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認知行動療法と東洋医学で考える病の原因ー三因学説より

東洋医学の世界、肉体と精神、心と身体

 

東洋医学での世界は、まるごと一つの存在である人には心と身体があると考えています。

それは器質と機能に分けて考えることも出来ますし、

この器質と機能を、器質(血)と機能(気)と考えることもできます。

まるごと一つの存在が生きているときに、動きである部分と、モノである部分を考えるということが根底で、その動きとモノを、気血とという言葉を使うことが多いかなと思います。心身という言葉で、心と身体をあらわしますが、東洋医学だと気血かなという感じです。動きと器質と。まあ肉体と精神というほうが素直に納得できますね。

 

病気の原因を考える、三因学説

 

東洋医学で病の原因を考えるときに、三因論、三因学説というのがあります。

内因(七情内傷)、外因(外邪)不内外因とみっつにわけます。

 

内因ー精神の課題:七情内傷

 

内因である七情内緒は、それほど、人の感情は病の大きな原因と考えているわけです。
面白いよね。

 

七情内傷?そんなバカな?と思ったこと

 

私が初めてこの内因としての七情内傷を知ったとき、そんなバカな(^^ゞと思いました。
しなしかがら、精神、メンタルはとても重要な要因であり、五臓をそれぞれ主り、影響されるのが
七情なのですよね。

五臓の概念から五志+2の七情内傷へ

東洋医学はまるごと一つの人間を、五臓という概念を用い、その五臓それぞれに主る五志(怒喜思悲憂恐驚)という感情が外界の変化に影響を受け、舎る臓にも影響を及ぼすといったイメージでかんがえています。

つまり、外からの出来事で、どうにもならない事を思い悩むと脾が傷む。そして脾が弱っていると思い悩みやすい。そして悪循環という感じですね。

外因は外邪、つまりイマドキだと寒邪とか、燥邪とか。直接身体をおかしますね。

 

三因論の面白:飲食不節、働き過ぎは不内外因(内因でも外因でもない)のカテゴリー

 

この三因論の面白いところは、飲食不節(食べ過ぎ、飲み過ぎ)や、働き過ぎを、病因のカテゴリーにいれ、内因でも、外因でもないとしているのです。まあ、不内外因にはこれ以外に、湿痰と瘀血があり、これはこの存在そのものが病の原因となる(イメージはガンとか)と考えていく感じです。

怖いことがあって恐怖によって、腎の臟が痛んだとか、喜びすぎて心が病むとか。まあ、そんなイメージですね。

 

私の描く、東洋医学の人生物語

私は、人を診るときに、この病因論を使うよりも、時系列でその人の状態が、過去から現時点にどの様にたどり着き、こういう状態を呈しているんだと考え、あらま欲しき未来はこうあってほしいし、そのためにはどう言う手段、考え方があるんだってな感じで考えます。

これがCBTとの相性のよさかもしれませんねえ。

アドラー心理学と認知行動療法について思うこと

最近、認知行動療法(CBT)をジムトレーニングのようにトレーニングしながら学んでいます。

私の認知行動療法の目標は?

認知行動療法って、このCBTジムの目標は、人生のパイロットになるということです。

これって、実は自分の鍼灸治療の場でも何度もお伝えしてきたテーマなのです。

自分の身体は自分の車。その大きさ、技量をしって、上手に運転していければいいよねって。

その上で、運転者(パイロット)が周りを見る力によって、見方がかわり、進路が変わりますね。

自分を見る目、

周りを見る目、

しっかりとした運転者(パイロって)になって、楽しく人生をあゆめるといいですね。

 

アドラー心理学と通じる人生の目標

この人生のパイロットになるという目標をおく考え方は、私が以前にも心理療法としてしっかりとワークもして学ばせていただいた、アドラー心理学とも通じるところがあります。

