概要
化学流産後の不妊。自然妊娠40才出産、自然妊娠逆子がなおり無事に第二子を42才で出産。出産前のセルフケアでゆったりと出産。
(この症例の第一子の詳細は→化学流産後の不妊、自宅でのセルフケアで自然妊娠(40歳、42歳出産))
【case:0210】【静岡県】
ご相談内容
第一子は、不妊で悩んだ時期もありましたが、鍼灸治療のケアもあり自然に妊娠し無事に40才で出産しました。1年8ヶ月後再度自然に妊娠しました。
妊娠24週から逆子です。自然に治るかなと思っていましたが、なかなか戻りません。どうしたらいいでしょうか?
東洋医学的診立て
逆子ちゃんなのですね、基本的に自然と治ることが多いかと思います。ただ、手入れをするならば、早めの方がよいと思います。少し鍼灸でお手伝いさせていただきますので、一緒にがんばってみましょう。
第一子の時に立てたお体の診立ては、今回も変わりません。素体の支える力が少し不足していること、身体の気のベクトルで上向きが強く巡りが少し滞りがちであることは逆子ちゃんにつながっているかと思います。無理のない範囲で調整してみましょうね。
東洋医学的弁証論治
弁証:腎虚肝鬱
論治:益気補腎 疏肝理気
治療方針:腎気を充実させ、肝気の調節をおこない、自然な気の巡りを取り戻す。
逆子の調整;肝欝気滞がきつく、下焦の冷えと上焦ののぼせの可能性が高い。このために相対的に女子胞への気血が集まりにくく、女子胞への血流の低下となっているのではないか。
1)軽く脾肺の気を補い全身の気が動きやすくする。(肺気のベクトルを強く出し過ぎない、全体を補い気の動きがよくなるようにするという目的)
2)強い気の上逆を納め、気の昇降出入の動きをよくする。
3)下焦を温養し女子胞の安定度を高める。
治療経過
妊娠30週、逆子にて来院。病院で24週から逆子で治らない
1)肺兪
2)脾兪、三焦兪、腎兪、気海兪
3)三陰交鍼+ミニ灸 右至陰に棒灸 腹部棒灸
1回にて頭位に戻った。その後39wまで週に1度程度来院。
出産に備えてのセルフケア指導
道路事情、遠方からの通院を考慮し、臨月からは自宅のセルフケアをお伝えする。
出産前:温陽補脾補腎、背部兪穴を中心として自宅でも背中のお灸をする。
陣痛が来たら:手のツボ、足のつぼを使ってお灸、あるいは置き鍼を貼ってください。
右の合谷 中渚、足の三陰交 右の臨泣
右手のツボです(右手だけです)。右の合谷(ごうこく)と、右の中渚(ちゅうしょ)というツボです。
右足の臨泣(りんきゅう)というツボです。
左右の足のツボです。
太陰脾経という経絡の三陰交(さんいんこう)というツボです。
三陰交は1つのツボですが、周辺に反応がので、経絡のラインにそって2つずつツボをとってあります。合計4つです。
無事に出産。おめでとうございます。