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41歳:子宮内膜症、チョコレート嚢胞で採卵が進まない、妊活が進まない。0110

40歳の時に、赤ちゃんが欲しいと言うことで来院されました。

人生って長いようで短い。
あっという間に時間がたちます。
妊活においては、時間は本当に貴重。

そして、35才から40才という時間も、
女性の人生の中でいろんなことがあり、ただただ
妊活だけに的を絞るわけにはいかないこともあります。

34歳から赤ちゃんを望んでいらっしゃいますが、いろいろなことがあり、
子宮内膜症や、婦人科的な状況も進行してしまい、治療が前に進んでいない状況でした。

身体作りをし、病院を選び、前に向かって進まれ、無事に41歳にて
元気なベビちゃんのお母さんになられました。

それでは、一緒に症例から考えていきましょう。
WEBの弁証論治はこちら

☆ご相談:40才です、不妊治療が前に進みません

34歳で結婚し、1年後から妊娠希望です。
36歳から婦人科にて不妊治療を始めました。
その後37歳頃から仕事の場処が変わったりして
精神的にも肉体的にも大きな負担で、風邪を引きやすく喘息っぽくなってきてしまいました。

39歳のときに自然妊娠しましたが、残念ながら化学流産してしまいました。
その後生理周期が長くなったり、短くなったりと生理が乱れてしまいました。

不妊専門のクリニックにかわり、検査もしましたが、左側卵巣に大きなチョコレート嚢胞があると指摘され、子宮内膜症もかなりひどいといわれています。

人工授精を5回し、体外受精を始めた方がいいと言われ採卵の周期に入っています。
もう40才になってしまいました。

どうしたら妊娠、出産出来るのでしょうか?

 

☆ご相談にお答えして:前に進みましょう!

いままで、いろいろとお仕事の忙しい中、がんばっていらっしゃいますね。
1度自然妊娠されていることから、人工授精を何度か挑戦されたのは
もっともなことだと思います。

カップル的な大きな要因がないわけですから、充分自然妊娠に再挑戦というのは
意味ある選択だったと思います。

しかしながら、年齢要因もあり、体外受精の選択をなさったのも、当然の
選択です。
迷わず前に進んでいきましょう。

☆☆東洋医学的な診立て

・弁証
・論治
・治療方針
腎虚 風邪の内陥
疎風散寒 益気補腎

まず第一に風邪の内陥を取り去り、全身への負担をとる。
腎気の底上げをし、妊娠し継続できるようにしていく。

 

 

☆☆不妊治療へのアドバイス

39歳のときに、自然妊娠なさっていますので、妊娠する力は充分あると思われますが、
流産をきっかけに身体の状態が、東洋医学で考えるところの生命の土台である腎の力を中心に一段低下してしまっています。このため生理周期が短くなったり生理の量が減ったりというように妊娠する力が落ちています。また、遠距離通勤をなさった当時の無理によっても身体の力が一段とおちているようです。

お身体は遠距離通勤のときと、化学流産のときと、2回大きな変動があり、かなり負担が
かかった状態になっています。

1:迷わず体外受精などの高度生殖医療に進む
2:チョコレート嚢胞、子宮内膜症の状態によっては転院の可能性も考える
3:身体の力を明確におとしているので、腹くくって立て直す、時間を無駄にしない
4:規則正しい生活、睡眠、休養

1、2について、年齢要因的に、体外受精の選択は正しいと思います。
しかしながらチョコレート嚢胞があるので治療が前に進まない場合は病院選びの再考をするつもりで、時間を無駄にしないようにした方がいいと思います。

3,4について、
身体をガクンと悪くしている明確な時期が2回あります。これは妊娠がしにくくなることにつながっていますし、素体に強く負担をかける妊娠が、再度の大きな体調不良につながる可能性を示唆しています。妊娠ー出産の時期は女性にとって虚損病の始まりにもなる可能性を秘めた時期です。

上手にこの時期を乗り切り、女性の素体のリズムの範囲で消耗し、回復していく波に乗れるような身体にしていくことが、妊娠を考える上で大事であるばかりではなく、家族をもち、お子さんとのこれからを考えるために本当にだいじなのです。

妊娠はゴールではなくはじまりです、一緒に頑張って行きましょう。

 

