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痩せ(BMI 15.6)、虚弱体質、高齢でも妊娠したい。3300㌘安産: 0064

高齢、痩せ、虚弱体質の方への妊娠出産鍼灸治療

不妊治療をなさるかたにとって、BMIは案外よい指標となります。
ご自身で痩せている、太っているの自覚がなくても、数字で見ると、納得することが多いと思います。

不妊治療のゴールは妊娠することだけではなく、妊娠し、しっかりとお腹で赤ちゃんをそだて、元気な赤ちゃんを産むことだと私は思っています。

BMI18.5未満は低体重です。肥満ばかり注目されますが、痩せすぎもやっぱりよくないのですよね。きちんと食べて適度に運動するようにといわれますが、そう簡単には体重が増えないし、体力もじり貧になってしまいますね。

また、低体重児の出産は非常に問題視されています。
脳の発達、血流と栄養:京都女子大学のセミナーから

また、子宮血流をあげる努力で、第一子、第二子と大きな違いになった方もいらっしゃります。
0327 流産を防ぐ鍼灸でのアプローチ 胎盤形成期の鍼灸 充分な大きさの胎盤

不妊、不育の状態を切り抜け、しっかりとした充分な赤ちゃんを産むために出来る努力があります。ぜひ、お食事、温灸などとりいれてみてください。

痩せ気味の方の食事のコツ;

体力がない、虚弱、食べても体重が増えないなどという方の身体作りは『少量頻回』と『規則正しい生活』が基本だと思います。自分の中の小さい子供を育てるように、頑張っていきたいなあと思います。

痩せ、虚弱体質、高齢でも妊娠したい(38歳出産)

この症例の方も小さな、小さな努力の積み重ねが、大きな結果につながりました。よかったなあとほっとするような気持ちです。

妊娠に関して言えば、BMIが18以下のやせた方は、低体重児を産みやすいという統計的なデータがあり、昨今は、体重をある程度増やすようにと指導もされています。

この症例の方をみてもわかるように、やせた方にとって、体重を増やすというのは、簡単なことではありません。もともとの胃弱や、体力のなさ、太れないという体質があるわけですから、体重に着目しその増減を目安にするよりも、体調を整え、体力をあげることを目標に身体作りをしていただきたいと思います。

そして妊婦さんであるわけですから、生命力の土台である腎の陽気をしっかり高め、子宮を中心に温かく気血のめぐりのよい身体ですごせるように体調管理をしてあげることが大事だと当院では考えております。

本人がやせていらしても、しっかりと腎気を養い、脾気を健やかにすることで、子宮を中心とする暖かく柔らかいお腹ができあがり、赤ちゃんの健やかな養いとなっていくのです。

病院で赤ちゃんが小さめと言われても、どうしたらいいのかわからない方が多いと思います。

しっかりと暖かさがきちんと子宮に届くような気持ちで下腹を暖めることが大切です。暖かいお腹は、柔らかいおなか。胎動もよく感じられるようになりますし、お母さんも、お腹の張りがとれて、楽に感じることができると思います。

☆ご相談:とても痩せていて虚弱体質、赤ちゃんが授かるのか、育てられるのか不安です。

身長156㎝、体重は38キロです。BMIはいつも16を下回っています。
子供の頃から胃腸が弱く、冬が特に辛いです。
夏もいつも体調が悪くなり、胃腸が弱いので食事がとれず、体重が減ってしまい、なかなあ元に戻りません。

妊娠を希望しています。

でも、今の自分の状態では、妊娠したとしても、ちゃんと妊娠が継続できるのか、赤ちゃんを育てられるのかも不安です。

☆ご相談にお答えして 身体の力をつけて前にすすみましょう

妊娠したいというご希望はあるものの、ご自身の体調、体力そのものが不安なのですね。
BMIも15.6ですから、かなりの痩せ型だと思います。ご心配になるのももっともなことだと思います。

