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足底の痛み、お灸の効果

足の裏の痛みに八邪穴

動画はこちら:お灸の使い分けその3 八邪穴2023/10/02

八邪穴という手の甲、足の甲のツボ

八邪穴は、正式には×のついているあたり。
しかしながら、痛みや気の巡りを考えての取穴をすると、○のところの反応を取った方が良い場合があります。

足の八邪 お灸 八邪穴 リウマチ

ツボの取り方ですが、×のついているほうが、より八邪穴という邪気を払うのには効果的で、○の方は全身の理気に効果的という感じです。このあたり、東洋医学的には突っ込みが来そうなあたりで、細かく用語の定義をやろうとは思いませんが、私は○の点で取穴する方が多いのですが、今回は足底の痛みに対して、どっちの方が効果的か比較のために両方やってみました。全身の理気(つまり全身をスッキリさせるという観点)では、○の方がよいと思うのですが、局所の効きでは×かなあという予想建てです。

 

足の八邪 お灸 八邪穴 リウマチ

こんな感じで取穴して、お灸

 

 

 

 

 

 

 

両方試した患者さんの感想としては、どちらも足の痛みがなくなり、軽く、足先に血が巡っている感じと。いいですねえ(^^)。そして×をつけた今回の方が、若干治療効果の持続が長いとのことでした。

 

これはいろいろな条件によるとおもいますので、一概に1例報告で云々言うのはどーかなあとは思いますが、案外面白いなあとおもうところです(^^)

ご相談:首や肩、手。足など多くの関節が痛く困っています。

さまざまな痛み、辛いですねえ。

湿気のシーズンになると、特に多くのお悩みを伺います。

東洋医学で痺証と言われるような、ご自身の身体の弱さと、外的要因がリンクして痛みや重さとなる場合が多くあります。西洋医学での病名ではリウマチの診断の方が多いですね。

痺証については、東洋医学での対応が力強いものとなる場合が多いです。
漢方薬も保険適応になっているものが多いですから、力強いパートナーとなってくれるかと思います。

 

☆慢性関節リューマチ、頸肩の痛みに対する鍼灸の効果

 

リウマチ、慢性関節リウマチは、この数年、本当に薬が進化しましたね。
おそれずに、まず病院に行き、しっかりと診断、フォローしていただき、適切な投薬をなさることはとても大切だと思います。

そのうえで、やはり手に余る症状もあるかと思います。
手や肩、下肢などさまざまな痛みやこわばりなどの症状を、なるべく軽減し、
薬をパートナーとしつつも、鍼灸治療で、身体の力をあげ、免疫抑制剤やステロイドなどの使用をなるべく少量に抑え、薬の効きをよくし、痛みやだるさを軽減していけるようにと願っています。

 

今日はそんな症例のご紹介です。している症例です。

リウマチが辛い、弁証論治

☆リウマチの症状がつらいです、どうしたらいいでしょうか?

リウマチで手、肩、膝、足のこわばりや痛みがあります。

風邪を引いたりすると全体の症状が悪化しますし、
気圧、湿気、忙しさなどいろいろな要因で悪化します。

西洋医学の病院も並用し、免疫抑制剤なども服用していますが、なるべく
薬を少なくしたいと思っています。

リウマチは長い経過で、付き合っていかなければならない病気だということは
理解しています。妊娠を希望してた頃から取り入れている鍼灸は自分にとても
あっているのかなと思っています。

いろいろな症状の悪化の時に、薬を増やすことなく、乗り切っていきたいと思います。
どうしたらいいでしょうか?

台風や、湿度があがったり、季節の変わり目などや疲労などで手、肩、足の指、膝などの
状態が悪化します

☆ご相談にお答えして、東洋医学的診立て

リウマチはなかなか手強い疾患ですね。
無理しすぎずに、上手に西洋医学も取り入れながら対処なさっていると思います。

東京女子医大膠原病リウマチセンター

いまのリウマチの症状は、東洋医学でいう痺証(ひしょう)という状態ですね。
この痺証は、ご自身の身体の弱り(正気の虚)、風邪(外邪)、蓄った湿気やオ血(オ血湿痰)の課題が重なり合い現在の症状となっています。

リウマチなどの痺証は、ストレスや妊娠、出産など大きな身体の状態の変化の時期の身体の弱りに乗じて発症します。1度発症してしまうと、単なる対処療法的な治療だけでは状態の好転に進むことが難しくなってしまっていると思います。

