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不育症~東洋医学から考えてみよう!

不育症 妊娠中毒症

妊娠はするものの、継続できない。流産になる。女性にとっては案外多く経験するものです。そして、生殖というメカニズムは自然の流れとして『淘汰』のシステムを持っています。ですので、「流産=問題がある」とは必ずしもいえません。しかしながら、病院で『問題なし』と言われたケースでも、母体側の問題をはらんでいることがあります。

初診でいらしたSさん、東洋医学の四診を通じてお身体を拝見するなかで、不育症では? と思いました。流産歴もあり、お尋ねしますと、『不育症の検査はしましたけど、不育症ではないと診断されました』とのお返事。そこで、『その検査は保険の範囲内ですか?』と伺いますとYESとのこと。是非、きちんとした不育症の検査を受けて下さいとお勧めしたところ、自費の検査を受けられ、不育症と診断されました。そしてその後の出産でヘパリンを使い、無事に赤ちゃんを抱くことができました。

不育症は定義があります。しかしながら、現状では不育症の定義を待って育症の検査をするのでは遅いのではないかと思うことが多々あります。たとえば40歳で体外受精に挑戦しながら不妊治療をしている方。2回流産してから不育症の検査をして…と言っていると、不妊治療そのもののタイムリミットを越えてしまいます。

流産がからむと採卵が数ヶ月から半年先になってしまうことも多く、治療が中断するからです。ですので、検査は自費でハードルは高いのですが、私はお身体を拝見させていただいて『おかしいな』と思った方には、不育症の定義は充たしていなくても、不育症の検査をお勧めすることがあります。そして残念ながらなのか早めに発見できてよかったのか、『行って良かったです』という結果が多くあります。

厚生労働省研究班によって「Fuiku-Labo(フイク-ラボ) 不妊治療に関する再評価と新たなる治療法の開発に関する研究」というサイトがつくられています。不育症の定義は以下の通りです。

【不育症の定義】(厚労研究班の研究成果を基にした不育症管理に関する提言(患者様用)から)

2回以上の流産、死産、あるいは、早期新生児死亡(生後1週間以内の赤ちゃんの死亡)がある場合を不育症と定義します。すでに子供がいる場合でも、流産・死産、早期新生児死亡をくり返す場合は、不育症に準じて原因精査を行っても良いとされていますので不育症外来を受診して下さい。現在のところ、妊娠反応のみ陽性で赤ちゃんの袋が子宮内に確認されないまま、その後に月経になってしまう化学妊娠については流産回数には含めません。ただしくり返す化学妊娠については不育症に含めるか否かにつき今後検討していく必要があると提言されています。赤ちゃん(胎芽)に染色体異常や形態異常のない妊娠 10週以降の流・死産や重症の妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)による子宮内胎児発育遅延症例(赤ちゃんが妊娠週数に比べて小さい例)は 1回でもあれば不育症に準じて抗リン脂質抗体や血栓性素因のスクリーニングを行っても良いとされています。該当される方は調べていただくとよいでしょう。

この定義の中で、やはり化学妊娠についても今後の課題ということで取り扱われているのは進歩だなと思います。着床障害もこのカテゴリーに入っていくのではないかという気がします。

当院の鍼灸治療では、着床の時期から、妊娠初期の12週までを特に『血流活性化の必須ゾーン』として、特に力をいれて治療をしています。是非、ご相談下さい。そしてなんとか、妊娠12週を超え、赤ちゃんが抱けるところまで一緒にがんばりましょう。それでは、不育症について少しまとめていきましょう。