食事記録と食事バランスガイド
食事は人生を楽しくしてくれますね。楽しい食事には幸せが詰まっているなんて思います。健康にも大きく係わります。
テレビでも雑誌でも、健康のための情報があふれ、おすすめ商品が売られています。そしてそんな情報は、少し立つと ”間違った情報だった”とされ、新たなお勧めが喧伝されます。非常に不思議な現象ですね。
食事のポイントは2つ、(1)現状把握と(2)指標を持つということです。
- 現状把握
食事の一番の問題は、ご自身の現状把握が難しいということです。日常というのは人によって大きく違うものです。そしてこの日々の違いが、その後の人生に大きな差を生みます。当院では食事記録をつけることをお勧めしています。食事記録は行動療法ともつながり、ご自身を見つめ直す非常によいやり方です。
食事が振り返りにくいのは、今食べたものは目の前から消えているということです。ご自身にとって都合のよい情報しか頭には残りません。食事記録はあなたの弱点を知る一番良い方法です。
- 指標を持つ
様々な情報があります。私が一番信頼し、まずベースとすべきだと思うのは、厚生労働省から出されている食事バランスガイドです。肉類、乳製品、大豆製品、果物、野菜。どれもバランスよく食べることが大切だと痛感します。流行で宣伝される食物や摂取方法は色々ありますが、まずキチンとしたデータ、情報の分析から日本人の食事を考え、5年ごとの改訂も加えられてより最新の情報提供となっているこの食事バランスガイドを活用しないことはもったいなすぎます!
栄養のバランスを考え美味しく頂く
ご自身の考え方や勧められた食事療法によって、『果物はダメ』とか、『乳製品は取らない』と言う方もいらっしゃるでしょう。このときに考えて頂きたいのは、食事バランスガイドでは果物は2セービング(手のひら2つ分)とされています。この手のひら2つ分の果物から得られる栄養素を果物を摂取しないのならば他の食べ物での摂取を考えなければなりません。ものすごく多くの工夫と努力が必要でしょう。”肉を食べない” ”果物はダメ” こういった食事スタイル、そのものを選ぶことそのものに異論をはさむつもりはありません。でも、除去した食物に変わる何かを考えなければ、それは単なる栄養の不足、偏りを生むだけです。
なるべく数多くの食材を選び、栄養のバランスを考え美味しく頂く。当たり前だけど、非常に力になる食べ方です。
食事の工夫はこのバランスガイドの基準を満たしているかをチェックし、その上でもう一段の工夫をしていくと考えてほしいなと思います。
ポイントは以下の通りです。
- まず自分を知ろう! 食事記録をつけてみましょう。
沢山の方に食事記録をつけていただいて、その千差万別さに驚きます。そして偏りの大きさにも驚きます。まず自分を知りましょう。そこから始まります。
- しっかり食べよう
タンパク質、野菜、果物、乳製品、穀類(炭水化物)などなど、いろいろな種類の食べ物を食べましょう。特にタンパク質は大事。肉、さなか、卵、大豆製品を順番に。バランスガイドの推奨量が手のひら3-5です。身体作りを考える場合は5つ取る様に心がけるとよいと思います。このときに、大豆製品に偏りすぎないのがポイントです。4つの要素でバランスよく。
- 果物、乳製品はとっていますか?
食事は習慣です。案外果物や乳製品は食べないリズムになっている方が多いですね。どちらもバランスガイドでは2つ(手のひら2つ分)です。両方で4つ。もし、食べないことに決めている場合は、果物や乳製品でとれるはずの栄養素を他で補う努力をした方がよいかと思います。