お身体の状態を良い状態でキープするには、


1)さまざまな症状に振り回されずに、身体の弱りを立て直すことが第一とする
2)症状のある場処への対応は1)が主軸であることを認識した上でおこなう。

この二点は非常に大切です。
つまり、身体の生命力をあげていくということを主眼にするということです。

どうしても、首や肩、足など症状のあるところが気になり、その症状を治そうとしてしまいますが、
1)の課題がそのままだと、悪化の悪循環に陥ってしまいます。まずしっかりと身体の弱りをとり、
その上で余力に応じて2)の症状のある場処への対応をしていきたいと思います。

1)への手入れがしっかりと出来れば、自然とさまざまな症状は軽くなり2)の対応も穏やかな治療で効果的なアプローチになってきます。

また、1)の治療の補足となっていけるようなセルフケアもお伝えしますので、日々の養生のヒントにしてくださいね。

あせらず、いきましょう。
必ず、状態はよくなると思います。
そしてご自身の人生を楽しめるようにと願っています。

☆☆東洋医学的な診立て

弁証論治
肝欝気滞、脾気虚損、風邪の内陥。
益気補脾 疎風散寒

・治療方針
まず、風邪を取り去ることを第一とする、また外寒風邪が入り込んだときも取り去ることを第一とする。
脾気を補い全身への補気とし身体の力をあげていく。
必要に応じて、肝欝気滞をとる。

 

☆温灸を中心としたお灸治療

治療方針にそって、週に2回のペースで施術。

治療
膝上三点施灸(写真)
大椎の三角温灸(写真)、脾兪、三焦兪(BL22)、次髎(BL32)鍼して温灸その後温灸
下肢三点お灸(写真)

必要に応じて、百会、曲池(LI11)、足三里(ST36)、合谷、気海、大巨(ST27)、失眠、肺兪(BL13)、

季節要因や、気圧、湿度、花粉、疲労などさまざまな条件によって、体調は変化し症状も変化するものの、鍼灸治療を中心として漢方などの東洋医学のツールを使うことによって、症状があるものの穏やかに経過し日常生活や人生のイベントを十分楽しめる状態を保っている。

 

☆慢性的な病気と付き合うコツ

 

慢性関節リウマチは女性に多く、ストレスや妊娠、出産を契機に発症したり悪化したりする手強い疾患です。

現在、西洋医学の薬が非常に良く発達し、心強いパートナーとなってくれていると思います。
まず、病院やドクターを信頼し、しっかりと状況を把握していただき、むやみに薬を怖がらないことはとても大切なことだと私は思っています。

なぜならば、1度破壊された関節は元に戻りません。しっかりと炎症をコントロールすることはとても大切です。炎症をコントロールしたうえで、体調をあげ、薬の効きをよくし、薬が少しでも減らせるような努力をするという順番が、ご自身にとって大きなメリットがあると思います。

この症例の方は妊娠の希望からはじまり、産後の悪化、ストレスによる悪化など色々な事がありましたが、上手につきあい、乗り越えていっています。

健康状態を保ち、毎日を楽しく過ごせるお手伝いに東洋医学や鍼灸がなっていければとてもいいことだと私は思っております。

リウマチ、背中の温灸で体力パワーアップ!

リウマチの治療は、ここ数年で非常に薬が発達しています。
日本リウマチ学会

これは本当に朗報で、昔は関節の破壊から手術になってしまったり、
大きな不自由につながる方も多かったのかなと思います。

現在では、発症の初期段階でガツッと投薬を受け、
関節破壊の進行をとめるのが主流だと思います。

ただ、やはり強い薬にはそれなりの課題もあり、
体調の維持管理という意味で、鍼灸を取り入れている方も多くいらっしゃりますね。

☆全身の力をあげて、リウマチや薬の影響を小さくする

リウマチに対する治療について、色々な考えがあると思います。
西洋医学的には、リウマチの根本原因である、自分に対する破壊を強く薬で
コントロールし、破壊を止めると言うことだと理解しています。
まず第一に選択し、リウマチによる関節の破壊を防ぐのは本当に大事です。

いたずらに薬を怖がらず、必要な時に必要な薬を使い、病気をコントロールしていくのは、慢性的な病気の場合には本当に大事です。

しかしながら、自己免疫疾患であるリウマチの進みを止めるということは、
免疫抑制的な方向にも治療が向きます。

全身の力をあげていくということを並行しておこなうのは、
ご自身の健康を長い目でみたときにとても重要な視点だと思います。

☆リウマチに必要な、東洋医学臓腑の力

東洋医学では、臓腑と経絡という考え方をしています。

これは色々な考え方がありますが、私は簡単には臓腑は体幹と経絡は手足と考えています。

臓腑と経絡 体幹と手足。

臓腑の役割:
→食べ物から栄養を取り入れ、滋養を取りこみ、身体のパワーをつくルプロセスです。

経絡の役割:
→滋養を全身に巡らせ、活動的に生きていく動きを作る

まず大事なのは臓腑なのです。

臓腑のパワーアップが、経絡の病であるリウマチの根本を支えます。
そして、リウマチの薬がそこなうのも、この臓腑の力。
だから、”怖い薬”と思う方も多いのでしょう。
必要な薬は取り入れ、臓腑の力を東洋医学の力でアップしていきましょう。
これは、どんな病気であっても、共通の重要事項です。

