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ご相談:首や肩、手。足など多くの関節が痛く困っています。

さまざまな痛み、辛いですねえ。

湿気のシーズンになると、特に多くのお悩みを伺います。

東洋医学で痺証と言われるような、ご自身の身体の弱さと、外的要因がリンクして痛みや重さとなる場合が多くあります。西洋医学での病名ではリウマチの診断の方が多いですね。

痺証については、東洋医学での対応が力強いものとなる場合が多いです。
漢方薬も保険適応になっているものが多いですから、力強いパートナーとなってくれるかと思います。

 

☆慢性関節リューマチ、頸肩の痛みに対する鍼灸の効果

 

リウマチ、慢性関節リウマチは、この数年、本当に薬が進化しましたね。
おそれずに、まず病院に行き、しっかりと診断、フォローしていただき、適切な投薬をなさることはとても大切だと思います。

そのうえで、やはり手に余る症状もあるかと思います。
手や肩、下肢などさまざまな痛みやこわばりなどの症状を、なるべく軽減し、
薬をパートナーとしつつも、鍼灸治療で、身体の力をあげ、免疫抑制剤やステロイドなどの使用をなるべく少量に抑え、薬の効きをよくし、痛みやだるさを軽減していけるようにと願っています。

 

今日はそんな症例のご紹介です。している症例です。

リウマチが辛い、弁証論治

☆リウマチの症状がつらいです、どうしたらいいでしょうか?

リウマチで手、肩、膝、足のこわばりや痛みがあります。

風邪を引いたりすると全体の症状が悪化しますし、
気圧、湿気、忙しさなどいろいろな要因で悪化します。

西洋医学の病院も並用し、免疫抑制剤なども服用していますが、なるべく
薬を少なくしたいと思っています。

リウマチは長い経過で、付き合っていかなければならない病気だということは
理解しています。妊娠を希望してた頃から取り入れている鍼灸は自分にとても
あっているのかなと思っています。

いろいろな症状の悪化の時に、薬を増やすことなく、乗り切っていきたいと思います。
どうしたらいいでしょうか?

台風や、湿度があがったり、季節の変わり目などや疲労などで手、肩、足の指、膝などの
状態が悪化します

☆ご相談にお答えして、東洋医学的診立て

リウマチはなかなか手強い疾患ですね。
無理しすぎずに、上手に西洋医学も取り入れながら対処なさっていると思います。

東京女子医大膠原病リウマチセンター

いまのリウマチの症状は、東洋医学でいう痺証(ひしょう)という状態ですね。
この痺証は、ご自身の身体の弱り(正気の虚)、風邪(外邪)、蓄った湿気やオ血(オ血湿痰)の課題が重なり合い現在の症状となっています。

リウマチなどの痺証は、ストレスや妊娠、出産など大きな身体の状態の変化の時期の身体の弱りに乗じて発症します。1度発症してしまうと、単なる対処療法的な治療だけでは状態の好転に進むことが難しくなってしまっていると思います。

お身体の状態を良い状態でキープするには、


1)さまざまな症状に振り回されずに、身体の弱りを立て直すことが第一とする
2)症状のある場処への対応は1)が主軸であることを認識した上でおこなう。

この二点は非常に大切です。
つまり、身体の生命力をあげていくということを主眼にするということです。

どうしても、首や肩、足など症状のあるところが気になり、その症状を治そうとしてしまいますが、
1)の課題がそのままだと、悪化の悪循環に陥ってしまいます。まずしっかりと身体の弱りをとり、
その上で余力に応じて2)の症状のある場処への対応をしていきたいと思います。

1)への手入れがしっかりと出来れば、自然とさまざまな症状は軽くなり2)の対応も穏やかな治療で効果的なアプローチになってきます。

また、1)の治療の補足となっていけるようなセルフケアもお伝えしますので、日々の養生のヒントにしてくださいね。

あせらず、いきましょう。
必ず、状態はよくなると思います。
そしてご自身の人生を楽しめるようにと願っています。

☆☆東洋医学的な診立て

弁証論治
肝欝気滞、脾気虚損、風邪の内陥。
益気補脾 疎風散寒

・治療方針
まず、風邪を取り去ることを第一とする、また外寒風邪が入り込んだときも取り去ることを第一とする。
脾気を補い全身への補気とし身体の力をあげていく。
必要に応じて、肝欝気滞をとる。

