治療者がいうほど治らない
中学校時代から私は腰痛で悩まされていました。
当然、整形外科にはあちこち、大学病院も含めてお世話になりました。それでもちっともよくならないので、『治る治る』との宣伝や、評判がよい怪しい医院や、民間療法、漢方、整体などなど、あちこち手を出しました。整体には数多くお世話になり研究会にも入っておりました。
その結果、『治療者がいうほど治らない』というのが、私の実感であり結論です。
手術するほどでもないけど、毎日が辛い。沢山の情報があるけど、『私の腰痛』に効くものはない。
そもそも、腰痛だけが私の身体の悩みではありませんでした。精神的な不安定さ、めまい、不眠、何度かの突発性難聴。
腰痛には腰痛の治療
めまいにはめまいの治療
不眠には不眠の治療
突発性難聴には突発性難聴の治療
一つ一つの治療を積み重ねると、治療で忙しいほどです。薬が加われば、こんなに?というぐらいの種類にもなります。
人生を生きるための人間理解
なぜこんなに治らないのだろうか? そもそも私の身体はどうなっているんだろう? もっと身体のことを知りたい。
こんな思いから、当時の私の住まいに一番近所にあったと言う理由で鍼灸学校に入りました。
鍼灸学校は、微に入り細に入り身体のことを教えてくれました。西洋医学を中心に解剖学、生理学、病理学、病気のこと。東洋医学的なことは大ざっぱな概念など。そこには多くの『知識』がありました。
免許卒業後、大学病院の東洋医学科に藉を置く傍ら、眼科クリニックなどでも働き、臨床を頼まれることが多くなり開業しました。
大学病院では、多くの精神科に通う患者さんの担当となり、うつ、気分障害など様々なメンタル的な不調を訴える患者さん、脳梗塞や手術後のむくみなどで入院中の患者さん、また整形外科からの紹介で頸部疾患、腰痛など様々な疾患や状況を抱える方々をドクターと一緒に漢方や鍼灸、西洋医学と同時進行で見守るという日々をおくりました。
こういった様々な臨床経験から、症状にこだわるのではなく、まるごと一つの人間として理解し、何をしていくのか治療方針を立てる必要を感じ、弁証論治という先ず人を診るという観点を貫くようになりました。当院のWEBサイトには患者様に了解をいただいた、多くの、本当に数多くの症例を東洋医学的な観点からの研究検討を重ねるという弁証論治を行い、治療方針、その方の人生へのアドバイスを行っています。
一番大切なのは、『人生を生きるための人間理解』です。この貴方自身の『自分理解』は、これからも様々な状況や症状がおこるであろう貴方の人生を応援してくれるものにきっとなるはずだと私は思っております。