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5)身体はいまを生きているー心を健やかに暝想、マインドフルネス

毎日、色々な事がおきますねえ。

過去のわだかまり、未来への不安。

身体は今を生きている イラスト

私達が生きているのは今です。
その今を生きていることを認識し、理解するために
私が考える、身体のいまをお話しさせていただこうと思っています。

 

心と身体を考えていくときに、暝想やマインドフルネスは非常に大きな力となります。
暝想というと抵抗感のあるかたも多いと思いますが、マインドフルネスという言葉で
幅広く用いられているのかなと思っています。

健やかな気の昇降出入を保つためにー”今を生きている”ことを意識する瞑想

人間が健やかな身体であるためには、様々な場の設定において気の昇降出入がそれぞれにスムーズであり、相互の関係性としてもスムーズであることが望まれることをいままで述べてきました。特に人を一本の木に例えた、肝木の身体観を理解していくことがのぞまれます。健やかな気の昇降出入となるためには、肝気を中心に、感情が偏りなく健やかで伸びやかであることが大切と理解できます。

 

暝想についての、大きな抵抗感

瞑想が身体に良いということは古くからいわれています。私は、鍼灸の勉強会にて、瞑想を何度もおこないました。臍下丹田に意識を降ろすという言葉が自分の中でリアリティーをもてず、臍下丹田という言葉もイメージできず、イメージできないところであるので、そこに意識を降ろすという言葉にも違和感が大きく、瞑想という行為は私にとっては理解しがたい物でありました。またありのままを受け止めるという言葉の意味も私にはイメージしがたいものでありました。言葉だけが宙に浮き、実感としてイメージしがたい状態であったわけです。

 

瞑想は身体になにをもたらしていたのか。

 

あるとき、テレビの番組にて、座禅の経験が深い僧侶と、なんの経験もない若者が、バンジージャンプに臨むという企画をおこなっていました。バンジージャンプ前後の心拍数の動き、心身の動揺について情報提供していました。

同じバンジージャンプに挑むという状況で、僧侶は事前にも心拍数もあがらず、精神的な動揺もなく、バンジージャンプそのものの衝撃により多少の心拍の変動もあったものの、すぐにバンジージャンプの前の日常的な心拍数の変動に戻ることが出来た。

 しかしながら、若者は、バンジージャンプの台に近づいていくだけで心拍数があがり、バンジージャンプをする前から大きく心身共に動揺し。その後、バンジージャンプをおこない、終わってからも、なかなか心拍数や心身の動揺は日常的な状態に戻ることができませんでした。

このとき、両者にバンジージャンプの前後によっての心身ありようについてインタビューされていました。

僧侶は、『ただ、まわりの景色を眺めていました。川があるな、谷があるな、木が茂っているな。水の流れる音がするな、と眺めていました』。

若者は『バンジージャンプが怖くて、どうなるんだろうとずっと考えていました。怖くて怖くて、こんな谷に落ちたらどうなるんだろうとか、ロープが切れたらどうなるんだろうかとか、いろんな事を考えてドキドキしていました』と。

 

感情や情志の身体への影響と瞑想。

二人の人間による、同じ行動をしていても、その人の心のありようによって、精神状態が大きく違い、このことが身体状況にまで大きな影響をあらわすということをまのあたりにし、私は意識を『ただ、周りの景色を眺めていた』ということに置くことが、これだけ心身に大きな違いを表すのだということがやっとイメージし、理解することができました。

これにより、いま、自分の置かれている状況を ”ありのままを受け止める”という言葉は、”身体はいまここで生きている” ことへの意識であるということ。ありのままというのは、今、自分の置かれている状態を、そのまま眺め、生きることであるということを理解しました。

そして”身体はいまを生きている”ということを理解意識し恐怖や不安などの過剰な情志の乱れから解き放たれることが、身体の気の昇降出入を健やかに保つことにつながります。

瞑想という言葉は、使われる場によって様々な意味がありますが、ここでは、

『いま、自分がおかれているその瞬間の周囲の環境を眺め、いまを生きているということに意識を置く』

ということに限定して考えていきます。

感情は様々な過去からのわだかまりや、未来への不安で、臓腑の気の昇降出入を乱し、”今を生きている身体” に影響をもたらします。そこで、この感情による乱れを少なくし、”身体はいまを生きている” ことへの意識につながる瞑想が臓腑の気の昇降出入を穏やかにたもつと考えました。

とくに生きる意思と大きな関係をもつ肝気は全身の気の昇降出入をコントロールすることに直結します。感情の奴隷となることなく、”いまを生きている” ということに意識をあてる瞑想は肝気を健やかに保つことに非常に有効と思われます。

 

瞑想のもたらす効果

瞑想は、心理学の分野でも心身によい影響をもたらすということでとりあげられています。マインドフルネス瞑想という言葉も使われています。マインドフルネスとは『今現在においておこっている経験に注意を向ける心理的な過程”であり、”瞑想およびその他の訓練を通じて発達させることができる』とされています。

