概要
子供の頃からの強い冷え性があり、30代前半から妊娠を希望するも化学流産に終わり継続できない。体外受精でも同じ結果。カラダ作りからスタートして無事に自然妊娠出産した症例です。
(この症例の弁証論治→出産底冷え、首肩の凝り、不妊の弁証論治)
【case:0189】【神奈川/秦野】
ご相談内容
子供の頃からのきつい冷えがあります。気がつくと足の先、お尻、太ももが冷え切っている感じです。首や肩の凝りも強く、背中から首が固まって動かないようなこともあります。30代の前半から妊娠を希望し、何度か妊娠していますが化学流産に終わってしまっています。人工授精、タイミングも数多くし、漢方も服用していますが同じ結果です。どうしたらいいのでしょうか?
東洋医学的診立て
子供の頃からの強い冷えということですね。お身体を拝見すると確かに温める力の不足の陽蹻もありますが、それ以上に気の滞りがきつく、このため全体に巡りが悪くなっていると思われます。
Kさんは生きる意思がはっきりして、前向きで、その姿は目が輝きとても美しいです。そしてこの生きる意思が人間にとって一番大切なのです。ただ、この生きる意思は、優先しすぎると、身体が疲れていても、まいっていても、ぐっと気を凝らせて頑張り続けます。このために全体の巡りの悪さが起こっているように思います。
まず、底力をしっかりつけると、必要以上に頑張らなくてもスムーズにご自身の生きる意思のままに動けます。そして滞りに対して、なるべく早めに解消しておくのが次の段階を生まずに済むと思います。良い循環を作りたいですね。
また、妊娠の希望に関してですが、妊娠をサポートする経穴の様子を拝見するとやはりきつい冷えと巡りの悪さが明瞭です。陽気のバックアップと巡りの良さを確保して妊娠に挑戦し、継続できるようにしていきましょう。
また、お身体を拝見すると、不育症の検査を私はお薦めします。不育症検査の適応条件は満たしていないと思いますが、お身体を見た限り、検査陽性の可能性が高いと私には思われます。新横浜の杉ウイメンズクリニックにてご相談されるのがよいかと思います。
東洋医学的弁証論治
弁証:腎の陽虚、気虚肝鬱
論治:温養補腎、疏肝理気
治療指針:腎の陽気を温め育てていく。気虚が明瞭であるので、場合によっては補脾補肺を加え腎気を中心に全身の気虚を救う。腎気をたて気虚を救うことで肝鬱が生じにくくしていく。