東洋医学的に考えると、全身の虚弱、そしてなぜそうなっているのかを考えると、胃腸の虚弱、そして医方のパワーを支える底力(腎気)の不足です。

痩せて虚弱な方の場合は、一気に治療することも、大きく変化することもなかなか難しいです。
体重を増やそうと思って沢山食べると、帰って下痢しちゃって痩せちゃうとおっしゃることが、治療でもおこるわけです。

食べ物も、治療も少量頻回にする必要があります。
それでも、少しずつ、少しずつの積み重ねで
きっと体力もまし、妊娠につながる身体作りが出来ると思います。
一緒にがんばっていきましょうね。
人生を前に進めましょう!

・弁証 気虚 脾腎両虚
・論治 益気補脾 益気補腎

・治療方針 脾腎両虚を救い、全身の気虚を救い、妊娠し、継続し、安産できる身体作りをめざす

☆治療経過

 

週に2度の鍼灸治療
初診後11ヶ月で妊娠、無事に3300㌘オーバーの赤ちゃんを出産

 

☆まとめ

 

BMIが18以下の方は、低体重児を産みやすいという統計的なデーターがあります。
今回の症例の方は、産科ドクターもだいぶご心配なさりながらの妊娠経過でした。
そして無事にしっかりと充実したベビちゃんの出産となりました。
本当によかったなあと思います。

 

患者さんからのメールがとても印象的でした。

それにしても、旦那にそっくりな子でびっくりしました。
助産師さんにもすぐ分かってしまい、
「旦那さんも痩せているのに、随分大きくて飲みっぷりがいい赤ちゃんですね」
と褒められました。
確かにみんなが大きな胸に小さな赤ちゃんを抱いているのに、
私だけ小さな胸に大きな赤ちゃんを抱いていて、
不思議がられていましたよ。
予定日を超過したものと思っていた人もいたようですが、
39週3日での誕生となりました。

体力がない、虚弱、食べても体重が増えないなどという方の身体作りは
『少量頻回』と『規則正しい生活』が基本です。

自分の中の小さい子供を育てるように、頑張っていきましょうね。
この症例の方も小さな、小さな努力の積み重ねが、大きな結果につながりました。

よかったなあとほっとするような気持ちです。

少量頻回と規則正しい生活は、子育てのも通じます。

早寝早起き四回食という本が非常に参考になります。
子育ての本ですが、痩せ型の人、食べても太れない、体力が作れないと言う方は
1度ご覧になってみてはと思います。

食べられる、胃の調子がよい、あなたの生命力upさせちゃいましょう。

食べられる、胃の調子がよい、あなたの生命力upさせちゃいましょう。

体重の問題は、健康管理には一番大きく、わかりやすい目安ですね。

太りすぎ、痩せすぎ。どちらも問題です。
病的な課題が潜んでいないかを考えたあとは、習慣をかいぜんするということをしっかりと心がけましょう。

☆太った方の不妊治療

さて、不妊治療をしていて、まず問題になるのは太った方です。
排卵障害にはじまり、妊娠したとしてもハイリスクになってしまうため、
そもそもクリニックドクターの意見で不妊治療を受けられないというケースもいままで経験しています。

 

BMIは25以下がひとまずの目安かと思います。それ以上になってくると、妊娠率・出生率の低下流産率の上昇をまねきます。 

そしてBMIが30を越えるとドクターに『体重要因で生殖医療をはじめられない』と言われるケースもでますね。

ただ、これぐらいのBMIの方になると、そこで気持ちが折れてしまい、治療からフェードアウトという方も多くいらっしゃりました。不妊治療よりもまずご自身の健康管理をということなんですけど・・・ううむ。

まあこのあたりをクリニックを変えて切り抜けたケースもありますね。ただ、やはり過度な多すぎる体重(ご夫婦ともの)は、ハイリスクですね。

 

☆瘠せの不妊、妊娠、出産リスク

さて、逆の瘠せは不妊治療のクリニックで体重そのものが問題になることはほとんど聞いたことがありませんが、私の手応えとして、BMIが19.5を越える自然な体重増加で、『あら?妊娠しちゃいました(^^)』などという報告は多く受けています。

また、瘠せの方の場合は低出生体重児が高まります。やはり少しでも適正体重に近づいての妊娠が望ましいですねえ。

☆☆瘠せの方への食事アドバイス。はやねはやおき四回食を!

