カテゴリー : ストレス・精神症状 20代 不妊・婦人科の症例集 不妊 流産

流産後の不妊、精神的な不安感、ストレス、体調不良。自然妊娠。(27歳出産)

概要

精神的な不安感で生理も乱れ、体調も悪くなり、なかなか妊娠にたどり着かなかった症例です。

(この症例の患者さまの声はこちら→「妊娠中の鍼灸治療の満足度に関するアンケート」13-1)【case:0216】【神奈川/小田原】

ご相談内容

25才、女性です。パートで勤めをしています。周りの人がどんどん妊娠していくので焦っています。

3年前に結婚し、1年ほど前に妊娠できました。でも、10週で流産してしまいました。それからなかなか妊娠できません。生理周期も非常に長く不安定で、基礎体温表もバラバラです。生理前にとても精神的に不安定になります。

このところ、動き気力も出ず、体重も減ってってしまいました。どうしたら早く妊娠、出産できるでしょうか? 精神的にもこの1年とても不安定で気分の落ち込みもひどく困っています。

全体の体調:
2年前から急に果物や花粉のアレルギーが強くなってしまいました。首から下に痒みが出やすいです。アレルギーやかゆみは季節の変わり目や、入浴後、睡眠不足などのときに辛いです。

食欲は普通、美味しくご飯は食べられます。食後にいつもお腹が張ります。間食はよくとり、水分を2リットル以上とるようにしています。

便通はすっきり出ます。小便は1日に10回以上で夜に時々トイレに起きます。寝つきはよく、寝起きもよく、夢をよく見ます。

婦人科の状況:
生理は35日周期で不規則です(28日から42日ぐらい)
生理は出血したときの色で粘った膜などがまじります。
生理の量は普通で7日間ぐらい続きます。
生理痛はほとんどなく、排卵時の痛みもめったにありません。
高温期は胸がはったり、イライラしますがほとんど問題はありません。
生理に伴って手首足首がとても冷え、精神的な不安定さが大きくなります。
流産してそろそろ1年たつのに妊娠出来ないので、不妊治療を受けようかなと考えています。

どうしたら早く妊娠して、出産出来るのでしょうか?

東洋医学的診立て

流産残念でしたねえ。とくに心拍も見え一安心した後の流産でしたからとてもショックだったと思います。辛かったですね。

妊娠OKになってから、タイミングをとっていらっしゃるのになかなか妊娠できないのですね。もともと生理周期も不安定で排卵がわかりにくいこともあって妊娠しづらくなっているのかなと思います。

お身体を拝見していると、胃腸の問題と精神的な課題(メンタルの弱さ)が大きいですね。

 ・なにかあると胃に来る
 ・体重が下がりやすい
 ・左脾兪(BL20)からの陥凹、左の公孫(SP4)から大都の陥凹

メンタルの弱さは、ちょっとしたことでストレスとなり身体への大きな影響となってしまうのかなと思います。メンタルが胃腸の問題につながり、逆に胃腸の弱さがメンタルの弱さを引き出しているともいえます。また体表観察上からも胃腸のツボの弱り、メンタルの課題は明確です。
またストレスは排卵にも影響しがちとなり、妊娠への悪影響となってしまいますね。

妊娠する力は十分あります。

辛い出来事で、精神的に不安定になったことで、胃腸の負担となり、その悪循環でよりストレスを起こしやすくなり、排卵にも影響が出てしまうという悪循環になっています。お身体をちょっとしっかりさせていきましょう。自然とストレスにも強くなります。大丈夫ですから焦らずに前に進みましょう。

不妊治療への具体的アドバイス:

(1)胃腸の力を取り戻し、生命力をupさせ、自信の持てる身体を作る

(2)排卵障害気味ということについて
皮膚の殻の厚さ(上焦における肺気の実)、ストレス(肝鬱)が感じられます。ただし、29日から40日で排卵があるのならば、さほど気にしないということでもOKです。

(3)半年ぐらいは、細かいことは忘れて(←ここ大事です)自然妊娠狙いをしましょう。この間に、不妊治療専門クリニックを受診し、一般検査をしていただき、基本的な課題を整理しておきましょう。

(4)体重をもう少し増やしましょう。BMIで19.5は常に越えるようにしましょう。

(5)ストレス解消の範囲で、気楽な働きに出るのもよいかと思います。

東洋医学的弁証論治
弁証:脾虚肝鬱 肺気の実
論治:益気補脾 (疏肝理気) 補肺
治療指針:脾胃の力を上げることを中心とし、肝気についてはあまりいじらない。肺気は肝気の突き上げによって負担となっているので、肺気を充実させ肝気の衝き上げにまけないようにしていく。

治療経過

初診:大巨(ST27) 関元(CV4)、左合谷(LI4)、左外関(TE5) 左陽池(TE4)、三陰交(SP6) 左足三里(ST36)、三陰交(SP6)、大都(SP2) 肺兪(BL13)、脾兪(BL20)、三焦兪(BL22)、次髎(BL32) 

以来週に1−2回の鍼灸治療。
不妊治療クリニックにて、排卵があり、数値は正常なのでカバサールは不要と言われ服薬中止。
フーナー検査が不良(ただし、1度妊娠が成立しているので様子をみる)

8ヶ月後自然妊娠
5週で胎嚢がみえるものの、小さめと言われた。ここから鍼灸治療を週に4回にしていく。つわりがだんだんきつくなってきた。
12週を無事に越えて妊娠継続。鍼灸治療を週に1−2に戻す。
32週、里帰り出産のために帰省