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0005:柿の食べ過ぎで肩が痛い?? 飲食不摂の症例

肩の痛み、つらいですねえ。また手の痛みや他の痛みも伴ってくることが多いです。

一つ一つの症状を考えていると、それぞれの筋肉がよくないとか、関節の問題だという事もあるでしょう。しかしながら、お身体全体を拝見し、考えていくと、一見よいと思われることも疑問符がつくことがあります。

この症例でも、柿を食べると便通がつくということで非常に多食なさっていましたが、結局それは冷え下しにつながっており、ご自身の生命力が低下してくとともに、体力を減少させることとなり、なかなか治らない関節や腱の痛みにつながっていってしまっていました。

肩の痛みの症例
56歳 女性 コンビニ店員
身長:160cm、体重:50kg
主訴・・・肩の凝り、痛み

【主訴について】
左肩は1年ぐらい前から小指が痛み出しそれから左肩全体が痛い。右肩は11月から急に痛い。同時に、膝の痛み、臀部から下肢にかけての痛み出現。右鎖骨辺りから腕の付け根の前面が痛い。朝起きぬけが痛い。痛い時期は一定しない。関節が痛くて、痛みは移動する。

お話しを伺うと、便秘にだいぶお悩みで、柿などを食べると便通がついてお身体が楽だということでした。しかしながら全体を眺めると、その柿の多食と関節の痛みはリンクしており、柿を食べて便通を起こさせ身体をすっきりさせることはできていても、そのときに身体を暖め養っている陽気までも奪われ、関節の痛みがだんだん治りにくくなっているようでした。

 

【治療経過】

4診まで(週に1度程度の間隔で)
柿をやめたらまた悪くなっていた便通が非常によくなった。
左肩は暖かい日にはあまり痛みがきにならなくなった。
右肩は忘れる日もでてきた。
7診で、肩の痛みはほぼ消失。

柿で便通がつくということで食べ過ぎていて、結局生命力がおちていくと、冷えくだしになっていたため、もっと便通が悪くなるという結果につながっていたわけです。柿をやめて、身体を温め身体の内側にあった風邪をおいだし、胃腸の状態をよくしていくことで肩の痛みも消失しています。

 

【日々を気持ちよく暮らすために、あなたへのアドバイス】

1年前からだいぶ体調が悪く、辛い状態が続いていますね。

肩やいろいろな関節の痛みと、やる気のなさ強いだるさなどは、身体の中の
ひとつの出来事として根本原因は同じです。

もともと胃腸の弱さがあり、便通などの状態がよくないですね。
この上に、ストレスで胃をいためたり、冷える柿などの食べ物で
より胃腸をいためたために、冷えが身体の中に入り込んだため、関節の痛みや
やる気のなさ、だるさとなっています。

柿などの便通のつく食べ物は身体を強く冷やしている場合が多くあります。
今回、便通がついているのに、どんどん関節の痛みや辛い症状が強くなってしまっ
たのはこのためです。食べ物に注意して体をあたためるように心がけましょう。

また胃腸の弱さがありますね。お灸の指示をいたしましたので、できる範囲で結
構ですから、毎日かかさず施灸をするように心がけてください。

がんばっていきましょう。

飲食不節の要因となっている柿の多食を注意し(ただし、季節が終わり、すでに
便秘がはじまっていますので、今後の問題として)、
い、脾気をたてることを治療目標とします。
御自身の養生としては、ストレスと上手につきあうこと。冷える食べ物を
控えることを気をつけて
たいと思います。

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さて、使った穴 初診時のみですが掲載しますね。
左後谿 左神門(鍼、ミニ灸)
左中府、ダンチュウ(ミニ灸)
足三里(灸頭鍼)
身柱(7)、大椎温灸、
左脾兪(鍼、温灸、10)
左右三焦兪(鍼、温灸、ミニ灸)。

後谿は、八脈交会穴の一つで、督脉に通じていますね。手太陽経の兪穴。この督脉に通じると言うところから身柱、大椎と身体の中心を温養していけますし、逆に裏である任脉も膻中を使って整えていきます。足三里、脾兪、三焦兪と脾ー胃ー三焦(脾三焦は子午)というベタなところもつかっております。結構美しい配穴ですねえ・・納得(^^)

石の痛み。鍼灸や漢方あれこれ

石の痛み

身体の中に石が出来ることがありますねえ。
尿路の結石や、胆石なんかが有名でしょうか。
足の指なんかに出来て(それは骨棘って呼ばれますけどね)、足が痛くて
レントゲンをとったらトゲのような白いものが映ったなどという場合があります。