まあ、瘠せの人には色々な手段がありますが、食事の仕方として私が参考にしているのは、『はやね はやおき 四回食』という本です。

これは幼児の4回食の本なのですが、痩せた人は1度に沢山食べられなかったり、間食が下手だったりするので、
  『自分の内側にいる小さい子供を育てるようなイメージで、
          ご自身も育てちゃいましょう』

とアドバイス。間食タイムを小さな食事タイムと気持ちを切り替えてもらいます。そして『お菓子もアリだけど、小さな食事のイメージでね』とお願いしています。とにかく食べるです。

☆胃のキャパが小さい人への置き鍼、お灸

そして胃のキャパが小さい人は置き鍼、お灸があいますね。

背中の置き鍼は、あう方が多いです。

弱りのでている経穴を中心に、肝兪(BL18)、胆兪(BL19)、脾兪、胃兪(BL21)、そして三焦兪(BL22)か腎兪(BL23)あたりに。合計左右で6個ぐらいはっちゃいます。

『ご飯がちゃんと食べられる、胃もたれを感じなくなった、おなかすく感じが出てきた』。と仰るケースも。まあ鍼灸治療そのものも同時進行ですからその効果もあるとは思いますが、瘠せ、食べれないと言う方には、このペタペタパイオは手応えある治療となっています。ご希望の方はおっしゃってくださいね。

 

リバウンドするぐらいならばダイエットしない方がいい!

リバウンドするぐらいならばダイエットしない方がいい。

痩せたいという話しは、よくうかがいます。
みなさん、それぞれ自己イメージがあるようですね。
その自己イメージと適正体重の差をおさえておきたいです。

私は患者さんとお話ししていて、皆さんのイメージがわりと「瘠せ」を是としていることに驚きます。

体重の話題がでたときには、まず数字を把握して頂きます。

適正体重 BMI

BMI

ぜひ、身長と体重の比をからえられる、BMIの数字を把握して下さい。
いくつでしたか?
ちょいお腹の肉が気になる私はBMIが22.03でした。十分適正体重の範囲ですね。

このなかで、

”日本肥満学会では、BMIが22を適正体重(標準体重)とし、統計的に最も病気になりにくい体重とされています。25以上を肥満、18.5未満を低体重と分類しています。”

最も病気になりにくい BMI

とされています。この適正体重というのは案外ぽっちゃり。

私は身長が158で体重が55キロですから、BMI22.03の適正体重です。
体重だけ見たら問題なしですから、お腹のでっぱりは体重減少じゃなくて
筋肉増強で対応すべきなのです(^_^;)

ちょいとぽっちゃりですが痩せる必要はありませんし、
私も痩せようとは思っていません。
現状でOKです(^^)

高沢謙二先生がおかきになった、血管若返り術という本、

ぐうたら生活で血管ぐんぐん若返り術 楽LIFE ヘルスシリーズ
Amazon Services International,  Inc.による
詳細はこちら: 

リバウンドするぐらいならばダイエットしない方がよい
お話しされています。

私は、体表観察をしていて、これを強く思っていました!!

