「気虚を救う」 不育症、血液凝固系亢進の方のカラダ作り
血液が固まりやすい病気というと、血栓から心筋梗塞、脳梗塞などがあるでしょうか。また若い方ならば流産を繰り返す不育症もはいってきます。またガンも血流がよいことが大事とされています。
血流をしっかりよい状態に保つ、このことを少し考えてみました。
血流が悪いと言うことと、血液が固まりやすいということ。この二点をすんなり重ねるのはちょっとイメージがわきませんでした。しかしながら、血液凝固系の特殊な検査をなさった方々の結果を候うと、血流が悪いという東洋医学的なイメージと重なります。つまり血が固まりやすい方は、血が固まりやすい特有のリスク(血栓など)のほかに、血流が悪いという状態が引き起こす、生命力への負担も抱えているのだなと理解できました。
そこで、今回は特に、血液凝固系の亢進を持つタイプ。つまり血が固まりやすいという状態の方のケースを具体的に考えていきたいと思います。
家族歴に脳梗塞、心筋梗塞のあるかた。また流産を繰り返す不育症の方も該当します。
” 子どものころから冷え性で冬が辛く感じるような陽気不足があり、20代後半から夜間排尿が出るように、腎気は不足気味であり、このころに脾気(胃腸の力)も落としている。
このころより、しもやけが再発。足が冷たくて眠れないようになっている。また、同時期に口呼吸が多くなり口が渇くという愁訴が出ている。肝気の横逆で脾気が落ちたことが体重の減少まで到達し腎の器がひとつ小さくなってしまったと思われる。”
しもやけは、血液凝固系の問題が現れる人のチェック項目です。
しもやけは冷えを受けると手足末端が赤くなりかゆくなりますね。
血液は、流れることでその場を養い続けます。流れることが出来ないことが=血流が悪い、滞る、血栓ができやすいという事ではないかと思われます。血栓ができやすい因子をもっていると、この条件をより悪化させるのでしもやけという症状になるわけですね。
”小さくなった脾気は、心気への養いを充分にすることができず、つよい肝鬱による内熱もあったため、口を渇かし、焦げ臭い体臭となっていった。”
この状態が、冷えと熱の二極化です。末端は滞り冷え(寒凝気滞血瘀)、そして中心は滞りがあるが故の熱化。
お風呂で言えば、底は冷たいのに表面だけが熱いという状態です。
ここで、気血の巡りをよくする努力をする必要があります。
ストレスをためない
軽い運動をする
胃腸を健やかにしてしっかりと栄養滋養を取り込む
温灸、お灸をしておく
こんな地味な努力が案外効きます。
冷えと熱は同時に問題をおこすことがおおいです。
そしてことに、熱は非常に問題をおこします。
熱(心熱)は体質的なものだから、心熱だけを取り去ることは無理です。陽虚(冷え)に傾きがちな、陰陽両虚である素体を余力ある状態に保っておくことが大切なのです。つまり、冷えに傾きがちだけど、陰気も、陽気も不足しているということがポイントで、冷えに傾いているけど、問題を出しているのは、『心熱』という熱なのです。
この状態が亢進すると、身体は痩せてしまいますし、血液はより固まりやすくなります。重度の上実下寒の状況があるわけです。
私が、ただ単に『冷やさないこと』を目標にしてはいけないということを考える根っこがここにあるわけです。
気虚を救うという発想が一番安全で効果的で優先すべきでしょう。