☆治療経過、妊娠、出産まで

初診 以降週に1度の頻度で鍼灸治療
初診:足三里(ST36)、三陰交(SP6)、右陰陵泉(SP9)、左外関(TE5)、 左合谷(LI4) 関元(CV4)
風門(BL12)、肺兪(お灸、温灸)
三焦兪(BL22) 右胆兪(BL19) 中膂兪(BL29)、気海兪(BL24)
臍に温灸

自宅施灸指示:足三里(ST36)、三陰交(SP6)、陰陵泉(SP9)、左外関(TE5)、左合谷(LI4)、臍、関元(CV4)

1ヶ月後、IVF チョコレート嚢胞のところしか卵胞育たず見送り
2ヶ月後、IVF 卵巣が腫れてしまい見送り

採卵の周期には入れているので、転院をアドバイスする。
6ヶ月後、採卵ー凍結胚ができた。病院から年齢要因もあり、子宮内膜症の進行も早いので、採卵を続けてみることをアドバイスされた。
7、8,9ヶ月後それぞれ採卵してみるも、よい卵とならず凍結出来ず。
10ヶ月後、採卵ー凍結胚盤砲が出来た。
11ヶ月後、採卵ー凍結胚盤砲が出来た。

凍結胚が3つできたので、移植周期へ
12ヶ月後、13ヶ月後、移植周期、ホルモン値があがらず見送り
14ヶ月後、移植、妊娠、無事に不妊クリニック卒業
妊娠〜10ヶ月後:3100㌘越えの元気な赤ちゃんを出産

 

☆無事の出産を迎えられて

年齢要因や、婦人科疾患、忙しいお仕事と課題がいくつもありましたが、
しっかりとご自身の人生の中で、今するべき事に焦点をあて、
前に進み、無事に赤ちゃんと出会えて本当によかったなと思います。

イラスト ツボ セルフケア

 

年齢要因と、婦人科疾患は、どんどん進み、妊活を大きく阻む壁となります。

それでも、身体作りをし、病院をしっかり選び、前に向かって進む。
不妊治療は不確実です、これをすれば絶対にということはありません。
でも、出来ることをしっかりとやってみる。期間限定の挑戦、応援してます!

 

何度やってもダメ、『妊娠する気がしません』0140

妊娠のご希望で鍼灸にいらっしゃって、一番はじめに仰ったのが、

 

とても印象的でした。
それだけ、たくさん、たくさん頑張ってきて
できることはみんなやってきた。
その上で、もう妊娠を目指しているのに、
妊娠をめざして、頑張っているんだけど、
妊娠する気がしないというお気持ち。

なんだか、切なくなってきてしまいました。
そして、なんとしても、妊娠、そして出産まで応援したいなという思いがわいてきました。

 

☆ご相談:何度も凍結胚盤砲移植しているのに妊娠出来ません。気持ちが落ち込みます。

ずっと東京にある有名クリニックにて体外受精をしています。もう6回も採卵しています。
そして妊娠する確率の高いと言われるグレードの卵を6回も移植しましたが(凍結胚盤砲移植)1度着床したことがあるだけで妊娠出来ていません。

もう何度も治療をしていて、採卵する気にも、移植する気にもなれません。

やる気がでず、気分も落ち込みがちです。

凍結胚盤砲が3つありますが、移植しても妊娠する気がしません。

もともと体調が悪く、ふらっと倒れたり、30才の時から子宮内膜症を指摘されて生理は辛いです。こうやって身体に負担をかけて不妊治療することそのものがイヤになっています。

夜トイレに起きることがおおく、眠りが浅く疲労感が残ります。便秘気味で3−4日に1度コロコロの便が出ます。

 

☆☆不妊治療歴、お身体の状態

30才で結婚 結婚後4ヶ月目に生理痛で病院受診、一般不妊検査を受ける。
タイミング指導を開始。
結婚後体重が3キロ増えた(BMI17.83から19.16へ)

31才から人工授精をする 10回 妊娠せず
34才から体外受精、顕微授精にて高度生殖医療スタート
4回採卵し、5回移植するも妊娠出来ず、転院
5回目の採卵、受精せず。
6回の採卵で4個凍結胚ができ、6回目の移植、妊娠せず。
36才、凍結胚盤砲が3つあるが、妊娠する気がしない

 