鍼灸や漢方では、昔からこれらに対してあれこれの治療法が提示されています。
まあ、昔はそれしか手段がないし、激痛の上に命がかかわるのですから、色々な対処療法が考えられたのもわかります。

漢方の世界では、胆石でよくでてくるのが茵蔯蒿湯と大柴胡湯のセット。つまり肝の熱がらみというイメージです。そして尿路結石では猪苓湯や猪苓湯合四物湯。こちらは湿熱ということです。つまり、なんにせよ熱を落とすということで石を落とし排出していこうという作戦。

鍼灸の場合でもやはり同様で、外に排出する力と、下に引っ張る力を使っていくような感じがしますね。それに特効穴といわれるような奇穴。また背部腧穴を使って、近い部位をゆるめ石が通りやすくする感じかな。まあ現代だったら、衝撃波で粉砕とか、石を溶かす薬なんていう選択肢や画像診断なども正確でしょうから当たり前のファーストチョイスはそちら。補助的な位置で漢方鍼灸もよいのではと思います。

とくに、背部腧穴は、結局その方の弱りの補強にもなり、身体の建て直しにもつながっていきます。石そのものの目標よりも、カラダ作りをしていこうということのほうが鍼灸のメリットかなと私の感想です。

特効穴は手の示指にあったり、目の下にあったりと面白いのでのっけておきますね。

ついでに、今日の庭。
今年のブドウは本当に本気!
このまま大きくなってくれるのかな(^^)
うれしいじょーー

それでは!

便秘に使うツボ間使、魚の骨が喉に引っかかったときも???

便秘に使うツボ間使、魚の骨が喉に引っかかったときも???

ツボってのの本があります。まあ、一応プロですので、それなりにもっています。でも、まあ本は本(^^ゞ。

そのなかで、ある私の経穴本にこんなメモが。この本は鍼灸学校時代から使っているのでたぶんこの薄い鉛筆のメモは学生時代に、先生の話を聞きながらちょこっとメモしたのだと思います。

まあ、今になって思うと、本当に突然魚の骨が喉にひっかかる事件なんてそうそう起こることはないし(^^ゞ、でっかいのが引っかかったら、内視鏡カメラで見てもらって取った方が現実的。

いったいこのメモはなにをいってんかなあと思いつつ、他の本には間使PC5:邪熱を疏す。邪熱ねえ、むむむと思いながら、ネットを検索すると、便秘に効く情報が沢山。そうなのねえとむむむ。

こういった、単独経穴のハウツーは面白いんだけど、私が素直に(^^ゞメモを書いたころは『そうか!魚の骨が喉にささったときには間使なのね¢(。。)メモメモ』とやっていたんだろうなあ、なつかしいし、その純粋な素人っぽさもいまとなるとかわいい。

で、まあ今ならばどうするのかと言われれば、本当の喉の詰まりだったら食道を内視鏡で見てくれる病院に行くようにとアドバイス。西洋医学的な鑑別は終わっていて刺さった感じがするというようなことだったら梅核気疑いかな。これはまた後日。

では、この間使がこんなにも便秘の治療穴としてなぜ上げられるのかをもうそっと考えてみましょう。

手という気の偏在を動かしやすいというところと、心包経の流注をみると見事に任脉おなかに行くんですね(と、確認(^^ゞ)。ですので、お腹の問題を動かしやすいところであるということが背景。

それでもって、実際に便通異常で使おうと思ったら、子午使いの私はまず胃心包の表裏を使って間使ー足三里。これは子午使い標準装備である内関ー足三里から心包の経穴をみて、胃経の経穴をみてってところで選びますね。足三里の状況をみて裏の脾経をみるのもよいかと。便秘に肝気の問題(肝鬱とかね)なども問題もはらんでいればそちらもみるかも。そしてお腹の力不足があれば腹部上の経穴(気海など)も入れていくと。つまりなんにせよ、便通が止まっている→動かそう→全体の動き調整→お腹の力不足(よーするに気虚気滞をそれぞれのレベルで考え切り分けるってことなんですが)

便秘っていっても、あれこれのバージョンがあるわけだけど、有名経穴はそれなりに理由があると思うので広げて考えると面白いかなあと感じまする。

便秘ってことでもう少し経穴(ツボ)を出しておきますね。間使ってのは手の内側にあります、で、その反対側のところにも有名なツボが。支溝といいます。ここも同様に足三里やお腹の大黄、天枢などのツボと組み合わせて使います。