 

☆温灸を中心としたお灸治療

治療方針にそって、週に2回のペースで施術。

治療
膝上三点施灸(写真)
大椎の三角温灸(写真)、脾兪、三焦兪(BL22)、次髎(BL32)鍼して温灸その後温灸
下肢三点お灸(写真)

必要に応じて、百会、曲池(LI11)、足三里(ST36)、合谷、気海、大巨(ST27)、失眠、肺兪(BL13)、

季節要因や、気圧、湿度、花粉、疲労などさまざまな条件によって、体調は変化し症状も変化するものの、鍼灸治療を中心として漢方などの東洋医学のツールを使うことによって、症状があるものの穏やかに経過し日常生活や人生のイベントを十分楽しめる状態を保っている。

 

☆慢性的な病気と付き合うコツ

 

慢性関節リウマチは女性に多く、ストレスや妊娠、出産を契機に発症したり悪化したりする手強い疾患です。

現在、西洋医学の薬が非常に良く発達し、心強いパートナーとなってくれていると思います。
まず、病院やドクターを信頼し、しっかりと状況を把握していただき、むやみに薬を怖がらないことはとても大切なことだと私は思っています。

なぜならば、1度破壊された関節は元に戻りません。しっかりと炎症をコントロールすることはとても大切です。炎症をコントロールしたうえで、体調をあげ、薬の効きをよくし、薬が少しでも減らせるような努力をするという順番が、ご自身にとって大きなメリットがあると思います。

この症例の方は妊娠の希望からはじまり、産後の悪化、ストレスによる悪化など色々な事がありましたが、上手につきあい、乗り越えていっています。

健康状態を保ち、毎日を楽しく過ごせるお手伝いに東洋医学や鍼灸がなっていければとてもいいことだと私は思っております。

妊活禁忌のツボが、妊活に効くとき 合谷、三陰交

鍼灸ではツボ(経穴)を使ってアプローチします。

ツボには色々な作用があります。

たとえば合谷 昇清降濁、理気、疏風、解表・・・・・などなど。

結局、そのツボの特性は、

1) 使おうとしている身体の状態
2) 使おうとしている道具
3) 使おうとしている経穴の組み合わせ

などなどによって、大きく変わってくるのです。

☆安産で使っているツボで早産になってしまうこともある

妊活で、早く妊娠したいと思っている人が、
一つの特性を 信じて使うと、他の特性がでてしまい、
効き方が真逆となってしまうことも あります。

実は第二子妊娠中に逆子で来院されたとある患者さん。
経過を伺うと、第一子は少し早産をされていました。

その方は、第一子の時に安産のためにと鍼灸を受け、治療後に
陣痛がきてしまい、出産になってしまったとのことでした。

私はその患者さんがどのような治療を受けたのかを伺いました。
この方のお腹をぱっとみると、明らかに重心が下。
そして、ご自身を引き上げる力、子宮を持ち上げる力が弱いタイプの方でした。
(中気下陥、全体も下陥タイプ)

あれこれ伺っていると、安産と信じて使った経穴がどうも真逆の作用を
だしてしまったので、安産という上向きベクトルを出したいところが、
逆の下向きベクトルになってしまい(ご本人が下陥タイプだから)早産に
つながったのかなと思われました。

まあ、真実は、他の要因もたくさん入っているので、それだけがとはいえませんし
なんら関係無いことかも知れません。

 

☆効きが良い経穴は、よくも、わるくも、効いてしまう。

ただ、やはり、効き方が問題だったのではないかと思いました。

包丁だって、上手に使えば美味しい料理を作ることが出来ます。
でも、ミスをして指を切ってしまうこともあります。

その人の身体をしっかり診て使う。 本当に大事です。

ふたりめ不妊:産後からの不調、体外受精が上手く行かない。43歳妊娠、出産。

ふたりめ不妊は、悩ましい不妊です。

ひとり、無事に出産になっているから、妊娠出来るんじゃないかというあせり。
そして、ステップアップした高度生殖医療ならばということでやってみても、
なかなか前に進まない。

年齢要因があがる、あせり。
そんなとき、もう少し立ち止まって、あなたに何が必要なのか、かんがえてみてはいかがでしょうか?

