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44歳での出産 生理を何度も止めた子宮内膜症、自然妊娠 0096

生理を何度も止めた子宮内膜症、44歳自然妊娠、出産

あるドクターが

 『医療として不妊治療がなりたつのは、42歳11ヶ月まで』

と仰っていたのが私には非常に印象に残っています。

 

確かに、この数字はシビアではありますが、不妊治療の現状を考えると、肯定せざる終えないところだと思います。とくに、一度も不妊治療に挑戦したことのない人にとっては、『不妊治療そのものが時間がかかるもの』である点を加味すると、この年齢にスタートするのでは遅すぎるというのは自明です。(スタートしてはじめて判明することが沢山存るんですよね)

 

☆43歳を過ぎてしまうと妊娠しないの??

そういったなかで、では、43歳になると妊娠しないのか?といえば、そんなことはないということは言えます。生理のある43歳は避妊する必要はないのか?といえば、『避妊する必要は大いにある』ということは、当たり前であり現実の妊娠をみていれば『妊娠はする』ということでしょう。

この症例は、妊娠の希望はあるが、子宮内膜症がひどく何度も生理を止めている状況。生理を止めれば子宮内膜症は楽ですが、妊娠はできません。そのジレンマにとても悩んでいらっしゃいました。

☆☆不妊治療を主目的にせず、体調をあげることを主目的にして、結果的に妊娠成立

不妊治療を主目的にしなかった理由
1)上のお子さんがすでにいらっしゃる
2)年齢要因的にも積極的な不妊治療そのものはしたくない。

このようなご本人のご希望がありました。いままで積極的な不妊治療で体調を崩すだけで妊娠もしないということが、深くご自身の中に刻み込まれていたのだと思います。

そして、元々の首の辛さや頭痛などに対応していくなかで、体調がよくなり、無事に妊娠ーご出産の運びとなりました。

44歳、やっぱり妊娠するチャンスがある人には、条件が悪くても、医療として成り立つ範囲の外側にいても、コウノトリがくることもあるんだなと思いました。判断が難しいところですが今回のケースでは、妊娠ということを『不妊治療』をテーマにして強く考えなかったことが逆にストレスや過度の負担が排除され、生命力そのものが伸びやかになれたことがよかったのかもしれません。

 

さて、具体的なご相談から紐解いていきましょう
YouTubeでの説明はこちら

ご相談:42歳、妊娠希望ですが、子宮内膜症がひどく前に進みません

42歳から妊娠を希望しています。30歳からの子宮内膜症が非常にひどく、生理痛が重く、手足もひどい冷えを感じます。また18歳の頃からのムチウチや首のコリ、頭痛も辛い状態です。

36歳で自然妊娠をし出産していますが、最近また子宮内膜症が非常に悪化してしまい、すでにリューブリンで6回も生理を止めるー再開すると言うことをくりかえしています。

早く子供をとのぞんでいますが、卵管通気はOKだったものの、生理の度に子宮内膜症や、膀胱の横に感じられる腫瘤は大きくなりっており、この対処と妊娠の間でジレンマに陥っています。

 

ご相談にお答えして
:体調をよくすることが妊娠につながるかもしれません。

かなりお辛そうな子宮内膜症ですね。それでも、いままでに自然妊娠出産をなさっていますから、カップルとしての妊娠する力はかなりあるのでしょう。

子宮内膜症は生理とともに悪化するために、時に生理を止める治療をおこないますが、これでは妊娠そのものが成立しませんね。

子宮周辺の臓器は、子宮の底力を暖め養っていくことで血流が改善し力を取り戻していきます。子宮内膜症の状態もなんとか良好に経緯することができます。そして素早く妊娠して妊娠によって生理をとめ、授乳によってさらに時間稼ぎしていきたいですね。

年齢要因もあり、治療を急いでいきたいと思います。体調そのものがよくなることをめざしてお身体の手入れをしていきましょう。

☆☆東洋医学的な治療方針

東洋医学的な治療方針:
・腎虚を中心とした気虚 オケツ
・補腎 疏肝理気

・治療方針、
腎気をたて全身の気虚を救う。
肝鬱は基本的にいじらない

子宮、卵巣、骨盤内臓器を温め、養い、活力を取り戻していく。
なるべく早期の妊娠成立を目標とし、子宮内膜症の対策とする。

☆治療経過 半年ほどで自然妊娠、出産

☆初診:
・右神門(HT7)、右後溪(SI3)お灸、左湧泉(KI1)お灸、右足三里(ST36)2箇所鍼してお灸、三陰交(SP6)、左公孫(SP4)、
・大巨(ST27)、気海(CV6)(10)

風門(BL12)、霊台(GV10)温灸お灸、
左脾兪(BL20)、左胃兪(BL21)、左陰兪 右三焦兪(BL22) 大腸兪(BL25)

初診雑記:脾気からいこうとおもったけど、首と肺気がきついので(むち打ちの影響か?)、肺大腸でまず風邪の内陥をとる。

→治療後の経過
前回治療後に疲れを感じない。

☆3診、3月花粉症がきつい(花粉症のパイオ→鼻が通る感じ)

治療同じ+天柱(BL10)のお灸
→治療後、鼻が通る簡易。目の痒みも楽になってきた

☆4ヶ月後 立ち仕事が続き、首、腰、背中が辛い
百会7、右の外関(TE5)、臍棒灸、足三里(ST36)、三陰交(SP6)
大椎に三角温灸、左脾兪(BL20)、左胃兪(BL21)、三焦兪(BL22)、次髎(BL32)鍼、温灸

☆半年ほどで自然妊娠

妊娠中の鍼灸
外関(TE5)、足三里(ST36)、復溜(KI7)、左脾兪(BL20)、右胃兪(BL21)、三焦兪(BL22)、次髎(BL32)

☆30w-逆子
1)左胃兪、左三焦兪 腎兪 次髎
2)右後谿 湧泉 ミニ灸
三陰交灸頭鍼ミニ灸 至陰ミニ灸2回
翌週の検診で逆子なおる

無事に出産、おめでとうございます。

 

☆あとがき

赤ちゃんを見せに来て下さったときに、上のお子さん達がとてもベビちゃんを歓迎し、楽しそうにワクワクとお世話をしていらっしゃいました。家族が増えることをみんなで喜んでいらっしゃる、とてもステキなことですね。そのお手伝いができたこと、とっても嬉しいです。

 

子宮内膜症はかなり手強く、日常生活にも影響が強いですし、妊娠そのものへの妨げにもなります。症状そのものは、西洋医学の対応の手を借りることも多いかと思います。しかしながら生命力そのものをしっかりさせることもやはり大切ですねえ。

いまの症状に固執しすぎず、もう少し突き放し、ご自身の力をつけるということが、結果的に様々な症状が軽減し、急がば回れの目標達成となることがよくあります。

今回の症例は癒着もひどく妊娠そのものの成立が難しいのではないかと思われましたが、ご本人が気負わず、自分の出来る範囲でナチュラルに対応なさっていたのがとてもよかったなあと思います。ご本人の淡々とした努力ですね。

 

あーパンダ様、このようなリラックスの道に私も進みます〜 急がば回れ リラックス イラスト