☆痛む関節の手入れ

大事なのは臓腑ということを踏まえると、痛む関節そのもの手入れは、
積極的に行うのではなく、臓腑を補った上で余力があればしていくということになります。

治療というのは、あれもこれもと取り入れると、結局、何も効かないになってしまいます。的を絞ってしっかりとです。

☆リウマチの動きにくい手足に、お灸や針

リウマチの王道は、臓腑の手入れ、その次に手足末端の手入れということを踏まえて、当院で実際にやっている治療を紹介しますね。

また、お灸でのセルフケアもとても有効です。
是非やってみてください

☆背骨の手入れに△温灸 臓腑対応

この三角温灸は頭から骨盤までの背骨の上で、弱いポイントにしっかりと温灸をいれていくやりかたです。

リウマチ、喘息など、身体の疲れ、虚損病。
冷えの入り込み、風邪の内陥、全身の気の巡りの悪さなどなど
多くの状態に対応してくれています。
生命力の底上げの鉄板というところです。
実は米山も週に1度はこの三角温灸を受けています。
全身の疲労感が一皮むける様に楽になるという感じですねえ。

☆足首の鍼や温灸

この足首の鍼は足首に対応するというよりも、首に対応すると考えていただいた方がよいです。

すなわち、足の踵を頭と見立てて、そこから伸びるアキレス腱を首と考えていきます。いわゆる遠隔取穴です。

この足首の鍼にお灸を組み合わせることで、足の血流がよくなり、結果的に全身の血流がよくなります。

 

 

 

☆手足末端のお灸

この黒い印のところがお灸の印です。他に足などのツボもお灸します。

この末端のお灸は、しっかりと気を通すことにつながり、

重だるい、動きにくいなどと言うときに効果的です。

 

 

 

 

リウマチの方に、温灸を中心としながらの鍼灸。
身体がほっとしますよ。

歯の痛みには、歯医者さん! おまけのその②

歯の痛みってのは、やっぱり昔から悩みの種だったんですねえ。
面白いツボを見つけたのでオマケで紹介します。
でも、

まず第一に歯医者さんにいきましょう。
いや、第2も、第3も歯医者さんです!!

 

これは変わりません(^_^;)
その①ものっけておきます。
歯の痛みには歯医者さん!

そして、ここで紹介している手の経穴は基本的に
そのばしのぎのセルフケア 

ということも、知っておいてくださいね。
歯医者さんが怖いとか、嫌いとか、よくわかります。
でも、歯は財産ですよ!! 大事にしましょう。

ちょっと復習もしておきましょうね。

図:

この中の、手三里(LI10)と偏歴(LI6)がよく効くツボとされています。
他に合谷(LI4)は鉄板でおすすめ。

やり方→
熱抜きのセルフケアではこれらのツボを、
鉛筆の芯をあまり尖らせずに、トントンとしましょう。
ここから熱が出ていくというイメージです。
案外効きますよ。
鍼灸治療実際では鍼をつかっていきます。

 

今回はこれらツボに加えてこのツボ。
歯痛のツボ
んーこれはどうかなあ。
まあ、手のひら側にあるので、自分でマッサージもできますかねえ。
やってみてください(^^)

胃腸と土台の力(腎)を底上げして歯を健やかに!

さて、やっぱり一番大事なのは、身体の力upです。歯を養うには生命の土台の力(腎気)を養うことが一番であり、腎気を養うことは全身の余力をつけ、より健康なお身体を作ることになります。

歯だけが存在するのではなく、全身に歯というパーツがあるわけです。
背中の養生のツボをセルフケアでお灸するのが鉄板だと私は考えます。
やってみましょう!

 これら背中のツボを毎日お灸は鉄板の養生となります。
センネン灸でお灸をしましょう。
やってみてくださいね(^^)

歯の痛みには、歯医者さん! セルフケアもご紹介

歯の痛みは辛いですね。

まず第一に歯医者さんにいきましょう。
いや、第2も、第3も歯医者さんです!!