☆ご相談:40歳です、不妊治療が前にすすまず、悩んでいます。

40歳です、不妊治療がなかなか前に進まず悩んでいます。

第一子もとても苦労しました。
28歳の時に卵巣嚢腫が茎捻転をおこし、右の卵巣を摘出手術しています。
30歳から妊活を始めましたが、なかなか前に進まず、体外受精、胚移植を5回行い、やっと36歳にて第一子を出産することができました。
妊娠中からからむくみや便秘がひどくなりました。
産後も体調がとても悪化してしまいました。

39歳から第二子の妊活をしていますが、不妊治療をはじめると便秘が悪化しより体調不良となってしまっています。

不妊治療を再開した当初は体重が60㌔でしたが、現在は67㌔。不妊治療をすると体調が悪くなり、便秘が始まり、食欲不振、体重増加となってしまいます。
身体全体が重く、冷たい感じがします。
すでに体外受精を2回行いましたが、妊娠出来ませんでした。

もう一人、子供を産み、育てたいと思っています。
またアレルギー鼻炎がひどくつらいです、また便秘もつらいです。
どうしたらいいでしょうか?

☆ご相談にお答えして〜あせらず身体の力をあげて、前にすすみましょう。

第二子の妊活を前に進めたいというご相談ですね。
第一子の妊娠を30歳からご希望なさって、数々の努力を重ね36歳にてご出産。本当に頭が下がるような努力を続けていらっしゃったのですね。

現在、第二子への妊活、少しでもお力になれればと思います。

☆お身体の状態について

もともと身体がむくみがちで、便秘などもあり、いらないものをすっきりと排泄する力が不足気味の素体であったと思います。

妊娠出産は、身体に大きな負担となります。
健康状態がよければ、妊娠、出産の大きな気血の虚損をともなう波にも、生理的な範囲として乗り切り、生命力が充実する方向ですすみます。

しかしながら、元々の素体が虚損気味であれば、より力を失う方向になり、悪循環となります。

とくに、身体の底力である腎の力に負担となることによって、

上焦:百会熱感、心下つまり
中焦:中脘(CV12)の固さ、臍周の冷え盛り上がり、脾兪(BL20)のゆるみ
下焦:板のような下腹、少腹急結、細絡、骨盤の硬さ、次髎(BL32)の冷え

上焦から、強い気逆
中焦から脾胃の動きの悪さ
下焦から進むオ血、腎虚の状態

という状態になっています。
つまり、産後に補われずにいた 脾腎の弱さに乗じて全身に、強い気の鬱滞が生じ、身体の上部には熱感を伴う気の滞りが生じているという状態です。

身体の底力である、脾腎の力をつけ、全身の気の巡りの状態をよくしていくことが、不妊治療を一歩前に進めることになると思います。

☆不妊治療について、4つのアドバイス

1:第一子が妊娠、出産出来ているのだから、基本的な妊娠する力はある。
2:体外受精の卵のグレードの悪さは、体調を整えることを優先し、採卵を急がない。
3:病院について、あわないようならば転院も考える。
4:採卵は年齢要因もあるので、ある程度いそぐ。ただ移植は全体の体調をあげることを優先する。

第一子が妊娠出来ているのですから、妊娠する力は十分にあるカップルだと思います。40歳の現在でも、採卵ができているのですから、焦らず前にすすみましょう。

年齢要因がありますので、治療を急ぐのは大切です。ただ、現状の子宮(女子胞)の力が落ち、子宮(女子胞)卵巣に生命力(気血の流れ、血流)が届いていない状況では採卵を繰り返しても仕方がありません。

凍結胚ができるまでは、身体作りと採卵を並行し、凍結胚が出来たら、身体作りに集中し、全身の生命力をあげることが、結果的に妊娠、出産につながる近道だと思います。

病院については、現在のところ変更するお気持ちがないということですので、採卵ができているのでこのままでいいと思います。しかしながら、ある程度で転院も視野に入れる柔軟性をもっておくほうが、時間を上手に使うことにつながる可能性は高いと思います。