言葉の定義そのものについては本稿では議論はしませんが、座禅の経験が深い僧侶が、『ありのままを眺めていた』という状況を、マインドフルネス瞑想でいうところの、”いま現在において起こっている経験に注意を向ける”ととらえることができ、情志が安定し、心身が安定したことから、このマインドフルネス瞑想も、身体において様々な場で考える気の昇降出入をスムーズに安定させる効果があるのではないかと考えています。

五臓のありように様々な気の方向性として昇降出入を設定していますが、瞑想が”いま現在起きていることに注意を向ける” ということを促し、全身の気の昇降出入が伸びやかに保たれることに貢献しているのではないかと思われます。

”いま” を意識することが、私たちの心の乱れ偏りを気づかせ、情志の偏りを手放すこととなる。そしてよりスムーズな気の昇降出入の状態への貢献となる。情志はそれぞれの臓腑に配当されるほど、臓腑のありように大きな影響を与えると考えられています。情志の偏りを手放すことは五臓の気の昇降出入の偏りを改善させるであろうと理解でき、”いま”を意識する瞑想が情志の偏りを減らし、臓腑の気の昇降出入をスムーズにし、健やかな身体を保つことに非常に役立つであろうと考えられます。

”生きる意思”を主導する肝気は、人間の人生を光り輝かせ彩り前に進めていく意思となると思います。しかしながらときに、”今を生きている”という地点から離れ様々な情志のみだれを引き起こす可能性が高くもあります。瞑想の ”今を生きる” ということへの意識はこの肝気の過度な偏りをいさめ、スムーズな働きとなる様に導く作用が期待され、伸びやかな肝気による全身の気の昇降出入を助ける可能性を大きく期待することができるのではないかと思われます。

東洋医学で考える五臓のありようを気の昇降出入という観点から深く考察し、心身を平穏に保つことと瞑想について、東洋医学で考える人間観とあわせ研究を深めたいと思います。

参考文献

マインドフルネス瞑想の怒り低減効果に関する実験的検討(心理学研究2013年 第84巻 第2号 pp.93–102)

日本の心理臨床におけるマインドフルネス(人間福祉学研究 第7巻第1号 2014. 12)

瞑想(Meditation)厚生労働省統合医療に係わる情報発信推進事業サイトより。

(https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c02/07.html)

「実践カウンセリング」 監修、野田俊作 アドラー心理学会(http://adler.cside.ne.jp/)

☆1 東洋学術出版社 針灸学基礎編131ページより

認知行動療法と、東洋医学で考える心と身体

認知行動療法のワークに取り組んでいます(^^)

 

自動思考とか、スキーム(深いその人の思索の有り様)を考えていると、それは
パソコンのOSのようなものだねという話しがでて、深く納得しました。

色々なアプリを使うわけですけど、私達は前提として、Windowsとか、マックのOSを使います。
そのバージョンもさまざまですが、通奏低音のように流れるOSをベースにしながらさまざまなアプリを使うのは、ホントに面白い考え方です。

認知行動療法では、そのアプリのありようを考えることはできますが、OSそのものへの
アプローチはなかなか出来ません。
ただ、時にはOSまで変えて行く人生の変容が求められるときもありますね。

東洋医学の世界で考える、心の課題

東洋医学のOSでは、まずまるごと一つの身体と考え、1つの身体を5つの観点、五臓からみることがあります。

この五臓に色々と組み合わせを使って考えるパズルの世界が展開されます
(実は私はこのパズル化が嫌いだったりしますが(^0^;)(^0^;))

このパズル。五臓(肝心脾肺腎)に五志(怒・喜・思・憂・恐)をあてはめていきます。

(注、憂に悲しみもセット、恐に驚もセットで、七情とすることもあります)

肝→怒、 心→喜、 脾(消化器系)→思(思い悩む)、 肺→悲、 腎→恐のようにあてはめます。

これ、いろいろなベクトル(方向と量)で考えられ、ここからの深掘りがまた楽しからずやなんですが、臓腑の基本概念がないとパズルになっちゃうので横においておきますね。

CBTのケアのスタートが、抑うつ状態や、気持ちのモチベーション低下症状だと考えると。

 

もともとCBTが抑鬱に対してのケアだとすると、脾(消化器系)の思い悩むの解決につながり、胃腸への負担が減ること。胃腸がしっかりすると、食べ物からの滋養を受け取ることができ、生命力を育むことができる(後天の本の育成)、身体がしっかりし、脾がしっかりすると、思い悩むが解消されていく、という好循環になります。

 

これに対して、肝などは、もともとベクトルが強く、物事をぶっ壊すところまで行く臓と考えられていて、これをコントロールするのも大事だわね、でも脾(思)とは、違うアプローチだわねなんても思ったりするわけです。