☆☆体調、メンタルの状態

不妊治療そのものがイヤになっている
もともと、ふらっと倒れることがある。不妊治療をしていてその頻度が増えている。
子宮内膜症などのトラブルもあり、体調そのものもあまりよくありません。早く妊娠したくていままで治療を進めてきましたが、6回も『妊娠する可能性が高い』と言われる卵を移植しましたが、1度だけ着床したことがあるだけで、妊娠することは一度もありません。

 

☆ご相談にお答えして

『妊娠する可能性が高い』という卵を何度も移植しているのに、妊娠出来ない。
どうしたらいいのかわからないということですね。
もう妊娠への挑戦そのものも疲れてしまったのではないかと思います。

☆☆お身体を拝見して

・脉状そのものに力がなく全身の生命力の弱さを感じる。
・任脉といわれる女性の生殖を支える経絡にあるツボが弱っている(手をかざすとすうっと引く感じがあります)
・身体全体の弱さ、婦人科的な弱さに比して、末端の経穴の冷え、ストレスを表す経穴のきつさなどが明瞭。

つまり、よいグレードの卵がとれ凍結出来ているということは、もともとの女性の生殖力は充分存るはずだと思われますが、強いストレスによって全身の気血の巡りがガチガチになってしまい、巡り養われるはずの部分に力が及ばず、妊娠に致らない、精神的に参ってしまうという悪循環になっていると思われます。

そしてこの悪循環によって、妊娠を成立する生命の土台の力(腎気)に負担となってしまていると思われます。

腎気をしっかりたて、全身の力を補うことで必ず妊娠が成立すると思われます。
あまり考え込むことそのものが身体への負担です。
一緒によく考えながら、治療を進めていきましょう。
きっと出口が見えてくると思います。

前に向かって進みましょう。

イラスト

☆☆治療方針:東洋医学的な診方

もともと、身体を支える中心の力が不足していますね(腎虚)。その中でがんばって生活しているために、肉体的にもまた精神的にもかなりの負担であったと思われます。

すでに充分良いとされるグレードの凍結胚盤砲が3つあるのですから、あせらず、少し体調をよくなるようにしながら、時期を待ち、ご自身が前向きな気持ちになれるような体調になってから不妊治療については考えていきましょう。

・弁証 腎虚を中心とした気虚肝鬱
・論治 益気補腎 疏肝理気
・治療方針 まず第一に腎気の回復を図る。必要に応じて肝鬱に手を入れる。

☆☆治療経過

36才 ビッグママ治療室初診
腎虚を中心とした気虚肝鬱の症により、週に2回の鍼灸治療スタート

3診まで、治療を受けると夜までなんとなくフラフラする、翌日にすっきりする。

37才 鍼灸治療スタートから半年後 体調が全般に良くなった感じがする
10ヶ月後 胚移植ー妊娠

妊娠8週 つわりがひどい(母もつわりで入院したと)
→鍼灸でなんとか成っている感じ

妊娠12週
→子宮頚管が短いと言われた

妊娠15週
→頚管3.5ミリで経過観察 短くなればすぐに入院と言われる

妊娠22週
→仰向けになると、すうっと気持ち悪くなってしまう。

妊娠25w 赤ちゃん 900㌘
妊娠30w
昨日からトイレが近くお腹が張っている
頚管長2.7センチ 34週までもてば入院しなくてOKと言われた

妊娠32週
頚管長2.6センチ 張りやすいが検診ではOKと言われてほっとしている

妊娠37週 赤ちゃん2800㌘と言われた
妊娠39週
38才 無事に3000㌘オーバのしっかりした赤ちゃんを出産

☆☆あとがき:身体の余裕が妊娠の力を生みます

良い卵を何度も移植しても妊娠出来ずに体調が悪くばかりという状況の方でした。

幸い、凍結胚盤砲が3つありましたので、不妊治療をあせらず、体調を回復させ、気力も体調も充分整ったところでの胚移植でスムーズに妊娠され、妊娠中いろいろなことがありましたが無事に出産となりました。

体調が悪いときには一息ついて体調をあげるようにしていくことが大事です。

妊娠がゴールではなく、妊娠し、健やかに赤ちゃんをお腹ではぐくみ、無事に出産することがとても大事です。妊娠だけを考えずに一歩引き、精神的な部分も含めて体調を考えていきましょう(^^)

前に進みましょう

イラスト

質問にお答えして:卵子の質はよくなるのでしょうか?

