自然妊娠をめざして

東洋医学的な人間理解

ビッグママ治療室では、四診という手段を使ってお身体の情報を集め、診立て、その方がどういう身体であるのかということを『東洋医学的人間理解』をしていきます。

すなわち過去の様々な出来事や状態から今現在の貴方がいらっしゃる。そして『東洋医学的な人間理解』をした上で、様々な症状を考えるわけです。不妊という症状(状況)でもこれはかわりません、貴方の身体を理解し、どういう治療や取り組みがご自身のあらまほしき未来につなげることができるのかということを一緒に考えていくことが大切なのです。

『赤ちゃんが欲しい』患者さんとの出会い

私は大学病院の東洋医学科で研究研鑽を重ね、20年以上前から臨床の中で『不妊』という症状をもった患者さんとのお付き合いがありました。

当時はWHOの規定もあり、不妊治療でのポイントである妊娠初期の鍼灸は禁忌とされていましたが、医療関係者である頭痛のために来院されていた患者さんが『鍼灸でこんなに体調がよくなったんだから、私の不妊治療にもとってもよいはず!』と断言なさり病院での不妊治療に当院での鍼灸治療を組み合わせておこない、体調もよくなり無事に妊娠出産にもつながりました。

そしてこの方の紹介でどんどん『赤ちゃんが欲しい』という患者さんがいらっしゃるようになり当院での不妊治療がスタートしたのです。まだ体外受精などの高度生殖医療は大学病院が主流であった時代の話です。

自然妊娠をめざす「不妊!大作戦」

東洋医学的人間観から身体を理解していくという視点は、不妊も、問題となる婦人科疾患(子宮内膜症、子宮筋腫、ホルモン異常など)そして不育症、妊娠中のトラブルも、産後のケアも同様の観点から考えることができます。

つまり、長らく人生を歩いて行くときにこの、『ご自身の身体への理解』はとても役立つわけです。そして2008年、沢山の方との不妊治療を通じての出会いから『不妊!大作戦 東洋医学と西洋医学「攻め」と「底上げ」の二重作戦』をたにぐち書店から出版させていたく事になりました(→書籍の詳しい内容はこちら)。

ここには5つの自然妊娠をした症例を挙げさせて頂いております。

  1. 身体作りでの自然妊娠
  2. 3回の鍼灸にて妊娠の二人目不妊
  3. リウマチの方の妊娠出産産後の治療
  4. 強い冷え、月経不順の自然妊娠
  5. 体外受精挑戦後の自然妊娠

5つの症例とも鍼灸で体調を整えることで無事に『自然妊娠』をなさり健やかな赤ちゃんをご出産、そして2017年現在、皆さん二人目を出産なさり複数のお子さんのお母さんになられています。とくに5の体外受精後の自然妊娠の方は、30代前半からの不妊治療歴があり、体外受精にも複数挑戦した後に一人自然妊娠で授かりました。ご本人はこれだけで充分と思われていたようですが、ご自身の体調管理にと継続的に鍼灸を続け、その後43歳で二人目も自然妊娠で授かっています。

東洋医学的な人間理解が、そのときの『不妊』の解決だけではなく、様々な症状を乗り越え、その方自身の身体が気持ちよく、伸びやかに人生を歩んでいけるようにという道標になり、コウノトリのご縁を結んでくれたのだと思います。

『自然妊娠をしたい』と願う方には是非ご一読をお勧めします。

不妊治療は、病院での治療が必要な場合もあります。高度生殖医療が大きな手助けとなる場合もあります。そして、それでも伝統的な自然な身体作りによって『自然妊娠』に結びつくケースが多くあるのです。

ご自身にとっての身体理解をした上で、ご自身の人生をしっかりと歩めるように身体作りのサポートをさせて頂いております。人生をしっかりと『不妊』という言葉に振り回されず歩むために。

「不妊!大作戦」は2017年韓国版も出版されました。(→書籍の紹介はこちら

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不妊!大作戦
東洋医学と西洋医学「攻め」と「底上げ」の二重作戦

伴尚志/監修 米山章子/著 たにぐち書店/刊 1800円(税別)

西洋医学と東洋医学、どちらも大事。赤ちゃんと出会う作戦を一緒に立てましょう。【詳しい内容を見る】

→Amazonで購入 →たにぐち書店で購入


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