もともと、なんでそんなに痩せないといけないんだ??という疑問は
強く持っていました。

とにかく、自己イメージで「太っている」と思っている方が多いですね。

そこでBMIという数字をつかって説明することにしています。
イメージじゃなくて客観的な数字にすることで納得なさる方も多いです。

妊活はアンチエイジングにつながり治療です。
その妊活治療でも、やはり瘠せに対する善なイメージを強くもつかたは多です。
しかしながら、瘠せのままではなかなか妊娠出来なかった方が、
身体がしっかりしてきて、
   自然と体重が増え、BMIで18.5を越えてきて自然妊娠なさるというのは、多くの経験があります。

 

つまり、適正な体重というのは、生命にとってとても大切なのです。

体重を一気に落とし、ふたたび戻ってしまうリバウンドとは?

適正な体重が大事という音はおわかり頂けたと思います。
そのなかで、無理に体重を一気に落とし、
結局それが無理な一時的な我慢でしかなかったために、継続できずのリバウンドは
うーーーんと唸ることが多かったのです。

そして、この本を読んでいて非常に納得!

過去にリバウンドが経験のあるお身体を拝見すると

勢いがないうえに、なんとなく粗悪な、粗い感じ

なっているのですよ。

皮膚を触っていて、すうっと跳ね返ってくる気も薄く、
なんとなくスカスカ、勢いがないのです。

だから、不要なダイエット、
ましてや一時的な我慢なんて、リバウンドなんて、
無駄の上に健康を損ねると思っていました。

この高沢先生はそこをもっと論理的に解説していらっしゃります。

1)体脂肪up、脂質異常症→血液の流れも悪く、血管も不健康に


2)急激なダイエット:体脂肪だけではなく筋肉や骨も減る
みるみる筋肉ダウン、血管にも栄養が行き渡らない、血管自体弱くなる


3)リバウンド:体脂肪だけが増える、血管の老化が加速
弱った血管にドロドロの血液が流れる。詰まりやすくなったり破裂しやすくなる

リバウンドするぐらいならばダイエットをしないほうがまし!

これは明言だと思います!

そして、もう一言、

生きていて、食べて痩せるはおかしいね。

高沢先生は、血管若返り体操をYouTubeで公開しています。
体重よりも血管が大事かな(^^)
血管若返り体操

そんなに痩せる必要ある? 数字をみようよ!

そんなに痩せる必要ある? 数字をみようよ!

いま、妊娠を考える女性、そして妊婦の人の体重ガイドラインが昔とはだいぶ変化していることをご存じですか?

ガイドライン表→

このガイドライン表は、「もともとやせているか標準体形の妊婦は、これまでより体重を増やしても構わない」

という前提で作られています。

もっと体重を増やしても構わないのです。

BMIを確認しよう!

私は、初診でお話を伺うときに、必ずBMIを患者さんと一緒に確認します。

そして、BMIの19.5を切っているのに、「もっと体重を減らそう」としている方が多いなあと実感します。

健康へ向かうカラダ作りの話しなどを見聞していても、「痩せた=成功」という文脈を見ることが多いです。痩せると美しいとか、痩せると健康とか。

確かに、

こんな記事もあります。BMI25以上が肥満

世界保健機関(WHO)は、国際的な基準として、BMI(体格指数)25以上を「過体重」、30以上を「肥満」と定めている。

 日本人ではBMIが25を超えると2型糖尿病や循環器疾患のリスクが高くなり、内臓脂肪が増えていく傾向がみられるので、日本肥満学会は日本人の肥満を「BMI 25以上」と決めている。

でも、よく読んでもらいたいのは、肥満はBMIが25以上です。

たとえば、身長158センチの女性で体重が62キロならば、BMIは24.8です。

普通体重範囲は…46.2Kg以上、62.4Kg未満で、普通に入ります

でも、イメージとしてこのぐらいの体重は「太りすぎ」と思っている方が多いのではないでしょうか?

また、同じく158センチで46キロ。この体重だと、BMIは18.4で低体重の範囲に入ります。

低体重なんですよ!!