私がお薦めなのは気海。お臍の下です。ここに力が入りますように!と願いをこめて温灸お灸します。

すっきりと出るといいねえ。

ストレスから来る情緒不安やメンタルのツボ:内関

ストレスってのは、なかなかやっかい。

私たち人間は社会で生きています。そのなかで、生きる意思をしっかりもって人生を歩んでいくことが
私という人の人生にとても大切にもなります。

そしてこの生きる意思がまっすぐに伸びやかであればいいのですけど、なかなかどうして(^^ゞ。

さて、そんなストレスからくる情緒不安やメンタル系のツボとして一つあげるのならば
私は内関(ないかん:PC6)が好みです。

好みといわせていただいているのは、ツボってのは、『出ているかどうか』が最大のポイントで
ただ、内関というツボが何やらストレスにぱこっと効くわけじゃないってことです。だからツボがでていることを見定めて、出ていれば『内関』を状況にあわせて使うという感じかな。出てなきゃ使えないのです。

どんな感じで出ているかというと、それは様々。まあ、緩んで弱っているケースが多いでしょうかね。それと、反対側の外関(がいかん:TE5)というツボも眺めてみると良いかと。こちらは自律神経系の調整に使えることも多いですね。出ている方、動きやすそうな方をとっていくわけです。

置き針をポチッで完了の花粉症対策もあります。

杉、ヒノキと花粉が舞っていますねえ。

松の花粉になると症状がきついとおっしゃる方もいらっしゃいます。

さてさて、花粉症のシーズン。
この地、小田原にはたーーくさん花粉が降っています。

このところ、電車に乗って東京にでかけるのですが、茅ヶ崎を過ぎたあたりでぐっと軽くなる感じがします。
そして東京は花粉が薄い!小田原に帰ってくると花粉増量でげっそり。あーあ。

よく花粉症に効くツボとか、対策などという話が出ますが、
私は基本的には、花粉になるべく接触しないという方に軍配をあげます。
花粉の飛散量が少なければ、個々の体質改善は非常によく効きます。

鍼灸続けていたおかげで花粉症楽になりましたなどという話もいただくことは実は多いですでも、じゃあ、飛散量が多いピークにまったくでなくなるかといえばそんなことは私には言えません。飛散量が少ない地域や少ない年には可能でしょうというのが現実的なところでしょう。

さて、そうはいうものの、案外効く花粉対策もあります。

お薦めの1番は内科を受診

まずお薦めナンバーワンはちゃんとかかりつけの内科の先生に相談すること!
副鼻腔炎や目の状態がひどければ眼科や耳鼻科という選択もやはり必要ですが、
その手前の状況は内科受診が一番ではないかと思うんですよね。内科で相談すると
飲み薬、目薬、点鼻など幅広く相談に載ってもらえるケースが多く、沢山の通院で
ヘトヘトになっていた方など、よかったーと仰ることが多々です。
内科でフォローできない部分を耳鼻科、眼科受診の順番ではと。

お薦めの二番はドラッグストアにあります

次にはこれ。
ドラッグストアにあります。花粉症をブロックするという薬剤。

資生堂薬品 イハダアレルスクリーンジェルクールN イオンの透明マスク 鼻・目のまわり用 花粉

はじめはドラッグストアでみつけました。スプレータイプを使ってみたのですが、なんとなくいまひとつ。そこで、このジェルタイプを使ってみたらよい感じです。こまめにつけ直すのがポイント。花粉を吸い込んだり付着させて症状がでたのを対処するよりも、マスク的な発想で花粉をブロックする方が効果的ですねえ。

お薦めの三番 花粉症の置き針

最後に、治療院でよく使っている面白いツボをご紹介します。
まあ、ツボ選び、実際には首の緊張などをみてつけているのであくまでも参考までというところですが、『首の置き針をしておくと、鼻が楽です』というお声はよくいただきますので、一定の効果はあるのかなと思います。ただし、目にはあまり効きませんねえ。

それは全知というツボです。

東洋学術出版社:鍼灸経穴辞典にあります。

主治は頸神経痛、全身神経痛、リウマチ性疾患、頸部筋肉痙攣、関節炎、片麻痺。
こうならんでいますが、私自身はこれらの症状で使うことはほとんどありません。小さな置き針を皮膚表面にはります。これは身体の上部に滞った気の流れを整えるという感じになります。
ツボはこちら。

首の真横で硬いところにポチです。

 

このツボはあまり有名ではないらしく、ググるとガンダムの全知全能関係がだかだかでてきます。

ツボのネーミングは面白いですねえ。

それでは!
花粉の季節、早く終わりますように。