☆東洋医学的な診立て

・弁証
脾腎両虚 肝鬱瘀血
・論治
益気補腎 益気補脾 疏肝理気
・治療方針
まず第一に、産後から落ちたままになっている脾腎の力をあげ、悪循環で生じている肝鬱を納める。また上焦の熱感がつよければ必要に応じて疏肝理気する。

瘀血については、下焦を中心に温養することで動く範囲で対処する。
督脉上に瘀血所見が多いので、下焦を温養し督脉に陽気を導き通していく。

 

☆治療経過〜出産まで

40歳 鍼灸治療後2ヶ月
1)背中のイヤな感じが取れている
2)冷えが少し楽
3)いつもある秋からの肌荒れがなく、高い美容液を買わずにすんでいる。
治療後半年 採卵周期ー今回は卵の状態がとても良く数も多く見えていたが
排卵済み、人工授精をした。
採卵周期にはいるものの、日程があわず出来ず。
治療後1年 病院をかえる。
採卵周期 3つのうち2つがグレード1で凍結
10ヶ月後 移植 妊娠できず
18ヶ月後 HR周期ー排卵がおこって移植できず。
20ヶ月後  HR周期にて 移植ー妊娠
無事に女児を出産 おめでとうございます。

 

途中に上のお子さんの行事やイベントなどもあり、少し間があいていますが、凍結胚は待ってくれるということを信じて、あせらず前に進めることができたと思います。

しっかりとお迎えの準備をし、無事に二人目の出産となったこと、よかったなあと思います。
子育て、楽しんで頑張ってくださいね!

 

41才 鍼灸を取り入れてのスムーズな妊娠出産、ワガママ自分勝手が妊娠のコツ。0217

41才 鍼灸を取り入れてのスムーズな妊娠、妊婦生活、出産。

人生の適齢期は人それぞれです。

確かに妊娠に関してだけ言えば、年齢が若いことは有利でしょう。

 

年齢が40代であり、妊娠としては高齢妊娠、高齢初産というハイリスクなグループではありますが、そのなかで、鍼灸を上手に取り入れ、妊活をスムーズに進め、妊娠中のトラブルも上手に対応し出産につなげることができればと私は思っています。

応援してますよ!

イラスト ツボ セルフケア

症例はこちら→41歳、1度の体外受精でスムーズに妊娠 鍼灸による出産までの体調管理

☆ご相談 40才、1年前から妊活しています。妊娠に向けてなにかできることはありますか?

タイトル

 

40歳です。1年ほど前から妊活しています。

人工授精やタイミングを行っていますが、なかなか妊娠しません。

不妊治療の一般検査では夫も私も大きな問題はありませんでしたが、

1)最近生理周期が短め(24-25日)
2)卵管の通過は左右ともOKであったが、少し左の通過が悪い
3)プロラクチンが高め
4)フーナー検査不良
5)AMAは年齢にしては良好

病院ではそろそろ、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療へのステップアップを勧められています。

身体全体の体調としては
1)疲れやすいこと
2)腰のだるさ
3)精神的なストレスに弱い

上記のことが気になります。

なにか自分にできることがあったら取り入れて、妊娠そして出産に取り組んで行きたいです。

 

☆ワガママ、自分勝手になって、ご自身の生命力をupさせて妊娠、出産につなげましょう。

 

早く妊娠出産したいとのご希望ですね。

いままで、人工授精、タイミングなどをなさってきたこと。もうすぐ41歳という年齢要因を考えても、なるべく早くステップアップをなさるのはとてもよいかなと思います。このまま時間を置かずにすすんでいきましょう。

お身体を拝見すると、大きな問題はありませんが、手足が大きく体格がよいわりに、体幹のパワーがないために、動きや動作によって体力の消耗が大きいタイプだと思います。(手足の大きい気血両虚タイプ)。