このBMIは案外大きな指標となると感じます。

BMI19.5を越えると自然妊娠していく

 

低体重の範囲の方が、体重を増やしていくなかで、BMIが19.5を越えた当たりで自然妊娠される方を何人もみてきました。

つまり、

ちゃんと食べる→食べたものが実になり、体力になる身体→標準体重、体力が作られる→妊娠出来る可能性の高い身体

という流れです。

とにかく、ちゃんと数字を把握しながら、ご自身の状況をちょっと冷静にみてください。太っているというイメージが本当に太っている、肥満なのか。しっかりと把握しておくことは大事だと思います。

この記事も参考になると思います。

妊婦の厳しい体重制限が変わった理由

胎盤形成時期への鍼灸アプローチ しっかりとした胎盤と3000㌘越えの赤ちゃん0327

昨今、赤ちゃんが小さいという問題はよく語られるようになりました。

これは、YouTubeで見ることができます。

食事でこんなに変わる、脳の発達や病気  / 京都女子大学 辻 雅弘先生

これは京都女子大学辻雅弘先生の講演で、赤ちゃんが小さいと知能の低下と関連するというお話で、お母さんは十分体重を増やししっかりと栄養をとりましょうというお話です。

☆小さい赤ちゃんはなぜ生まれる?

小さい赤ちゃんが生まれる理由は多くあります。もともとの個性ということもありますし、母体側、胎児側、そして胎盤、臍帯などの理由もあります。

小さい赤ちゃんの話はこの講演での話しのよううに、母体側の体重の側面がひとつ。そして胎盤血流問題のと二つの側面があるのではないかと私は妊婦さん達をフォローする臨床を通じて感じます。

☆私が妊婦さん達の鍼灸治療を通じて感じる赤ちゃんが小さい理由2点

・母体の瘠せ。

・血流の悪さ、胎盤。

この二つの課題について、症例を通じながら具体的におはなししていきましょう。

母体の瘠せについては、こちらで説明しています。
→やせた方の妊娠、体調をupさせ出産へ(BMI15.6)
 https://bigmama-odawara.jp/old/YASE.HTM

今回はもう一つの課題、血流の悪さ、胎盤の課題です。
この症例のNさんは、十分に胎盤が育ち、大きな赤ちゃんを出産することができ、とても喜んでいらっしゃりました。それでは、Nさんのお話です。

☆胎盤形成時期への鍼灸アプローチ しっかりとした胎盤と3000㌘越えの赤ちゃん。

 

当院には、不妊不育という二つの課題で来院される方がおおくいらっしゃります。

もともとは不妊の方が中心でしたが、臨床を勧めるうちに『不妊』と言う中に、かなり『血流の課題』『血液凝固系の亢進』など、不育症と重なる課題を多くもつ方がいらっしゃるのに気がつきました。

☆不妊と血流問題

この血流問題は、不妊治療を考える上で大きなポイントとなります。

つまり、妊娠をするには血流、それも子宮血流をどうのように十分に行き渡るようにするかがポイントなのです。

この子宮血流をあげるという鍼灸アプローチが、結果的に『胎盤が大きい』『妊娠中のトラブルを防ぐ』ということにつながることを臨床を通じて順次知ることとなりました。

・不妊
・着床障害
・妊娠初期
・妊娠9週の壁
・不育症
・お母さんの瘠せ

これらをしっかりとアプローチしていくなかで、

出産報告に、『胎盤が大きいと言われました』という報告を多く頂くことにつながりました。

今回は、第一子と第二子で大きな違いがあった症例です、

☆第一子のご出産が小さい赤ちゃんであった方のケースからわかること。

私は第一子が小さかった方や、出産時に血流に関するのではないかと思われるトラブルがあった方には、不育症の検査をお勧めしています。

そして、この不育症の検査のうち、『血流の問題』『血液凝固系の問題』で多くの方が問題を指摘され、不育症対策をして第二子への妊娠、出産につながり、第一子とは違う安定した出産につながったという報告をよく伺うことにつながりました。