思が中心の脾気タイプには、このcbtはぴったりくるかなっていう感じがしますね。
怒が中心の肝気、ぶっ壊しタイプは、もうちょっと別なアプローチもありですね。

ぐじぐじと勉強タイムしていると、ギルバルスが俺とあそべーといってきますんで、今日はこのあたりで。じゃねー(^^)

 

『何を食べたら良いですか?』という質問にお答えして 食事 食べ物改善

『何を食べたら良いですか?』という質問にお答えして

食べ物で、この身体は出来ている
それは事実であり、身体作りをしていくときにはとても大きなポイントです。

『何を食べたら良いですか?』という質問は、とてもよくいただく質問です。

みなさん、”栄養”にはとても関心があって、卵がいいのかな? 鶏肉を食べようとか、ブロッコリーがいいでしょうか?など積極的に考えている方が多いです。

また、時にサプリなどを積極的にとる方もおおくいらっしゃります。栄養クリニックにて分析を受け、しっかりと足りないサプリの処方をうけるわけです。

私は、お身体を直接診るということをしています。

体表観察を中心とした東洋医学で言うところの四診を組み合わせてお身体をみています。

そして、体外受精に挑戦する方が多いので、そのときにでる受精卵の質という要素も加わります。

ここで、それなりの食事、栄養をとっているのに、どうしてこの身体なんだ?この状態なんだ? これだけ栄養をとっているのに、なぜ身体が養われていないのだと思う方がおおくいらっしゃります。

☆栄養療法クリニック通院の方々からわかった、サプリでは効かないパターン

栄養療法クリニックというのがあります。これは血液検査などから詳細な栄養の状態を知り、その不足した栄養素をサプリなどでとろうというものです。

私は当院を受診されている方々で栄養療法クリニックにいかれ、検査→サプリ処方→検査→なかなか改善しない というプロセスをみ、お話しを聞きながら体表観察をしています。

栄養療法では、きちんとした血液検査をもとに、『不足している栄養素』をピンポイントで摂取するわけですから効かないわけがありません。

しかしながら『貧血などの数項目は改善しましたが、全体としてはまだまだです。それに自分の胃がサプリで余計重くなってしまって』というコメントを多く頂きました。

つまり、確かにサプリで必要な栄養は口からは入っているのですが、その方へ必要な『滋養』にはなっていないのです。そればかりか、胃腸の負担になってしまうという本末転倒状態。

実は漢方薬でもこの状態をおこす方がいらっしゃります。

胃腸の状態をよくしよう、体調をあげようとして接種される漢方薬が”重すぎる”ために、滋養栄養へとつながりにくいのです。

☆栄養の取り込み能力をあげよう!

こういったパターンでの大きな問題は胃腸の栄養を取りこむ能力が不足しているということです。

いくら、栄養たっぷりの食事をとっても、高価なサプリをとっても、取りこむ力がなければ素通りです。

ぜひ、取り込み能力をあげ、しっかりと受け取る力をつけてください。こうしていくと、食事からしっかりと栄養を受け取る力がつきます。

そして、ここまで出来てからサプリや、健康を考える食品に手を広げるべきではないかと思います。

養生のお灸をしよう!

胃腸のパワーアップ

 足三里、中脘(CV12)、大腸兪(BL25) 腎兪(BL23) 曲池(LI11) 胃兪 脾兪、関元(CV4) 三陰交

症例:0181 食事改善からの不妊治療 43.47才出産 

自律神経失調症 予期不安、ストレスで体調不良。

仕事をして頑張って日々を過ごすなかには、色々なトラブルや試練がありますね。

頑張って、頑張って、疲れたな、もういっぱいいっぱいだなと思っても、
頑張らなくっちゃいけないときもあります。

自律神経失調症と言われる方が多くご相談にこられます。
薬などでなんとかコントロールできても、仕事や日常生活をこなすのがやっとという状況では、草花の美しさも、音楽の楽しさも、日々の楽しさもなんだか遠くなってしまいますね。

東洋医学では、まず、お身体の状態を拝見していきます。
そして一番弱った素体を立て直すことをしていきます。

私たちは人生をはしっていきます。
車そのものが肉体で、精神はドライバーです。
軽自動車であってもその大きさにあわせ上手に運転をしていけば、箱根の山も登れ、高速道路を使って遠方に行くことも可能です。

自分の車を上手に整備して、ドライバーであるご自身の心を健やかに伸びやかにすることで人生という道をしっかりと走って行けるようにと願っています。

この症例は、お身体の状態をよくし、精神的な不安定さが解決したことでするりとご自身の問題であった妊娠しないという状態が解決しました。体外受精などの大きな治療が時により大きな精神的な負担となり悪循環になってしまうことがありますね。人間とはなんとまあむずかしくて、かわいいものかと思います。

健やかな日々がおくれますように。

主訴自律神経失調症、不妊の弁証論治 40歳自然妊娠