このご質問を初めていただいた時に、『卵子の質をあげると言うことは、生命力そのもの、その人の生命の質をあげるということ。可能なんだろうけど、かなり困難ではないのだろうか。そう簡単に『はい、出来ます』とはいえない』と思いました。

 

そして、この方と二人三脚し、鍼灸治療をし、生活の改善をするなかで、
何度も、
何度もやった体外受精での卵の質という壁を乗り越え、
無事に第一子、そして残った凍結胚で第二子をご出産になりました。

ときおり、年賀状などでお二人のお子さんの成長を拝見させていただきますが、
頼もしく、かわいく、ヤンチャに成長なさっていて、
あのときのこの患者さんの真摯な思いが通じ、
人生を大きく変えた症例だと私の胸に深く刻まれています。

そして、その後、多くの患者さん達がやはり

『卵の質をあげることはできる、人生の扉を開け前に進むことは出来る』と私に教えてくださりながら、家族と過ごす人生をあゆまれています。

 

☆体外受精をしていて卵の質という課題に引っかかったら

子供が欲しいと思っている方に届けたい。

『卵の質が悪い』ということで、体外受精が前に進んでいかないのならば、
ただただ、同じ事を繰り返さないでください。

注射の種類を変えた、
薬を変えてみた、
病院を変えた、
漢方を飲んだ。
サプリも飲んだ

それだけの足し算では、あなたの身体の質を上げることにつながっていないケースを
私は多く見ています。

当院は鍼灸院です。提供できる施術は鍼灸です。
しかしながら単に鍼灸をすればいいのではない、
卵の質をあげるには、トータル的なアドバイスをしながら、
その人に必要なこと、
やめた方が良いこと、
ポイントとして絞ることを
東洋医学的な四診を通じた不妊カウンセリングを行い、
『何をすべきか、何をやめるべきか』を明確にしていたら進む必要があると
つよく、
つよく、
強く感じています。

 

☆☆ある培養師さんが説明なさっていたこと

ある培養師さんが患者さんに『今回の体外受精で出来た卵の質がよくないですねえ・・』という説明の中、卵の質ということを説明してくださいました。

排卵誘発剤で改善できるのは、
「卵の成熟度(を上げること)」
です。成熟度があがれば、受精率が高くなります。つまり未成熟の卵では受精しにくいということです。

 この説明はとてもわかりやすく、私も大きく頷いてしまいました。

☆☆卵の質がわるいまま、体外受精の回数を使ってしまわないで!

 

保険適応の場合回数制限があります。
40才以下の方であれば、3回、
40才以上の方であれば1回、

採卵して卵の質が悪いというところで引っかかったら、若い方であれば3回、40代以上であれば1回で、続けて採卵せずに、卵の質を上げる努力を織り込みましょう。

 

☆☆年齢要因は大事、
でも、卵の質が改善できないままでは結局前に進まない!

確かに年齢要因は大事です。
決定的な要因となることがおおいです。
しかしながら、卵の質が改善できないままでは、結局前にすすまず、
保険適応の回数などすぐに終了してしまいます。

 

☆☆卵の質を改善するための東洋医学的不妊カウンセリング

卵の質で引っかかったら、東洋医学的な不妊カウンセリングを受け、何をすべきかと明確にして不妊治療を前に進めてください。

年齢要因は本当にだいじです。
あなたの貴重な時間を無駄にしないために、
まず取り組むべき事は、あなたの身体の状態を知ることだと思います。

 

 

体外受精をしていますが、妊娠出来ません。どうしたらいいでしょうか? 41歳出産 0307

女性の人生のなかで妊娠だけを考えれば、20代での挑戦がベストでしょう。

でも、パートナーとの出会い、仕事との兼ね合いなどを考えると、

『いまはムリ、でもいつかは・・』と思われることも理解できます。

妊娠ってひとりじゃできないし、また自分自身の体調のコントロールも年齢を重ねるほど
難しくなります。

いまだ、と思ったときには、腹を括って取り組んでください。
きっと扉が前に開くと思います。

さて、今回のご相談です。

 

☆体力がないです、体外受精しても妊娠出来ません。どうしたらいいでしょうか?

