カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代前半 つわり・妊娠中

唾液の量が増える「よだれつわり」が辛い(32歳出産)

概要

妊娠10週より始まった唾液過多、よだれつわりの症状がとても辛い状態でした。生命力の不足、偏りが原因ですので、シンプルに全身の生命力を上げる治療をしたところとてもよくなりました。妊娠中はソフトでシンプルな治療がとても大切ですね。

(この症例の弁証論治→よだれつわり 妊娠中の気になる症状
【case:0026】

ご相談内容

妊娠10週目からとても唾液が多いという症状が突然始まりました。夕方がつらく、食事のあとにとても唾液の量が増えます。また、頭痛、目の奥の痛みなども強く、寝つきが悪くなってしまいました。産婦人科で相談しましたが、つわりの一種だから様子をみるようにと言われて何も治療はしていません。少しつわりが治まり楽になってきたのかと思った途端に、とても辛い症状で困っています。どうしたらいいでしょうか?

東洋医学的診立て

初めての妊娠で戸惑うことも多いですね。妊娠はいつもの状態とお身体がかわります。身体の中心にある子宮で胎児をしっかりと育むことが身体の中の第一優先となります。そのため他の部分の生命力が少し手薄になり様々な症状となってしまいます。

Yさんの場合は、もともと全身の生命力が不足気味であったところに妊娠の負担が加わり、中心にしっかりと集まったため全身の生命力が不足し、気の濃淡が大きくなったのだと思われます。そのため、頭や目というしっかりと生命力を必要として活動する部分には虚痛(生命力の不足による痛み)があらわれ、胃腸の気は下りきれずに唾液過多、よだれつわりという症状が出現したものだと思われます。

症状にあまりとらわれることなく、身体全体の生命力をあげるような治療をしていき、少しでも身体が楽になるようにしていきましょうね。

東洋医学的弁証論治
弁証:脾腎両虚
論治:益気補脾補腎
治療方針:妊娠中であるので、腎気を守りつつ、生命力を落としている脾胃(胃気中心に)の力をつけ、よだれつわりの解消をはかります。