☆不育症の検査を考えるとき

不育症の検査は、適応である場合に勧められます。ただ、私は流産を2回しているなどの適応を満たしていなくても、お身体を拝見してきっと引っかかるなと思った方には、検査をしている病院で相談してみてねとお話をしお勧めしています。

この不育症の検査は、

・自費で費用が高い

・産科の先生に指摘されなかった

上記のこともあり、全員が受けるということにはつながってはいません。

☆☆体外受精や顕微授精などの高度生殖医療受精と血液凝固系の検査

確かに自費の不育症の検査は高額で、病院で勧められることが少ない検査です。
しかしながら、受けて頂いた方は、かなりの確率で問題が指摘されています。

このことは、体外受精など高額の費用が掛かっている方には結果的にとても感謝されています。

それは体外受精をして心拍確認後の流産を2回してからの不育症の課題への挑戦となると、時間もお金も膨大にかかるからです。とくに治療が40代にさしかかっていれば時間は取り戻せません。

これらの経験と、私が『もしかして、血流の問題をもっているのでは?』と思った方の妊娠をフォローさせて頂くことが多くなるにつれ、確実に不妊、胎盤、赤ちゃんの大きさに確実につながることもわかってきました。

☆胎盤形成期の鍼灸アプローチ

今回は、第一子の経過と、体表観察から血液凝固系の亢進を感じました。しかしながらご本人が妊娠初期への鍼灸のアプローチをしっかりすることで対応したいということで、不育症の検査をうけたり、薬剤などを用いずに、妊娠、出産をなさいました。そして結果的に2回の出産に大きな違いを感じられてたということがあった症例です。

☆不育症や、血流問題は絶対要因ではありません。

不育症や、血流問題は絶対要因ではありません。

ただし、この課題へのアプローチを十分にしておくことは、不妊の解決。そして安定した妊娠経過につながり、『十分な大きさの赤ちゃん』につながるんだということは何度も経験させていただいております。

☆症例:胎盤形成時期への鍼灸アプローチ、妊娠出産へ。

☆☆主訴

不妊、不育、なかなか妊娠できず、妊娠しても流産になってしまいます。35才です。第一子は妊娠を希望してほどなく自然に授かりました。

☆☆流産を3回

第二子を希望して3年たちます。その間に流産を2回、化学流産を1回しています。

病院ではよくあることといわれ、特段の問題を指摘されず、様子をみていますが、この1年は妊娠すらできなくなっています。

☆☆第一子の妊娠の経過、妊娠中毒症

第一子は途中から妊娠中毒症に近い症状が出現し、いろいろなトラブルがありましたが、病院の対応もよく、なんとか無事に少し小さめの赤ちゃんを出産することができました。

☆☆現在の状況

足はとても冷えて、身体の芯から冷える感じがあります。またしもやけもできます。

風呂上がりや、寝入りばなに急にぐっとした冷えを感じることがあります。

この半年は特に冷え感がつよく、足首、腰の冷えを強く感じています。ふとしたきっかけでおこった肩の痛みもなかなか治らず、なんだか体中がぎくしゃくしているかんじです。

早く妊娠したいと思っています。また妊娠したら流産をせずに生みたいと思っています。

どうしたらいいでしょうか?

☆ビッグママからのお返事

なかなか第二子の妊娠にいたらない。また妊娠しても流産が多いというお悩みですね。

流産も何度もなさり、小さなお子さんを育てながらの日々は大変だったと思います。

東洋医学的なお体の状態を拝見しますと、

1)身体の土台となる底力(腎気の力)が不足気味であること

2)土台の力が不足気味であるので、身体が気を張って頑張って日々を過ごそうとしているので、気の鬱滞状態を招いている。

つまり、土台の力不足(腎気不足)があることそのものがまず妊娠を主る女子胞(子宮)の力の不足となります。

その上で、土台の力不足だと、全身の生命活動を支えるために、気を張り頑張って身体は生命力を偏らせて日々を過ごしていきます。必要とされるところに集まり、その集まりがなかなか解消されないという状態になるのです。