アドラー心理学の場合は、

  「人間の精神生活を研究する上で重要な問いは

         「どこに向かって?」である」としています。

つまり全ての行動にはどこかに向かう目的があるということです。

そして現時点での「ライフスタイル」を分析し、不都合があれば「ライフスタイルを変更」し、その人生の流れを変えようとしています。

 

私が感じる認知行動療法とアドラー心理学の違い

 

認知行動療法の場合は、ここまで行動に注目はしていない感じが現時点ではしています。つまり、事実に対する自分自身のものの見方(色眼鏡)をかえることで、行動がかわっていくということです。

アドラーでいう、ライフスタイルというのは、自分やり方、いつものパターン。このいつものパターンによって自分が困っている状態であれば、このパターンを変更しようとしています。

認知行動療法の場合は、自分の色眼鏡を確認し、意識し、認知をかえることによって、見える世界を変えていこうという感じです。この自分の色眼鏡をかえることは、見えている世界がかわり、感情もかわります。関係性がある相手を変えようとするのではなく、自分自身の見えている世界がかわることで、自分の感情がかわり、行動がかわるということで、社会の色々な場面での応用が聞きそうです。

 

アドラー心理学と子育て

アドラーが子育てに非常に相性がよかったのは(と、私は感じていました)、親子のそれぞれの人生の目的が一致しているのか、一致していないのかを確認することが容易で、親が目的を、誰の課題であるかを問うことによって、結果的に親子の関係性を良くすることができやすいからなのかなと思いました。

 

人生を楽しく生きていくための、身体と心の使い方

私は心理学そのものに深入りするつもりはありません。

しかしながら、自分の身体には、自分の人生を自分の意思(気持ち)と共に歩んでいく車です。人生の自分の車の運転手として、車に振り回されることなく、運転手として乗りこなし、人生を楽しんでいきたいですね。

 

アイキャッチ画像を作ってみました。
うふふ、猫のヒデヨシ君かわゆす

アドラー心理学

生理不順、体外受精しかないと思ったところの自然妊娠ー出産34歳 0040

不妊治療に長らくお供をさせていただいていますが、妊娠って不思議だなと思うことがよくあります。

子宮卵巣の力を、東洋医学では女子胞(子宮)の力と考えます。

この女子胞(子宮)の力は、基本的には全身の生命力と連動し、健やかな身体であることが妊娠、出産に求められます。

しかしながら、妊娠はちょっとした歯車の掛け違いや、少しのつまずきでおこっていることもあります。ある程度の体調アップをしたところで、妊活への病院でのチェックはしておくべきだと思います。

☆子宮卵巣の力と、全身の体力 女子胞(子宮)の力の不思議さ

排卵や子宮の生命力は基本的に全身の生命力と連動します。

つまり、全身の状態がよければ、排卵も順調におこり、子宮内膜もあつくなり、妊娠しなければ生理がくるといった一連の流れです。

体調をよくすることが妊活を前にすすめる基本であり、王道です。

そしてその上で妊娠には、なんらかの要因で躓いてしまうこともあります。

食事と排卵が連動することもありますし、

ストレス状態が排卵や、キャッチup障害につながることもあります。

まず体調をあげ、それでもなかなか前に進まないときには畏れずに病院での力もかりましょう。

妊娠は年齢要因も大きいポイントです。

☆☆生理排卵と女性の二つのタイプ

女性には二つのタイプがあります。

1)全身の体調と、生理の状況がリンクするタイプ
2)全身の体調と、生理の状況はリンクしないタイプ

つまり、生理や排卵の状態と全身の状態がリンクするのか、独立しているのかということです。まあ完全に同一にはなりませんが、お身体を拝見していると、同じ疲労やストレスなどの負荷が、生理や排卵についてはまったく逆の反応として身体が表現するのだなあと驚くことがあります。