このタイプの方は、周りに気を使ったり、こまめに動くことで身体の中心となる臓腑や子宮(女子胞)のを予想外に使ってしまいます。

妊娠はこの臍下丹田にある女子胞(子宮)の力がとても大切です。しかしながら、手足の大きな気血両虚タイプの方は、ご自身の生命力が女子胞(子宮)に集まりにくく、手足末端に引っ張られがちです。

妊娠をめざす今は、少しわがままになり、自分中心でいきましょう

頼まれごとや、仕事の気遣いもほどほどに。自分大事、家族大事で過ごしていくことが、自分というこれから子宮という身体の中心で卵ちゃんを迎え、孵卵器となって育てて行くコツです。

また継続的な冷えの入り込みが身体にうかがえます。これは身体の負担となりますので、取り去っていきたいと思います。またセルフケアも効きますからとりいれていきましょう。

少しまとめておきますね。
1)気血を養い、全身の生命力をあげるという観点を中心に。
2)身体の中心にある女子胞(子宮)の力を育てましょう。
3)AMHがよいので、細かい婦人科的な課題は気にしない
4)自分中心にして、わがままにすごしましょう。
5)冷えの入り込みに対応していきましょう。

 

☆☆東洋医学的な観察ポイント

 

食欲あり、食べるのは遅い。食事は美味しい。口が渇く。二便に大きな問題なし。睡眠は寝つきが時々悪く夢をよくみる。寝起きが悪い。
生理周期が最近短め。塊などはない、排卵時に軽く下腹部が痛む、イライラ、眠気。

舌、色褪、瘀斑あり。舌裏怒張無し。列缺(LU7)のかげりあり。右の内関(PC6)陥凹。右の肺兪(BL13)、厥陰兪(BL14)発汗、動きが悪い。右の肝兪(BL18)、左胃兪(BL21)、両腎兪(BL23)陥凹(右の腎兪(BL23)トップ)。左右とも脾募あり。左の股関節から大腿部に若干冷え動きの悪さあり。

・弁証 腎虚肝鬱 衝任脈を中心とした気血両虚
・論治 益気補腎 衝任脈を補う
・治療方針

 女子胞(子宮)を養うために、衝任脈を中心に益気補腎をおこなう。

 必要に応じて、肝鬱などの処置もするが、基本的に女子胞(子宮)の安定に勤めていくことを中心とし、ほかのことには養生の範囲で対応していく。

☆治療経過

☆初診〜セルフケア指導

 1)右内関(PC6)、右陽池(TE4)外関(TE5)、足三里(ST36)、陰陵泉(SP9)、三陰交(SP6) 関元
2)右肺兪(BL13)(抜けをしっかり)
3)腎兪(BL23)、右胃兪(BL21) 左脾兪(BL20) 次髎(BL32)

セルフケア 関元(CV4) 右外関(TE5)陽池(TE4)、陰陵泉、三陰交(SP6) 脾兪(BL20)、腎兪(BL23)、次髎(BL32)

 ☆棒灸指導 臍、中注(KI15)、関元(CV4)

☆1ヶ月後 採卵から移植 鍼灸の頻度をぐっと増やして

 採卵ー移植ー妊娠判定陽性 ここから週に2−3日から5日の鍼灸治療、毎日のセルフケア。

☆妊娠初期の不安定さ:

 動くと出血しやすい→とにかく安静に。
鍼灸継続、セルフケア継続
切迫流産などの診断もあり、診断書をもらい仕事を休む。

☆妊娠15週〜35週まで
 子宮筋腫が目立つが、棒灸をいれて対応
鍼灸治療も継続。

☆35週:恥骨付近が痛い→トコちゃんベルト、置き鍼で対応。
遠方からの通院のため、一人での来院はここまでで終了。
出産近くになりご主人の送迎などがあれば可能であれば来院はOKと指導。

41週、3000㌘越えの男児を出産、おめでとうございます。

イラスト ツボ セルフケア

 

☆まとめ:ワガママ、自分勝手が必要な妊活、マタニティライフ

 