土台の力不足と気の停滞は、上実下虚という、身体の上部はのぼせがちなのに、足腰は冷えているという状態を引き起こし、より妊娠を遠ざけます。

また、この足腰の冷えが、妊娠の継続も妨げる原因となります。

・弁証 陽虚を中心とした腎虚 肝鬱 心熱
・論治 温陽補腎 疏肝理気、
・治療方針 基本的に温陽補腎を中心とするが、上焦に熱が籠もりがちになることが多ければ理気、清熱も適宜加えていく。

☆☆不妊カウンセリング

 流産の回数や、第一子の妊娠中の途中経過から、不育症の検査を受けることも検討してもよいのではないか。(→ご本人から検査は希望しない)

 不妊治療そのものは、もともと妊娠する力がありますから、あせらずに半年ほどは体調をあげることに専念しましょう。

年齢要因もありますので、36才ぐらいを目処には体外受精などを考えてもいいのかと思います。

☆治療経過、6ヶ月ほどで自然妊娠、無事な出産へ

初診:

1:右足三里(鍼+お灸)、左陽池、外関、復溜(鍼+お灸)照海、太谿温灸
中脘、気海温灸
2:身柱温灸
3:左三焦兪、右胃兪、腎兪 次髎
自宅施灸指示 右足三里、復溜 左外関、陽池、中脘、気海
週に1度、6ヶ月ほどで自然妊娠。

妊娠後は、週に3回の施術に切り替え。胎盤形成期の鍼灸アプローチをしっかりとおこなう。
自宅養生も指導。

☆出産へ

10ヶ月後、第一子のようなトラブルもなく無事に出産。

助産師さんから非常に立派な胎盤とほめられ、第一子の時よりも700グラム以上大きい3000㌘を越えた赤ちゃんを出産。

第一子の時は出産後の自分の体調が非常に悪く辛い時間が長かったが、今回は子供が大きいのに、自分の体調は非常によかった。

妊娠初期の手入れがこれほどまでに、赤ちゃんや出産の経過に影響するものなのかと驚きましたというメールを出産報告と共に頂きました。

☆第一子と第二子の体重差700グラム以上はどうして?

無事に妊娠、そして心配なさっていた流産をすることなくのご出産に繋がり本当によかったなと思います。

また、メールで『この子は肌つやもよく、ちょっと小さめの第一子の1ヶ月検診の時の大きさで生まれてきてくれました』という報告は印象的でした。第一子と第二子の体重の差が700グラム以上あったということです。

妊娠初期の胎盤形成期をしっかりと鍼灸でケアすることは、妊娠の経過そのものを安定させますし、また充分な大きさで赤ちゃんが生まれてきてくれるということは、赤ちゃんそのものにも大きなプレゼントになりますし、お母さんにとってもとても育てやすいと思います。

☆☆『胎盤がしっかりと大きいと言われました』という多くのお声

『胎盤がしっかりと大きいと言われました』というお声は本当に多くの患者さんの出産報告で頂いています。

はじめは、無事の出産の結果だなと思っていたのですが、妊娠初期の手入れをしっかりとなさった方からそのお声が多く聞かれることに気がつき、『胎盤形成時期の鍼灸治療』のよさを実感しています。

妊娠初期の手入れは、妊娠が継続出来ない方や、流産を繰り返しているという方におこなっていましたが、結果的にそれが、『しっかりとした胎盤作り』につながり、流産の危険性を下げ、充実した胎盤から栄養をしっかりと受け取れる環境で育つ赤ちゃんという流れになってきていると思います。

また、充分な大きさの赤ちゃんを産むと言うことが、赤ちゃんの成長にはとても大きな助けとなります。是非、実践してみてくださいね。

いやいや、つきちゃんお灸も冷えにいいですよ。