☆1)全身の体調と、生理の状況がリンクするタイプ

このタイプの方は、体調が悪いと、排卵が乱れ生理が来なくなると言うことが多く、

全身の体調と、生理の状況がリンクするタイプです。

全身の体調が悪化すると生理周期がおくれ子宮を中心とする女子胞力がおちてしまい、生理周期がのびたり、妊娠するチャンスが減ってしまいます。

また排卵そのものがなくなり、それを長期間放置してしまうと、体調が復活したり、投薬などをしても卵巣が反応しにくくなってしまうこともあります。

お身体そのものに、生理は負担となります。全身のリズムをつくり、排卵し、高温期を作る。そして妊娠していなければ生理となってリセット。この一連の生理周期は、身体にとっては負荷をかけていることそのものです。

この生理周期がお休みしてくれれば、身体は楽で、回復しやすくなります。

あまり長期間に生理、排卵がないのは問題ですが、寒い時期、疲労、暑さなどのよう院で、少し休んでくれるのは、対処の仕方によっては妊娠にもっていきやすいこともあります。

☆2)全身の体調と、生理の状況はリンクしないタイプ

人間の身体って面白いなあと思うのがこういった全身の体調が悪化という要因でも、1)のようなタイプの方もいれば、2)のようなタイプの方もいるということです。

2のタイプは、体調が悪いと、どんどん排卵がきて、妊娠を急ごうとするタイプ。つまり、全身の体調がわるいからこそ、次世代へという力が強く働き体調が悪いのに生理がしっかりと来るタイプです。

このタイプの方は、時に生理排卵によっての体調悪化が、全身に強い負荷になり続け、妊娠しにくくなってしまっている場合もあります。生理、排卵はちゃんと来ているのに妊娠しないと言うときには、やはり全身状況の点から見直してみる必要があるかと思います。

では具体的な症例からお話ししていきましょう
WEB版、オリジナル弁証論治はこちらから

 

☆3ヶ月に1度ぐらいしか生理がきません。私は妊娠出産できるでしょうか?

30才になります。
妊娠を希望していますが、生理が3ヶ月に1度ぐらいしか来ていない状況です。

20代の前半に体調を崩し、生理も乱れ、花粉症なども出現。なんだか体調が悪いという感じになってしまいました。

30歳で結婚し、生活に負担がかかると再び生理が3ヶ月以上こないという状況になってしまいました。

早く妊娠したいという気持ちはあるのですが、なんとも体調が悪いことが気になり、このまま妊娠したら身体がどうなってしまうのかという不安もあり、なかなか病院へ行く勇気もでません。

私はどうしたらいいでしょうか?

☆まず、体調を整えて。勇気を持って前に進みましょう。

妊娠をしたいというご希望ですね。

また体調そのものが悪いことも気になって、

病院へ行っての治療も勇気が出ないというお気持ちよくわかります。

女性には二つのタイプがあります。
1)全身の体調と、生理の状況がリンクするタイプ
2)全身の体調と、生理の状況はリンクしないタイプ

Yさんは、1)の体調悪化にともない、生理周期も伸びてしまうタイプですね。

食事や生活の不規則さが子宮(女子胞)の力に直結してしまい、体調も悪化、そして生理周期がのび、生理の量も減り妊娠しにくくなっているのではないかと思います。

20代の一人暮らしでの不調は、生理周期が伸びてしまうことだけで終わり、その後、実家暮らしによって体調が回復すると生理周期も戻っていますが、結婚後の負担のある生活は生理周期が大きく伸び、生理の量が減ってしまうという子宮(女子胞)の力を一段と落としてしまっているのではないかと思われます。

また、お身体を拝見すると、30才という若さながら、お腹の生命力をあらわすツボ(気海(CV6)関元(CV4)、大巨(ST27)など)の反応が非常に弱っていて、また足の経穴である湧泉(KI1)、復溜(KI7)、築濱なども冷えています。

足腰の冷えに反し、身体の上部は熱感を持ちやすく花粉症や頭痛となりやすく、口も渇き舌もあかくなっています。また全身をしっかりと包みまもっているはずの肺の経穴が弱りをみせています(肺兪(BL13)、列缺(LU7))また気の鬱滞をしめしています。