39歳です。
28歳で結婚しました。夜勤が忙しく、仕事中心の毎日でとても妊娠がを
考える余裕もなく、35歳過ぎてからなんとなく妊娠を意識し、37歳から本格的に考えはじめタイミングを取りました。

39歳から体外受精に挑戦し、1回目は採卵し2個卵子がとれ、一個初期胚で移植しましたが妊娠出来ませんでした。

3ヶ月後、クロミッドを飲み、採卵周期に向かいましたが2つしか卵はとれず、受精はしたものの、胚盤胞にはならず、治療周期は終了となりました。

20代からの仕事が激務で、毎日を過ごすのが精一杯という感じです。
ただ、自分自身の人生を生きることを考えたら、子供が欲しいです。

どうしたらいいでしょうか?

 

☆私からのお返事:身体全体のパワーをつけて、妊娠に挑戦しましょう

 

体外受精をしているけどなかなか治療が前に進まないというお悩みですね。

お身体の状態を拝見していると、身体全体のパワー不足が明瞭です(気虚)。

胃の状態などそれぞれは大きな問題を感じさせませんが、身体の中心となる生命の余力(東洋医学の世界では腎気)が不足しているため、余力がなく、精一杯に毎日が回っているという印象です。
このため、末端まで陽気が巡らず足先の冷えとなっていますし、首肩周りは頑張っての日々があるので、気の滞りができています。

いま、ご自身の人生を考えて、『子供が欲しい』ということであれば、ここは腹を括って、自分自身のタメに養生すると決めましょう。それが余力をうみ、子宮卵巣の力となり、子供を持つという道につながると思います。

受精卵がそれなりに出来ているので、全体のパワーアップができれば、なんとか妊娠ー出産へとつながるのではないかと思います。現在39歳ならば、時間はあります。焦らずに前に進みましょう。

 

☆☆不妊治療を前に進めるために

 

・受精卵が出来ている状態なので、大きな妊活上の問題はない
・身体の余力をつける。
・体外受精を繰り返すのをいったんやめる。

年齢要因的に、『早く』と思うのはよくわかります。
ただ、今の忙しい生活に、病院受診、鍼灸治療とでかけることを重ねても、かえって負担がますだけです。

受精卵が出来ている、そして移植しても妊娠にたどり着かないときには、その原因を考えるべきです。お身体を拝見すると、東洋医学で言うところの『気虚』全身の弱りが明瞭です。まずここを育てなければ、妊娠という生命の余力でおこることはかないません。余力ができて初めて妊娠がスムーズにいくのです。

とにかく、腹を括って、『身体の余力貯金』をしましょう。
ここがクリアできれば、生殖医療も上手く前に進めると思います。
そしてここがないままに、繰り返しても、ただただ、疲弊し、ジリ貧になるだけです。

 

☆☆東洋医学的な診立て

・弁証
腎虚を中心とした気虚肝鬱
・論治
益気補腎
・治療方針
気虚を救うために、腎気を中心にそこあげする。初診で手を入れていく中で、脾胃の弱さの経穴が出てきているので、愁訴としては脾胃の弱さは感じられないが、脾腎を中心に全身の体力をあげることを目標にする。

 

☆治療経過

 

週に1回の鍼灸治療、食事生活の養生、毎日のお灸養生を始める

☆初診の鍼灸治療、セルフケア

鍼灸初診
手足:右外関(TE5)ー右臨泣 三陰交(SP6)、陰谷(KI10)、曲泉(LR8)
腹部:中注(KI15)、関元(CV4)
背部、厥陰兪(BL14)、右心兪(BL15)、右胆兪(BL19)、胃兪(BL21)、腎兪(BL23)、次髎(BL32)

セルフケア
三陰交(SP6)右が2左が1
右の外関(TE5)、右陽池(TE4)、中注(KI15)、関元(CV4)、
胃兪(BL21)、腎兪(BL23)、次髎(BL32)

 

☆体外受精、妊活経過

2ヶ月後
いままで胃に重いと思っていた漢方薬をやめてみる。

4ヶ月後

体外受精ー採卵 3つとれた。1つ胚盤胞の凍結が出来た。

5ヶ月後ー移植(採卵移植を勧められたが、採卵と凍結は分けたらとアドバイス。)周期に入っていたが忙しく病院にいけず。

6ヶ月後、生理三日目の数値がよかったので、採卵にしようと思ったら排卵済み。

7ヶ月後、採卵してみることになった→3つとれた。良好胚が凍結出来た。

8ヶ月後
6回目のー凍結胚移植ー妊娠判定陽性 鍼灸治療の頻度をあげる
妊娠判定陽性でました!