『なかなか妊娠しないぞ』と思ったときには、ご自身の課題を知る必要があります。

それは、妊娠にまつわる一般的な病院でのチェック(ホルモン、卵管の検査など)。
手足のおおきな気虚タイプの方は、自分の中心を守るという課題をしっかりと意識していただくことがとても大事です。臓腑、子宮のある体幹にくらべて手足が大きいと、気血や身体の力が動いているおおきな手足にひっぱられ、相対的に臓腑や子宮(女子胞)の力が薄くなります。気遣いをよくする人や優しい人に多く、少しワガママで自分勝手にしてねというアドバイスが結果的に妊娠に貢献してくれます。

妊娠し、子宮(女子胞)で赤ちゃんを育み、出産するのはご自身です。自分を守ることを最優先にした時間が、妊娠そして出産をスムーズに導いてくれたんだなと思います。

 

☆アンケートにお答えして

『私が妊娠ー出産出来た理由』その他のアンケートなどはこちら→

アンケートのご記入ありがとうございます。

初めて伺った時、「手足が大きいから、使い過さないようにして、とアドバイスを頂さ、目からウロコだったと同時に、手足を動かしまくっていた生活スタイルをどう変えよう?と戸惑いもありました。結果すぐに妊娠。

初診の時の私からの言葉が印象的だったのですね。少しあの時を思い出しました。

Mさんのように、体幹に比べ手足が大きい人タイプのかたは、中心(臓腑、体幹)に生命力が集めにくく、動いている手足にひっぱられやすいのです。

またこのタイプの方が、幸福の王子のように、他の人のために気を使い、手足をつかい、奉仕すると、自分はどんどん生命力をもっていかれてしまうのです。だから妊娠しにくい。

妊娠、出産は究極の自分と自分の子供だけに集中する必要があります。引っ張られやすい周りや末端に対して必要最低限なケアにして、中心を養う。そんなことを伝えたかったのです。

私の拙い言葉をしっかりと受け取っていただき、スムーズに妊娠され、その後もケアを早め、早めに行動してくださり、妊娠中の長い時間をすごされたこと、とてもよかったかなと思っております。

これからの子育て、楽しんでくださいね(^^)

41歳:子宮内膜症、チョコレート嚢胞で採卵が進まない、妊活が進まない。0110

40歳の時に、赤ちゃんが欲しいと言うことで来院されました。

人生って長いようで短い。
あっという間に時間がたちます。
妊活においては、時間は本当に貴重。

そして、35才から40才という時間も、
女性の人生の中でいろんなことがあり、ただただ
妊活だけに的を絞るわけにはいかないこともあります。

34歳から赤ちゃんを望んでいらっしゃいますが、いろいろなことがあり、
子宮内膜症や、婦人科的な状況も進行してしまい、治療が前に進んでいない状況でした。

身体作りをし、病院を選び、前に向かって進まれ、無事に41歳にて
元気なベビちゃんのお母さんになられました。

それでは、一緒に症例から考えていきましょう。
WEBの弁証論治はこちら

☆ご相談:40才です、不妊治療が前に進みません

34歳で結婚し、1年後から妊娠希望です。
36歳から婦人科にて不妊治療を始めました。
その後37歳頃から仕事の場処が変わったりして
精神的にも肉体的にも大きな負担で、風邪を引きやすく喘息っぽくなってきてしまいました。

39歳のときに自然妊娠しましたが、残念ながら化学流産してしまいました。
その後生理周期が長くなったり、短くなったりと生理が乱れてしまいました。

不妊専門のクリニックにかわり、検査もしましたが、左側卵巣に大きなチョコレート嚢胞があると指摘され、子宮内膜症もかなりひどいといわれています。

人工授精を5回し、体外受精を始めた方がいいと言われ採卵の周期に入っています。
もう40才になってしまいました。

どうしたら妊娠、出産出来るのでしょうか?

 

☆ご相談にお答えして:前に進みましょう!