ご自身で、体調悪化の原因が、食生活の乱れや生活の乱れがきっかけになっているというご自覚もあるようですね。まだまだ年齢が若いです。まず体調管理し、自分の身体を信頼出来る状態にしていきましょう。その上である程度の期間がたちましたら、妊娠に向けてのステップアップも考えた方がよいかと思います。

☆不妊治療へのアドバイス

いまは、生理周期も非常に長くなってしまい、妊娠をしたいけれど、妊娠しても大丈夫だろうかという怖さもあるということですね。確かにそのお気持ちもよくわかります。ある程度までは体調をあげることを中心にしてもよいかと思います。

しかしながら妊娠は体調だけが連動しているのではなく、ちょっとした歯車の掛け違いでもおこります。半年から1年程度の期間をすぎても妊娠しない場合は、おそれずに病院を受診し、不妊治療を前に進めましょう。

イラスト ツボ セルフケア 応援

☆東洋医学的な見たて

弁証論治:腎虚を中心とする全身の気虚肝鬱 益気補腎
治療方針:腎気をたて下焦の充実をはかる。
肝鬱も症状としてはきつくあらわれているが、もともとの腎気の弱りから生じているので、腎気を中心にそこあげし、体調のupをはかる。

 

☆治療経過、体調がよくなり、自分の身体への信頼を取り戻す

初診:

列缺(LU7)、復溜(KI7)、三陰交SP6) 鍼してお灸
肺兪(BL13)、気海(CV6)、関元(CV4)、大巨(ST27) 温灸
脾兪(BL20)、三焦兪(BL22) 腎兪(BL23) 次髎(BL32) 鍼して温灸

セルフケア:列缺(LU7)、三陰交(SP6)、気海(CV6)、関元(CV4)、脾兪(BL20)、三焦兪(BL22)、次髎(BL32)などのお灸

ご本人の希望もあり、2年ほど鍼灸治療を継続。その後病院でのタイミングを少し誘発をしながらおこなう。半年ほど薬を使い続けたので、生理周期が再び伸びてしまったので、少し病院をお休み。

タイミングをとり、フーナー検査も良好だったので、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療しか妊娠につながらないのではということで、体調を整え、再度の病院受診を考えていたところ、自然妊娠。

34歳にて、無事に元気な男の子を出産されました。

☆養生をかさねて、すんなりとやってきてくれたコウノトリ。
よかったですねえ。

妊娠したいというお気持ちと、このままの体調で妊娠したらという不安があり、なかなか前に妊活を踏み出すことが出来ない状態でした。

不妊ということだけに焦点をしぼれば、鍼灸を開始して半年から1年での病院受診が標準的ではあります。

しかしながら、ご本人が、体調がよくなったことで自分自身で決める力もあがられたように思います。

2年後から病院を受診され、薬を使ってのタイミングを半年ほどしたことで生理周期がのびてしまったのでお休みしているときにの自然妊娠。結局、体調を整え、自然な妊娠がやってきたと言うことだと思います。またご本人の自分自身の身体を信頼することも、すんなりとコウノトリがやってきてくれることとつながったのかなと思います。

