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頭痛は痛い!! 手強い頭痛にお灸してみよう。

頭痛は手強いですね。

頭痛外来ってのもあるようで、悩みの種になっている方も多いと思います。

さまざまな原因がありますので、

そのあたりは、病院での検査、診断を受け、『つきあっていくもの』に

なっている場合は鍼灸やセルフケアもいいのかなと思います。

今回は、30代女性の症例。

頭痛もちさんです。

症例:30代女性、一週間前から頭痛。

側頭部が中心で後頭部も痛い

この方は、よく頭痛が出るとのこと、いつもは側頭部が中心。今回は

それに加えて後頭部の痛みもあるとのこと。

1)左合谷を2穴、鍼してお灸

たいていはこれでなんとなく動くのですが、今回は動かず。

後頭部の頭痛があるということは冷えが絡んでいるということです。

2)風市GB31,陽陵泉GB34に鍼とお灸。

 大巨(ST27)(お腹)に温灸。

頭痛が頭の天辺に集中してきたとのこと。

3)お臍に温灸、足三里(ST36)(鍼のみ) 太衝(LR3)鍼

 

頭の上に集まってきた熱を取ろうとしました。

15分後、いかがですか?と伺うと、頭痛はOKとのこと。

この治療で、頭痛がどんな感じで治まってきたのかなと思ったので、

 

 

少し候ってみました。

 

私『頭痛がてっぺんから抜けた感じ?』

患者さん『抜けたっていうよりも、すうっと下に納まったって感じです』

良い感じで動いたなと思いました。

最後は背中の置鍼とお灸をして身体の力をつけて終了。
頭痛がおさまってくれますように。

セルフケアのお灸:更年期、養生、健康up

更年期のセルフケア、お灸をしよう!

☆☆更年期からの身体作りのコツ

ちょっぴり衰えが見え始めた土台の力(腎気)と、

衰えをカバーするかのように頑張って生きる意思(肝)である気を張っての生活。

この腎気と肝気の二人三脚が老年期を支えていきます。

器(腎気)の大きさにあわせ、上手に気を張り、気張って生きる老年期の姿がそこにあります。

動画はこちら

動画で説明しているツボに少し追加してお話ししますね。

 手のツボ 曲池(LI11)、合谷(LI4)、

 足のつぼ 足三里、 三陰交、復溜(KI7)

 背中で、首の付け根のツボ 大椎(だいつい)

 背中のツボ 脾兪 腎兪(BL23) 次髎 胞肓(BL53)

 

腕のツボ:合谷、曲池

この二つが腕のツボです。

合谷(ごうこく)はとても有名なツボです。

身体全体の気の巡りをよくしてくれます。

便秘、頭痛、歯痛、なんとなく不調。合谷にお灸しちゃいましょう。

曲池は肘の外側。私はこの曲池に組み合わせて足三里を考えます。

この組み合わせは陽明経という多気多血つまり多くの気と多くの血が存在する経穴の要となるここは、空間的に考えている取穴ともなります。

また、ここに腎兪を組み合わせて考えると、腎という腰椎2番、臍の高さを空間的に肘、膝で取穴していくことにもなり、身体の土台の力をつけるという発想にもつながります。

 

配穴:組み合わせで考えるより効果が出るツボの使い方

 

ツボは1つ1つの役割で考えることもできますが、

組み合わせでより効果を出すこともできます。この考え方を配穴といいます。

私が治療院で患者さんに行うならばこれに、お臍も組み合わせ温灸などをして

効果をより強くしていきます。つまり土台の力(腎気)を育てる配穴として

腎兪、曲池、足三里と考えていくわけです。

足のつぼ:足三里、三陰交、復溜

下肢の経穴です。足三里は松尾芭蕉でも有名ですね。

芭蕉は奥の細道の出発にあたって、

『予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋江上の破屋に蜘の古巣をはらひて、やゝ年も暮、春立る霞の空に白川の関こえんと、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず。もゝ引の破をつゞり、笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、松島の月先心にかゝりて、住る方は人に譲り、杉風が別墅に移るに、

 草の戸も住替る代ぞひなの家』

有名な奥の細道の序章です。

この芭蕉の、『ああ、旅に出たいという』浮き足だった感じがいいですねえ。

片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず
身体はおじいちゃん、心は少年の未来少年コナンならぬ、いにしえおじいちゃん芭蕉!
って、話しがそれました(^_^;)。

復溜(KI7)は少陰腎のツボ『腎虚すればこれを補う』とされる有名なツボです。

三陰交という肝、脾、腎の三つの経絡が交わる要所とも近く組み合わせてパワーアップです。

背中のツボ 脾兪 腎兪(BL23) 次髎 胞肓(BL53)

最後に背中のツボです。

背中のツボは養生にものすごく効果的です。

脾兪、腎兪、次髎とあげましたが、基本的にはその方の弱ったところをみつけて、

8-10個ぐらい選びます。

手足と違って自分ではやりにくいのが欠点ですね。

治療院では、印をつけて、ご家族にやっていただいたり、シールをはって

ガイドにして、ご自身でやっていただくようにもしています。

これらツボを参考にしていただければと思います。

肝兪、脾兪、腎兪、大腸兪、次髎です。

お灸はこんな感じでしてくださいね。

健康養生に、お灸で毎日セルフケア

健康養生に、お灸で毎日セルフケア

日本では、足三里のお灸が健康にとても貢献すると昔から言われています。
かの江戸時代の旅人、松尾芭蕉も『三里に灸して旅に出る』というほど、この
お灸は、胃腸を上部にし、足腰をすこやかにし、長旅を支えてくれる効果があります。