年配の方の後悔することの一つに、『歯をもっと大事にしておけばよかった』という項目が入ります。それほど歯は大事で、1度失うと取り戻せない大切な身体のパーツです。

さて、そんな歯の痛みですが、昔は歯医者さんがなく、この痛みをどうしたらいいんだと悩んだ歴史は長いと思います。

鍼灸もその役に立ってきた部分はあると思います。

まず第1に歯医者さんということを踏まえて、セルフケアも考えていきましょう。

歯の痛みをお灸で、そのばしのぎのセルフケア

古い時代、お灸は痛みや病気になんとか対処する大事な道具でした。
歯が痛いとき、とにかく痛みをやわらげる、そのばしのぎのセルフケアもやっぱり
あっていいのかななどと私は思います。

歯の痛みは、東洋医学で考えれば、歯という場処に課題があり、気血が集まって熱がでて、
局所に熱や腫れがでていると考えます。ですので、その熱を逃がしてやると言うことが、
そのばしのぎのセルフケアの目標となります。

歯の痛みに対してこんな灸歌があります。

・灸歌より

『歯痛には大腸経の偏歴ら翳風 頬車 肩の凝りにも』

大腸経というのは、手の陽明大腸経。図で言うと人差し指の先の商陽(LI1)から、合谷(LI4)、偏歴(LI6)、温溜(LI7)、手三里(LI10)と続くLineです。

図:

この中の、手三里(LI10)と偏歴(LI6)をよく効くとしていますね。

他の文献では、合谷(LI4)は鉄板で勧められています。また腕の中央の温溜(LI7)も有名です。
熱抜きのセルフケアではこれらのツボを、鉛筆の芯をあまり尖らせずに、トントンとしましょう。
ここから熱が出ていくというイメージです。
案外効きます。
鍼灸治療実際では鍼をつかっていきます。

☆顎周りのツボ

顎周りのツボも有名です。

翳風(TE17)と頬車(ST6)をあげておきますね。

このあたりは、置き鍼(パイオネックス)を貼るのもよいかと思います。

また耳の前の口を開閉して顎の動きを出し、左右差があるところにも
置き鍼と言うことも効果的です。
顎の痛みや開閉の不都合によく効きます。

 

目や歯、耳の症状によく効く手のツボ

似田先生ブログより

顔面部の症状は、先ほど説明したにつながることがおおく、鍼灸でも有名なツボが多くあります。

この赤い点の二間は、ものもらいで有名です。ここにお灸を据えると物もらいの違和感や腫れがひいてくれます、これも案外よく効きます。合谷(LI4)の近く。つまり手のツボは顔面部の熱症状をやわらげてくれるわけです。

胃腸と土台の力(腎)を底上げして歯を健やかに!

そのばしのぎのセルフケアをいくつかご紹介しましたが、歯の健康はすなわち、全身の健康です。そのばしのぎは熱取りが中心となりますが、歯を養うには生命の土台の力(腎気)を養うことが一番であり、腎気を養うことは全身の余力をつけ、より健康なお身体を作ることになります。

歯だけが存在するのではなく、全身に歯というパーツがあるわけです。

さて、いろいろな歯痛に関するツボをみていると、結局、

1)歯痛には清熱→手、前腕のツボ
2)胃腸を健やかにして、口や歯を健やかに→胃腸のツボ
3)土台の力(腎気)を健やかにする→腎のツボ

という感じになっています。
これを東洋医学風にいうと、
1)に関してはそのばしのぎのセルフケア、直接的な熱取りにつながります。
痛い!というそのばしのぎをするには、手のツボです。

2)陽明経絡の胃経と隣り合わせの胆経の間の経穴です。これは全身の中での胃熱を取ろうという発想で、もう少し全身を整えるという発想が加わってきます。胃腸の経絡のツボなどを中心に歯からは少し遠い、足の経穴を使うわけです。
足三里(ST36)、側三里/側下三里、稜下穴+四花外(下腿中央)

3)全身の養生につながる腎の経絡
太溪(KI3) 経絡的な表裏となる膀胱経の崑崙(BL60)
これらは全身を養い、歯、歯茎を強くし養おうという発想になります。そのばしのぎ的には
弱いかも知れませんが、急がば回れです。歯の弱さを感じているのならば、Let’sセルフと
なります。

歯のことを考えるなかで、面白いなというツボがあります。三叉三というツボです。
私はこのツボをリウマチなどの関節に熱を持ちやすい人の調節穴として使うことがあります。
これを同じように歯痛の人に全身の調節的に使うという発想があるようです、全身の熱の調整と、手の経穴なので、ダイレクトな熱取りにもつながりやすいのかなと思います。

以上、色々書きましたが、歯の痛みは第1に歯医者さんは忘れずに。
そのばしのぎに困ったら、鉛筆でトントンやってみてください。