30才の時に鍼灸治療をスタートし、2年。

32才病院受診、半年休んでの33才自然妊娠、34才出産となりました。

妊娠は、年齢要因などもあるので、ある程度のところでの病院受診も必要だと思います。

それでも、ぴょこんとやってくるのが妊娠。よかったですねえ。

私もとーっても嬉しいです。

赤ちゃん

赤ちゃん
イラスト ツボ セルフケア 三角温灸

34才からの妊活、39歳自然妊娠での出産ができました。0196

妊娠は不思議なものですねえ。

いつもそう思わずにはいられません。
今回の症例、39歳での無事の自然妊娠、そして出産へとつながりました。

しかしながら、妊娠の希望がスタートしたのは34歳。

一人目の妊娠出産は31才の時で妊娠を希望してすぐに妊娠出産なさっています。

そして34才、妊娠を希望しながらもなかなか妊娠が成立せず。
37才でやっと成立した妊娠も心拍確認にいたらず流産。

振り返れば39才での自然妊娠、出産に致るには長い道のりがあったのです。

37歳での鍼灸治療開始。

この年齢だと、年齢要因的にも妊娠が難しくなり始めています。

体調的な問題と、年齢要因。

この両輪を考えていきながらも、どういった選択をすべきなのか。

症例を通じ、一緒に考えていきましょう。

☆妊娠を考えるときの要因

妊娠したいと思い、1年以内に医療介入せずに妊娠する。

これが大多数の人の流れです。

流産があったり、何度かはタイミングが合っていたのに妊娠しないということも

ある程度あたりまえのことではあります。

ちょっと昔までは、この1年以内が2年以内という時期もありました。

現在では、妊娠したいと思い始めるスタートが遅いので、1年以内ということになっていますね。

それほど妊娠に年齢は大切です。

☆☆基本的なチェックは早めに

いままで一度も妊娠したことがないという場合は、やはり適切な医療介入をすべきケースが多いと思います。

また案外多い要因として男性側要因。

基本的な妊娠に関するチェックは早めに受けましょう。

☆☆1度妊娠経験がある場合(流産も含む)。

1度妊娠経験があり、出産もしている場合や、流産になり出産にいたらなかったなどさまざまなケースがあるかと思います。

妊娠する力があるということは、妊娠した時と同じ体調であれば、妊娠できる可能性が高いこと。

また、受精、着床までは自然な形で出来るカップルであるということですから、
  『体外受精すれば大丈夫』とはならない場合が多いことを考えておきましょう。

こういったふたりめ不妊や、流産御妊娠しにくいと言ったケースは、多くの場合身体の力を落としたことが原因になってることが多いです。

まず体調の底上げを考えていきましょう。z
また流産要因についても、体調との兼ね合いで考えていきましょう。

☆☆年齢要因についての考え方

年齢要因は非常に大きな要因です。

ただ、医療介入によっては救えない要因でもあります。

なるべく治療を急ぐことがとても大切。

その上で、妊娠が成立している人の場合は、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療が必須にならない場合があるということも、考えておきましょう。

☆☆☆凍結は時間をお金で買えるという発想もあり。

流産が多いタイプの方の場合、妊娠のチャンスが複数回あることが大切です。

しかしながら、年齢要因が上がってきている場合は、その妊娠のチャンスそのものが少なくなってしまっています。

こういったときに、高度生殖医療を使い、凍結胚を作っておくと言うことが年齢要因を救うことにもなる場合があります。現在の保険制度では、貯卵はできませんが、ご自身の状況によっては、この発想をもつこともありではないかなあと思うことがあります。それほど年齢要因というのは大きな要素ですね。

☆症例から学ぶ:体調の回復によって自然妊娠、39才での出産に至る道のり。

・妊娠と、体調はどこまで回復させれば良いのか?
・年齢要因との兼ね合いは?
・生殖医療の介入はいつにすべきか?

迷いが多いですね。

この症例は、せっかく成立した妊娠が流産につながり、その流産によって生命力をもう一段落としてしまうという悪循環になってしまっていました。

そのため体調の回復そのものにかなり時間を要し、年齢要因と重なってくる時期(30代後半)となってしまいましたが、ご本人のご希望により、鍼灸のみの不妊治療継続となり少し時間はかかりましたが、無事の妊娠、出産とつながりました。

このあたり、どのような選択でいくのかは迷うところですが、生殖医療は、ご夫婦のご希望にそうのが一番だと思っています。一緒にだいぶ悩みましたが、良い流れになって私も嬉しいです。

☆ご相談:37才です、なかなか妊娠できません。どうしたらいいでしょうか?