12週、体重が妊娠前より減ってしまっている。めまい
15週、血糖値がやや高めで、食事を減らすように指導された
(食事を減らすよりも、胃腸の力をあげることで、血糖値のコントロールをしていく)
20週から 腰が痛い 光がまぶしい、身体がきつい

いろんなことがありましたが、なんとか無事に出産までたどりつき、3000㌘弱のしっかりしたお子さんを出産。

おめでとうございます。

イラスト ツボ セルフケア

☆まとめ

体外受精をして、受精卵ができるということは、妊娠まであと一歩です。
胚移植をして結果が出ないときには、体外受精を繰り返すよりも、一歩待ってご自身の
生活を見直し、体力貯金をアップし、卵巣子宮のパワーアップをはかるほうが
結果的に近道だったということはよくあります。

あせらずに、ご自身の状況をよくみて、治療を前に進めていくことが大事だと思います。

仕事のきつさ、そしてもともとの体力のなさなどがあり、ムリをして頑張ってということが
あたりまえになっている生活をなさっていられました。

そして妊娠を気に、その『ムリをして頑張る』だけが乗り切り方ではない。
自分自身の身体、そして自分自身にやどった赤ちゃんの身体をまもるために、
社会的な要求に距離をおくことも大切だと思います。

ご出産本当におめでとうございます。
家族ができ、大事にされているごようす。本当にうれしいです。

 

2)妊娠初期を乗り切り、繰り返す流産から出産を。30代後半での繰り返す流産  0127

流産についての概要をおはなしさせていただきました。

概要の1)はこちら→1)『普通』にすごす『Stay home』が教えてくれた繰り返す流産を切り抜ける方法

ポイントは2つ血流と、子宮(女子胞)の不安定さです。

さて、具体的な症例からお話ししていきましょう

☆☆ご相談:心拍確認が出来ない流産を2回もしています。

 

 

最初の妊娠は、妊娠希望をしてから1年後やっと授かったと思い、病院へ行き胎嚢がみえました。

しかしながら8週になっても心拍が見えずそのまま出血がはじまってしまいました。

二回目は半年後の37歳の時、このときも同じように心拍が見えないまま出血ー流産となってしまいました。

流産後1ヶ月たつのに、出血がすっきり止まりません。

妊娠もなかなかしにくく、はじめの妊娠は1年ほどたってやっとできた妊娠。そして今回も半年たってやっと妊娠したのに、どちらも心拍確認ができず流産と言うことで本当にがっかりしています。

もしかしたら不育症なのかと悩みますが、病院の先生は問題ないとおっしゃります。

どうしたらいいのでしょうか?

また、小学校のときから、手足にしもやけができ、昔から足先がとても冷えます。頭痛も結構ひどく、肩こりになりやすいです。いつもなんとなく残尿感があります。

疲労感が強く辛いことが多いです。月経周期が長めで生理が遅れることはよくあります。

☆いままでの経過、時系列

・高校時代から左側頭部頭痛
・36歳妊娠希望ー1年後妊娠−8wで流産
・37歳 流産から半年後妊娠ー心拍見えず流産
・流産後1ヶ月たってもなかなか出血が止まらない

 

☆私からのお返事
:身体の余力がをつけることで妊娠を継続させていきましょう

なかなか妊娠しにくいなか、せっかく妊娠できたのに、2回も連続して8wでの流産、本当に辛かったでしょう、残念でしたね。

また流産後の出血も止まらないというのは身体がだいぶ弱ってしまっているのかとも思います。

残念でしたね。

次の妊娠では一緒に頑張って是非出産まで到達できるようにしていきたいですね。

☆お身体を拝見して

お身体を拝見すると、もともとのベースとなる生命力(腎気)が弱めであると思います。

そのために冷えがきつかったり、残尿感があったり、月経周期が長めでつかれやすかったりしていると思います。

腎気は全身の生命を下支えする縁の下の底力を発揮してくれる存在です。そしてこの腎気が、子宮(女子胞)を養い、赤ちゃんをしっかりと受け止め受容できる身体となるのです。

 

