過度の上向きベクトルは不要となりますので、
妊娠11-14週当たりでつわりもおちついてきます。

☆過度なつわりと付き合うために

つわりで身体に上向きベクトルが強くなるのはある程度は仕方がないことです、ただ、過度なつわりは身体に負担が大きいですね。あまりにもつわりがひどく、水分も取れないという状況であれば病院を受診し、点滴や入院など、なんらかの対処を相談をしてみるのもよいかと思います。

身体が疲労していると、上向きベクトルが過度になりがちです。なるべく疲労をしない生活を心がけましょう。休む、寝る。これが必要です。

 

☆つわりの鍼灸治療について:

基本的に、上向きベクトルは必要です。ですので、このベクトルを直接対応はしません。しかしながら過度な上向きベクトルになってしまうのは、もともとのお体の弱さが原因です。身体そのものの力をつけ、上向きベクトルと上手に付き合えるように調整します。

☆長く続いてしまうつわりについて

時に、出産のころまでつわりが続き、身体の疲労感が強いまま出産になってしまうケースがあります。身体の状態が悪いままの出産は、より体調の悪化を招き、産後のトラブルにつながりがちです。出産時までがご自身のお体をいたわるチャンスです。まず体調アップを最優先で生活しましょう。「出産すると出かけられない」とか、「出産するまでに片付けをしたい」などということは、体調がよくなってから考えることです。まずご自身の身体を、余裕ある状態にして出産を迎えましょう。

☆治療経過について

 

初診:右外関、陽池。 足三里陰陵泉お灸。右の内関パイオネックス。
中注、臍、関元棒灸。脾兪、腎兪、次髎

状態に応じて適宜鍼灸治療

つわり減少
たべられるようになってきた
一日中だった頭痛が夕方だけになり、だんだんなくなってきた。

出産まで、鍼灸治療を継続。

無事に出産、おめでとうございます。

 

☆まとめ

 

つわりは、病気ではない。そうはいっても辛い症状は困りますね。

鍼灸治療をくわえることで、なんとか体調を安定させ、
辛い症状が緩和。上手に妊娠ライフとのお付き合いをされ、
スムーズな出産となりよかったなあと思います。

家族皆さんが妊婦さんを支えて、
産まれてくる赤ちゃんをとても楽しみになさっていました。

ステキな妊婦さん、ご家族のありよう。応援出来て私も嬉しかったです。

 

アンケートにお答えして

アンケートのご記入ありがとうございました。
つわりだけではなく、むくみや疲労感、身体の冷え、お腹の張りなどにも鍼灸が効果的だったようでよかったなあと思います。

また、こちらこそ、Nさんの妊娠を支えるご家族、そして赤ちゃんの誕生を心待ちにしているお子様のお話とても楽しかったです。妊娠中を一緒に寄り添い過ごせたこと、とても嬉しかったです。

賑やかな生活がはじまりそうですね。赤ちゃんを中心としたご家族の楽しい日々。応援しています。

妊娠中の吐きづわり・悪阻を軽減させたい!楽になるための対策方法を 解説!(症例:0330)

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・つわりの時、吐いても全然スッキリしない!
・お腹減ったら気持ち悪いし、食べても気持ち悪いのが治らない!
・安定期に入っても、吐き気が続いてずっと苦しい!助けて!
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ある程度赤ちゃんが大きくなり、吐きづわりが辛くなっている方は多いと思います。
そのような方は「吐きづわりの軽減方法がネットに様々載っているけど、結局どれを試せば軽減できるの?」と困っているのではないのでしょうか?

私は1996年から不妊専門クリニックを開業し、12万件以上の臨床を行ってきました。
その中で吐きづわりの傾向・対策を見つけることができました。

そしてこの記事では、迷わずこれを実践すれば回復できる吐きづわりの軽減できる対処方法を解説していきます。
この記事を読めば「吐きづわりになってしまう理由とつわりから解放できる方法」が全てわかります。

結論「休む・寝ること」「身体そのものの力をつけていくこと」が大事になっていきます。

つわりとは何か?

 

つわりとは「赤ちゃんをしっかり支えるための動き・反応」です。決して病気ではありません。

赤ちゃんを抱えているお母さんは、身体の下からしっかりと赤ちゃんを支えるように上向きのベクトルが強くなります。
上向きベクトルは赤ちゃんを守るための動きですので、ある程度のつわりは仕方がないところです。
胎盤がしっかりと出来上がれば過度の上向きベクトルは不要となり、妊娠11-14週当たりでつわりもおちついてきます。

参考:上向きのベクトルとは?

ベクトルとは、五臓にどのような関係性があるのかを示す、方向性と大きさのことを指します。これは東洋医学における考え方です。
詳細は以下の記事を参考にしてください。

1:気の巡り。人間理解のポイントだにゃん(気の昇降出入)

吐きづわりが起こる理由とは?