31才の時に一人目を自然妊娠、出産しています。

産後に体調を大きく崩し、腰痛や、眼の疲れやすさ、疲労感を強く感じます。

34才から二人目の妊娠を希望し、37才で1度妊娠出来たのですが、心拍確認は出来ず流産してしまい、その後は下腹部に痛みを感じたり、寝つき、寝起きが悪い状態が続いています。

冷えについて。とても気になります。お尻やふくらはぎなど下半身に冷えを感じ、足下が寒いなあと思うことがよくあります。

☆ビッグママ治療室からのお返事

31才の時に自然妊娠し、出産。また37才でも自然妊娠をされているのに、流産。とても残念でしたね。

お身体の状態を拝見したり、お話を伺うと、妊娠に一番大切な、生命の土台の力(腎気)が不足しているのではないかなと思います。

もともとこの生命力の土台の力(腎気)が不足し、その土台の力(腎気)の力の上でなりたつ女子胞(子宮)の力が足りず不妊、流産へつながっていると思われます。

そして、出産や流産はこの腎気や女子胞(子宮)の力をとても使いますので、この出産、流産後に妊娠しずらくなるという悪循環もよくおきてしまうのです。

またもともとの血流の悪さも、妊娠にしずらさ、そして着床障害、流産へとつながっています。

しっかりと生命の土台の力(腎気)をつけ、身体を温煦(暖め養う)する力をつけることが、血流アップにつながります。血流がよくなるような身体作りをしていくことが、ポイントになると思います。

一人目を自然妊娠された方は、お体の手入れによって二人目も同じ経過で妊娠されることが多いです。

一緒にがんばっていきましょう。

☆☆東洋医学的な方針

<弁証論治>
弁証:腎虚を中心とする全身的な気虚
論治:補腎益気

<治療指針>
腎の温陽を中心に、まずは腎気の立て直しを図る。また補腎下焦による腎の根を付けつつ、元々弱い肺気も同時に補うことで、肝気が収まりやすくなるようにしたい。

脾気の弱りに関しては、食事量など自己養生で注意を促したい。

☆治療経過

37才 ビッグママ治療室初診

週に2回程度の鍼灸治療を始める、自宅での養生

1年:体調が回復するもののなかなか妊娠せず、西洋医学的なアプローチもお勧めするが、ご本人の希望や仕事の忙しさにより、鍼灸のみでの不妊治療継続。

1年半:無事に自然妊娠、39才にて出産

「立派な胎盤!」と助産師さんたちにいわれましたとのこと。

おめでとうございます。

☆あとがき

しっかりと体調をあげることが自然な妊娠につながりましたね。

流産後の体調不良の回復が大きなテーマであり、それなりの回復をするものの年齢が38才を超え、通常であっても妊娠が成立しにくい状況が重なってきましたので、西洋医学的な不妊治療も平行することをお勧めしましたが、ご本人の仕事の忙しさや判断もあり、そのまま鍼灸のみでの体調管理となりました。

この年齢要因がある場合の選択は迷いも大きくなりますが、妊娠する力のある方の場合、医療介入が答えではないことも多いので、腹を決めて前に進むことも必要なことがありますね。

イラスト 猫

二人目不妊、年齢高めの妊活。ポイントを絞ってゴー 0334

二人目不妊、年齢高めの妊活。ポイントを絞ってゴー 0334

二人目不妊でお悩みの方、案外多いと思います。

お子さんを欲しいと思う方にとって、『二人ぐらいは・・・』と考える方は

多いと思いますし、はじめは、『一人居れば充分』と思っていても、子育てしてみると大変さのなかから、『人間の関係性』を感じ始め、やっぱり二人目をと思う方も多いと思います。

二人目不妊には、コツがあります→まとめはこちら(二人目不妊妊活の3つのコツ)

さて、症例(仕事、子育てで体力低下。忙しいなか、スムーズな妊娠出産(40歳出産)からお話ししていきますね。

 

☆ご相談:もうすぐ40才です、二人目がなかなか妊娠出来ません。どうしたらいいでしょうか?