下腿の膝下にある前脛骨筋tibialis anterior (muscle)の上端に位置しています。

鍼灸院で灸点をおろしてもらい、温灸や、ミニ灸で毎日刺激するのが効果的です

病気予防や、体力増強といった効果意外にも、むくみや胃腸の症状や、膝の痛みなどにも効果があることがあります。

健康養生法でツボを使うときにはコツがあります。

1)ご自身に効果のあるツボを目的に応じて、全身を診たもらった上で、5−6箇所の
ツボを選ぶ
2)組み合わせたツボに対して継続的に行う
3)最初は1週間後、そのあとは2−3週間ごとに、全身をチェックして貰い、ツボの位置を検討する。

これが、全身の健康を高めるコツです。
人によって、必要なこと、効果が出やすいツボは違います。
間違ったことを長期的に行うことは効果がないばかりか、余計な偏りを強くすることもあります。

私自身、毎日、背中のツボに養生のお灸をしています。ツボはスタッフに毎回選んで貰っています。身体は日々変化しますので、それにあわせるのが大事だと私は感じています。そして継続的に行うのが一番大事。

何事においても、継続は力です。
がんばりすぎずに、がんばっていきましょう。

無気力、やる気がでないときに

無気力、やる気がでないということがありますね。

精神的にも様々な病名がつくケースもあるかと思います。

人間は、自動車を運転しながら生きている生き物だなと思うことがあります。

自動車は身体そのもの、そして運転している人が頭脳精神活動を主っています。

車そのものには、いろんな性能があって、大きくて頑丈で燃費の悪い車もありますし、小さくてもコンパクトで走りやすい軽自動車のような車がありますね。

自分の身体が軽自動車のようなパワーと頑丈さであるのに、頑張りすぎて毎日ぶんぶんとアクセルをふかしていると、あるときに、どうにもこうにも車が動かなくなってしまいます。

どうにもやる気がでない、無気力だと思ったときには、自分の精神や頭脳活動がどのように自分の車そのものを運転してきたのかを振りかえってみるのもよいのかもしれません。

そして、頭脳が暴走族で軽自動車を無理させすぎていたようだったら、その車を手入れし、車の運転手としての自分の人生を歩むときの運転方法も考える必要があるのかなって思います。

自分という車にあった運転をすれば、軽自動車で会っても東名高速道路にのってあちこちに行くことは可能ですし、箱根峠を登って芦ノ湖の遊覧船を見に行くことも出来ます。

いとおしい自分の身体をいたわって、上手な運転手になりたいものです。

この症例では無気力で気分が落ち込むということを、東洋医学の世界でいう、肝(生きる意思)、脾(胃袋の力)、腎(生命の土台の力)という三つの観点から、鍼灸の手入れと、ご自身の養生によって立て直し、その後の人生をご自身なりに歩んで行かれた症例です。

 

お体の手入れのポイントとしては、まず胃腸の状態をよくすること。

つまり、胃袋をしっかりさせて、生き物としてのありようをたてなおすことです。

この症例では、内関、足三里、脾兪、三焦兪などというツボをつかっていきました。これはご自身での養生で毎日お灸などをしていただいてもよいかと思います。

そして、あまりにもグズグズと気持ちが鬱滞したときには、少し”梳かす(すかす)”つまり疏通させることもアリです。ただし、気力という体力があまりにもないときには、梳かすものすらないわけですので、そういったときはあせらずに、淡々と規則的な日常をこなすようにされる方が良いかと思います。

そしてもう一つが、生命の土台作り。つまり腎を養い育てることです。この腎は生殖の力にもなります。

腎の力は余力、つまり貯金です。日常生活で困ったときには貯金を引き出して補住することも必要ですが、毎日それをしていては借金まみれになってしまいます(^^ゞ。基本的に、貯金を積み増しするような生活をして、十分余力のある日常をおくれるようにしたいものですねえ。

 

せっかくの人生、自分の車にのって、色々な風景をみたいものですねえ。

 

ストレスや緊張、不安で引き起こされた不妊(34歳出産)

0013 腰、背中の痛み、脱力感→痺症、風邪の内陥でのアプローチ

75歳の男性。

2年前から灸に発症した様々な痛み。
病院での診断は、線維筋痛症ということになり、抗アレルギー剤、ステロイド、痛み止めで
なんとかコントロールされていました。

骨の状態が悪くなり背中も曲がってきてしまったと言うことで来院。

おからだを拝見すると、風邪の入り込みと、強い気逆から引き起こされた脾気を中心とした気虚。
つまり気虚気滞が身体の中にあり、つよい気滞によって痛みが発症。その痛みを増強させているのが
風邪という構図ですね。

病因病理相関図作ってみました。
わかりやすいかな(^^)

治療は割とシンプルです。
百会、風門、肺兪、大巨、足三里、胃兪、脾兪、腎兪。

面白かったのは下肢の委陽から承山までをしっかりと温補したことによって、グットからだが
温養されたこと。上焦の強い気逆ですので下をつかってって吉でしょうかねえ。