いままで、いろいろとお仕事の忙しい中、がんばっていらっしゃいますね。
1度自然妊娠されていることから、人工授精を何度か挑戦されたのは
もっともなことだと思います。

カップル的な大きな要因がないわけですから、充分自然妊娠に再挑戦というのは
意味ある選択だったと思います。

しかしながら、年齢要因もあり、体外受精の選択をなさったのも、当然の
選択です。
迷わず前に進んでいきましょう。

☆☆東洋医学的な診立て

・弁証
・論治
・治療方針
腎虚 風邪の内陥
疎風散寒 益気補腎

まず第一に風邪の内陥を取り去り、全身への負担をとる。
腎気の底上げをし、妊娠し継続できるようにしていく。

 

 

☆☆不妊治療へのアドバイス

39歳のときに、自然妊娠なさっていますので、妊娠する力は充分あると思われますが、
流産をきっかけに身体の状態が、東洋医学で考えるところの生命の土台である腎の力を中心に一段低下してしまっています。このため生理周期が短くなったり生理の量が減ったりというように妊娠する力が落ちています。また、遠距離通勤をなさった当時の無理によっても身体の力が一段とおちているようです。

お身体は遠距離通勤のときと、化学流産のときと、2回大きな変動があり、かなり負担が
かかった状態になっています。

1:迷わず体外受精などの高度生殖医療に進む
2:チョコレート嚢胞、子宮内膜症の状態によっては転院の可能性も考える
3:身体の力を明確におとしているので、腹くくって立て直す、時間を無駄にしない
4:規則正しい生活、睡眠、休養

1、2について、年齢要因的に、体外受精の選択は正しいと思います。
しかしながらチョコレート嚢胞があるので治療が前に進まない場合は病院選びの再考をするつもりで、時間を無駄にしないようにした方がいいと思います。

3,4について、
身体をガクンと悪くしている明確な時期が2回あります。これは妊娠がしにくくなることにつながっていますし、素体に強く負担をかける妊娠が、再度の大きな体調不良につながる可能性を示唆しています。妊娠ー出産の時期は女性にとって虚損病の始まりにもなる可能性を秘めた時期です。

上手にこの時期を乗り切り、女性の素体のリズムの範囲で消耗し、回復していく波に乗れるような身体にしていくことが、妊娠を考える上で大事であるばかりではなく、家族をもち、お子さんとのこれからを考えるために本当にだいじなのです。

妊娠はゴールではなくはじまりです、一緒に頑張って行きましょう。

 

☆治療経過、妊娠、出産まで

初診 以降週に1度の頻度で鍼灸治療
初診:足三里(ST36)、三陰交(SP6)、右陰陵泉(SP9)、左外関(TE5)、 左合谷(LI4) 関元(CV4)
風門(BL12)、肺兪(お灸、温灸)
三焦兪(BL22) 右胆兪(BL19) 中膂兪(BL29)、気海兪(BL24)
臍に温灸

自宅施灸指示:足三里(ST36)、三陰交(SP6)、陰陵泉(SP9)、左外関(TE5)、左合谷(LI4)、臍、関元(CV4)

1ヶ月後、IVF チョコレート嚢胞のところしか卵胞育たず見送り
2ヶ月後、IVF 卵巣が腫れてしまい見送り

採卵の周期には入れているので、転院をアドバイスする。
6ヶ月後、採卵ー凍結胚ができた。病院から年齢要因もあり、子宮内膜症の進行も早いので、採卵を続けてみることをアドバイスされた。
7、8,9ヶ月後それぞれ採卵してみるも、よい卵とならず凍結出来ず。
10ヶ月後、採卵ー凍結胚盤砲が出来た。
11ヶ月後、採卵ー凍結胚盤砲が出来た。

凍結胚が3つできたので、移植周期へ
12ヶ月後、13ヶ月後、移植周期、ホルモン値があがらず見送り
14ヶ月後、移植、妊娠、無事に不妊クリニック卒業
妊娠〜10ヶ月後:3100㌘越えの元気な赤ちゃんを出産

 

☆無事の出産を迎えられて

年齢要因や、婦人科疾患、忙しいお仕事と課題がいくつもありましたが、
しっかりとご自身の人生の中で、今するべき事に焦点をあて、
前に進み、無事に赤ちゃんと出会えて本当によかったなと思います。

イラスト ツボ セルフケア

 

年齢要因と、婦人科疾患は、どんどん進み、妊活を大きく阻む壁となります。

それでも、身体作りをし、病院をしっかり選び、前に向かって進む。
不妊治療は不確実です、これをすれば絶対にということはありません。
でも、出来ることをしっかりとやってみる。期間限定の挑戦、応援してます!