39歳女性 155㎝ 48㌔

36才の時に第一子を妊娠出産しました。

産後、体調が悪く体重が6キロ減少してしまいました。甲状腺の課題と指摘されなんとか回復出来ました。

第一子は妊活してすぐ授かることができました。今回は半年ほどたちますがなかなか妊娠出来ません。

また、フルタイム勤務で身体が疲れていることや頭痛などが気になります。

もうすぐ40才と年齢的にも妊娠しにくくなっているのかなと思うのですが、仕事や、上の子供の子育てをしながらの病院通院はなかなか大変なのですが、なんとか、がんばれたらいいなあって思っています。

体調をよくしながら、妊娠そして出産したいと思っています。

何か出来ることがありますでしょうか?

☆ご相談にお答えして。 体調を整え前に進みましょう

子育てをしながらも妊活、体力的にも、精神的にもなかなかハードですね。

少しお身体の状態を考えていきましょう。

・もともとの強い肩こりや頭痛が産後からより悪化していること。

・梅雨時に体調悪化すること、秋冬に頭痛や肩こりなどが悪化していること。

・頭痛、肩こりは20代前半から非常にきつく、眼も疲れやすいこと。

・食事は、空腹感があり、お腹が張ったりすることはないこと。

・二便に問題はなく、睡眠も良好。しかしながら疲労感があることはよくあること。

・生理は、20代よりも経血量は減少、高温期に腰や下腹、胸の張りなどがつよいこと。

肩こりや頭痛など、身体の上部に気の鬱滞が元々生じやすいこと。

梅雨時に弱いと言うことは、身体の中に湿気(内湿)の可能性がうかがわれます。

これが、だんだん悪化していることが気になりますね。

次に、東洋医学的な体表観察の観点を整理します。

脉状:尺位から寸口の輪郭が甘い

舌:舌やや色褪、

腹診:脾募薄くあり、中脘(CV12)動機、臍が抜け、気海(CV6)抜け、左大巨(ST27)奥が冷え

手の皮膚が薄い

経穴診:内関(PC6)やや陥凹、外列缺(LU7)陰りあり、右合谷(LI4)発汗、右神門(HT7)はれ。

大椎発汗。右胃兪(BL21)、両三焦兪(BL22)陥凹、抜け。次髎(BL32)つまり。頭部やや熱感あり。下肢に静脈瘤少しあり、左右大都(SP2)冷え、左公孫(SP4)陥凹冷え、右湧泉(KI1)冷え、三陰交(SP6)冷え、復溜(KI7)つまり右>左、陰陵泉(SP9)やや緩み。

足の冷え:三陰交(SP6)から下、腎経Lineつまり。

皮膚の下の内湿を思わせるような重さがある。

☆☆お身体全体を拝見しての東洋医学的なアドバイス

お身体を拝見すると、確かに体幹に比べて強い冷えが下肢中心に感じられます。

足首から下の三陰交(SP6)、腎経Line、公孫(SP4)大都(SP2)などの冷え感と、上背部、頭部の熱感などをみると、全体の気血の巡りの悪さを感じさせます。

皮膚の薄さと脾募ののりかた、皮膚の内湿を思わせる動きの悪さなど、この冷えに体内にある湿気がかさなり、気血の巡りにより重さを加え、巡りにくくなっているために、肩こりや頭痛などが重くなっていると思われます。

臍、大巨(ST27)、三焦兪(BL22)、腎兪(BL23)などという身体の土台となるべき部位の経穴も抜けているのは子育ての疲労や、産後の体調悪化の可能性もあります。土台の力を回復させつつ、気血の巡りをよくし、妊娠、出産をのりきっていける身体にしていきましょう。

弁証:脾虚内湿 腎虚肝鬱 内湿
論治:益気補脾補腎、疏肝理気。

治療方針:補脾を中心とし、気血の巡りをよくしていく。内湿に関しては、補脾と全体の理気により、自然の流れで排出していくようにしていく。

イラスト 体調 内湿 腎虚肝鬱

☆☆妊活へのアドバイス:わがまま、自分勝手、自分優先は妊活の大事な心構えです!