吐きづわりが起こる理由は、
「食べる下向きベクトル < つわりの上向きベクトル」と上向きベクトルが過剰になっているためです。

胃腸は上から食物が入り、下に向かって消化吸収されていきます。食べるとつわりが一旦治まるのは、食べ物が上から下へという下向きベクトルが出るからです。しかしながら、つわりの上向きベクトルが強いので、上向きベクトル過剰となりそれが吐き気につながっていきます。

また上向きベクトルが過剰になる要因は「身体が疲弊していること」「身体が弱っていること」が大きいです。身体が疲労状態にあると、赤ちゃんを守らなくては!という上向きベクトルが強くなり、つわりも辛くなっていきます。

参考:つわり、妊娠中は便秘も起こりやすくなる。

つわりの時期は便秘にもなりやすいです。
理由は吐きづわりと同様に
「便通の下向きベクトル < つわりの上向きベクトル」

このように、上向きベクトルが過剰になっているためです。
便通の下向きベクトルで身体から排泄を行ないます。上向きベクトルの影響を強く受けると便秘がちになります。

吐きづわりを軽減させる方法3選

吐きづわりで悩んでいる人へ、楽になるための方法を解説します。

まず「休む・寝る」

先にも説明しましたが、上向きベクトルが過剰になる要因は「身体が疲弊している」ためです。
まず「休むこと・寝ること」に取り組み、なるべく疲労をしない生活を心がけていきましょう。夕方につわりが辛くなる人はとくに『休みたい』という身体のサインだと思ってくださいね。

あまりにもつわりが辛い場合は「病院へ受診を」

あまりにもつわりがひどく、水分も取れないという状況であれば、病院を受診し対処方法を相談してください。
点滴や入院など、なんらかの軽減方法を得ることができます。
また、病院で対応してもらっているという安心感はとてもつわりによいですよ(^^)

参考:鍼灸治療という選択肢は有効か?

鍼灸治療ではベクトルの調整を行うことができます。
ただし赤ちゃんを守るために働いている上向きベクトルは必要な動きですので、このベクトルの直接対応はしません。
例外として過度な上向きベクトルになっている場合は、身体そのものの力をつけるための手立てをすべきです。
鍼灸治療を取り入れ、上向きベクトルと上手に付き合えるように調整していくことが可能です。
ただし、このベクトルを意識して治療していくことは非常に微妙な調整となります。ついつい『つわりという症状をとること』を優先した治療になってしまう場合が多いです。つわりなど、妊娠初期の対応に経験のある鍼灸師さんにお願いしてくださいね。

つわりが長く続いてしまう場合も「身体そのものの力をつけていく」

時に出産のころまでつわりが続き、身体の疲労感が強いまま出産になってしまうケースがあります。
身体の状態が悪いままの出産は、より体調の悪化を招き産後のトラブルにつながりがちです。
出産時までがご自身の身体を余裕ある状態にし、出産を迎えましょう。体調アップを最優先で生活していくことが大事です。

実例:辛い吐きつわりが楽になった症例

つわりが辛い・吐いてしまう・食べられない状態から、診療・治療したことで改善した実例を紹介します。

症例 (0330)
吐きつわりで体重減少、鍼灸でつらい症状が緩和(39歳出産)

年齢:38歳
妊娠:9週目
状態:
吐きづわり:妊娠8週を過ぎた頃からつわりがきつくなり始めた。現在吐きづわりが治まらず、そのせいで3kgも減少した。
嘔吐:食べられない状態なのに、何か食べると吐いてしまう。
頭痛:一日中頭痛もつらく、とくに夕方から悪化する。横になると楽になるが、動いていると悪化する。
疲労:子供も小さく面倒を見ている・仕事もしている・つわりと重なり、疲労いっぱいとなっている。

東洋医学的診立て

体重も3キロ減っているため、お体の疲労感が強いと予想します。
動いているとより悪化する頭痛も、お体の疲れによって強くなっているのかと思います。
身体の力を少し補うことで、体調を良くした方が良いと考えます。

弁証論治

弁証:腎虚肝鬱瘀血 肝脾不調和
論治:益気補腎 益気補脾

治療方針

身体の底力である腎気をアップさせることを第一とします。
そして脾気をあげ、体調を整えます。
上向きベクトルは赤ちゃんを支える動きですので仕方がありません。なるべく休養をとるように指示します。

治療経過

(初診)
以下の鍼灸治療を行いました。
・お灸:右外関・陽池
・鍼+お灸:足三里・陰陵泉
・パイオネックス:右内関
・棒灸:中注・臍・関元
・鍼+お灸:脾兪・腎兪・次髎

(治療後)
適宜鍼灸治療を行なったことで、結果吐きづわりが減り、食べられる状態に戻りました。
また頭痛も一日中から夕方だけになり、だんだん痛みも無くなってきました。

(出産まで)
以下の鍼灸治療を行いました。
・棒灸、お灸、鍼:大巨 関元 臍 脾兪 胃兪 三焦兪 腎兪 次髎

(最終結果)
無事出産することができました。

院長の所感

鍼灸治療をくわえることで、なんとか体調を安定させ、辛い症状が緩和できました。
つわりだけではなく、むくみや疲労感、身体の冷え、お腹の張りなどにも鍼灸が効果的だったようでよかったなあと思います。

上手に妊娠ライフとのお付き合いをされた結果、スムーズな出産となりよかったと思います。

家族皆さんが妊婦さんを支えて、産まれてくる赤ちゃんをとても楽しみになさっていました。ステキな妊婦さん、ご家族のありよう。応援が出来てよかったです。

そして赤ちゃんの誕生を心待ちにしているお子様のお話とても楽しかったです。妊娠中を一緒に寄り添い過ごせたこと、とても嬉しかったです。
賑やかな生活がはじまりそうですね。赤ちゃんを中心としたご家族の楽しい日々。応援しています。

まとめ:吐きづわりを軽減させるには、身体の力をつけることが重要!

 


つわりは赤ちゃんを支えるための正常な動きです。しかし辛い思いをしている方もたくさんいらっしゃいます。

過度なつわりになっている方は、「身体が弱っている」ことが原因で辛くなっていることが多いです。吐きづわりでも同様です。
「休む・寝る」「身体の力をつける」ことができれば、吐きづわりを軽減できます。

身体の力をつける場合は、鍼灸治療も一つの手です。必要に応じて診療相談することをおすすめします。
辛い症状を緩和させて、上手な妊娠ライフを目指していきましょう。