逆子ちゃんのケアについて
逆子ちゃん、ときどきいらっしゃりますね。
鍼灸で逆子を治そうということが有名で問い合わせも結構あります。
どんなときに逆子ちゃんになるの?
いろいろなケースがあるかと思いますが、ときに、逆子ちゃんは、お母さんがちょっと頑張りすぎているときにおこることがあります。
赤ちゃんはお腹のなかでよく動いて成長します。
そして出産のその日までお母さんのお腹の中にしっかりと留まり日々をすごしていくわけです。
つまり、子宮(女子胞)が赤ちゃんを支え、上向きのベクトルを保ちながら日々をすごすのです。
お母さんがちょっと疲れていたり、下向きのベクトルがでがちな状況の時に、子宮(女子胞)は赤ちゃんを守り、赤ちゃんが安定を保つために強い上向きのベクトルを出します。これがつわりや逆子の状態です。
また、血流が足りなかったりするとお腹が硬くなります。ゆとりがなくなっちゃいますね。
逆子ちゃんの治療では、血流をあげお腹を柔らかくゆったりさせること。そして適度な上向きのベクトルをもつようにと調整します。適度というのは、「上向きベクトル」は赤ちゃんが保つために必要なことですから、このベクトルがなくなってしまうと、赤ちゃんが不安定になります。
つまり、下向くベクトルがでそうなほど不安定だから、がんばって上向きベクトルをだしているというのが、背景にある場合がおおいんです。
上向きベクトルによる症状は辛いです。
でも、その辛い症状は赤ちゃんを守るためにでていたりもするので、
このあたり、症状だけとるという発想は危険です。
☆私が逆子ちゃんのお腹を拝見していて、ケアがOKという条件について
1)お腹が硬くないこと。
2)お腹がそれなりの大きさをもっていること。
3)お腹の重心が上向きであること。
上記3点を注意して拝見しています。
この3点をみたしていなければ、逆子や辛さのみに注目した施術はしないです。
しないほうが赤ちゃんにとって安全だからです。
☆逆子ちゃんはそのままだとどうなる??
むかーしむかしは、逆子ちゃんでも経膣分娩が行われていた歴史があります。帝王切開などの処置がないときにはあたりまえのことであったりもしたわけです。そしてその結果とても大きなリスクを背負うケースがあったために、逆子ちゃん=帝王切開となったわけです。
ただし、ときどき逆子の経膣分娩を行っている産院をおみかけします。これはクリニックと患者さんが双方納得すればOKということですね、そして上手く行けば開腹せずにすむわけですから大きなメリットがあるとはいえます。
☆逆子ちゃんの矯正は?
逆子ちゃんには外転術という、外側から赤ちゃんを回すという矯正がおこなわれることもありあmす。
外転術 https://www.ncchd.go.jp/hospital/pregnancy/senmon/kotsubani.html#03
以前に、とある病院でこの外転術を行っていらっしゃりました。当院の患者さんもお二人訪問されました。お一人はそのまま外転術を受け逆子が矯正され無事に経膣分娩にて出産。もうお一人は外転術をしているドクターではない方が初診、外転術などとんでもない!と説得され、結局帝王切開になりました。
上記サイトを拝見すると、外転術というのは成績もある程度あげられているし、緊急対応が出来る環境下ならば選んでみる価値はあるのかと思います。
☆逆子ちゃんの鍼灸治療について
ご自身で出来ること:
まず、逆子ちゃんは何もしなくてもある程度は治ると言うこともしっておいてください。
このときに出来ることは、
1)ご自身が疲労をとり、ゆったりとした時間を過ごし、お腹の血流をあげ柔らかいお腹をつくる。
2)お母さんが頑張りすぎたり、緊張しすぎたりせずに上向きの過剰ベクトルを納める。
鍼灸治療について:
1)身体の疲労をとる。全身の血流を改善する
2)子宮(女子胞)の血流を改善し、柔らかいお腹を作る
3)強い上向きのベクトルを調整する。
逆子のお灸として、「至陰のお灸」が有名です。これは強い上向きのベクトルを納め下向きのベクトル出し、血流を改善し、結果的に全体の気の巡りがよくなり動きがつきやすいというイメージで使っていきます。
1)2)の前段階があれば、3)のベクトル調整が上手く行きます。ちゃんと前提条件を踏まえることが大事です。
鍼灸治療の実際:
妊娠30週、逆子にて来院。病院で24週から逆子が治らない
1)肺兪に温灸
2)脾兪、三焦兪、腎兪、気海兪に鍼して温灸で置鍼20分
3)三陰交に鍼+ミニ灸 至陰に棒灸、冷えの残った右至陰にお灸 腹部棒灸
1度の施術にて頭位。無事に経膣分娩に手出産。
こちらの症例については不妊カウンセリング:38才流産後の不妊 40才、42才の出産
まあ、逆子ちゃんは、むりせず、ゆっくり。
そして鍼灸も取り入れてみる価値はありですよ。