頭痛や肩こりの症状となっている、気血の巡りが悪さは妊娠におおきな影響を与えます。それにくわえ、内湿という東洋医学でいうところの湿気が身体にあり、これがより巡りを悪化させ、肩や頭などよく使うところに負担をかけています。

妊娠に向かっては、この2つの課題が問題となりますが、巡りをよくすると言うことよりも、脾気という胃腸の力をアップさせることを中心に考えていくことが、結果として全体の調子をよくし、気血の巡りにも貢献していくと思われます。巡りを考えるのではなく、健やかな胃腸の力をつける。その結果として巡りがよくなっていくということです。

この状態によって、気血が自然と巡り、妊活の子宮卵巣血流をあげていくことに直結します。しっかりと意識的に体調アップしていきましょう。

また、非常に物静かで、冷静な方ですが、ご自身の内に秘めた我慢強さは、気血の巡りを悪くする要因でもあります。時にストレス解消で身体を動かしたり、気持ちをゆったりとさせることも大事です。我慢強い方はしらずしらずに身体に力が入り、巡りが悪くなっていることがあります。肩の力を抜いての生活も大事ですよ。

わがまま、自分勝手、自分優先は妊活の大事な心構えです!

☆☆食事について

食事はもともと気を使ってバランスのよい食事となっていますが、主菜でのタンパク質摂取に加えて、ビタミンACEを意識して血流のよいお身体であるように意識していただければと思います。

 

☆☆西洋医学的な不妊治療について

甲状腺の課題は、妊娠、出産にはとてもポイントとなりますので、しっかりと病院でのフォローを受けながら妊活なさってくださいね。

不妊治療に関しては、年齢要因もありますので、病院の指示同理にステップアップなさっていくのがよいかと思います。

☆治療経過

ビッグママ治療室 初診

1)大巨(ST27)、関元(CV4) 臍の温灸

 右神門(HT7)、右外関(TE5)、右陽池(TE4)、右足三里(ST36)、三陰交(SP6) 鍼してお灸

2)肺兪(BL13)温灸

3)右胃兪(BL21)、 三焦兪(BL22)、左腎兪(BL23) 次髎(BL32) 鍼して温灸

セルフケア:大巨(ST27)、関元(CV4) 三陰交(SP6)、右の足三里(ST36)外関(TE5)陽池(TE4)

初診治療後、一度も目覚めずに起きることができた。

その後、週に1度ぐらいのペースで鍼灸治療。

3ヶ月後採卵し凍結。

足の血流がよくなく、とくに三陰交(SP6)から下の冷えがきついので、しっかりと血流を出るようにセルフケア指導。

6ヶ月後移植ー妊娠ー無事に出産

☆まとめ

仕事、子育てと色々な課題があると、なかなかご自身の体調管理までは手が回らないというのも現実だと思います。そのなか年齢要因を意識しながら、ご自身のために時間をつくり、上手に第二子の妊娠、出産とつながっていけたことは、ご本人の地道な努力のたまものだと思います。

もともとの気血の巡りの悪さは、ご自身の人生の課題でもあるかと思います。

疲労を溜め込みすぎないこと、意識しない我慢を重ねないこと、食事でのビタミンACEなど意識しながら楽しく日々を送ってくださいね。

アンケートにお答えして

アンケートのご記入ありがとうございます。アンケートはこちら12−3

子育てをしながらの、日々の生活、お仕事、体力的にとても大変だったと思いますが、

よく考え、決断し、スムーズに妊活も進められ、無事の妊娠、出産おめでとうございます。

仰るとおり、ご自身の身体を労り、ご自身の生命力を高めることが、人生の質を上げることだと思いまとす。子育てを楽しみながら、充実した人生でありますように願っております。