☆子宮(女子胞)だけではなく、全身状態の体力不足、余力不足が子宮への養い不足となっている

イラスト

子宮(女子胞)というのは、赤ちゃんの孵卵器です。その孵卵器の性能がちょっとだけ不安定ならば、孵卵器そのものをしっかりと養い守る必要があります。Uさんのお身体は、孵卵器そのものを守る全身状態が、気虚気味(パワー不足)であることが問題です。全身が気虚気味パワー不足であるので、孵卵器も不安定になり流産となってしまうわけです。妊娠は、女性にとって身体の余力でおこなわれます。余力がないと、どうしても不安定な子宮(女子胞)となるわけです。身体全体に余裕をもち、子宮(女子胞)の生命力が安定するようにしっかりとがんばっていきましょう。また強いストレスも子宮(女子胞)に負担となります。ストレスも鍼灸で調整していきましょうね。

・弁証 腎虚を中心とした気陰肝鬱 風邪の内陥 女子胞の力不足
・論治 益気補腎 疎風散寒 温養女子胞
・治療方針 腎気を中心に気虚気味の素体をたてなおし、パワー不足となっている女子胞を暖め養う。また素体に負担となっている風邪の内陥を払うことを急務とする。

 

☆治療経過、妊娠、出産まで。

治療経過

週に1度の通院、毎日の指導に基づいた自宅施灸

初診
左外関(TE5)左陽池(TE4)、左公孫(SP4)、足三里(ST36)、三陰交、下脘(CV10)、関元(CV4)、
胃兪(BL21)、左腎兪(BL23) 中膂兪(BL29)
セルフケア:下脘(CV10)、関元(CV4)、左外関(TE5)、足三里(ST36)、三陰交。腎兪(BL23)、胃兪(BL21)、中膂兪(BL29)

 

1ヶ月後、今回の生理もだらだらはつづいている
3ヶ月後、生理のだらだらが減ってきた
4ヶ月後、妊娠成立

妊娠 手入れ 棒灸

 

4ヶ月後に妊娠。

妊娠中も週に1,2度のペースで鍼灸治療を継続

8w つわりがきつい→つわり治療

19w 喉に違和感があり、空気が上がる感じで食事が通りづらい

23wから逆子ー27wまで。28wで治る

30w やっと妊娠前から体重が4キロ増えることが出来た

 →間食も小さな食事として、食事回数を増やすように指導

30w 再び逆子に

31w 治ってきた感じ、お腹が突き上げて苦しい。

33w 赤ちゃんが小さめと言われた

34w 頚管長短め、ウテメリン処方された

35w 頚管長大丈夫と言われた

37w 2600㌘はあると言われて安心

38w 1㎝頚管が開いた

39w 無事に3000㌘弱の赤ちゃんを出産

おめでとうございます。

☆あとがき、無事の出産よかったですねえ。

流産というのは、辛い出来事ですね。しかも、やっとの思いで妊娠して2回も連続と言うこと。本当に辛かったと思います。

お話しを聞いていて、ご本人の辛さが痛いほど伝わってきました。

妊娠や妊娠継続について、色々な情報をお探しになっていらっしゃるようでしたが、なかなかご本人にぴたっとくる情報がないようでした。そのこともご本人の迷いや悩みを大きくされていました。

インターネットでの検索は一般論や、様々な情報は提供されますが、実際のご本人にとって

必要な情報であるのかは判断が難しいところですね。

今回のケースは、不安定な子宮(女子胞)の状態と全身のパワー不足がリンクしていました。つまり、子宮や流産のことだけを考えるのではなく全身の生命力から考えることが大事なケースであったわけです。

妊娠中も一筋縄ではいかず、いろいろなことがおこりました。もともとストレス状態になりやすいという状況があり、気が登りやすい方の妊娠でしたのでつわりもきつかったです。妊娠中は赤ちゃんを守るために、普通の状態でも気が上向きに傾きます。その上向きのベクトルに加え、ご自身の性質もくわわるとなかなか大変になります。この上向きの気を引き下ろすことは流産につながってしまいますので妊娠中の身体の手入れとしては禁じ手です。つわりは辛くとも、つわりを中心に考えずに、やはりご自身の生命力をつけることをしていくことが体調管理のコツなのです。

妊娠中も色々な事がありましたが、無事に充分な大きさの赤ちゃんにめぐりあえたこと、ご本人のコツコツと重ねられた努力とご家族の協力のたまものだと思います。おめでとうございます。

イラスト ビッグママ